買い物山脈

10Gbpsの夢をつよつよの業務用ルーター「Dream Machine Pro」で叶えた

製品名
Dream Machine Pro
購入価格
5万8,020円
購入時期
2025年12月
使用期間
約1カ月
「買い物山脈」は、編集部員やライター氏などが実際に購入したもの、使ってみたものについて、語るコーナーです

 昨年(2025年)、我が家のインターネット回線に最大10Gbpsで通信できるフレッツ光クロスを導入した。

 厳密には、光コラボモデルとして提供されるドコモ光の10ギガコースだが、とにかく今までの理論上では10倍速い回線、契約への変更だ。

 申し込みを行なったのは2025年3月末。引っ越しなど新生活シーズンと被ったことで工事は少し先になると案内があり、実際に工事が行なわれたのは5月の中頃。

 そして実際にその回線を使用し始めたのは2025年末になってからだ。使おうと思えば工事の終わったその日から使えるのだが、半年以上利用できなかったのには理由がある。

 今回はその理由をつらつらと書いていく。

10Gbpsに対応するルーターの選択肢が少ない

 10Gbpsという高速の通信を使い倒すには、10Gbpsに対応したルーターが必要だ。

 筆者宅は10Gbpsのインターネット回線を導入する以前に「LAN内の10Gbps対応」を行なっていた。

 たとえば10Gbpsに対応したNASがあり、そこに取材や旅行で撮影した写真や動画をPCから保存するため、PCとNASの間は10Gbpsで通信できるよう、ハブはすでに10Gbpsに対応したものを使っている。

 また、Wi-Fiについても10Gbpsのポートを備え、ワイヤレス通信部分では理論値では10Gbpsにはおよばないものの、1Gbps以上の速度で通信できるものを導入済だ。

 しかしルーターはインターネット回線が1Gbps契約だったので、それに対応したものを使っていたし、10Gbpsの回線速度を思う存分使い倒すにはルーターを買い替える必要がある。

 この10Gbpsに対応するルーターの選択肢というのが意外と少ない。

 ルーターに求める仕様にもよるが、筆者としては「10Gbpsで通信できるポートが多いもの」や「複数台が同時に、それなりに重い通信を行なっても、速度低下しない処理能力があるもの」がほしい。

 10Gbpsのポートを備えていても、それはLAN側には1つだけ。同時に通信できる想定台数も30~40台程度をうたう製品では、筆者宅の環境にはちょっと合いそうなのがない……というのが市場のラインナップを見ての筆者の感想だ。

 上記以上の性能を持つ製品があったとしても10万円を超える価格設定になっていたりと、予算を超えてしまうので手が出ない。

10GbpsのWAN/LANポートがあるWi-Fi 6対応ルーター。ただ、我が家ではルーターとして性能不足で、1Gbps環境時代からアクセスポイントとしての利用に留まっている
実売10万円前後のコンシューマWi-Fiルーターで、どうにか筆者の求める要件を満たせるかどうかだった

選ばれたのは1Uサイズのルーター「Dream Machine Pro」

 10Gbpsの回線が開通して以降、ずっとルーターをどうするか悩んでいるうちに、結局半年が経過してしまった。

 途中、オープンソースの「OpenWRT」を適当なパーツを集めて組んだPCにインストールし、ルーターとして利用することも考えたのだが、安定性や実際に組もうと考えたタイミングでは昨今のDRAM価格の高騰などもあり、これも割に合わないな~となった。

 結果、筆者が選んだのは米・ユビキティ(Ubiquiti)の「Dream Machine Pro」だ。

 価格は定価で7万1,800円、これでも十分性能/仕様からすれば安いと考えていたのだが、年末セールで5万円ちょっとに値下がりもしていて、もうこれしかないじゃん!と、2025年最後の大きな買い物として選んだ次第だ。

 Dream Machine Proはサイズとしては19インチのサーバーラックに取り付ける、いわゆる「1Uサイズ」のネットワーク機器だ。

 同社では「クラウドゲートウェイ」と呼んでいて、要するにインターネットへの出入口、つまりルーターということになる。

 金額としても2025年最後の大きな買い物ではあったが、物理的にも大きな買い物になった。

一般家庭向けではないが、見た目はスタイリッシュで業務機器感の少ないDream Machine Pro

投資は最小限で済んだ

 Dream Machine Proのポートだが、10Gbpsに対応するのは一般的なLANケーブル(RJ45)ではなく、光ファイバーケーブルにも対応するSFP+が2ポート、それに加えて1GbpsのLANケーブルのポートも複数備えている。

 そのため10Gbpsで複数台のPCをインターネットにつなぐには、Dream Machine Proからさらに別の10Gbpsに対応したハブにつなぐ必要があるのだが、それは上にも書いた通り、すでにLAN内は10Gbps対応を済ませてあるので特に追加投資はなしで済ませることができた。

 10Gbpsに対応するハブは、中国メーカー製のものが現在非常に安価に購入でき、セール時では1万円前後、ポート数がより多いものでも3万円もあれば購入できる。

 宅内の10Gbps化だけなら投資額は本当に安く済ませられ、10Gbpsのインターネット回線を導入した際にもそのまま使いまわせるので、10Gbpsのインターネット回線を将来的に導入する予定がある人は、こちらを先に買っておいてもいいだろう。

10Gbpsに対応するポートは少ないので、ここから別の機器につながないといけないのは弱点かもしれない
そこでより多くの機器を10Gbpsでつなぐため、安価な中国製のハブが活躍する

 1Uサイズの、いわゆる業務用機器を選択肢に含めて考えた際には、ほかのメーカーの製品も候補にあがってくる。

管理も優秀

 だが、Dream Machine Proを選んだのには価格だけでなく、実は機能の面にも魅力を感じたからだ。

 ブラウザアクセスできる管理画面が業務用機器としては分かりやすく、コマンド操作やコンフィグを細かく書かずともある程度まともに動かすことができる。

 さらに今後同社のネットワーク機器を購入、接続した場合、一括でDream Machine Proから管理を行なうことが可能だ。

 将来的には安価に済ませた10Gbpsのハブも同社の「Aggregation」に置き換えたいし、Wi-FiのアクセスポイントもWi-Fi 7/トライバンド対応したものがラインナップされているので、それらを順次導入していきたい。

 その導入したい機器の管理も一括して行なうことができるとなれば、ごちゃごちゃしたネットワーク機器の管理もだいぶ楽になりそうであり、10Gbpsのインターネット回線の導入、利用開始にあわせ、将来のアップグレードも見越したというわけだ。

管理画面に表示される項目は多く、ネットワーク状態で知りたいことが分かりやすい
今後同社製の機器を増やしていくと、ここで一元管理が行なえるのも魅力だ
接続中の機器の一覧も分かりやすい。どのポートにつながっているか、それぞれの機器の通信状態なども確認できる。

 肝心のインターネットの速度だが、1Gbpsの回線だとゴールデンタイム時にだいたい下り500Mbps~800Mbps、上り300Mbps前後だったのが、下り4~6Gbps、上りも4~6Gbpsなので、だいたい10倍近い速度が出るようになった。

 時間帯によっては下り2Gbpsほどまで下がることもあるのだが、それでも今までよりも速いので満足している。

実測はざっくり、上下ともに5Gbps前後が平均で、1Gbps回線の頃の10倍ほどになった

 いわゆる「逸般の誤家庭」を目指していたわけではないのだが、元々ルーターやNASを置いているメタルラックがだいぶおかしな見た目になってしまった。

 今後はUbiquitiのほかの機器を少しずつ導入しながら、メタルラックから小型の19インチラックを導入するなど見た目にも逸般の誤家庭感を増していく未来が待っているのは、ちょっと怖い。

 ただ、10Gbpsのインターネット回線を快適に利用するという夢は、製品名の通りDream Machine Proが叶えてくれたので、その時点でも大きな一歩を踏み出すことはできたと今は手放しに喜んでおきたい。

……で、このメタルラックの中身、どう片づけていくかが次の宿題だ