やじうまミニレビュー
変形してHDDスタンドにもなる2.5インチHDDケース
2018年10月22日 06:00
バルクのHDDを組み込んで外付けドライブとして使用するケースは、不要になったHDDを手軽に再活用できる製品として人気が高い。Amazonで検索すると、国内外を問わずさまざまなメーカーの製品がヒットするが、構造的にはシンプルなこともあってか、なかには千円を切る廉価な製品もあるほどだ。
こうしたHDDケースの差別化要素としては、USB Type-AあるいはType-Cといったインターフェイスの違いを除けば、せいぜい筐体のデザインや色の違いくらいしかないわけだが、今回紹介するSOWTECHの2.5インチHDDケースは、通常のケースとしての利用に加えて、スタンドとしても使えるという点で、ほかにないユニークな製品だ。
HDDケースとスタンドの2WAY製品
SOWTECHの「2.5" HDD ENCLOSURE/DOCKING」は、USB 3.0対応の外付けHDDケースだ。7~9.5mm厚のSATA 2.5インチHDD/SSDを差し込むことによって、バスパワー式の外付けHDDとして利用できる。容量は最大8TBまで対応する。
この製品の特徴は、スタンドとして使えることだ。ケースを開いてHDDをセットし、普通に閉じればそのまま外付けのポータブルHDDとして使えるのだが、上蓋に相当する部分を逆向きに回転させることで、およそ135度の角度で固定し、そのままスタンドとなる仕組みだ。
この状態では、ちょうど市販のHDDスタンドのように、HDDを上から差し込んだような外見になる。HDDはネジなどで固定する必要はないので、使いたいドライブをサッと差し込むだけで使えてしまう。蓋をしてケースとして組み上げる必要はないので、何らかの事情でひとまずHDDの動作確認だけを行ないたいといった場合に重宝する。
ケース本体は、ヒンジ部で回転できる機構を備えているため、一般的な2.5インチ用ケースに比べて一回り大きい。筐体はプラスチック製だが、天板部には合皮のシートが貼られているため安っぽさはなく、手触りもよい。また側面にはラバーが貼られているため、熱を持ちやすいHDDを組み込んだ場合でも、熱くて持てないことはなさそうだ。
ヒンジ部分には、電源およびアクセスのステータスを表示するLEDが搭載されている。輝度はかなり高く、夜間につけたままだとまぶしく感じられるので、必要に応じて上からスモークのシールを貼るなどして、LEDの光量を下げてやるとよいだろう。このあたりは海外製品にありがちな仕様だ。
なおこの製品、Amazonの商品説明によるとUASP(USB Attached SCSIプロトコル)モードもサポートするとされている。取扱説明書や製品ページではとくに記載がないのだが、Windowsでデバイスマネージャーを見ると「USB接続SCSI(UAS)マスストレージデバイス」として認識されているので、確かにサポートされているようだ。
「ひとまずHDDの内容をチェック」に便利なアイテム
少々もったいないと感じるのは、HDDをイジェクトするレバーがないことだ。スタンドタイプの製品の多くは、抜き差しを容易にするために、ワンプッシュでHDDを取り外せるレバーが備わっているのが一般的で、同社が発売しているスタンド型の製品もそうした機構を備えるが、本製品はそのような機構はない。
そのため、HDDを抜く時は、HDDをしっかり握って少しずつずらしながら引き抜くしかない。故障につながりやすい機構をなるべく省きたい意向は理解できるが、短時間のうちにドライブを次々に交換しながら中身をチェックする用途ならば、本格的なスタンドタイプの製品を選んだほうがよいかもしれない。
以上のように、あくまで2WAY製品の域を出ないところはあるが、故障が疑われるHDDの動作確認を行なったり、ひとまず内容をチェックしたい場合に、ネジ止めして完全に組み上げなくとも使えるのは何かと便利で、かつ動作に問題なければそのまま収納してポータブルHDDとして使えるのは手軽でよい。そうした利用シーンも視野に入れて、2.5インチのHDDケースを探している方にはおすすめできる製品だ。