PC短評

3画面出力で3系統ネットワークのIntel N100搭載ミニPC「NucBox G2」

 GMKtecから、第12世代のエントリー向けCPU「Intel Processor N100」を搭載した「NucBox G2」が、公式サイトやAmazonで販売されている。フルサイズのDisplayPort 1.4とHDMI×2.0×2を備え、3画面の映像出力に対応しているのが特徴で、Amazonではメモリ12GBでストレージを512GBまたは1TBの2モデルから選択することができる。

NucBox G2

 NucBox G2の本体サイズは約87×87×41mm(ゴム足含む)、重量は約215gとかなり軽い。Intel Processor N95を搭載したNucBox G1も十分手のひらサイズだったが、それよりもさらに小型軽量化されている。筐体はプラスチック製で通電時に筐体下部が青く光るLEDイルミネーションが搭載されている。

 付属品はUSB Type-C仕様のACアダプタ、HDMIケーブル、VESAマウント、ネジのほか、交換用というよりは着せ替え天板が付属している。

いきなり裸で現れる本体、若草色のような電源ボタンが目を惹く
USB Type-C仕様のACアダプタ、HDMIケーブル、VESAマウント、ネジのほか交換用の天板が付属
サーモンピンクに近い色の天板
ACアダプタの出力は12Vの3Aで36W
縦横約87mm角とかなり小さい
本体重量は実測値で約215g
付属のACアダプタとHDMIケーブルを含めると約455g
通電時は青色のLEDイルミネーションが点灯するが、ここは若草色にするべきだろう

 CPUは第12世代モバイル向けプロセッサーとなるIntel Processor N100、グラフィックスはCPUに統合されたIntel UHD Graphicsを搭載。システムメモリはLPDDR5 3GB×4、ストレージはSATA接続の1TB M.2 SSD(Type 2242)、OSはWindows 11 Proがインストールされている。

 インターフェイスは、背面に3.5mmオーディオジャック、Gigabit Ethernet×2、給電用のType-Cポート、左側面はDisplayPort 1.4、HDMI×2.0×2、右側面にUSB 3.0×3を備え、無線LANはWi-Fi 6とBluetooth 5.2に対応。

正面はシンプルに電源ボタンのみ
背面右から3.5mmオーディオジャック、Gigabit Ethernet×2、給電用のType-Cポート
左側面はDisplayPort 1.4、HDMI×2.0×2、すべてフルサイズのポート
右側面はUSB 3.0(Type-A)×3

 本体上部の天板は内側にあるツメで固定されているため、隙間に指を入れるとツールレスで簡単に取り外すことができる。内部はSATA接続のM.2 SSD、その下にネットワークカードがあり、それらを避けるように半透明のプラスチックで基板を保護している。

天板と本体のわずかな隙間に指を入れると簡単に内部にアクセスできる
ストレージはFuturePath S4GXH02TV6A01T0でSATA SSDとなる
ネットワークカードはCdtech CDW-C9852BE-00でICはRealtek RTL8852BE

 本体裏側はゴム足がネジ4本で共締めされており、これを取り外すと分解可能。こちらはヒートシンク一体型のブロアファンのほか、筐体下部のイルミネーション用LEDがある。メモリは基板実装されているため増設はできないようだ。

本体裏側はヒートシンク一体型のブロアファンが鎮座、この下にCPUとメモリがある
裏蓋の内側にはイルミネーション用LED基板がある
メモリはスロット#1から#4までSamsung製で型番などは不明

 CPUには、第12世代モバイル向けプロセッサーでエネルギーエフィシェントコアつまりEコアだけを搭載する極めて低消費電力なAlder Lake-Nから、4コア4スレッドのIntel Processor N100を搭載。Eコアの最大周波数は3.4GHz、CPUに統合されたUHD Graphicsの実行ユニット数は24で最大周波数は750MHzで動作する。サンプルのシステムメモリは3GB×4、ストレージは1TBのM.2 SSD、OSはWindows 11 Pro。

 CPUのレンダリングでパフォーマンスを測定するCinebench R23では、マルチコアは2,354、シングルコアは745、総合的なパフォーマンスを計測するPCMark 10ではスコア3,076となった。

 4コア4スレッドであるため仕方ないところだが、高負荷の処理やマルチタスクではCPU使用率が100%に張り付くことがある。もちろんWebサイトの閲覧やドキュメントの作成といった一般的なオフィスアプリケーションも問題なく動作するが、何事にも一呼吸置く優しさが求められる。

Cinebench R23のマルチコアは2354、シングルコアは745
PCMark 10のスコアは3076、一般的に使用されるアプリケーションの動作に問題はないが、負荷の高い処理は苦手だ

 Unreal Engine 4で開発された話題のオンラインアクションRPGBLUE PROTOCOL、同作のベンチマークソフトを使ってFHD解像度における最高画質と低画質の両方のプリセットで計測。最高画質プリセットのスコアは476で動作困難、低画質プリセットのスコアは1,238と改善するが動作困難となった。

最高画質プリセットのスコアは476、レポートの平均フレームレートは3.265
低画質プリセットのスコアは1,238、レポートの平均フレームレートは8.998

 GPUのパフォーマンスを測定する3DMark Night Raidは4,634、Wild Lifeは2,861、Fire Strikeは1,185、Time Spyは373となった。ブラウザゲームなら問題ないかもしれないが、ゲームを目的としているなら別の選択肢を検討するべきだ。とはいえ負荷の掛かるベンチマーク中もファンノイズは終始控えめ。処理をさせるタスクさえ選べば、省電力でセカンドマシンなどに最適な小型PCとなるだろう。

内蔵グラフィックス向けのベンチマーク、Night Raidのスコアは4634
クロスプラットフォーム向けのベンチマーク、Wild Lifeのスコアは2861
DirectX 11を使用するデスクトップPC向けのベンチマーク、Fire Strikeのスコアは1185
DirectX 12を使用するデスクトップPC向けのベンチマーク、Time Spyのスコアは373