笠原一輝のユビキタス情報局

モバイルVAIOの故郷、ソニーイーエムシーエス 長野テック見学記



ソニーイーエムシーエス 長野テック

 「VAIO Xシリーズ」の開発陣へのインタビューは別記事(前編後編)でお伝えしたが、本記事ではそれと同時に行なわれたソニーイーエムシーエス株式会社 長野テックにあるVAIOの開発拠点および製造工場への取材のレポートをお伝えしていきたい。

 ソニーの子会社であるソニーイーエムシーエスは、ソニー製品の製造を請け負っている企業で、長野県安曇野市にある長野テックではVAIOの製品の中でモバイル系の製品(VAIO Xシリーズ/P/T/Zなど)の生産と、ソニースタイルで国内から注文のあった製品のCTO(Customise To Order)を行なっている。また、インタビューでも触れたとおり、ソニーではモバイル系PCの設計を長野テック内で行なっており、上流設計の段階からQA(Quality Assurance、品質保証)や製造ラインの担当者なども参加して、設計から製造までが一体となった製品設計に取り組んでいる。

●過度の衝撃に耐えられるか実機でテスト

 別記事でも触れたように、VAIO Xシリーズの設計では、QAと呼ばれる品質保証の担当者が、設計の初期段階から関わり、設計を行なうエンジニアに対して助言を与えている。

 一般的にQAという作業は主に製品がある程度形になってから取り組むことが多い。というのも、QAの訳語である品質保証の言葉の通り、その製品がエンドユーザーの手に渡る前に、エンドユーザーに渡す品質に達しているかをチェックする役割がQAであるからだ。

 だが、長野テックにおけるVAIOの設計ではその常識が完全に覆っている。「上流設計を行なっている段階で、ここは問題になりそうだから、このようにしてくださいと助言をする」(笠井孝史氏、ソニーイーエムシーエス株式会社 長野テック 品質保証部)との通り、QAチームが設計段階で見つけた問題をエンジニアに指摘することで、完成してからのQAで問題になりそうなことを極力減らしているのだ。

 というのも、通常のQAのプロセスでは、ほぼセットとして組み上がった段階で問題を指摘するので、すでに高価な金型が完成している段階だったりすると、指摘してもそれが最終製品に反映されない場合があるからだ。そうした問題を避けるためにQAの担当者が上流設計の段階(つまりまで設計図の段階)にも参加しているのだ。

 とはいえ、実際の製品として出荷するにはもちろん通常のQAテストももちろん重要だ。例えば、過度の負荷に対してどこまで耐えられるかの負荷試験は、毎日持ち歩くことになるモバイルノートPCには重要なテストとなる。長野テックでもこの手のテストは多数行なっているとのことだが、今回、報道関係者に公開されたのは、

  1. 角衝撃試験
  2. 加圧振動試験
  3. 落下試験

という3つの負荷試験だ。角衝撃では、ノートPCの一部を持って、床に当ててみたり、下から衝撃を与えたりしてそれに耐えられるかをテストする。こうしたテストを行なうのは、VAIO Xシリーズのようにこれだけ薄くて軽いと、ユーザーが一部分だけをもって振り回したりとかそういうことも想定されるからだろう。

 加圧振動では、ノートPCを挟み込みそれで振動を与えて問題ないかを調べている。ちょうど、カバンの間で本と本の間に挟み込まれ満員電車に揺られている、そんな状況を想定したテスト。そうした状況では、クリアランスが少なく、ノートPCに通常では考えられない負荷がかかることになるので、そうした状況でも問題ないかを確認するテストだと言える。

 最後は、こうしたノートPCへの負荷試験ではおなじみの落下試験だ。ある一定の高さ(高さは未公表)にVAIOを設置し、コンクリートの床に落としてみてきちんと起動するのかを試すというわかりやすいテストだ(読者の多くも、つい"あっ"と思ったことは、一度は経験があるだろう…)。こう言ってはなんだが、見ているこちらの方が思わず“あっ”という声を出したくなってしまう、そんな衝撃的なテストだった。なお、いずれのテストを行なったあとでも、きちんとVAIO Xシリーズは起動していたことは付け加えておきたい。

 笠井氏によれば、このテストはあくまで実環境を想定したテストで、それに耐えられるような設計をしているのを確認しているそうだが、「実際にそうした使い方をしても壊れないという保証をしているわけではない」(笠井氏)とのことであるので、実際にそうした使い方をして壊れてもソニーの方で保証するわけではないことは注意してほしい。大事な自分のモバイルPCをそんな使い方をする人はいないと思うが、念のため。

角衝撃試験の様子。PCの端の部分を持って振動させ、衝撃を与える加圧振動試験の様子。金属の板で挟み込み、振動を与える
落下試験では、ある高さからVAIOを落下させ、起動するかどうかをテストする【動画】角衝撃、加圧振動、開閉、片持ち振動の試験の様子(ソニー提供)

●EMCサイトでは電磁波の問題や、電波の特性などの試験を行なう

 EMC(Electro-Magnetic Compatibility)とは、電子機器が発する電磁波の不干渉性および耐性をテストする試験で、電子機器が人体に悪影響を与える電磁波や電波などを発生していないことを調べ、製品を出荷するレベルにあるかどうかなどをテストしている。日本の大手家電メーカーは一般財団法人VCCI協会が規定するクラスBという規格を満たす必要がある。

 なお、こうした規定は日本だけでなく、世界各地で規定が決まっており、例えば米国ではFCC(Federal Communications Commission、連邦通信委員会)の規定するPart 15bを満たす必要がある。長野テックでは、日本向けのVAIOだけでなく、世界市場(正規の出荷ラインだけでも54カ国/地域)に出荷するVAIOのモバイルノートPCを生産しているため、そうした世界中の規格を満たす必要があるのだ。

 長野テックにはこうしたEMCに関するテストなどを行なうためのVAIO設計部 EMCサイトというテストラボが用意されており、VAIOの電磁波や電波特性などに関するさまざまなテストを行なっている。

EMC試験を行なうVAIO設計部 EMCサイト

 以前はEMCサイトでも、動作試作品ができあがってから本格的にEMC設計を開始する体制が一般的だった。今ではEMCサイトのエンジニアが設計図の段階から参加し、機構設計や電気設計のエンジニアとともに、電磁波や無線関連特性の設計を行なっているのだという。例えば、電波関連の問題をシミュレーションするツールを内製し、それを元に基板やセットのデザインを起こす段階である程度まで電波のシミュレーションを行なうことができるようになっているのだという。

 もちろん人体に影響を与えないという意味での電磁波を抑えるのもそうなのだが、ユーザーの使い勝手に大きな影響を与える無線電波の特性をよくするという取り組みが設計段階から行なわれているというのはユーザーとして嬉しいところだ。特に最近のノートPCは、Wi-Fi(無線LAN)、Bluetooth、WiMAX、ワイヤレスWAN、GPSとこれだけの無線が使われている。それだけに無線の特性が悪くなりがちなので、それを防ぐ意味でも無線のエキスパートが設計段階から参加していることは重要なことだと言ってよい。

 今回公開されたEMCサイトのテストルームは3つだった。1つめは3m法電波暗室と呼ばれる、機器より発生する不要な電磁波を測定する部屋だ。部屋の周囲は電波を吸収する素材で覆われており、電磁波が壁で反射して正しく測定できないような事態を防ぐ仕組みになっている(余談だが、音響テストを行なう試験室もこれと同じような仕組みになっており、見た目はよく似ている)。

 ビデオで見てもわかるように、PCが机の上に固定されており、それを机ごと回転させることで機器から発生する電磁波をセンサーを利用して測定する。ちなみに機器だけでなくディスプレイやキーボード、マウスなどが接続された状態になっているのは、さまざまな機器を最大限接続した状態で測定する必要があるからということだった。なお、この時にはディスプレイにはできるだけ電磁波が発生しやすいパターンを表示させるなどしており、とにかくワーストケースを発生させそれでも基準内であることを測定するのだという。

3m法電波暗室では製品が発生する電磁波を測定する。壁には電波の反射を防ぐ吸収材が装着されている
3m法電波暗室のコントロールルーム。電磁波が規定内であることが確認できた【動画】3m法電波暗室でのテストの様子。本体だけでなく周辺機器も装着してのテスト

 2つめはシールドルームと呼ばれる部屋で、ACアダプタのケーブルやLANケーブルを伝わって出る電磁波の測定や、静電気放電試験と呼ばれるPCに静電気を発生させるガンで静電気を浴びせても問題なく動作するかなどをテストする。筆者もそうなのだが、静電気体質の人はついついPCをいきなりさわって“バチッ”となった経験が一度や二度でなくあるだろう。PCとしてはその程度で起動しなくなってしまっても困るので、それでもきちんと動作するのかをテストするのがこの試験だ。これも見ていると、PCがちょっと哀れに思えてくるので不思議なものだ。

 最後がOTA(Over The Air)ないしは通信性能評価6面暗室と呼ばれるテストルームだ。ここでは、携帯電話の電波を利用して通信する場合の通信特性などをチェックする。ここは6面すべてが電波の反射を防ぐ素材で覆われており、電波の反射による試験結果の狂いが出ないように配慮されている。なお、このOTAでは日本では使われていない電波(例えばGSMやEDGE)などもテストできるようになっているが、電波は外に漏れないようになってるため、電波法上の問題(承認されていない電波を出すことはできない)もクリアしている。

 その電波測定の結果は、コントロールルームにある測定用のPCで状況を確認できる。これにより、あまり電波が飛ばない方向などをチェックし、アンテナチューニングをしたりして確認するという。特に、HSDPAなどの携帯電話会社の電波を利用する場合には、キャリア側の規定もクリアしなければならないため、詳細なテストが行なわれるのだという。

シールドルームでの静電気テスト通信性能評価6面暗室、6面に電波吸収材が装着されている通信性能評価6面暗室のコントロールルーム。電波の発生状況などが、画面で確認できる

●多数の設計シミュレーションを導入することで基板設計の効率を向上させる

 インタビューでも触れたとおり、VAIOの設計チームでは基板の設計に多数のシミュレーションを利用している。

 そもそも基板設計には多数のシミュレーションが利用されるほか、CPUやチップセットを提供するインテルなどからデザインガイドという形でさまざまなシミュレーションデータが提供される。このインテルが提供するデザインガイドは実に詳細なデータが詰まっており、インテルが想定するような一般的なノートPCであればこのデザインガイドで提供されているデータを元に作れば基板も簡単に作れてしまう。

 しかし、VAIO Xシリーズのような製品の場合は、それに該当しない。例えば、VAIO Xシリーズで利用している片面実装基板はインテルのデザインガイドには書かれていない実装方法であり、インテルが提供するデータを利用しても設計することは不可能だ。つまり、VAIO Xシリーズのような製品の基板を作る場合には、本来CPUやチップセットのメーカーがやっているようなレベルのシミュレーションを自社で行なう必要があるのだ。

 今回のVAIO Xシリーズでは、基板の反りのシミュレーション、電源パターンのインピーダンス(交流抵抗成分、電気信号に対しての抵抗値)などをシミュレーションツールを利用してのチェックが行なわれた。一般的な基板はプリプレグと呼ばれる緑の部分と、銅の2つの素材からできている。この2つの素材のバランスによっては基板が変な形で反ったりしてしまい使い物にならなくなってしまうのだ。基板が反ると、基板に張り付いているチップの剥離などが発生し、不良品が発生することになる。このため、2つの素材のバランスを上手く取り、反らない基板を作ることが重要になる。今回ソニーはVAIO Xシリーズの設計に、基板や部品の重さ、熱膨張などのさまざまなパラメータを考慮して設計し、反らないような設計をシミュレーションである程度の目星をつけ、そのデータを利用して基板を設計したのだという。

 また、他にも電源パターンのインピーダンスのシミュレーションも行なわれている。インピーダンスとは、簡単に言えば抵抗値のことで、インピーダンスを低く抑えれば抑えるほど発生する電源ノイズを抑え、電源品質を高めることができる。そこで、基板設計の前段階としてインピーダンスの解析をシミュレーションで行なっているのだという。それにより、両面実装基板を利用しているVAIO Pなどに比べても、片面実装基板でのVAIO Xシリーズでは、ほぼ同等の電源品質を実現したのだという。

シミュレーションを利用して基板にかかる力を計算しているところ電源パターンインピーダンスのシミュレーション。画面での赤線がVAIO Xシリーズ、青線がVAIO Pで、ほとんど差がないことがわかる

●コスト削減と生産性の向上に取り組む長野テック

 冒頭で説明した通り、長野テックではVAIOノートのうち、プレミアムモバイルと呼ばれるVAIO TやVAIO Z、そしてVAIO Pや今回のVAIO Xシリーズなど比較的小型で付加価値の高い製品を製造している。現在のPCは中国での生産が主流となっているが、コストのかかる国内の長野テックでモバイルノートを製造する理由はどこにあるのか、また、どのようなコスト削減を行なっているのだろうか。

 例えば、長野テックでは、不要な在庫はあまり持たないようにしている。それだけでなく、キーボードの共通化などにも取り組んでおり、同じキーボードだが、微妙に印字が異なる場合(例えば、ヨーロッパのようにキー配列は同じだが文字の刻印が微妙に異なる場合)には長野テック内で印字を行なうことで、無駄な在庫を持たないように工夫している。

 そして組み立ての作業工程もできるだけ人為的なミスを減らす取り組みが行なわれている。最近のPCだとおなじみのCPUメーカーやOSメーカーのロゴシールは、そのよい例と言える。今回長野テックの製造ラインを見学させてもらうまで、筆者はロゴシールは機械などでガチャガチャと、それこそ機械的に貼っているのだと思っていた。しかし、ここ長野テックではロゴシールを貼り付ける作業は作業スタッフにより手作業で行なわれているのだ。

 長野テックにおけるVAIO生産のロゴシール作業の流れは、以下のようになっている。

  1. 担当の作業スタッフは作業が指示されたシートにあるバーコードをリーダで読み取る
  2. 画面に貼るべきシールが示される
  3. 貼るべきシールにランプがつき、ボタンを押すとシールが押し出される
  4. 作業するPC上にレーザーでガイド線が表示され、そのガイド線にあわせて貼っていく
  5. 次に必要なシールが画面に示される(以下3に戻る)

このように、できるべき部分は自動化され、できるだけ人為的なミスにより貼るべきシールを間違えるなどの事態を防いでいるのだ。特にCTOが可能な製品の場合、無線LANモジュールの選択によってはシールがCentrinoになったりCore 2 Duoになったりする。それ以外にも外付けGPUを選択すればNVIDIAのシールも貼らないといけない……など実に多数のシールの組み合わせが考えられるのでミスが発生しやすくなるのだ。そうしたミスをこうした仕組みにより防いでいるのだ。

 それだけではない。そうした作業の様子は定期的にビデオで撮影するなどして、同じ行程を行なっている他の作業スタッフと比較して改善できる場所はないかと常に研究しており、本当に1秒、2秒と短縮できることも少なくないという。わずか数秒と言うことなかれ、その数秒が塵も積もれば山になるで、工場全体としては大幅な時間の短縮になるのだ。

長野テックに納入された状態のキーボード。印字は長野テックで行なうことで部品点数を減らすことができる各社のロゴシールを自動でサーブするマシン。貼るべきシールにはランプがつき、ボタンを押すとシールがでてくるシールを貼るべき場所にレーザーでガイド線が表示されている
完成したVAIO。箱担当の作業スタッフさんはものすごい勢いで箱を組み立てていたこのように、日々少しでも効率が改善するような取り組みが行なわれている

●日本の工場だからできることがある、それがモバイルPCの未来に影響を与える

 経済的な合理性を考えれば、ここまで苦労して日本で生産する意味があるのかと言えば、おそらく難しいところだろう。人件費を考えると、いくら生産性の向上やコストを削減しても限界がある。だからこそ、長野テックでプレミアムモバイルを生産する意味は別にあると考えていると判断するのが妥当だろう。

 その最大のメリットは製造の現場と設計が近くにあることだろう。今回の取材中、ソニーの関係者は盛んに「QA、EMC、製造の上流設計からの参加」ということを筆者に訴えていた。VAIOの設計チームは開発期間中、東京・品川の本社から長野に詰める本社設計チームと、ここ長野テックにあるVAIO設計部の設計チームとの混成だ。つまり、製品を開発する設計チームと、製造を担当する工場、QAを担当するQAチーム、EMCを行なうEMCサイトのメンバーすべてが“同じ釜の飯を食う”関係なのだ。つまり、設計の初期段階から、製造、QA、EMCなどの設計から生産までに関わるすべての関係者が設計に関わっているということだ。これにより、各段階で発生する問題に先回りして解決が図られ、より短い期間でより高品質な製品を作ることを可能にしているのだ。

 その1つの例が、VAIO Xシリーズの製造方法だろう。今回のVAIO Xシリーズでは、マザーボードの取り付けは、一度ケーブルを取り付けたマザーボードを逆さまの状態からシステムに取り付ける。「本来はこうした仕様は設計者としては禁じ手。製造に相談したところ最初は難しいと言われたが、薄さ軽さを実現するにはこの方法しかないと説得した。製造の方も考えてくれ、普通のやり方ではないがやれる方法を考えていこうということになった」(林 薫氏、ソニー株式会社 VAIO事業本部 Xシリーズ プログラムマネージャー)と、製造も一緒になって知恵を絞ったという。その結果、VAIO Xシリーズはいまだかつてない液晶を逆さまにして部品を組み付けていく製造方法が考えられ、そこに長野テックで自製した工具を利用してマザーボードを逆さにして取り付ける方法が編み出されたのだという。

 以前あるシリコンベンダーの関係者と話しているとき、「今のままだと日本のモバイルPCのノウハウって次の世代に引き継がれないですよねー」という話題になったことがある。というのも、最近ではモバイルも含めて海外にODMで出されている場合が多く、製造だけでなく設計までも台湾や中国で行なわれ、仕様やデザインだけを日本が決めているという例も少なくないからだ。

 だが、今回長野テックを取材させてもらってわかったことは、まだまだ実直にがんばっているエンジニアの人たちも少なくないのだな、ということだ。そうしたことを目の当たりにして嬉しく思ったと同時に、ユーザーとしてそうした方々が作った製品をきちんと評価しないといけない、そう改めて思った。

VAIO Xシリーズの組み立てラインでは、このようにマシンが逆さにラインに流されている
基板を組み付けた状態。手前に用意されている工具はVAIO Xシリーズ専用に作られたもの【動画】このようにケーブルなどが装着された状態の基板を逆さに取り付ける
薄い筐体なので手作業では不可能、このようにはんだを盛った状態で機械ではんだ付けするはんだ付けが終わった状態【動画】機械ではんだ付けをしている様子

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(2009年 10月 15日)

[Text by 笠原 一輝]