やじうまミニレビュー

HPブランドの内蔵SSD 2製品をテスト

やじうまミニレビューは、1つ持っておくと便利なPC周りのグッズや、ちょっとしたガジェットなど幅広いジャンルの製品を試して紹介するコーナーです。
S700 Pro 2.5"

 株式会社プリンストンは、HPブランドのSSD製品11機種31モデルを10月15日に発売した。価格はすべてオープンプライスだ。

 今回、このなかから、SATA接続で2.5インチのハイエンドモデル「S700 Pro 2.5"」の512GBモデル(税別実売価格14,900円前後)、およびNVMe M.2接続のハイエンドモデル「EX920 M.2」の512GBモデル(同20,300円前後)の2製品をテストする。

 いずれの製品も、ティア1のNANDフラッシュメーカーの最高品質チップを使用。また、HPの生産プロセス及び標準規格に準拠した製品デザイン、厳格なテストプロセスによる高品質が謳われている。

 製品パッケージはなかから外までHP一色といった印象で、(残念な日本語訳であるものの)多言語ガイドまで付属するなど、抜かりはない。また、HP SSD S700 Pro 2.5"は3年間、EX920 M.2は5年間保証になっており、既存の他社製品に引けを取らず、PC自作ユーザーも安心して購入できる。

 大手PCメーカーの純正品は、一般的にアフターマーケットパーツと比較してかなり高価になりがちだが、先述のとおり、S700 Pro 2.5"の512GBモデルは税別14,900円、EX920 M.2は税別20,300円前後と、比較的手が届きやすい価格になっているのも特徴だ。

 市場にある同クラスと比較すると5,000円程度のプレミアムは乗っているが、これは同じHPブランドに下位の製品が複数存在するためで、それらとの差別化のための価格設定とみられる。HPというブランドや最長5年の保証などを考慮すれば、妥当な価格設定ではないだろうか。

ベンチマーク

 S700 Pro 2.5"はシンプルな2.5インチSATA 6Gbps接続タイプ。内蔵SSDの多くはさほど外観にこだわっておらず、大半はデザインされたシールを貼り付けて終わりなのだが、本製品は高級感のある外装に加え、HPのロゴを筐体にきちんとプリントするなど、それなりのこだわりが見られる。

 性能面では、HPの独自コントローラ、DRAMキャッシュを内蔵し、TLC 3D NANDの採用が謳われているが、CrystalDiskMarkによるベンチマークではリードで最大542.2MB/s、ライトで最大481MB/sと、SATA 6Gbps接続品としては一線級の性能を発揮した。

S700 Pro 2.5"のパッケージ
しっかりとした緩衝材と簡易ガイド、ネジが入っている
SATA 6Gbpsインターフェイスだ
CrystalDiskMarkの結果
ATTO Diskbenchmarkの結果

 EX920 M.2もオーソドックスなPCI Express x4/NVM Expressに対応したM.2接続のSSDである。こちらはさすがに基板+シールのみのシンプル構成だ。HPロゴの入ったコントローラが見えるが、外観からするにSilicon Motion製のOEM品とみられる。

 こちらもCrystalDiskMarkでリード最大3,065.6MB/s、ライト最大1,705.9MB/sを記録した。さすがにSamsungの「970 EVO」や「970 PRO」といった強豪には敵わないが、M.2 SSDとしてはハイエンドな部類に入る。

EX920 M.2のパッケージ
内容物
2280規格に準拠している
両面実装となっており、コントローラが1つ、DRAMが2つ、NANDが4つ
DRAMキャッシュはNanya製のNTCC128M16JR-EKが使われていた
NANDにはBW29F1T08EMHAFの表記があるが、詳細は不明
CrystalDiskMarkの結果
ATTO Diskbenchmarkの結果

 HP製PCと相性がいいのはもちろんだが、自作PCを組むさいも、一風変わったブランドのパーツがほしいといったニーズに応えられそうだ。

テスト環境

CPU:Xeon E3-1225 v6(3.3GHz)
マザーボード:GIGABYTE GA-X150M-PRO ECC
メモリ:DDR4-2400 16GB
メインストレージ:WD Black2 128GB SSD+1TB HDD
ビデオカード:GeForce GTX 950
OS:Windows 10 Pro(1809)