西川和久の不定期コラム
小さな巨人、再び。Ryzen AI 9 HX 470+64GBメモリ搭載のミニPC、GMKtec「EVO-X1 Pro」
2026年8月25日 07:43
2025年3月にGMKtec「EVO-X1」をご紹介した。ミニPCの中でもサイズが小さく、その割に高性能。筆者お気に入りの逸品だった。その後継モデルが編集部からが送られてきたので試用レポートをお届けしたい。
プロセッサをRyzen AI 9 HX 470に変更
冒頭にも書いたが2025年3月にGMKtec「EVO-X1」をご紹介した。コンパクトな割にUSB4/OCuLink、M.2 SSD x2、そしてLPDDR5X-7500となかなかの性能。
今回は、この後続モデルに相当する「EVO-X1 Pro」の登場となる。多くは上記の特徴そのまま、プロセッサをRyzen AI 9 HX 470に変更したモデルだ。主な仕様は以下の通り。
| GMKtec「EVO-X1 Pro」の仕様 | |
|---|---|
| プロセッサ | Ryzen AI 9 HX 470(12コア24スレッド/Zen 5 4コア+Zen 5c 8コア/Zen 5: 最大5.2GHz/Zen 5c: 最大3.3GHz/L2 12MB+L3 24MB/TSMC 4nm/静音35W・バランス54W・パフォーマンス最大65W) |
| メモリ | LPDDR5-6400 64GB(オンボード・増設不可) |
| ストレージ | 1TB(M.2 2280)、2スロット(PCIe 4.0 x4/1つ空き) |
| OS | Windows 11 Pro(25H2) |
| グラフィックス | Radeon 890M(16コア)/HDMI 2.1、DisplayPort 2.1、Type-C |
| ネットワーク | 2.5GbE ×2、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4 |
| インターフェイス | USB4、USB 3.2 Gen 2 4基、3.5mmジャック、OCuLink |
| サイズ/重量 | 約111×107×63mm(幅×奥行き×高さ)、590g |
| 価格 | 25万1,999円(2TBモデル27万8,799円) |
プロセッサはRyzen AI 9 HX 470。12コア24スレッドで、/Zen 5 4コア+Zen 5c 8コアの構成。クロックはZen 5が最大5.2GHz、Zen 5cが最大3.3GHz。キャッシュはL2 12MB/L3 24MB。TSMC 4nmプロセスで、NPUはXDNA 2を内包し最大55TOPS、CPU+GPU+NPUのシステム全体では最大86TOPSを実現。前作HX 370(システム最大80 TOPS)から気持ち強化されている。静音35W/バランス54W/パフォーマンス最大65Wの3モードを備え、上限が引き上げられた。
メモリは上記のようにLPDDR5-6400 64GB。オンボードなので増設できないものの、その分容量は最初から64GB。何をするにも十分な容量といえる。なお、EVO X1のLPDDR5X-7500と比べると帯域幅が低下しているのが残念。昨今のメモリ高騰の影響でLPDDR5X-7500の調達が難しくなっているためなのだろうか?
ストレージはM.2 2280のPCIe 4.0 SSDで1TBまたは2TB構成。スロットが2基あるので増設可能だ(各スロット最大8TB、合計最大16TB対応)。
グラフィックスはプロセッサ内蔵のAMD Radeon 890M(16コア、最大3.1GHz)。外部出力用にHDMI 2.1(最大8K@60Hz)、DisplayPort 2.1(最大8K@60Hz)、USB4(最大4K@60Hz)を装備し、最大3画面の同時出力に対応する。
OSはWindows 11 Pro。25H2だったのでこの範囲でWindows Updateを適用し評価している。
ネットワークは2.5GbE 2基、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4。そのほかのインターフェイスは、前面にUSB 3.2 Gen 2 2基、OCuLink、フル機能USB4(PD 3.0最大100W入力対応)、3.5mmジャック、電源ボタン。背面にUSB 3.2 Gen 2 2基、2.5GbE 2基。
サイズは約111×107×63mm、重量は約590g。EVO-X1と同じ超コンパクトサイズだ。価格は公式ストアで64GB+1TBがセール価格25万1,999円(通常29万6,469円)、64GB+2TBが27万8,799円(通常34万8,499円)。執筆時、クーポン「X1PROSP」で5,000円引きとなる。当時(X1の頃)から比べると10万円ほど(クーポン使用時)上がっている。
筐体はX1とまったく同じ。コの字のフレーム部分の色だけ違う感じだ(最後にX1 Pro/X1とのツーショット写真あり)。iPhone 16 Proとの比較写真からも分かる様にミニPCの中でもかなりコンパクト。USB4がPD 100W入力に対応しているので、対応モニタさえあればACアダプタは不要。実測592gなのでポンとカバンに入れ何処へでも持ち運び利用可能だ。
前面にUSB4、OCuLink、USB 3.2 Gen 2 2基、3.5mmジャック、電源ボタン。背面にUSB 3.2 Gen 2 2基、HDMI、DisplayPort、2.5GbE 2基、電源入力を配置。裏はゴム足4つのみ。
付属品はスタンド、ACアダプタ(サイズ約132×57×33mm/重量408g/出力120.8W)、HDMIケーブル。いつものキーボード付きモバイルモニターへはUSB4があるのでType-Cケーブル1本でOK。BIOSは起動時[Del]キーで表示する。
内部へのアクセスは、おそらく数あるミニPCの中でも最も簡単。まず裏のゴム足はねじ止めになっているので外すとコの字のフレームが外れる。次に四隅にネジがあるのでこれも外せば内部にアクセスできる。
内部にはM.2 2280のスロットが2つあり。1つ空き。以前はCrucial製が使われていたが、さすがに違うのが入っている。メモリはオンボードなので増設は不可。
ノイズは試用した範囲では特に気にならなかった。発熱も負荷をかけるとちょっと暖かくなる程度。またX1でもそうだったが、ファンが7色に光る。暗い場所だと綺麗は綺麗なのだが、なぜ光らせているのか謎?なのは相変わらずだ(笑)。
LPDDR5-6400の影響か?X1より少しパフォーマンスが落ちる
初期起動時、GMKtec Clawのアイコンなどがデスクトップに並んでいる。以前ご紹介した同社のミニPCに入っていたのと同じものだ。
OpenClawのGMKtec版が入っており、ローカルでのLLMを使うか、サブスクで同社のサービスを使う形式となる。そのほかはWindows 11 Pro 25H2標準。構成が構成なだけにサクサク動作する。
SSD 1TBは「ZHITAI Ti600 1TB」。仕様によると、シーケンシャルリード 7,000 MB/s、シーケンシャルライト 6,000 MB/sと、結構速く、CrystalDiskMarkのスコアもそのまま出ている。C:ドライブのみの1パテーションで約929GB割り当てられ空き868GB。
2.5GbE 2基はIntel Ethernet Controller I226-V、Wi-FiはRZ717 WiFi 7、BluetoothもRZ717。
ベンチマークテストは、PCMark 10、PCMark 8、3DMark、CINEBENCH、CrystalDiskMarkを使用した。なお電源はバランス54Wモードを使用。X1と3DMarkのスコアを見比べるとIce Storm Extreme、Ice Storm以外はすべて若干下がっている。やはりiGPUなだけにLPDDR5-6400とLPDDR5X-7500の差が出ているようだ。
| PCMark 10 v2.3.2912 | |
|---|---|
| PCMark 10 8,644 | |
| Essentials | 10,828 |
| App Start-up Score | 10,038 |
| Video Conferencing Score | 9,058 |
| Web Browsing Score | 13,965 |
| Productivity | 13,822 |
| Spreadsheets Score | 18,000 |
| Writing Score | 10,615 |
| Digital Content Creation | 11,714 |
| Photo Editing Score | 19,356 |
| Rendering and Visualization Score | 11,464 |
| Video Editting Score | 7,244 |
| 3DMark v2.32.8897 | |
|---|---|
| Time Spy | 3,878 |
| Fire Strike Ultra | 2,579 |
| Fire Strike Extreme | 4,584 |
| Fire Strike | 8,426 |
| Sky Diver | 28,392 |
| Cloud Gate | 39,754 |
| Ice Storm Extreme | 176,248 |
| Ice Storm | 207,960 |
| Cinebench 2026 | ||
|---|---|---|
| CPU | Multi Thread | 4,949 |
| CPU Single Thread | 480 | |
[Read]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 7094.549 MB/s [ 6765.9 IOPS] < 1181.36 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 4889.725 MB/s [ 4663.2 IOPS] < 214.34 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 871.707 MB/s [ 212819.1 IOPS] < 150.12 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 84.550 MB/s [ 20642.1 IOPS] < 48.36 us>
[Write]
SEQ 1MiB (Q= 8, T= 1): 6105.747 MB/s [ 5822.9 IOPS] < 1367.00 us>
SEQ 1MiB (Q= 1, T= 1): 5375.443 MB/s [ 5126.4 IOPS] < 194.93 us>
RND 4KiB (Q= 32, T= 1): 737.091 MB/s [ 179953.9 IOPS] < 177.62 us>
RND 4KiB (Q= 1, T= 1): 263.131 MB/s [ 64241.0 IOPS] < 15.49 us>
最後にせっかくOCuLinkがあるので、GeForce RTX 5060 Ti(16GB)を接続し、LM Studioを起動。話題のQwen3.8 27B(GGUF/Q4_K_M)を動かしてみた。結果は12.12tok/s、1stトークン2.15sとあまり速くないものの動作を確認した。
以上のようにGMKtec「EVO-X1 Pro」は、EVO-X1のプロセッサをRyzen AI 9 HX 470に載せ替えた2026年モデルだ。コンパクトな筐体に2.5GbE 2基、USB4、OCuLink、M.2 2280 2基など詰め込まれ非常に魅力的な1台に仕上がっている。
ただメモリがLPDDR5X-7500からLPDDR5-6400へ、円安とメモリ高騰の影響で価格が上がってしまったのは残念だが、それでもコンパクト+拡張性が欲しいユーザーに使ってほしい1台と言えよう。





























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