笠原一輝のユビキタス情報局

ノート向け第13世代CoreにEコアが8つ増えた「HX」と、L2キャッシュ増量の「H/P/U」が登場。いずれも高クロック動作

Intelが発表した第13世代Coreのダイレイアウト。H/Pシリーズの6+8+96(Pコア: 6、Eコア: 8、GPU: 96EU)構成のダイ

 Intelは1月3日(米国時間)、1月5日からラスベガスで開催されるCES 2023に向けた新製品として、第13世代Coreプロセッサ(Raptor Lake)のノートPC版およびデスクトップPC版の追加SKUを発表した。順次OEMメーカーなどから出荷開始される。

 本記事では、ノートPC向けCPUのマーケティング責任者であるIntel クライアントコンピューティング事業本部 モバイル製品マーケティング 上席部長のダン・ロジャース氏に話をうかがって分かった追加情報などを交えながら、第13世代Coreの新たな詳細を解説していきたい。

SシリーズにSKU追加。Pコアなしの「Core i3 N」も登場

第13世代Core Sシリーズ、写真は昨年9月に発表されたK SKU

 今回IntelがCESに向けて発表した内容の概要は次の3つになる。

  • (1) デスクトップPC版に追加SKU。TDP 65W/35W版のいわゆる通常版(K SKUではないSKUのこと)
  • (2) Eコアのみで構成されているNシリーズ
  • (3) ノートPC版のすべてのSKU

 (1)に関しては、昨年9月に発表された、デスクトップPC向け第13世代Core Sシリーズの追加SKUとなり、プロセッサナンバーの最後にKが付かないSKUとなる。

 K SKUではオーバークロックがやりやすいように、ベースクロックに対して倍率がロックされていない。そのため、安定性を損なう可能性があるベースクロックのオーバークロックをせずとも、倍率を上げるだけでオーバークロックができる。

 それに対してK SKUではないSシリーズでは、この倍率がロックされている。その代わり、安価な価格設定になっており、オーバークロックを必要としないコンテンツクリエーションなどのプロユーザーや、ビジネスユーザー向けの製品となる。

Intelが発表したTDP 65W版、TDP 35W版のデスクトップPC向け第13世代CoreのSKU構成

 今回発表されたSシリーズの追加SKUには、TDP 65W版やTDP 35W版の製品が用意されており、最上位モデルとなるCore i9-13900はPコア(8)、Eコア(16)を搭載する。

 前世代でTDP 65W版最上位のCore i9-12900Kは、Pコア(8)、Eコア(8)だったが、今回でEコアが倍になり、さらにPコアもコア1つあたりのL2キャッシュが1.25MBから2MBへと増量されているRaptor Coveへと進化した。

 また、Intel社内でIntel 7 UltraやIntel 6などと呼ばれているIntel 7の改良版のプロセスノードを利用して生産されているため、クロック周波数も引き上げられている(Core i9-13900でターボ時最大5.6GHz、Core i9-12900は5GHz)。

 これらの改良により、シングルスレッド時で11%、マルチスレッド時で34%の性能向上を実現している。

第13世代Core Nシリーズ。Pコアなしの0+8+32という構成になっており、CPU単体の価格で100ドル以下の市場をターゲットにする製品。ほかの第13世代Coreと比較するとパッケージに対してダイが小さい

 (2)のNシリーズは、新しく投入されたバリュー向けの製品。簡単に言ってしまえば、PコアとEコアの2つの種類のコアから構成されている第12世代Core(Alder Lake)、第13世代Core(Raptor Lake)からPコアを取り払って、Eコア(Gracemont)のみで構成された製品になる。

 GPUは第11世代(Tiger Lake)以降に継続採用されているXe-LPの32EU。Xe-LPを採用しているため、AV1のハードウェアデコードを実現しているなどの高スペックになっており、GPUの性能が従来のAtomベースの製品と比較して高いのが特徴になる。

第13世代Core Nシリーズのブロック図

 後述するが、第12/13世代CoreのH/Pシリーズは6(Pコア)+8(Eコア)+96(GPU)という構成で、Uシリーズは2+8+96、Nシリーズは0+8+32となっている。

 具体的には、Eコアクラスタ(4コアで1クラスタとなっている)が2つあり、8コアの製品が「Core i3 N-305」(TDP 15W)、Eコアクラスタが1つで4コアの製品が「Intel N200」(TDP 6W)という2つのSKUがある。

 Core i3 N-305は、新しくCore i3直下の製品を意味する「Core i3 N」のブランド名が与えられていて、NシリーズはCPU単体の価格で100ドル以下の製品をターゲットにしている。

【表1】第13世代Core NシリーズのSKU構成 ※筆者作成
プロセッサナンバーコア数スレッド数PコアEコアL3キャッシュターボ時最大周波数(Pコア)ターボ時最大周波数(Eコア)ベース周波数(Pコア)ベース周波数(Eコア)iGPU(EU数)最大GPU周波数メモリチャンネルメモリ(最高構成)ターボ時最大消費電力(PL2)
Core i3-N30588086MB3.8GHz321.25GHz1LPDDR5-480015W
Core i3-N30088086MB3.8GHz321.25GHz1LPDDR5-48007W
Intel N20044046MB3.7GHz32750MHz1LPDDR5-48006W
Intel N10044046MB3.4GHz24750MHz1LPDDR5-48006W

 こうしたCPU単体の価格で100ドル以下の市場は、200~300ドル程度の教育向けPCで必要とされており、Chromebookや教育版WindowsなどのOSを搭載して、教育市場に登場することになる。

Type4の高密度パッケージの9W版は第12世代Coreに据え置き

Intel クライアントコンピューティング事業本部 モバイル製品マーケティング 上席部長 ダン・ロジャース氏(9月にIntelが行なったイスラエルのイベントで撮影)

 そして今回のメインの発表となるのが、ノートPC版の第13世代Coreだ。ノートPC版第13世代Coreには、第12世代Coreと同じくHX、H/P/Uという4つのシリーズがある。第12世代のときにはまず、H/P/Uが発表され、5月にHXが追加されるかたちになっていたが、今回の第13世代ではCESのタイミングで4つのシリーズすべてが同時に発表されている。

【表2】第13世代Coreと第12世代Core ※筆者作成
第13世代Core(Raptor Lake)
ベースTDPパッケージダイ(P+E+GPU)PCH
H×シリーズ(TDP 55W)BGA(45×37.5mm)8+16+32単体PCH
Hシリーズ(TDP 45W)BGA(50×25mm)6+8+96内蔵(オンパッケージ)
Pシリーズ(TDP 28W)BGA(50×25mm)6+8+96内蔵(オンパッケージ)
Uシリーズ(TDP 15W)BGA(50×25mm)2+8+96内蔵(オンパッケージ)
Uシリーズ(TDP 9W)
Nシリーズ(TDP 15/6W)BGA(35×25mm)0+8+32内蔵(オンパッケージ)
第12世代Core(Alder Lake)
ベースTDPパッケージダイ(P+E+GPU)PCH
H×シリーズ(TDP 55W)BGA(45×37.5mm)8+8+32単体PCH
Hシリーズ(TDP 45W)BGA(50×25mm)6+8+96内蔵(オンパッケージ)
Pシリーズ(TDP 28W)BGA(50×25mm)6+8+96内蔵(オンパッケージ)
Uシリーズ(TDP 15W)BGA(50×25mm)2+8+96内蔵(オンパッケージ)
Uシリーズ(TDP 9W)高密度パッケージ2+8+96内蔵(オンパッケージ)
Nシリーズ(TDP 15/6W)

 ただし、第12世代CoreのUシリーズには、Type3と呼ばれるHやPと共通のBGAパッケージ(50×25mm)でTDP 15Wの通称U15と、Type4と呼ばれる高密度パッケージ(26.5×18.5mm)でTDPが9WのU9という2つのラインナップが用意されていた。しかし、第13世代CoreではU15シリーズはあるが、U9シリーズはなく、引き続き第12世代が継続提供となる。

昨年5月のIntel Visionで展示されたType4パッケージのMeteor Lake。少なくともMeteor LakeにはType4パッケージがあることがこれからも分かる

 Intel クライアントコンピューティング事業本部 モバイル製品マーケティング 上席部長 ダン・ロジャース氏は「今回の第13世代CoreにはType4パッケージのUシリーズは用意されず、Type4パッケージは引き続き第12世代の製品が提供される。これはIntelがType4パッケージの提供をやめるわけではなく、将来の世代に第12世代から直接移行することになる」と述べた。

 つまり、第13世代CoreでType4パッケージが提供されないのはあくまで第13世代限定であって、たとえば次世代のMeteor Lakeなどでは再びType4パッケージないしはそれに類するより進んだ小型のパッケージが提供される可能性があるということだ。

 このため、たとえばFCCL(富士通クライアントコンピューティング)のLOOXや、LenovoのThinkPad X1 Fold Gen 2のようなU9を採用した製品は、今後も第12世代Coreのままで提供されることになる。

HXシリーズは、L2キャッシュ増量、Eコア増加/L3増加、クロック上昇のすべてを満たす

HXシリーズ、Hシリーズ/Pシリーズ、Uシリーズ(U15)、Nシリーズの第12世代との比較※筆者作成
赤で囲ったところ(L2キャッシュの容量、HXでのL3キャッシュの容量とEコア増加)が従来製品から向上部分になる

 以下の第13世代Coreの発表時点での記事でも解説したとおり、第13世代Coreは、第12世代Coreの「パフォーマンス・ハイブリッド・アーキテクチャ」という基本的なアーキテクチャの特徴を踏襲しつつ、以下のような3つの点が強化されている。

  • (1) Pコアに、L2キャッシュが2MBとなりメモリレイテンシが削減されたRaptor Coveを採用
  • (2) Eコアが8コアから16コアに増やされ、L3キャッシュが6MB増加
  • (3) Intel 7 UltraやIntel 6などと呼ばれている、Intel 7の改良版のプロセスノードで配線の最適化などが進み、クロック周波数が向上

 今回発表された第13世代Coreの4つのシリーズ(HX、H/P/U)のうち、この3つすべてを満たすのはHXシリーズのみとなる。

【表3】第12世代と第13世代のHXシリーズの比較 ※筆者作成
第13世代Core HX第12世代Core HX
プロセスノードIntel 7(改良版)Intel 7
Pコア CPUコアRaptor CoveGolden Cove
Pコア数最大88
Pコア L2キャッシュ(コアあたり)2MB1.25MB
Pコア L2キャッシュ(Pコア全体)16MB9.25MB
Pコア L3キャッシュ(コアあたり)3MB3MB
Pコア周波数最大5.6GHz5GHz
Eコア CPUコアGracemontGracemont
Eコア数最大(クラスタ)16(4)8(2)
Eコア L2キャッシュ(クラスタあたり)4MB4MB
Eコア L2キャッシュ(EコアSoC全体)16MB8MB
Eコア L3キャッシュ(クラスタあたり)3MB3MB
Eコア周波数最大4GHz3.5GHz
L2キャッシュ(SoC全体)32MB17.25MB
L3キャッシュ(SoC全体)36MB30MB
メモリ(最大構成)DDR5-5600DDR5-4800
第13世代Core HX、8(Pコア8つ)+16(Eコアクラスタ4つ)+32(GPU 32EU)であることが写真からも分かる
第13世代Core HXのブロック図

 HXシリーズのダイは、デスクトップPC向けのSシリーズとダイの構造を共有しており、それをモバイル向けに55WのTDPに納まるように消費電力を調整し、かつノートPC向けにBGAパッケージ(デスクトップPC版はLGA1700)に収めたものがHXシリーズとなる。

 HXは上記の(1)~(3)のすべてが強化点となる。PコアがRaptor Coveに進化し、L2キャッシュが1.25MBから2MBに増量。Eコアは8コアから16コアへと倍増しつつ、Eコアクラスタ(4コア)1つで3MBのL3キャッシュが6MB分増え、最大36MBになっている。

 そしてプロセスノードが進化してクロック周波数が引き上げられている。たとえば、第13世代Core HXの最上位モデルとなるCore i9-13980HXは、Pコアのターボブースト時の最大クロック周波数は5.6GHzになっており、第12世代Core HXの最上位モデルとなるCore i9-12950HXの5.2GHzに比べて引き上げられている。

【表4】HXのSKU構成 ※筆者作成
プロセッサナンバーコア数スレッド数PコアEコアL3キャッシュターボ時最大周波数(Pコア)ターボ時最大周波数(Eコア)ベース周波数(Pコア)ベース周波数(Eコア)iGPU(EU数)最大GPU周波数DDR5ベースTDP(PL1)ターボ時最大消費電力(PL2)vPro対応
Core i9-13980HX243281636MB5.6GHz4GHz2.2GHz1.6GHz1.65GHz32560055157
Core i9-13950HX243281636MB5.5GHz4GHz2.2GHz1.6GHz1.65GHz32560055157エンタープライズ
Core i9-13900HX243281636MB5.4GHz3.9GHz2.2GHz1.6GHz1.65GHz32560055157
Core i7-13850HX202881230MB5.1GHz3.8GHz2.1GHz1.5GHz1.6GHz32560055157エンタープライズ
Core i7-13700HX16248830MB5GHz3.6GHz2.1GHz1.5GHz1.55GHz32480055157
Core i7-13650HX14206824MB4.9GHz3.6GHz2.6GHz1.9GHz1.55GHz16480055157
Core i5-13600HX14206824MB4.7GHz3.6GHz2.6GHz1.9GHz1.5GHz32480055157エンタープライズ
Core i5-13500HX14206824MB4.6GHz3.5GHz2.5GHz1.8GHz1.5GHz16480055157
Core i5-13450HX10166410MB4.5GHz3.4GHz2.4GHz1.8GHz1.45GHz16480055157

 なお、HXシリーズはPCHが外付けとなっており、第13世代Core HXでもそれは同様だ。

 デスクトップPC版の第13世代CoreのPCH(Intel 700シリーズ)は、第12世代用(Intel 600シリーズ)とピン互換で、かつPCH側のPCI Expressレーン数やUSBポートの増加など、機能が強化されている。

 今回の第13世代Core HXに用意されているのはHM770(コンシューマ版)とWM790(vPro対応版)という2つのPCHだが、従来の第12世代Coreとの機能の違いはない。

H/P/UシリーズのEコアは増えず。L2キャッシュの増量とクロック上昇が強化点に

第13世代Core H/Pシリーズ、6(Pコア)+8(Eコア)+96(GPU)の構成
第13世代Core Uシリーズ、2+8+96の構成

 これに対して、H/P/Uシリーズはいずれも6(Pコア)+8(Eコア)+96(GPU)、2+8+96という最大構成で、この構成自体は第12世代Coreと同じになる。つまり、これらの3つのシリーズでは、Eコアは16コアに増えていないし、L3キャッシュも増えていない。前出の3つの第13世代の特徴のうち(1)と(2)だけを満たすことになる。

 これらの3つのシリーズにおいては、PコアのL2キャッシュ増加によりメモリレイテンシが削減されていること、そしてクロック周波数が引き上げられていることが特徴になる。

【表5】第12世代と第13世代のH/P/Uシリーズの比較 ※筆者作成
第13世代Core H/P/U第12世代Core H/P/U
プロセスノードIntel 7(改良版)Intel 7
Pコア CPUコアRaptor CoveGolden Cove
Pコア数最大66
Pコア L2キャッシュ(コアあたり)2MB1.25MB
Pコア L2キャッシュ(Pコア全体)12MB7.5MB
Pコア L3キャッシュ(コアあたり)3MB3MB
Pコア周波数最大5.4GHz5GHz
Eコア CPUコアGracemontGracemont
Eコア数最大(クラスタ)8(2)8(2)
Eコア L2キャッシュ(クラスタあたり)4MB4MB
Eコア L2キャッシュ(EコアSoC全体)8MB8MB
Eコア L3キャッシュ(クラスタあたり)3MB3MB
Eコア周波数最大4.1GHz3.8GHz
L2キャッシュ(SoC全体)20MB15.5MB
L3キャッシュ(SoC全体)24MB24MB
メモリ(最大構成)LPDDR5-6400LPDDR5-5200
第13世代Core H/P/Uシリーズのブロック図

 クロック周波数の引き上げでは、Pシリーズの最上位の比較では、Core i7-1280PがPコアのベースクロックで1.8GHz、ターボ時に4.8GHzだったのに対して、第13世代のCore i7-1370Pは順に1.9GHz、5.2GHzに引き上げられている。こうしたクロック上昇分とメモリレイテンシの削減が性能向上分となる。

 なお、H/P/Uシリーズはパッケージ上にPCHが統合されているが、それは第13世代でも同じで、PCHに関しては第12世代と違いはない。

【表6】第13世代Core HシリーズのSKU構成 ※筆者作成
プロセッサナンバーコア数スレッド数PコアEコアL3キャッシュターボ時最大周波数(Pコア)ターボ時最大周波数(Eコア)ベース周波数(Pコア)ベース周波数(Eコア)iGPU(EU数)最大GPU周波数ベースTDP(PL1)ターボ時最大消費電力(PL2)vPro対応
Core i9-13900HK14206824MB5.4GHz4.1GHz2.6GHz1.9GHz961.5GHz45W115Wエッセンシャルズ
Core i9-13905H14206824MB5.4GHz4.1GHz2.6GHz1.9GHz961.5GHz45W115W
Core i9-13900H14206824MB5.4GHz4.1GHz2.6GHz1.9GHz961.5GHz45W115Wエンタープライズ
Core i7-13800H14206824MB5.2GHz4GHz2.5GHz1.8GHz961.5GHz45W115Wエンタープライズ
Core i7-13705H14206824MB5GHz3.7GHz2.4GHz1.8GHz961.5GHz45W115W
Core i7-13700H14206824MB5GHz3.7GHz2.4GHz1.8GHz961.5GHz45W115Wエッセンシャルズ
Core i7-13620H10166424MB4.9GHz3.6GHz2.4GHz1.8GHz641.5GHz45W115W
Core i5-13600H12164818MB4.8GHz3.6GHz2.8GHz2.1GHz801.5GHz45W95Wエンタープライズ
Core i5-13505H12164818MB4.7GHz3.5GHz2.6GHz1.9GHz801.45GHz45W95W
Core i5-13500H12164818MB4.7GHz3.5GHz2.6GHz1.9GHz801.45GHz45W95Wエッセンシャルズ
Core i5-13420H8124412MB4.6GHz3.4GHz2.1GHz1.5GHz481.4GHz45W95W
【表7】第13世代Core PシリーズのSKU構成 ※筆者作成
プロセッサナンバーコア数スレッド数PコアEコアL3キャッシュターボ時最大周波数(Pコア)ターボ時最大周波数(Eコア)ベース周波数(Pコア)ベース周波数(Eコア)iGPU(EU数)最大GPU周波数ベースTDP(PL1)ターボ時最大消費電力(PL2)vPro対応
Core i7-1370P14206824MB5.2GHz3.9GHz1.9GHz1.4GHz961.5GHz28W64Wエンタープライズ
Core i7-1360P12164818MB5GHz3.7GHz2.2GHz1.6GHz961.5GHz28W64Wエッセンシャルズ
Core i5-1350P12164812MB4.7GHz3.5GHz1.9GHz1.4GHz801.5GHz28W64Wエンタープライズ
Core i5-1340P12164812MB4.6GHz3.4GHz1.9GHz1.4GHz801.45GHz28W64Wエッセンシャルズ
【表8】第13世代Core UシリーズのSKU構成 ※筆者作成
プロセッサナンバーコア数スレッド数PコアEコアL3キャッシュターボ時最大周波数(Pコア)ターボ時最大周波数(Eコア)ベース周波数(Pコア)ベース周波数(Eコア)iGPU(EU数)最大GPU周波数LPDDR5ベースTDP(PL1)ターボ時最大消費電力(PL2)vPro対応
Core i7-1365U10122812MB5.2GHz3.9GHz1.8GHz1.3GHz961.3GHz640015W55Wエンタープライズ
Core i7-1355U10122812MB5GHz3.7GHz1.7GHz1.2GHz961.3GHz640015W55Wエッセンシャルズ
Core i5-1345U10122812MB4.7GHz3.5GHz1.6GHz1.2GHz801.25GHz640015W55Wエンタープライズ
Core i5-1335U10122812MB4.6GHz3.4GHz1.3GHz0.9GHz801.25GHz640015W55Wエッセンシャルズ
Core i5-1334U10122812MB4.6GHz3.4GHz1.3GHz0.9GHz801.25GHz520015W55Wエッセンシャルズ
Core i3-1315U682410MB4.5GHz3.3GHz1.2GHz0.9GHz641.25GHz520015W55W
Core i3-1305U561410MB4.5GHz3.3GHz1.6GHz1.2GHz641.25GHz520015W55W
U30056148MB4.4GHz3.3GHz1.2GHz0.9GHz481.1GHz520015W55W

 また、「8+16+32」、「6+8+96」、「2+8+96」、そしてNシリーズの「0+8+32」のダイはそれぞれ別のダイとして製造されている。アーキテクチャ共通だが、ダイの構成にバリエーションを持たせることで、製造時の効率を上げている仕組みになっている。

 Intelでは、複数の世代でこうしたアーキテクチャをスケーリングしてダイにバリエーションを持たせることで、効率よく生産する仕組みが採用されており、第13世代でもそれは変わっていない。

Meteor Lakeを見据えた外付NPUを搭載可能になり、Wi-Fi/BluetoothモジュールはBT LE Audioに対応

Movidius由来のVPUがWindowsプラットホームで利用可能に

 CPUやPCHなどのメインのチップの進化とは関係ないが、プラットホームの周辺部分も強化されているのがノートPC版第13世代Coreの特徴となる。

 具体的には外付けNPU(Neural Processing Unit)のサポートと、IntelのWi-Fi/BluetoothモジュールにおけるBluetooth LE Audioのサポートだ。

 Windows 11 2022 Update(いわゆるWindows 11 22H2)では、Windows Studio EffectsというWindows 11が標準でサポートするAI推論機能を利用でき、カメラの効果(HDR、自動フレーム化、アイコンタクト、背景ぼかし)やマイクのノイズ低減などを、システムに用意されているNPUを利用して行なえるようになっている。

 Intelプラットホームであっても、OEMメーカーが独自のNPUを搭載している場合にはすでに利用できるが、Intelでも次世代のMeteor LakeではCPUに標準で内蔵される予定で、より広範囲にCPUだけでこの機能が利用できるようになる。

Intelがイスラエルで行なったイベントでのKeem Bayのデモ。AIによる物体認識をCPUに負荷をかけずに行なえる

 今回発表された第13世代Coreでは、IntelがKeem Bayの開発コードネームで提供している、Movidiusを買収して得た単体VPU(Visual Processing Unit)をNPUとしてシステムに搭載できるようになっている。

 Intelのロジャース氏によれば「第13世代CoreでのKeem Bayのサポートは、Metear Lakeでの標準搭載に向けてソフトウェアの開発などを促進する側面が強く、選択されたOEMメーカーで限定的にサポートされる」との通りで、すべてのノートPCで採用されるわけではないが、Meteor Lakeでの標準搭載を見据えて、いくつかの製品で搭載が行なわれる予定だ。

Bluetooth LE Audioのサポート

 Bluetooth LE Audioのサポートは、IntelがCoreと一緒に提供しているWi-Fi/Bluetoothモジュールとセットで提供される。Bluetooth LE Audioに対応するには、Bluetooth LEのサポートと、新しいLC3コーデックのサポートが必要になるが、第13世代と一緒に提供するWi-Fi/Bluetoothモジュールではいずれにも対応できる。

 これにより、Bluetooth LE Audioの機能である空間オーディオ機能、補聴器機能など、従来のBluetooth Audioにはなかった追加の機能もサポートされる。このBluetooth LE Audioの機能は第13世代Coreの出荷と同時にサポートが開始され、Windows OSのドライバなどで対応されることになる。

まずはプレミアムゲーミングノートPCにHXが登場。その後H/P/Uなどが順次出荷される

今年はHXを搭載したシステムから市場に登場する

 すでに述べたとおり、第12世代Coreは昨年のCESのタイミングにおいて、H/P/Uシリーズが発表された。その後で、Hシリーズの搭載システムが発表・出荷され、続いてPとUシリーズ、5月にHXシリーズという順番となった。

 今年に関しては、HX、H/P/Uシリーズのすべてが同時に発表されており、ロジャース氏は「第13世代Coreでは、まずHXを搭載したシステムが市場に登場することになる。多くのOEMメーカーは、従来はHシリーズで製造していたようなゲーミングノートPCもHXに移行する例が多く、今回のCESでも多くのゲーミングPCがHXベースになって発表される見通しだ。その後、H/P/Uシリーズなどが順次登場する」と述べている。

 Pシリーズについては以下の記事にあるように、Lenovoのプレミアム向けのモバイルノートとなる「ThinkPad X1 Carbon Gen 11」、「ThinkPad X1 Nano Gen 3」、「ThinkPad X1 Yoga Gen 8」などに搭載されていることがすでに明らかになっている。

 1月5日からラスベガスで行なわれるCES 2023では、HXのようなハイエンドCPUやGPUなどを搭載したプレミアムセグメント向けのゲーミングノートPC、PシリーズやUシリーズなどを搭載したモバイルノートが多数登場する予定になっており、さまざまな発表が行なわれる見通しだ。