PC短評

6コアになって性能がさらに向上した「VAIO SX14」

VAIO SX14

 VAIO株式会社は1月23日、第10世代CoreのComet Lakeを搭載した14型モバイルノート「VAIO SX14」を発売した。価格はオープンプライスだ。今回、最上位のCore i7-10710Uを搭載したモデルを入手したので、簡単に使い勝手を見ていきたい。

 外観やインターフェイス類は、2019年に発売したモデルから大きく変更されていない。使い勝手についてはジャイアン鈴木氏による過去のレビュー『狭額縁化で13.3型筐体に14型液晶を搭載した「VAIO SX14」をレビュー』も参考にされたい。

 ミニD-Sub15ピンやGigabit Ethernet、フルサイズのSDカードスロットなど、企業ユーザーで重宝するインターフェイスが豊富なのは評価できる。一方で、筆者も鈴木氏と同様タッチパッドの小ささが気になった。せっかくの14型大画面で快適に使えるのに、小さなタッチパッドが窮屈だ。パームレストに余裕があるので、次モデルでは改善を強く望みたい。

 一方で、大きく強化されたのは内部の回路とCPU周り。Whiskey Lake世代の第8世代Coreから、Comet Lake世代の第10世代へと進化しつつ、電源回路の見直しやVAIO TruePerformanceの改善により、さらに高性能を発揮できるようになった。

 今回試用したのはCore i7-10710U(6コア/12スレッド、1.1~4.7GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ8GB、ストレージに256GB NVMe SSD、フルHD液晶、LTEモデムつきモデルだが、実際にベンチマーク結果でデスクトップPCに肉薄する性能を叩き出しているだけでなく、OS/アプリケーション起動やWebブラウジングなど、日常操作においてもキビキビ動作しており、大変気持ち良かった。

PCMark 10の結果は4,562とかなり高い。ベンチマーク中、4GHz超え動作も維持している
負荷継続時の温度は94℃。CPUのパッケージ電力は最大60W程度まで上がることもある
3DMark Sky Diverの結果は4,994と、こちらも内蔵グラフィックスにしてはなかなか高い
PCMark 10計測のModern Officeのバッテリ駆動時間は9時間13分だった(残り6%まで)

 さらに感心したのはファン。ACアダプタ接続時はしっかり排熱の仕事をこなす一方で、バッテリ駆動時はCPUの性能を抑えることで騒音を大幅に低減する(動作モードはユーティリティで変更可能)。耳を近づけても風切り音がわずかにするぐらいだ。静かな会議室や深夜でも気になることはないだろう。

 ちなみに新しいVAIO SX14を購入するなら、Core i7-10710U搭載の一択。Core i5以下は4コア/8スレッドと従来モデルと同様なので、大きな性能向上が期待できないからだ。ただ、この構成で価格は246,180円と、デルといった外資系メーカーの製品と比較して割高であるのは否めない。しかし、VAIOならではのスタイリッシュなデザイン、そして1kgちょいという軽さは健在だし、LTEつきなのも魅力的。そこに価値を見いだせるなら、決して後悔はしない、満足度が非常に高いマシンである。

VAIO SX14。今回お借りしたブラウンモデル。なかなか上品な色だ
右側面はSDカードスロット、USB 3.1(Core i3モデル以下はUSB 3.0)、USB 3.1 Type-C(同)、HDMI出力、Gigabit Ethernet、ミニD-Sub15ピン
左側面はUSB 3.0×2、音声入出力、DC入力、排気口、ケンジントンロックポート
底面にMicro SIMスロットを備える
液晶最大輝度
液晶最小輝度
液晶はここまでしか開かない
キーボードにいびつな配列はない。あわよくばこのサイズならカーソルキーとファンクションキーをもう少し大きくしてほしかった
キーピッチは19mmを確保している
タッチパッドのサイズは約79.9×44.37mmと小さい
電源ボタンはLEDと一体化されている
本体重量は実測で1,014gだった
付属のACアダプタはケーブル込みで235g
別売りのRAVPower製USB ACアダプタ(+7,590円)を利用すれば、127gになる(ただし出力は45W)
別売りオプションのUSB Type-Cドック(+11,550円)