買い物山脈

ついに安定した?Wi-Fi 7ルーターを4台渡り歩きたどり着いた「Aterm 19000T12BE」

製品名
Aterm 19000T12BE
価格
5万6,980円
購入時期
1月下旬
試用期間
約2カ月
「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです
NECプラットフォームズ 「Aterm 19000T12BE」

 2023年末に日本で認可され、2024年冬頃から本格的な普及期に入ったWi-Fi 7。2025年に入ると筆者も複数のWi-Fi 7対応機器を実際に利用し、レビューでもWi-Fi 7対応製品が増えてきたこともあって、2025年2月頃より自宅無線LANルーターのWi-Fi 7対応を進めていた。

 ただ、そこでさまざまなトラブルに見舞われ、結局4台もWi-Fi 7ルーターを購入する羽目になってしまった。今回は、最後に購入したNECプラットフォームズの「Aterm 19000T12BE」をとりあげつつ、それまでに至る顛末を紹介したいと思う。

PCやスマホのWi-Fi 7対応が進んだことで、自宅無線LANのWi-Fi 7化に着手

 Wi-Fi 7が国内で認可されたのは、2023年12月末のこと。その直後からWi-Fi 7対応の無線LANルーターが続々販売されたが、クライアントとなるPCやスマートフォンでの対応は2024年秋以降まで待つ必要があった。そのため筆者もすぐにWi-Fi 7ルーターを購入することはなかったが、2024年秋以降もWi-Fi 7対応のPCやスマートフォンはまだそれほど多くなく、購入を先延ばししていた。

 ただ、2025年に入って、特にPCでWi-Fi 7対応モデルが続々登場してきた。さらに筆者自身もWi-Fi 7対応のスマートフォンに加え、2025年1月にWi-Fi 7対応のモバイルノートPCを導入したこともあり、そろそろWi-Fi 7対応を実現しておく必要があると考えて、自宅の無線LANをWi-Fi 7に対応させるべく製品選択を始めた。

スマートフォンに加えて、Wi-Fi 7対応ノートPCを導入したことで、自宅無線LANのWi-Fi 7対応を開始した

 筆者宅のLAN環境は少々特殊で、10Gbps対応光回線のONU直下にバッファローの法人向け有線VPNルーター「VR-U500X」を繋ぎ、そこから宅内の各部屋に10GbE(Gigabit Ethernet) LAN対応の有線LANを引いている。そして、無線LANは無線LANルーターをアクセスポイントモードに設定し、リビングルームのLANポートに接続することで対応してきた。

 こういった使い方をしていることもあって、無線LANのWi-Fi 7化においても、同様の方法で対応することを前提として製品を探し始めた。

10Gbps対応光回線のONU直下にバッファローの有線VPNルーター「VR-U500X」を繋ぎ、宅内の各部屋へ10GbE LAN対応の有線LANを引いてるため、無線LANルーターはアクセスポイントモードでリビングルームに設置して運用する

 製品選択で重視したポイントは全部で4つだ。

 1つ目は、Wi-Fi 7が2.4GHz/5GHz/6GHzのトライバンド対応で、すべての帯域が2ストリーム以上であること。これはPCなどWi-Fi 7クライアントのレビューを行なう上で、最大限の性能を発揮できるものであることが必要だからだ。

 2つ目は、10GbE LANポートを備えていること。Wi-Fi 7はデータ通信速度が大きく向上するため、最大限の速度を引き出したいということと、そもそも家庭内LANは10GbE LAN対応を済ませているから、というのがその理由。ただ、Wi-Fi 7ルーターはリビングルームに設置することから、その直下に10GbE LAN対応クライアントを接続する必要がないため、10GbE LANは1ポートあれば良しとした。

 3つ目は、ルーター機能はこだわらない、というものだ。これは、そもそもアクセスポイントモードでの利用を前提としているからだ。そういった意味では、当初からWi-Fi 7アクセスポイントを選択すればいいのだが、トリプルバンド対応かつ10GbE LANを備える製品は製品選択を始めた当初は見当たらず、その後登場してきた製品も個人向けのWi-Fi 7ハイエンドルーターよりも高価ということもあって、手を出せなかった。

 そして4つ目は、本体に外部アンテナがなく比較的コンパクトで奇抜なデザインではない、というものだ。これは設置場所がリビングルームのテレビ台の上ということから、見た目やサイズを重視してのものだ。

 ちなみに、筆者宅で利用している無線LAN対応機器は、ノートPCやスマートフォン、IoT機器など全15台ほど。このうち2025年1月時点でのWi-Fi 7対応機器は、ノートPCが1台とスマートフォンが4台の5台。この他はWi-Fi 6/5対応機器が中心で、IoT機器の一部はWi-Fi 4/2.4GHz帯域のみ対応のものもある。仕事の関係で接続する機器が増えることはあるが、これ以上減ることはない。

最初に選んだのは、エレコムの「WRC-BE94XS-B」

 以上の選択基準で最初に選択したのが、エレコムの「WRC-BE94XS-B」だった。こちらを選んだ最大の理由は、選択基準を満たしつつ最安だったからだ。

 WRC-BE94XS-Bは、トライバンドで全帯域2ストリーム対応、通信速度は6GHz/5,765Mbps、5GHz/2,882Mbps、2.4GHz/688Mbpsと申し分なく、有線LANも10GbE WAN×1、2.5GbE LAN×3を備えており、競合のハイエンド製品と遜色のない仕様を搭載。それでいて、ルーター機能をシンプルにすることで、2024年の発売当初から3万円を切る低価格を実現していた。筆者が購入したのは2025年2月8日で、購入価格は2万1,800円だった。

最初に選んだのが、エレコムの「WRC-BE94XS-B」。筆者の条件を満たす必要十分な仕様で、価格が安かったから選択
当時のWi-Fi 7ルーターとしてはかなり安価だったが、10GbE WAN×1、2.5GbE LAN×3と有線LANが充実している点も魅力だった

 Wi-Fi 7ルーターとして利用する場合には、ルーター機能のシンプルさが気になる場面があるかもしれないが、筆者の場合はアクセスポイントモードでの利用のため関係ない。その上、この製品はQualcommの「Immersive Home 326プラットフォーム」を採用しているということで、無線LAN部分は安定して利用できそう、という判断もあった。

 ところが、実際に稼働させると、すぐにトラブルが発生。使用を開始して数時間、いきなり無線LANの通信が途切れてしまった。それだけでなく有線LANもデータ通信が途切れてしまう。どうやら本体丸ごと落ちてしまうようなのだ。通信は、本体の電源を抜いて再起動しない限り復帰せず、それが1日に何度も発生してしまう。

 設定を見直しながら問題を探していくと、どうやらWi-Fi 7の新機能である、複数の帯域を束ねて通信が行なえる「MLO」に問題がありそうだった。実際、ルーターの設定でMLOをオフにして運用すると、無線LAN、有線LANとも通信が途切れることなく安定して利用できた。

 とはいえ、Wi-Fi 7を利用する上でMLOの使用は基本中の基本で、機器レビューを行なう際にも必要となるため、MLOオフでの運用はあり得ない。そこで、メーカーサポートに連絡して相談したのだが、時間をかけてさまざまな検証を行なった結果、サポート側でも問題解決は不可能との判断に至った。サポートは非常に親身に対応してくれたのはありがたかったが、最終的には「通常は同等製品への交換になるのですが、同等製品がないため返金処理いたします」ということで返品/返金となった。

次に購入したのは、TP-Linkの「Archer BE700」

 失意の中、次に購入したのがTP-Linkの「Archer BE700」だ。購入したのは2025年2月20日で、購入価格は3万6,720円だった。

 こちらは、TP-LinkのWi-Fi 7ルーターの中でもハイエンドに位置する製品ということもあって、無線LANは6GHz/11,528Mbps、5GHz/2,882Mbps、2.4GHz/688Mbpsとなかなかの仕様。有線LANは10GbE WAN×1、2.5GbE LAN×1、GbE LAN×3となるが、筆者の使い方としては必要十分だ。

続いて選んだのが、TP-Linkの「Archer BE700」。6GHz帯域が4ストリーム対応で、WRC-BE94XS-Bよりもスペックは上だ
有線LANは10GbE WAN×1、2.5GbE LAN×1、Gigabit Ethernet LAN×3となるが、こちらも筆者として必要十分

 そして、こちらを使い始めたところ、当初はWRC-BE94XS-Bのように短時間でデータ通信が途切れることなく安定して使えた。これは良さそうだと思ったのだが、数日すると無線LANの通信が途切れるようになった。

 WRC-BE94XS-Bとは違い、ルーターを再起動しないと通信が復帰しないということはなく、PCやスマートフォンのWi-Fiを1度オフにして接続し直せば復帰する。また、有線LANは通信が途切れることはなかった。とはいえ、無線LANの通信が途切れる症状は、多い時は1日に数回、安定していても1週間に数回は発生した。

 その挙動から、これはもしかして「DFS」が影響しているのでは、と考え、一時的に5GHz帯域のチャンネルをDFSの影響がない「W52」に指定して運用してみた。しかし、それでも通信が途切れる問題が引き続き発生。そもそも、それ以前に利用していたWi-Fi 6E対応無線LANルーターではそういった問題は起きていなかったので、DFSとは違うところで何らかの問題がありそう、という結論に至った。念のためMLOもオフにして試してみたが、そちらでも症状は改善しなかった。

5GHz帯域のチャンネルを、DFSの影響がない「W52」のチャンネルに指定しても通信が途切れる症状が発生
念のためMLOをオフにしてみても、症状は改善しなかった

 同時に、Archer BE700もWRC-BE94XS-B同様にQualcommのチップセットを採用しているため、Qualcommのチップセットに問題があるのではないか、との疑念も湧いてきていた。それでも、さすがに使っている間のアップデートでなんとかなるのでは、と思いつつ使い続けたのだが、その後数カ月利用している間、ルーターのファームウェアアップデート、PC側の無線LANドライバのアップデート、スマホのシステムアップデートなどを経ても、その状況は改善されなかった。最終的には、その間も家族からWi-Fiが途切れると突き上げが強くなっていたこともあり、結局別の製品を試すことにした。

次は、ASUSの「RT-BE18000」

 次に選んだのは、ASUSの「RT-BE18000」だ。購入したのは2025年6月26日、購入価格は5万9,394円だった。

 こちらはASUSブランドのWi-Fi 7ルーターの中でもハイエンドクラスに位置する製品。無線LANの仕様は、6GHz帯域と5GHz帯域が4ストリームに対応し通信速度は6GHz/11,528Mbps、5GHz/5,764Mbps、2.4GHz/688Mbpsと、Archer BE700を上回る。

 有線LANは10GbE WAN/LAN×1、10GbE LAN×1、GbE WAN/LAN×1。どちらも筆者の条件を満たした上で申し分ない仕様となっている。また、こちらは先の2製品が採用していたQualcommのチップセットではなくBroadcomのチップセットを採用しているということも選択理由となった。

 なにより、これまでの2製品と比べてデザイン的にスタイリッシュで、サイズもコンパクトということで、リビングルームのテレビ台に設置するという使い方にも最適、ということも購入を後押しした。

次に選んだのは、ASUSの「RT-BE18000」。無線LANの仕様はArcher BE700を上回っている
有線LANは10GbE WAN/LAN×1、10GbE LAN×1、GbE WAN/LAN×1と必要十分で、Broadcomのチップセットを採用
リビングルームのテレビ台に置いて違和感のないデザインも購入を後押し

 ちなみに、RT-BE18000はルーターまわりの機能も充実しており、アクセスポイントモードで利用するのはちょっともったいないと感じるほどだ。

 運用を開始すると、こちらも当初は安定して利用でき、ようやくこれで落ち着けるかと思った。しかし、またしばらくするとArcher BE700同様に無線LANの通信が途切れる症状が発生。ただ今回は、通信が途切れるのはスマートフォンのみで、PCなどは安定して通信ができている。スマートフォンで通信が途切れた場合には、スマートフォンで無線LANを1度オフにして接続し直すと通信が復帰する。その頻度は、1週間に1回程度と、Archer BE700よりは少なくなったが、症状が発生することは変わらない。

 こちらもMLOをオフにしたり5GHz帯域のチャンネルをW52に指定するなどしてみたが、症状は改善しなかった。

PCでの通信断は発生しなかったが、筆者が利用しているスマートフォン「Pixel 10 Pro XL」や家族のスマートフォンで通信断が発生

 この時点で、PCでは問題が発生しなくなっているので、PC内蔵無線LANモジュールはドライバのアップデートなどで症状が改善したのに対し、スマートフォンには何らかの問題が残ったままなのではないか、と疑うようになってきた。ちなみに筆者が利用しているスマートフォンは、Pixel 10 Pro XL、家族はPixel 9 Pro。そのほかのスマートフォンは、レビューなどで短時間利用が中心のため同様の挙動を確認できていないが、少なくともPixelシリーズの無線LANまわりは何らかの問題があるのでは?という考えに落ち着きつつあった。

 ということで、Pixelで通信が途絶えたら無線LANを接続し直すことでなんとか凌いでいた。

最後の望みでNECプラットフォームズの「Aterm 19000T12BE」を購入

 その後、半年ほどだましだましRT-BE18000を使ってきたが、その間ルーターのファームウェアアップデートやPixelのアップデートを経ても、やはりPixelで通信が途切れる現象は改善しなかった。これはもう手の施しようがないと半分諦めていたのだが、とはいえ通信が途切れ、その都度Wi-Fiを接続し直すのは非常に手間で、なんとかならないかなあ、とずっと思い続けていた。

 そして年が明けた2026年1月15日、NECプラットフォームズからWi-Fi 7トライバンドルーター「19000T12BE」が1月下旬に発売されるという発表があった。価格は6万2,678円。さすがにこれまでWi-Fi 7ルーターを3台も購入し、1台は返金になったものの、トータル9万6,114円費やしており、さらに6万円超を払って新しい製品を購入するのは躊躇したのも事実。また、その時点で採用チップセットは詳細不明で、ここも少々不安だった。

 とはいえ、NECプラットフォームズが満を持して投入してきたトライバンド仕様のハイエンドWi-Fi 7ルーターということで、もしかしたら症状が改善するのではないか、と一縷の望みに賭けることにした。発表直後に予約販売が始まっていたので、考えることをやめて予約購入の手続きを敢行。購入価格は割引クーポンがあったため5万6,980円だった。

どうしようか迷ったが、結局19000T12BEの購入を決断。購入価格は5万6,980円だった

サイズが大きくデザイン性は少々残念も、仕様は申し分なし

 19000T12BEは、サイズが86×251.5×249mmと、これまでに購入した4製品の中で最大だ。最初に購入したWRC-BE94XS-Bは返品済みだが、それ以外はまだ手元に残っているので並べてみたところ、19000T12BEの存在感は別格という印象だ。

 そして、デザイン性はお世辞にもスタイリッシュとは言えず、筐体自体もプラスチックの質感が強烈に感じられることもあって、リビングルームのテレビ台に置くとかなり浮いてしまう。できれば、見えないところに隠したいぐらいだ。

 とはいえ、機能面ではこれまで購入した製品の中でもっとも充実。無線LANは3バンドすべてが4ストリーム対応で、通信速度は6GHz/11,528Mbps、5GHz/5,764Mbps、2.4GHz/1,376Mbpsと最も高速だ。このあたりはさすがハイエンドモデルらしい仕様と言える。

 有線LANは10GbE WAN×1、10GbE LAN×1、GbE LAN×3。製品の位置付け的にも、GbE LANは2.5GbE LANだとより良かったが、筆者の利用環境ではまったく問題はない。

 なお、先にも紹介しているように筆者はアクセスポイントモードで利用するため、ルーター関連機能はチェックしていない。

19000T12BEはかなりサイズが大きく、個人的にはデザインも微妙。3.5インチHDDと比べてみるとこれだけ違う
これまで購入し手元に残っているWi-Fi 7ルーター2製品と並べてみたが、19000T12BEが圧倒的に大きい
テレビ台に置くと、そのサイズと残念なデザインでかなり浮く印象だ
サイズやデザインはともかく、機能面はかなり充実。3バンドすべて4ストリーム対応、有線LANも10GbE WAN×1、10GbE LAN×1、GbE LAN×3と申し分ない

ついに安定して通信できている……のだろうか

 発売日に到着した19000T12BEをさっそくセットアップして利用し始めたが、使い始めは特に問題は発生しなかった。しかし数日後、またまたPixelで通信が途切れる症状が発生してしまった。こちらでも、これまでの機種同様にMLOをオフにしたり、5GHz帯域のチャンネルをW52に固定するなどしてみたが、症状に変化はなかった。

 NECよ、お前もか……。と思いつつ、チップセットは何を採用しているのか調べてみると、どうやらQualcommのチップセットらしいことが分かった。となると、Qualcommのチップセットに問題があるのでは、という疑念がさらに強まってきた。

 ここまで来ると、どれを使っても変わらないなら、と半ば諦めつつ使っていたのだが、3月に入ってしばらくして、そういえばPixelで通信が途切れる症状に遭遇していないな、と気が付いた。確か2月中旬ぐらいまでは途切れることがあったように思うが、少なくとも3月に入ってから通信が途切れた覚えがない。家族からもクレームは発生しておらず、どうやらPixelでも安定して通信できるようになった模様。

当初よりノートPCは無線LANの通信が途切れず、Pixelでも3月以降通信が途切れず安定して利用できている

 この間、19000T12BE側のファームウェアアップデートは1月22日の製品到着時点に公開されたv1.0.5のみで、使い始め当初にアップデートを行なっているため特に変化はない。あとはPixel側のアップデートが2月と3月に実施されている。もしかしたら、そのPixelのアップデートで無線LANが安定して通信できるようになったのかもしれない。

 ルーターやPCの無線LANモジュール、スマートフォンで対策が進み、これまで使っていて手元に残っている2機種でも同じように通信が途切れる症状が発生しなくなっている可能性もあるが、これに気が付いたのがこの原稿を執筆している数日前のことで、ほかの2機種で確認する時間は取れていない。それらでも症状が改善されている可能性が高いようにも思うが、だとしたら都合4台もWi-Fi 7ルーターを買った意味がなくなるため、個人的には確認したくないという気持ちもある。まあ、今後気が向いたら確認したいと思う。

通信速度は、さすがWi-Fi 7という印象

 では、簡単にWi-Fi 7接続時の速度をチェックしてみる。検証用のPCは、Wi-Fi 7対応のIntel製無線LANモジュール「Intel Wi-Fi 7 BE201」を搭載する、富士通クライアントコンピューティングのモバイルノートPC「FMV WU1-K1」を利用。こちらを19000T12BEに無線LAN接続した状態で、インターネットのアクセス速度と、LAN内に接続しているデスクトップPCの内蔵SSD(PCIe 3.0x4接続)へのアクセス速度を計測した。PCへのアクセス速度は、PCの内蔵SSDに共有フォルダを用意し、FMV WU1-K1でネットワークドライブとして登録した上で、CrystalDiskMarkを利用して速度を計測。Wi-Fi 7 BE201のドライバは最新版「24.20.2.1」にしてある。

 まず、19000T12BEへ無線LAN接続した状態でのリンク速度をチェックしてみた。

 19000T12BEとWi-Fi 7 BE201は双方とも6GHz帯域で320MHz幅での通信に対応。6GHz帯域のストリーム数はノートPC側が2ストリームのため、最大5,764Mbpsで接続するはず。そして、実際に送受信とも5,764Mbpsで接続することを確認した。ちなみにこれは、19000T12BEと同一室内、かつPCとの距離も2mほどで間に障害物がないという条件の下だ。壁で隔てられていない隣の部屋に移動するとリンク速度は低下するが、それでも4,000Mbps台をキープしており、十分満足できる。

19000T12BEと同一室内のすぐ近くでは、送受信とも5,764Mbpsでのリンクを確認
壁を隔てていない隣の部屋に移動するとリンク速度は低下したが、それでも4,000Mbps台をキープ

 そして実際のインターネットのアクセス速度は、結構ふらふらするが上り/下りとも3,000Mbps超を確認。筆者宅は10Gbpsの光回線を導入済みで、10GbE LAN接続のデスクトップPCではほぼ安定して6,000Mbps超の速度が得られているため、リンク速度を考えると少々物足りなさも感じる。

 ただ、今回のテストは19000T12BEに検証用のノートPCのみ接続した状態ではなく、筆者の普段の環境のままテストしているため、他のスマートフォンやゲーム機、IoT機器など、10台以上の無線LANクライアントが接続された状態。そのうち6GHz帯域に接続しているクライアントはテストを行なったノートPCを含めて5台だったが、少なくともその状態での速度としては納得できる。

 そして、デスクトップPCの内蔵SSDへのアクセス速度は、シーケンシャルリードが304.97MB/s、シーケンシャルライトが372.99MB/sだった。こちらも先ほどと条件は同じなので、十分な速度と言える。

同一室内で計測したところ、インターネットのアクセス速度は上り下りとも3,000Mbpsを超え、Wi-Fi 7らしい速度が確認できた
10GbE LAN接続のデスクトップPC内蔵SSDへのアクセス速度は、シーケンシャルリード304.97MB/s、シーケンシャルライト372.99MB/sと、こちらも申し分ない速度だった

 なお、PCに搭載されている無線LANモジュールのWi-Fi 7 BE201は、もちろんMLOに対応しているが、最適な帯域のみで通信を行なうeMLSR(Enhanced Multi-Link Single Radio)方式での対応となっているため、複数帯域の同時通信は行なえない。現状、スマートフォンのWi-Fi 7も同様だ。ある帯域の通信状況が悪くなった場合でも、違う帯域に切り替えて通信が行なえるため、接続の安定性が向上するのは利点だが、複数帯域同時通信で速度を向上できない点は少々残念なのも事実。とはいえ、通常利用で十分な速度が発揮できているため、大きな不満はない。

 また、自宅のほかの場所からも、それまで利用していた2製品と比べて接続の安定度が高まったように感じる。以前は、リビングルームから2つ壁を隔てた寝室や浴室内などで安定して通信できない場面がたまに見られていたが、19000T12BEでは家中どこでも安定して通信できている。これは、19000T12BEの利点と感じている。

あとは見守るのみ

 とりあえず、この原稿を執筆している3月下旬時点でも、Pixelで無線LANが途切れることなく安定して利用できている。そもそも速度に関してはまったく不満がなく、家の中での通信の安定度も向上したこともあり、購入当初こそ残念に感じていたが、現在はまずまず満足できている。

 とはいえ、当初Pixelで通信が途切れる症状が発生した以上、安心はできない。もうトラブルは発生してほしくないが、これは見守るしかないだろう。この先もこのまま安定して利用できるよう願うだけだ。

 ただし、本体のデザインはもう少しどうにかならなかったのか、と強く感じる。仕事部屋などに設置するのであれば、まあ我慢できるかもしれないが、筆者のようにリビングルームに設置するには、このデザインはいただけない。この残念な本体デザインのため、今後19000T12BE以前に購入したルーターでも同様にPCやPixelで安定通信できるようになっていることを確認できれば、そちらに戻す可能性も否定できない。

 そうはいっても、せっかく購入し、現状安定して利用できているので、ひとまずは19000T12BEを使い続けたいと思う。

【10時20分修正】記事中の一部記述を削除しました。