西川和久の不定期コラム

超小型11LにRTX 5080!ZOTAC「MAGNUS ONE」最上位機の実力を探る

 11.46Lのコンパクトな筐体へGeForce RTX 5080(16GB)を搭載したZOTACの「MAGNUS ONE ULTRA EU275080C」が編集部から送られてきた。ゲームやAIでどんな感じで使えるのか?も含め試用レポートをお届けしたい。

11.46Lのコンパクトな筐体へGeForce RTX 5080(16GB)を詰め込んだPC!

 今年(2026年)2月に下位モデルに相当するGeForce RTX 5070 Ti(16GB)搭載のZOTAC「MAGNUS ONE EU27507TC」をご紹介した。

 そして今回は、最上位モデルに相当するGeForce RTX 5080搭載ZOTAC MAGNUS ONE ULTRA EU275080Cの登場となる。

 ご存知のようにGeForce RTX 5080の1つ上に最上位のGeForce RTX 5090(32GB)があるだけ、桁違いに大きくて重いため、11.46Lの筐体にはどうやっても入らない。つまり、コンパクトなPCに収めるならこの構成が物理的に最大だ。主な仕様は以下の通り。

ZOTAC MAGNUS ONE ULTRA EU275080Cの仕様
プロセッサCore Ultra 7 265(Pコア8基、Eコア12基/20コア20スレッド、クロック最大 5.3GHz、キャッシュ 30MB、NPU 最大13TOPS)
メモリ32GB(SO-DIMM DDR5)/2スロット(16GB×2/最大96GB)
ストレージ1TB(M.2 2280/2スロット/内1つNVMe PCIe 5.0×4対応/1つ空き)、2.5型 SATAベイ
OSWindows 11 Home(25H2)
グラフィックスIntel Graphics、GeForce RTX 5080(16GB)/HDMI 2.0 + Thunderbolt 4、DisplayPort 2.1b 3基、HDMI
ネットワークGigabit Ethernet、5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4
インターフェイス前面: USB 3.2 Gen 1、USB 3.2 Gen 1 Type-C、3-in-1 カードスロット(UHS-II SD/SDHC/SDXC)、3.5mmジャック
背面: USB 3.2 Gen 2 4基、USB 3.2 Gen 1 2基、Thunderbolt 4、Wi-Fiアンテナコネクタ2基
電源850W
サイズ/重量365.5mm×270.5mm×249mm(容積11.46L)
価格未定、ベアボーンあり

 プロセッサはCore Ultra 7 265。Pコア8基、Eコア12基の20コア20スレッド。クロック最大は5.3GHz。キャッシュ 30MB。最大13TOPSのNPUを内包している。プロセッサに関してはこのシリーズ下位モデルも同じだ。

 メモリは16GB×2の合計32GB。DDR5 SO-DIMM×2。最大96GBまで対応する。ZOTAC「MAGNUS ONE EU27507TC」のときは、16GB×1で、シングルチャネル動作、そしてComfyUIは画像を生成できず……とパフォーマンスが出なかったものの今回は大丈夫。

 ストレージは1TB SSD(M.2 2280)。2スロットあり、うち1つNVMe PCIe 5.0×4対応。加えて2.5型 SATAベイもある。

 グラフィックスは、プロセッサ内蔵のIntel Graphicsと、GeForce RTX 5080(16GB)。外部出力用にHDMI 2.0 + Thunderbolt 4、DisplayPort 2.1b 3基、HDMIを装備。

 OSはWindows 11 Home。25H2だったのでこの範囲でWindows Updateを適用し評価している。

 ネットワークはGigabit Ethernet、5Gigabit Ethernet、Wi-Fi 7、Bluetooth 5.4。そのほかのインターフェイスは、前面USB 3.2 Gen 1、USB 3.2 Gen 1 Type-C、3-in-1カードスロット(UHS-II SD/SDHC/SDXC)、3.5mmジャック。背面USB 3.2 Gen 2 4基、USB 3.2 Gen 1 2基、Thunderbolt 4、Wi-Fiアンテナコネクタ2基(GeForce RTX 5080を除く)。

 電源は850W。筐体サイズは365.5mm×270.5mm×249mm(容積11.46L)。下位モデルが8.48Lだったので少し大きくなっている。

 価格は執筆時点で未定。円の動きが早く、加えてメモリの高騰。メーカーとしても価格を決め難い状況なのだろう。またベアボーンモデルも用意されているため、手持ちのパーツがあれば流用し、安価に上げることも可能だ。

前面。電源ボタン、3.5mmジャック、3-in-1カードスロット、各種LED、USB 3.2 Gen 1、USB
背面。Wi-Fiアンテナ用コネクタ、Gigabit Ethernet、USB 3.2 Gen 2 2基、Gigabit Ethernet、USB 3.2 Gen 1 2基、HDMI、ロックポート、Thunderbolt 4
BIOS / Main。起動時[DEL]キーで表示
BIOS / OC
付属品。電源ケーブルとWi-Fiアンテナ
いつものキーボード付きモバイルモニターへ接続。後ろ側にThunderbolt 4があり、Type-Cケーブル1本で接続可能。ベンチマークテストはGeForce RTX 5080のHDMI出力を使っている

 筐体は11.46L。GeForce RTX 5070 Ti搭載機は8.48Lだったので少し大きくなっている。パネルを開け中を見れば分かるが、デスクトップ用のGeForce RTX 5080がまんま入っているのだからこれは仕方ない。逆にこのサイズへよく押し込んだな!と感心する。

 前面は電源ボタンや各種LED、USB 3.2 Gen 1、USB 3.2 Gen 1 Type-C、3-in-1カードスロット(UHS-II SD/SDHC/SDXC)、3.5mmジャック。背面はWi-Fiアンテナ用コネクタ、Gigabit Ethernet、USB 3.2 Gen 2 2基、Gigabit Ethernet、USB 3.2 Gen 1 2基、HDMI、ロックポート、Thunderbolt 4を配置(GeForce RTX 5080の出力を除く)。

 Thunderbolt 4もあるためいつものキーボード付きモバイルモニターへもケーブル1本で接続可能だ。BIOSは起動時に[DEL]キーで表示する。

 付属品はアンテナ2本と電源ケーブル。なお写真は撮ってないが梱包時、GeForce RTX 5080側にクッションが入っており、外して使うようにと説明にある。これなら運搬時も安心というわけだ。

 開け方は簡単。まず背面上にあるネジ2本を外す(アンテナが付いてるときはアンテナも)。次に天板を後ろに引いて外す。ここにはファンが3つ仕込まれている。あとは左右、必要に応じてパネルを外せばOKだ。向かって右側はCPUやメモリ/ストレージ、左側にはGeForce RTX 5080が入っている。

背面の上部にあるネジ2本を外し、上部パネルを後ろへ押すと外れる。その後、左右のパネルをスライドして外す。上部パネルにはファンが3つ
メモリスロット2基とM.2スロット2基
左側はデスクトップ用GeForce RTX 5080がまんま入っている。iPhone 16 Proとの比較からも分かるように、構成の割にはコンパクト

 さてノイズだが、さすがにデスクトップ版GeForce RTX 5080+3つのファンがあるだけにそれなりにある。負荷をかけるとちょっと煩いのだがこれは仕方ないところ。発熱は主に上部、3つのファンから。これは暖かい程度でそれほどでもない。

ゲーム、LLM、生成AI画像、何にでも使える1台!

 初期起動時、デスクトップはNVIDIA Appがある程度でWindows 11 Homeほぼ標準。構成が構成なだけに何をしても快適に動作する。

 1TB SSDはCrucialの「CT1000P310SSD8」。既に製造終了しているモデルだが、流通在庫がまだあるのだろう。仕様によると、シーケンシャルリード7,100MB/s、シーケンシャルライト6,000MB/s。CrystalDiskMarkのスコアもそのまま出ている。C:ドライブのみの1パーティションで約930GBが割り当てられている。

 5Gigabit EthernetはRealtek PCIe 5GbE Family Controller、Gigabit EthernetはRealtek PCIe GbE Family Controller、Wi-FiはIntel Wi-Fi 7 BE200、BluetoothもIntel製だ。

初期起動時のデスクトップ。Windows 11 Home。デスクトップはNVIDIA App
デバイスマネージャー/主要なデバイス。1TB SSDはCrucialの「CT1000P310SSD8」。5Gigabit EthernetはRealtek PCIe 5GbE Family Controller、Gigabit EthernetはRealtek PCIe GbE Family Controller、Wi-FiはIntel Wi-Fi 7 BE200、BluetoothもIntel製
ストレージのパーティション。C:ドライブのみの1パーティションで約930GBが割り当てられている。
NVIDIA App

 ベンチマークテストは、PCMark 10、3DMark、Cinebench 2026、CrystalDiskMarkを使用した。

 また3DMarkに関しては、GeForce RTX 5080ということもあり、いつもはテストしないSpeed Way、Steel Nomad、Port Royal、Solar Bay、Wild Lifeのスコアも記載、GeForce RTX 5070 Ti搭載のZOTAC「MAGNUS ONE EU27507TC」のスコアも併記している(ただしメインメモリが16GBのシングルチャネル動作)。

 結果は当然ながらかなりのハイスコア。特に3DMarkの値が凄まじい。測定中画面を観てても飽きない説得力がある。

PCMark 10 v2.3.2912
PCMark 10 Score10,605
Essentials11,174
App Start-up Score11,039
Video Conferencing Score8,434
Web Browsing Score14,987
Productivity14,839
Spreadsheets Score27,346
Writing Score8,053
Digital Content Creation19,518
Photo Editing Score28,255
Rendering and Visualization Score27,037
Video Editing Score9,734
3DMarkの結果
Cinebench 2026
マルチスレッド5,863
シングルスレッド525
CrystalDiskMark 8.0.5
[Read]
  SEQ    1MiB (Q=  8, T= 1):  7035.310 MB/s [   6709.4 IOPS] <  1191.86 us>
  SEQ    1MiB (Q=  1, T= 1):  4686.472 MB/s [   4469.4 IOPS] <   223.59 us>
  RND    4KiB (Q= 32, T= 1):   829.336 MB/s [ 202474.6 IOPS] <   153.89 us>
  RND    4KiB (Q=  1, T= 1):    85.090 MB/s [  20773.9 IOPS] <    47.97 us>

[Write]
  SEQ    1MiB (Q=  8, T= 1):  6442.642 MB/s [   6144.2 IOPS] <  1299.21 us>
  SEQ    1MiB (Q=  1, T= 1):  5415.428 MB/s [   5164.6 IOPS] <   193.45 us>
  RND    4KiB (Q= 32, T= 1):   581.217 MB/s [ 141898.7 IOPS] <   220.66 us>
  RND    4KiB (Q=  1, T= 1):   234.930 MB/s [  57356.0 IOPS] <    17.35 us>

 さて、GeForce RTX 5080搭載なので、LM Studioを使ってgpt-oss-20bを動かしたところ、151.79tok/s、1st token 0.19sと高速に動作。爆速という表現がぴったりだ。

LM Studioを使ってgpt-oss-20b。151.79tok/s、1st token 0.19sと高速動作

 続いてComfyUI DesktopでZ-Image-Turboの生成速度。1,024x1,536(2:3)で11.33秒。これもなかなか。ComfyUI DesktopはComfyUIのデスクトップ版で、インストーラーから一発でComfyUIを起動できる優れものだ。ただし、スマートアプリコントロールをOFFにしないと起動時エラーで落ちるため要注意!

ComfyUI Desktopを使ってZ-Image-Turboを1,024x1,536で生成。11.33秒

 このように、ゲームは快適、LLMは「VRAMにさえ乗れば」爆速、生成AI画像も文句なし。なかなか良いマシンだ。さすがGeForce RTX 5080搭載モデル、といったところ。


 以上のようにZOTAC MAGNUS ONE ULTRA EU275080Cは、下位モデルから少し大きくなったとはいえ、11.46Lのコンパクトな筐体へGeForce RTX 5080を搭載、Core Ultra 7 Processor 265/32GB/1TBと、ゲーム、LLM、ComfyUIで画像生成など、何でも快適に動作可能なPCだ。

 現状価格は未定だが、おそらくそれなりの数字にはなるだろう。手持ちのパーツがあればベアボーンで安く上げることも可能。この詰め込み感にグッときた人にぜひ使ってほしい1台だ。