MacでSiriを便利に活用するためのテクニック。声でアプリ同時起動も可能 ～Macのキホン Vol.4

1. ロック中でもSiriを呼び出す

　システム環境設定の「Siri」パネルにある「"Hey Siri"を聞き取る」をオンにすると、「ロック中にSiriを許可」という項目が表示されます。この項目もオンにしておけば、Macの画面がスリープ/ロックしているとき、あるいはスクリーンセーバーが動いているときでも「Hey Siri」と呼びかけることができます。

　なお、「Hey Siri 今日は何日?」「音楽を再生」などの操作には応じてくれますが、「今週の予定を教えて」「(連絡先に登録されている)山田太郎の電話番号を教えて」といった個人情報に関する情報は、ロック時だと対応してくれません。また、ノートブック型Macの場合、完全に閉じた状態だとHey Siriは反応してくれません。

「ロック中にSiriを許可」をオンにしておくと、スリープやスクリーンセーバー動作時でもSiriを起動させることができます

2. キーボードショートカットを考える

　Siriを呼び出すためのキーボードショートカットは、システム環境設定の「Siri」パネルで変更できます。ブルダウンメニューの中には複数の選択肢が用意されていますが、一番下の「カスタマイズ」を押せば、好きなキーを登録できます。複数のキーを組み合わせて押すのが面倒だと思ったら普段使わないファンクションキーを登録するなど、自分の使いやすいキー設定を考えてみましょう。

「ショートカット」プルダウンメニューから「カスタマイズ」を選べば、好きなキーコンビネーションを設定できます

3. Siriの声を変更する

　Siriの声は、男性風の「声1」と女性風の「声2」が用意されています(以前のOSではズバリ「男性」と「女性」という表記でした)。システム環境設定の「Siri」パネルで好みのものをクリックするだけで、即座に変更が反映されます。

　ただし、ここで変えた設定は、自分のApple IDを紐づけているすべてのデバイスに反映されることに注意しましょう。女性風から男性風の声に変えた場合、iPhoneやiPad、Apple Watchなどすべてのデバイスで一斉に変わってしまうのです。今のところ、特定のデバイスだけ声の種類を変えることはできないようです。

声のタイプは2種類用意されていますが、Siriには性別がないようです

4. Siriでタイプ入力できるようにする

　職場などで使っているMacの場合、声を出してSiriに何かを頼むのが恥ずかしいと感じる人もいるでしょう。そんな人は、タイプ入力でSiriが利用できるよう設定を変更してみましょう。

　設定する場所は、システム環境設定の「アクセシビリティ」パネルです。まず、パネルの左側をスクロールすると下のほうに「Siri」項目があるのでクリックします。するとパネルの右側に「"Siriにタイプ入力”を有効にする」と言うチェックボックスが表示されるので、それをオンにすれば設定完了です。

　なお、タイプ入力をオンにした状態でも、「Hey Siri」と呼びかけて起動したときだけは声で操作することができます。

Siriに関係する設定の多くは「Siri」パネルに集約されていますが、この項目は「アクセシビリティ」パネルにあります。注意しましょう

5. Siriが声を出さないようにする

　上記の設定を行なってタイプ入力でSiriを操作しても、Siriの返答は声で返ってきます。職場やカフェなどでMacを使っている場合、突然Siriの声が響くことになってみんなの注目を集めてしまうでしょう。

　これはMac本体を消音にすることでも解決できますが、Mac全体を消音にせず、Siriの返答だけを無音にすることも可能です。

　設定方法は、システム環境設定の「Siri」パネルにある「音声フィードバック」をオフにするだけです。音声がなくてもSiriのポップアップパネル上に応答文が表示されるので、困ることは特にないはずです。

Siriのフィードバックは画面にはっきりと明示されるので、声による読み上げがなくてもそれほど困らないと思います

1. 各種システム環境設定の変更をリクエスト

　システム環境設定内で変更できる色々な設定項目を、Siriに頼んで変えてもらうことができます。例えば、「画面を明るくして」「消音にして」「スクリーンセーバーを起動」「ダークモードに変更」などです。

　変更すると、パネルに変更した設定内容が表示されるので、そこをクリックやドラッグして再度調整することも可能です。

2. 結果をドロップして貼り付け

　例えば、Siriに「バラの画像を見せて」とお願いすると、SiriはWeb上から該当する画像を集めてきてくれます。そのサムネイルから任意のものをドラッグしてPagesやテキストエディットなどにドロップすると、画像を挿入することができます。ただし、公に使う文書を作るときは著作権に注意しましょう。

　また、「パリの人口は?」など一般的な知識に関する質問をしたあとに表示される情報は、メモなどにドラッグしてストックしておくこともできます。調べ物をしているときに重宝するでしょう。

一般的な知識を別の場所にドラッグ&ドロップするときは、左上の「知識」と書いてあるあたりをドラッグするとうまくいきます

3. ショートカットと組み合わせる

　Mac標準アプリの「ショートカット」と組み合わせると、声で実行できることがどんどん増えていきます。例えば、仕事で使う複数のアプリを同時に起動するショートカットを作っておけば、Siriに一声かけるだけで準備できるようになります。

　ショートカットの「ギャラリー」を覗くと、いくつかのサンプルが用意されているのに気がつくでしょう。指定したアプリのウィンドウをピッタリ左右に並べるといったものもあります。

「ショートカット」とSiriを組み合わせれば、複数のアプリをまとめて起動させることもできます。ショートカットの名称は、リクエストしやすい短めのものにするのがおすすめです

1. ファイル検索

以前は「昨日開いたファイルを探して」などとリクエストしてファイルを探すことができましたが、Montereyでは「Finderで私がそのお手伝いをすることはできません」というそっけない返答が返ってきてしまいます。

2. システム情報の確認

「Macの空き容量を教えて」「搭載メモリを教えて?」といった質問も、以前のSiriなら答えてくれました。ところがMontereyでは、こちらも利用できなくなってしまいました。

3. 写真の検索

　「写真」アプリ上では、「猫」や「自動車」などの一般名称で写真を検索できますが、Siriに「猫の写真を探して」と頼んでも、インターネット検索の結果が返ってくるばかり。また、ピープルに登録されている人物の写真をSiriに探し出してもらうこともできません。

　これらは一時的な機能不全なのか、それとも何らかの意図があっての変更なのかは定かではありません。しかし、便利な機能だったのは間違いないので、是非とも復活してほしいところです。

本稿執筆時点では、Siriでファイル検索を頼むことができなくなっています