買い物山脈
M1からの乗り換えに、全部盛りのM3 MacBook Airを購入してみた
2024年4月10日 06:24
- 製品名
- M3搭載15インチMacBook Air
- 購入価格
- 37万8,800円
- 購入時期
- 2024年3月5日
- 使用期間
- 約1カ月
M1からM3搭載MacBook Airに買い替え
3月に「M3搭載15インチMacBook Air」(以下15型M3 MBA)を購入した。M1 MBAからの買い替えだ。実のところ処理性能には不満はなかったのだが、現時点ならM1 MBAが最大10万円で売却可能ということもあり、買い取り金額が下がる前に買い替えたほうがよいと考えた次第だ。何らかの記事で周辺機器などをレビューする際に、新モデルのほうが見栄えがいいというライターとしての事情も関係している。
ちなみに筆者のAppleシリコン以降のMacBook遍歴をお伝えしておくと、13型M1 MacBook Pro(MBP)→16型M1 Max MBP→13型M1 MBAと来て、今回の15型M3 MBAに辿り着いている。我ながらかなり無駄なマシン遍歴だ。なお、16型M1 Max MBPを手放したのは、2.2kgを1日背負って重さにめげたため。軟弱なのである。
デスクトップはWindows派、ノートはMac派
Windows対Macと比較しようとすると宗教論争的になりがちだが、筆者自身はデスクトップPCがWindows派、ノートPCがMac派で、どちらかの派閥だけには属していない。このように使い分けている理由は、ハイパワーなデスクトップPCを購入するのならWindowsのほうが安価で、構成も自由であるから。その高性能を最新ゲームでも活用できるのもポイントだ。
ノートPCがMac派なのは、1画面で仕事をするならMacのほうが使いやすいと考えているため。ソフトを追加したり、筆者の知らないショートカットやジェスチャーを覚えればWindowsのほうが使いやすくなるのかもしれないが、少なくとも筆者はデフォルトではMacのほうが1画面での作業に慣れている。
まあ、いずれにしても、使うアプリはOffice、Adobe系、Chromeであり、日本語入力はATOKだ。今は上記のような理由でWindowsとMacを使い分けているが、特に両者にこだわりはない。超カッチョイイマシンが発売されれば、いつでも鞍替えするつもりだ。
ちなみに、デスクトップPCはRyzen 9 5950XとGeForce RTX 3090で組んだ自作PC。2020年10月にGeForce RTX 3090を購入した際には「超高い!」とビビったものだが、その後仮想通貨のマイニングや巣ごもり重要の特需などで値上がりしたので、あのタイミングで購入して本当によかったと思っている。
13型と15型のどちらを買う?
さて今回、M3 MBAを購入するにあたってちょっとだけ悩んだのは、13型と15型のどちらを選ぶか。PC Watchの読者の皆様からは小さい画面のほうが人気はあると編集部から聞いているが、筆者が選んだのは15型だ。
理由は単純で、老眼の筆者にはもう本当に大きい画面のほうがラクなのだ。どんなデバイスを購入する場合でも、基本的に最大サイズを選んでいる。21型のノートPCが発売されれば、それがWindowsだろうが、Macだろうが、Linuxだろうが、日本語BASICだろうが迷わず買う所存だ。
ちなみにメモリは24GB、ストレージは2TBの最大スペックを選択した。理由は言うまでもなく、MacBookはどちらもあとから増設できないためだ。あとで足らないと後悔するより、余裕があったほうが断然いい。高いスペックで購入しておけば、特にApple製品は高い買い取り価格も期待できる。筆者はフルスペックで購入したときには、Apple銀行に貯金している……と思い込むことにしている。
15型のほうが13型よりほんの少し速い?
最後にベンチマークスコアを見てみよう。今回は15型M3 MBA、13型M3 MBA、M3 iMac、M2 MBA(※13型)、M1 MBAのベンチマークスコアを比較している。なお13型M3 MBAのレビュー記事で、M3、M2、M1のパフォーマンス差についてはすでに言及している。今回の記事では15型M3 MBA、13型M3 MBA、M3 iMacの性能差について解説している。
なお各機種のスペックは下記の通り。それぞれ製品リリース時にベンチマークを実施しているため、スペックだけでなく、OSやアプリのバージョンが異なる。あくまでも参考値としてご覧いただきたい。
MacBook Air (15インチ, M3, 2024) | MacBook Air (13インチ, M3, 2024) | iMac (24インチ, 2023, 4ポート) | MacBook Air (M2, 2022) | MacBook Air (M1, 2020) | |
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SoC | Apple M3 | Apple M3 | Apple M3 | Apple M2 | Apple M1 |
CPU | 高性能コア×4 高効率コア×4 | 高性能コア×4 高効率コア×4 | 高性能コア×4 高効率コア×4 | 高性能コア×4 高効率コア×4 | 高性能コア×4 高効率コア×4 |
GPU | 10コア | 10コア | 10コア | 10コア | 8コア |
Neural Engine | 16コア | 16コア | 16コア | 16コア | 16コア |
メモリ | 24GB | 16GB | 24GB | 8GB | 16GB |
ストレージ | 2TB | 512GB | 1TB | 512GB | 1TB |
OS | macOS Sonoma バージョン14.4 | macOS Sonoma バージョン14.4 | macOS Sonoma バージョン14.1.1 | macOS Monterey バージョン12.4 | macOS Monterey バージョン12.3 |
CPU性能については、Cinebench R23.200のCPU(Multi Core)、CPU(Single Core)、Geekbench 5.3.1のMulti-Core Score(Apple Sillicon)、Single-Core Score(Apple Sillicon)のすべてで、15型M3 MBAは13型M3 MBAよりわずかにスコアが上回った。僅差ではあるがすべての項目で同じ傾向だ。
両者の差がさらに顕著に表われるのが、CPU(Multi Core)を10分間連続で実行したときのスコア。15型M3 MBAは13型M3 MBAの108%相当のスコアだ。
ちなみに「Cinebench R23.200」実行中の底面の表面温度をサーモグラフィーカメラで実測したところ、最大温度は13型M3 MBAが43.8℃、15型M3 MBAが42.3℃だ。筐体サイズの差により放熱効率が異なるため、15型M3 MBAのほうが表面温度は低く、高いスコアを記録したのだと思われる。
なお、M3 iMacは15型M3 MBAに対して、Cinebench R23.200のCPU(Multi Core)で104%相当、CPU(Single Core)で100%相当、CPU(Multi Core)を連続10分で105%相当、Geekbench 5.3.1のMulti-Core Score(Apple Sillicon)で100%相当、Single-Core Score(Apple Sillicon)で97%相当となった。Geekbench 5.3.1のSingle-Core Score(Apple Sillicon)のみスコアが逆転しているが、総合的にはM3 iMacが冷却ファンによりピークパワーを維持できていることが分かる。
16型M3 MBAはこんな人にオススメ
最後に15型M3 MBAを約1カ月使った感想をお伝えしよう。筆者は外出時用のノートブックとして購入したが、想定していたよりパフォーマンスが高いと感じた。
前述の通り自宅ではRyzen 9 5950XとRTX 3090を組み合わせたデスクトップPCを使用している。そのマシンで書き出しに1分11秒かかった実時間約3分のフルHD動画を、15型M3 MBAでは2分37秒で書き出しできた。約2.21倍の時間がかかったわけだが、筆者は長くても10分ぐらいの動画を、週に1回ぐらい作成するぐらいなので、個人的にはまったく問題ない。
少し想定外だったのがサイズ。340.4×237.6×11.5mmで約1.51kgというサイズと重量は携帯性では問題ないが、喫茶店や電車(グリーン席)などのテーブルの上では持て余すことがあった。喫茶店のテーブルでは置き方を工夫するなり、電車などでは膝上に乗せるなどする必要がある。
一番の不満点はキートップへの手脂の付着が目立つこと。ミッドナイトは指紋防止コーティング(陽極酸化皮膜処理)で指紋が付着しにくくなっているが、キートップにも経年劣化を抑える塗装などが施されることを強く期待したい。
M3はM2と比較すると性能向上は小幅だ。しかし、筆者はM1 MBAから買い替えたので、快適さは大いに体感できた。また、13型から15型へサイズアップしたので、長時間の作業が実に快適になった。モバイルノートブックにProのパフォーマンスを必要としない筆者にとって、15型M3 MBAは最適な大画面MacBookと言える。