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無料でここまで!OCRもAIも使えるMacクリップボード管理「Clippy」

 数あるMac向けクリップボードマネージャーの中でも、完成度の高さで頭1つ抜けているのが「Clippy」です。無料とは思えないほど多彩な機能を備えたアプリで、有料アプリに匹敵する使い勝手を実現しています。ここでは、Clippyの導入から基本的な使い方、便利な活用方法まで紹介します。

Clippyはクリップボード履歴の管理に加え、OCRやスニペット、AIなどにも対応する多機能なアプリです

Macユーザが欲しい機能がこれ1つに

 macOS Tahoe 26では、Spotlightからクリップボードの履歴を検索し、過去にコピーした内容を再利用できるようになりました。

 標準機能として搭載されたのは便利ですが、専用のクリップボードマネージャーと比べると、物足りなく感じる人もいるでしょう。

 そこでおすすめしたいのが、2025年11月にオープンソースソフトウェアとしてGitHubで公開された「Clippy」です。

 その最大の特徴は、無料でありながら非常に多機能なこと。クリップボードの履歴を管理するだけでなく、画像内のテキストを自動で読み取るOCR機能や、よく使う定型文を呼び出せるスニペット機能、AIを使った要約・翻訳機能など、現代のMacユーザが求める機能をふんだんに盛り込んでいます。

 インストールは、GitHubのページから最新のDMGファイルをダウンロードし、中にある「Clippy」を[アプリケーション]フォルダへドラッグ&ドロップするだけです(対応OSはmacOS 13以降)。

 初回起動時にはチュートリアル画面が表示されるので、画面の案内に従って設定を進めましょう。設定が完了すると、メニューバーにClippyのアイコンが表示されます。

Clippyを入手するには、まずGitHubのClippyページにアクセスします
ページを下へスクロールし、[README]の[Installation]欄にある[Releases]をクリックします
[Assets]欄にある最新バージョンのDMGファイル(図では「Clippy-v1.dmg」)をクリックしてダウンロードします
ダウンロードしたDMGファイルを開き、Clippyを[アプリケーション]フォルダへドラッグ&ドロップします
初回起動時に確認メッセージが表示されたら、[開く]をクリックします。続いて表示されるチュートリアル画面で[Continue]をクリックして進み、最後に[Start using Clippy]をクリックします
アクセシビリティ機能へのアクセスを求める画面で[システム設定を開く]をクリックします。[アクセシビリティ]の画面で[Clippy]のスイッチをオンにし、パスワードやTouch IDで認証すると利用できるようになります

Clippyで始める快適なコピー&ペースト

 Clippyを利用するには、アプリを起動した状態でメニューバーのアイコンをクリックするか、初期設定で割り当てられている[command]+[shift]+[V]キーを押します。

 するとクリップボード履歴が表示されるので、使いたい項目を選び、[return]キーを押すか[Paste]ボタンをクリックすれば、現在使用しているアプリにペーストできます。

 上から1〜9番目までの履歴は、[command]+対応する数字キーを押して直接ペーストすることも可能です。

 また、各項目にマウスポインタを重ねると、スターやピン留めなどのアクションボタンが表示され、ワンクリックで実行できます。

 さらに、[command]+[option]+[V]キーを押すと「Quick Preview」と呼ばれるフローティングパネルが表示され、直近10件の履歴から素早くペーストできます。

URLはWebサイトのタイトル付き、カラーコードは実際の色見本付き、プログラミングコードはシンタックスハイライト付きになるなど、内容に応じて見やすく表示されます
履歴から目的の項目を選び、[Paste]ボタンをクリックするか[return]キーを押すと、現在使用しているアプリに貼り付けられます
履歴にマウスポインタを重ねると各種アクションボタンが表示され、スター登録やピン留めなどを実行できます
Quick Previewでは直近10件の履歴を確認し、目的の項目を素早くペーストできます

特におすすめしたいClippyの便利機能

 Clippyには、履歴の呼び出しやペースト以外にも、コピーした内容を検索、加工、再利用できる便利な機能が数多く用意されています。ここからは、その中でも特におすすめの機能を紹介していきます。

(1)自然な言葉で探せる「クリップボードに質問」

 「あの電話番号は?」「昨日コピーしたリンクは?」などと自然な言葉で問いかけると、Clippyが履歴の内容をもとに該当する項目を探し出します。

 キーワードを正確に覚えていなくても、内容の意味から検索できるため、うろ覚えの履歴を見つけたいときに便利です。なお、利用するにはClippyの設定画面でAI機能を有効にしておく必要があります。

メニューバーのClippyアイコンを副ボタンクリックして[Settings]を選択し、設定画面を開きます。続いて、サイドバーの[AI]を開き、[AI features]をオンにします
検索欄の右端に表示される星型のAIアイコンをクリックすると、「クリップボードに質問」を利用できます
自然な言葉で質問すると、Clippyが履歴の内容をもとに該当する項目を一覧表示します

(2)画像の文字も検索できる自動OCR機能

 [command]+[shift]+[2]キーで画面上の範囲を指定するか、「プレビュー」などで画像を開いてコピーすると、Clippyが画像内のテキストを自動で読み取ります。

 WebサイトやPDF上の選択できない文字はもちろん、動画の一場面やスクリーンショット、エラーダイアログに表示された文字をテキストとして取得できるため、コピーや検索に活用できます。

 OCRにはAppleのVisionフレームワークが使われており、日本語を含む30以上の言語をデバイス上で認識します。

[command]+[shift]+[2]キーで画面の任意の範囲をドラッグしてコピーすると、テキストとして抽出できます
「プレビュー」などで画像を開いてコピーすると、[Images]タブに履歴として保存されます。続いて、[Copy as text]をクリックすると、画像内のテキストをコピーして利用できます
[Images]タブに保存された項目をクリックすると詳細ウインドウが開き、画像内のテキストをドラッグして選択できます

(3)AIと連携したテキスト変換機能

 Clippyの履歴に保存されたテキストは、AIを使って要約や翻訳(30以上の言語)、文法修正、箇条書き化、メール文の作成、コードの解説やバグ検出などを行なえます。使用するAIは、設定画面の[AI]から選択できます。

 初期設定ではApple Intelligenceが選択されていますが、ローカルで動作するOllamaや、クラウドベースのChatGPT、Claude、Google Geminiへ切り替えて利用することもできます。

「魔法のステッキ(マジックワンド)」アイコンをクリックすると、ポップアップメニューが表示されます。[AI]欄から[Summarize]などを選ぶと、要約を始めとする各種AI処理を実行できます

(4)いつでも呼び出せるスニペット機能

 メールのあいさつ文や住所など、繰り返し使うテキストをスニペットとして登録しておけば、短いキーワードを入力するだけで、その内容をすぐに貼り付けられます。

 日付や時刻を自動で入力する機能もあり、たとえば{{DATE}}を登録すると、スニペットを使った日の日付が入力されます。

 また、入力フォーム付きパラメーターを使えば、名前や日付などをその都度指定し、内容を反映した文章を生成できます。

履歴から登録したいテキストを選ぶと詳細ウインドウが開きます。[⌘ KEYWORD]欄に「;」付きのキーワードを入力して[Save]をクリックすると、スニペットとして登録できます。登録後は、「;adrs」のようにキーワードを入力するだけで、設定したテキスト(ここでは住所)が入力されます
スニペット内に、名前や案件名、請求書番号、支払期限などの入力項目を設定した例です。[⌘ KEYWORD]欄に呼び出し用のキーワードを入力し、[Save]をクリックして登録します
キーワードでスニペットを呼び出すと、入力フォームが表示されます。必要事項を入力すると、その内容を反映した文章がプレビューに表示され、[Paste]をクリックすると貼り付けられます

Macの作業効率を底上げする必携アプリ

 このほかにもClippyには、スクリーンショットに矢印やテキスト、ぼかしなどを加えられる「スクリーンショットエディター」、ファイルをドラッグ&ドロップするだけで画像・ドキュメント・音声・動画・データの各形式を変換できる「ファイルコンバーター」、URLリンクをQRコード化してスマートフォンへ受け渡せる「Send to Phone」など、ここでは紹介し切れないほど多くの機能が搭載されています。

 これまでさまざまなクリップボードマネージャーを試してきましたが、無料でありながら、これほど多彩な機能を備え、しかも1つひとつの完成度が高いことには本当に驚かされました。

 コピー&ペーストは、Macを使ううえで欠かせない基本操作です。Clippyを導入すれば、日々の作業をより効率よく進められるようになりますので、ぜひ一度試してみてください。きっと手放せない相棒になるはずです。

[command]+[shift]+[1]キーで画面の任意の範囲をドラッグすると、スクリーンショットエディターが開きます。各種ツールを使ってスクリーンショットに図形や文字、注釈などを書き込めます
メニューバーのClippyアイコンを副ボタンクリックして[File Converter]を選択すると、ファイルコンバーター機能を利用できます
コピーしたURLのリンクを副ボタンクリックして、メニューから[Send link to iPhone (QR)]を選択するとQRコードを生成できます。これをiPhoneの「カメラ」アプリで読み取れば、簡単にリンクの受け渡しができます