やじうまミニレビュー
タブレットをシールで貼付?ディスプレイアーム取付用のアダプタを使ってみた
2022年9月14日 06:23
タブレットをサブディスプレイとして使うニーズは少なからずあるが、ディスプレイアームに取り付ける方法は少ない。以前紹介したVESAマウント拡張用のアタッチメントのような製品はあるが、フィット感は低く、見た目もあまりスッキリしない。
今回紹介するFelimoaの「VESAマウント対応アダプター」は、VESA規格のマウントに取り付けるネジとシールが一体化しており、それをタブレットの背面に貼り付けることで、ディスプレイアームへの取り付けを可能にする豪快な一品だ。実物を購入したところ、意外にも? 実用的であることが分かったので、ミニレビューをお届けする。
ネジと一体化したシールをタブレットに直接貼り付け
本製品はネジの頭部に、シールが貼られた台座が一体化している。構造を見ると、ネジの頭部を囲うように樹脂製のパーツがあり、そのパーツをまるごとシュリンク包装するような形で、面積50×80mmのシートが一体化している。この構造ゆえ、普通に利用していて、ネジ単体がシートから分離することはまず考えにくい。
このシートの裏は粘着面になっており、これをタブレットの裏面に貼り付けることになる。とはいえタブレットに直接貼るのはあまり望ましくないので、保護ケースを用意し、そこに貼り付けることによって、タブレット本体は着脱できるようにするのがベターだろう。
このアダプタ本体(ネジ+シート)は1つ1つが独立しているので、VESAマウントに取り付けるには、ネジの数、つまり計4個が必要になる。パッケージにはこれが8個封入されているので、2セットが含まれている計算になる。ネジを通したあと、付属のナットを使って固定する仕組みだ。
耐荷重は1つあたり約10kgまでとされている。今回の作例で用いている12.9インチiPad Proは本体のみで約700g、保護ケースを足して1kgあるかないかなので、まず問題はない。モバイルディスプレイを取り付ける場合も、15.6型クラスで1kgを超えることは考えにくいので、こちらも大丈夫だろう。軽さがむしろネックになる点については後述する。
取り付け手順は特に指定されていない。本製品を先にタブレットの裏面に貼ってからVESAマウントに取り付ける順序だと、きちんとVESAマウントのネジ穴にはまるとは限らないので、本製品を先にVESAマウントに取り付け、ネジ同士の正しい間隔を維持した状態でタブレットを貼り付ける順序のほうがよいだろう。
なお今回は12.9インチiPad Proの取り付けにあたって、ハードタイプの保護ケースを調達し、それを介して取り付けを行なった。本製品はモバイルディスプレイの取り付けも可能だが、その場合はこうした保護ケースが用意されているとは限らず、本体に直接貼り付けなくてはいけないのがネックになりそうだ。
VESAマウントに装着できるハンドルを追加すればさらに盤石
さて実際の使用感だが、なかなか良好だ。タブレット専用のアームだと、大判のタブレットの自重に耐えられないこともしばしばだが、ディスプレイアームなのでそうした心配もない。また上下から挟み込むアタッチメントと違って、正面からは部品が見えないので、見た目も良好だ。
問題点があるとすれば、位置を動かしたり、画面を回転させるにあたり、どこを持って力を加えるか迷うことだ。本製品の粘着力は相当強く、ちょっとやそっとで剥がれることはなさそうだが、それでも強い力を加えないと動かないほどディスプレイアームの機構が固ければ、外れてしまわないか気を使う。
こうした場合は、VESAマウントに取り付けて動かしやすくするハンドルを追加するとよい。これを本製品とVESAマウントの間に挟むように設置すれば、タブレット本体や保護ケースに触れることなく、位置を動かしたり画面を回転させられる。約3千円ほどの追加出費が必要になるが、あらかじめ必要なコストとして見積もっておくとよいだろう。
最後になるが、1つだけ気をつけたいのは荷重範囲だ。PC用の大型ディスプレイを取り付けることが前提のディスプレイアームは、最低でも2kg程度の荷重がかかることが前提の製品が多く、タブレットのように軽い製品を取り付けた場合、位置を下げようとしても下がらない場合がある。ガスシリンダー式のチェアに体重の軽い子供が乗ると、レバーを引いても座面が下がらないのと同じだ。
ディスプレイアームの荷重範囲は、上限は書かれていても下限は記述のないことも多いので、デスクの天板スレスレの低い位置にセットしようと考えている人は、製品選びにあたって気をつけたほうがよさそうだ。