PC短評

OCuLink搭載で最大メモリ64GB。空前のハイスペックUMPC「GPD WIN Max 2」

GPD WIN Max 2 2023

 株式会社天空は、CPUにRyzen 7040シリーズを搭載した10.1型のモバイルゲーミングPC「GPD WIN Max 2 2023」を8月上旬に発売する。現在直販サイトで予約受付中だ。価格は、Ryzen 5 7640U/メモリ16GB/SSD 1TB構成が13万8,000円、Ryzen 7 7840U/32GB/2TB構成が17万8,300円、Ryzen 7 7840U/64GB/2TBが20万1,400円だ。発売に先立って試作機を入手できたので、簡単に外観と性能をお伝えしよう。

 GPD WIN Max 2はもともとCPUにRyzen 7 6800Uを纏い2022年に発売された、10.1型液晶搭載のモバイルゲーミングPC。AMD最新世代CPU(APU)による高いゲーム性能に加え、タイピングしやすいサイズのキーボード、プレートで“隠せる”ゲームコントローラ、2,560×1,600ドット表示対応の10.1型液晶を備えており、ほぼ非の打ち所がないPCに仕上がっていた。

 “2023”版では、CPUを最新世代のRyzen 7 7840Uにアップグレード。CPUコアはZen 4世代、GPUコアはRDNA 3世代へと進化し、さらなる性能向上を果たした。実際にベンチマークをしても、CPU/GPUとも従来を上回る性能が確認できた。そして最大メモリ容量は64GBと、20万円台初頭のノートとしてはまさに破格の容量を実現。同価格帯のモバイルノートを一蹴する。

 また、USB 3.0ポートはUSB 3.1に進化。従来背面に備わっていたUSB 3.0ポートは廃止され、代わりにOCuLinkと呼ばれるコネクタに刷新されたのもトピックだと言えるだろう。OCuLinkはPCI Expressを外付けにする規格であり、Thunderbolt 4やUSB4と比較して比較的安価に、なおかつ転送ボトルネックが少ない外付けGPUソリューションを実現する。

キーボード面
天板
本体底面
コントローラ右側
コントローラ左側
コントローラ部はプレートで隠すことができる
プレートは本体内部に収納可能
本体右側面のインターフェイス。USB 3.0が3.1にスペックアップ
本体左側面。SDカードとmicroSDカードのデュアルスロットは健在

 実際に同社は「G1」と呼ばれるRadeon RX 7600M XT搭載ドックを用意し、これによるグラフィックス性能向上を図れる。ちなみにG1には3基のUSBハブやSDカードスロット(OCuLink単体接続時は動作しない)、DisplayPort 1.4、HDMI 2.1ポートなどが搭載され、ドックとしても利用できる。本体サイズは約225×111×29.8mm、重量は約0.92kgなどとなっている。

本体背面のインターフェイス
従来モデル(下)と比較したところ。USB 3.0ポートがOCuLinkになった

 また、OCuLinkには、別途安価に販売されているPCI Express変換基板を接続することも可能で、こちらに好みのGPUを増設できる。ただ、筆者がAliExpressで購入した5,000円程度のGPD WIN Max 2用のOCuLink対応基板は初期不良からか、残念なことに手持ちのGPUが動作しなかった(認識するものもあるがドライバレベルで動作せず、なんらか接続不良を抱えていると思われる)。機会があったら改めてチャレンジしたい。

購入した基板が不良品だったからか、動作しなかった

 従来のGPD WIN Max 2も限られたスペースに驚異のハイスペックを詰め込み、なおかつ良心的な価格でハイコストパフォーマンス志向であったが、“2023”でますます磨きがかかった。モバイルゲーミングPCの中で、揺るぎない空前絶後の座を得ることだろう。

PCMark 10の結果。6,325というスコアを記録
Cinebench R23はマルチコアが12,519pts、シングルコアが1,757ptsという結果
3DMark Speed Wayのスコアは448
3DMark Port Royalのスコアは1,543
3DMark Time Spyスコアは2,996
3DMark Fire Strikeスコアは7,236
3DMark Wild Lifeスコアは15,033
3DMark Night Raidスコアは26,651