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Macの集中モードを快適に使いこなすテクニック ~Macのキホン Vol.5
2021年12月20日 06:14
macOS Montereyでは、通知を細かくコントロールする「集中モード」という機能が搭載されました。集中モードというと、仕事に集中するための機能だと思うかもしれませんが、ほかにも様々な使い道が考えられます。ここではそんな集中モードを使いこなすためのテクニックをご紹介しましょう。
そもそも集中モードってどんな機能?
もともとmacOSには、通知を一時的にオフにする「おやすみモード」が搭載されていました。macOS Montereyで搭載された集中モードは、このおやすみモードを発展させた機能と考えると分かりやすいでしょう。
通知を一時的にオフにするという点では、集中モードは従来のおやすみモードと同じです。しかし、集中モードではさらに特定の相手からの着信だけを通知したり、特定のアプリからの通知のみを許可したりなど、柔軟な設定が可能になっています。
また、特定のアプリを使用し始めたときに自動的にオンにしたり、特定の場所に来たら自動的にオンにするといったように、モードを切り替える条件も柔軟に設定できます。
さらに集中モードが優れているのは、iPhoneやiPad、Apple Watchなど、他のApple製品と状態を同期させることができる点です。Macで集中モードをオンにすると、同じApple IDを使っているすべてのデバイスで集中モードがオンになります。
同様に、1つのデバイスからすべてのデバイスの通知を一斉にオフにすることもできるため、手軽に集中できる環境を整えることが可能です(同期させない方法もあります)。
集中モードはどんなときに使う?
それでは、集中モードはどんなときに重宝するのでしょうか。
まず思いつくのは、仕事に集中したいときでしょう。不要不急の情報をシャットアウトすることで目の前のことに集中し、生産効率を高めることができます。仕事の関係者からの通知をオンにしておけば、急ぎの連絡を見逃すこともありません。
それとは逆に、プライベートの時間を充実させるのにも集中モードは役立ちます。家族団欒のひとときを過ごしているとき、取引先からのメール着信に煩わされることもありません。
ほかにも、「映画や音楽の鑑賞中」「画面の一部が通知で隠れてほしくないゲーム中」「通知疲れ」「通知の覗き見防止」など、集中モードが役立つシチュエーションは色々あります。
集中モードの設定方法
では、実際にMacで集中モードを設定する方法を見ていきましょう。集中モードの設定は、システム環境設定の「通知と集中モード」パネルから行ないます。
「集中モード」タブをクリックすると、あらかじめサイドバーに「おやすみモード」「睡眠」「運転」などのモードが登録されているはずです(同じApple IDでiPhoneを使っている場合)。また、ウィンドウ左下の「+」ボタンを押すと新しい設定を作ることが可能です。
Mac以外のデバイスでも集中モードを同期したい場合は、同じくウィンドウ左下にある「デバイス間で共有」のチェックをオンにしましょう。
サイドバーから集中モードの各モードを選択すると、パネル右側に詳細な設定項目が表示されます。
まず、「通知を許可」の欄では、「連絡先」と「App」を設定できます。「連絡先」には、集中モードをオンにしたときに通知を許可する相手を登録します。「連絡先」アプリに登録されている人が選択対象になります。
一方、「App」のほうは、集中モード中に通知するアプリを設定します。どちらも「+」ボタンを押すと候補が出てくるので、そこから選んで登録しましょう。「連絡先」と「App」で何も許可しなければ、誰からもどんなアプリからも通知は届きません。
即時通知を設定する
「通知を許可」の右側には「オプション」ボタンが用意されており、これをクリックすると、通知に対する細かな追加設定項目が表示されます。
「即時通知を許可」というチェックボックスをオンにすると、集中モード中に即時通知が通知されるようになります。即時通知をオンにすると一部の特定のアプリからの通知は例外として即座に通知されるのです。
即時通知の対象となるアプリは、現状「カレンダー」や「メッセージ」「ホーム」「リマインダー」など、わずかな純正アプリに限られています。「通知」タブから各アプリの通知設定画面を表示し、「即時通知を許可」という項目があればそのアプリは即時通知に対応しています。
電話やFaceTimeの着信設定をする
「即時通知を許可」の下にある「着信を許可」の項目は、電話やFaceTime通話の着信を許可するかどうかの設定です。チェックボックスを外すと、着信を一切受け付けなくなります。また、チェックボックスをオンにして、隣のプルダウンメニューから特定のグループだけを許可することもできます。
「すべての人」は、文字どおりすべての人からの着信。「すべての連絡先」は、「連絡先」アプリに登録されているすべての人です。「よく使う項目」は、iPhoneの「電話」アプリにある「よく使う項目」のことです。そのほか、「連絡先」アプリで作成したグループを指定することも可能です。
また、「繰り返しの着信を許可」をオンにしておくと、同じ番号から3分以内に2度目の着信があった場合、誰からの電話でも通知されるようになります。
Macで電話やFaceTimeの着信を受ける人はあまり多くないと思いますが、集中モードの設定をデバイス間で同期している場合、設定次第ではiPhoneでも着信が通知されなくなってしまいます。その点も含め、慎重に設定を検討しましょう。
時刻や場所などで自動的にオン/オフ
「集中モード」タブにある「自動的にオンにする」欄も忘れずに設定しておきましょう。ここから集中モードを自動的にオン/オフする条件を設定することができます。
「+」ボタンをクリックすると「時刻に基づくオートメーションを追加」「場所に基づくオートメーションを追加」「Appに基づくオートメーションを追加」の3つのメニューが表示されますので、好みの条件を選択して設定していきます。
たとえば、「時刻に基づくオートメーションを追加」を選べば、何曜日の何時から何時まで集中モードをオンにするかを設定できます。「場所に基づくオートメーションを追加」では、自宅や職場などの位置情報に基づいて集中モードを自動で有効化できます。
集中モードは、コントロールセンターを表示して手軽にオン/オフできますが、状況に合わせて自動でオン/オフするよう設定しておくとさらに使い勝手が高まります。用途に合わせて自分だけの設定を作っておくといいでしょう。
「集中モード状況を共有」に要注意
最後に、「集中モード」タブの最下部にある「集中モード状況を共有」という設定について説明しておきましょう。この項目をオンにすると、連絡を取ろうとした相手に、自分が通知を受け取らないようにしていることが伝わります。
ただし、この設定が有効になるのは、今のところ「メッセージ」アプリのみのようです。さらに、正しく機能させるには、この部分のチェックボックスをオンにしたうえで、システム環境設定の「セキュリティとプライバシー」項目を開き、「ユーザ応答可能状況」という項目でメッセージのチェックボックスをオンにしておく必要があります。
自分が通知を受け取れない状況だと伝えるのは、相手にとって親切かもしれません。しかし、相手側としては、逆にこの表示を見てメッセージの送信を諦めてしまうケースもあるのではないでしょうか。状況を伝えるべきかどうかは、慎重に考えて設定しましょう。
通知と心地よく付き合おう
Apple製品の「通知」機能は、便利な面もありますが課題もあります。他のことをしているときでもメールやメッセージの着信を教えてくれるのは便利ですが、この通知によって気が削がれたり、たくさんの通知によってストレスを感じてしまうこともあります。
ITの進化によって、コミュニケーションのスピードは飛躍的に速くなりましたが、そのせいで自分のペースが乱され、ストレスを抱えてしまうこともあるでしょう。
集中モードは、そうしたストレスを軽減し、自分の仕事のリズム、生活のリズムを整えてくれるのに役立ちます。自分にとって心地いい設定を考えながら、通知と上手に付き合っていきましょう。