買い物山脈
読者がたぶん選ばないアイリスオーヤマのモニターを買ったら大当たりだった!
2023年1月13日 06:13
- 製品名
- アイリスオーヤマ「ILD-ACW34WQHD」
- 購入価格
- 5万4,780円
- 購入時期
- 2022年10月
- 使用期間
- 約3カ月
先日アイリスオーヤマの新製品発表に行ったときのこと、新作のTV「LUCA」シリーズの横にこっそりと、新型タブレットPCとモニターの新製品が展示されていた。まぁタブレットPCと言っても読者のみなさんが期待するスペックではなく、一般のお客さん向けなので、持ち運べるネットTVという感じだ。注目すべきは、TVと同じ「LUCA」シリーズに入れちゃってるPC用のモニター。TVとPC用モニターを同じシリーズに入れちゃうアイリスオーヤマの“ざっくり”ぶりがとてもプリティーだ。
アイリスはすでにいろいろなPC用モニターをリリースしているが、今回の目玉は43.8型超デカワイドモニター「ILD-AUW43FHDS」と、34型のウルトラワイドモニター「ILD-ACW34WQHD」だ。
43.8型の超ワイドモニターは、解像度3,440×1,080でPC用というより駅の案内表示向け(笑)。ちょうど24型パネルを2枚横に並べた感じで、1m離れて中央を正面に見ても左右がちょっと見づらい。鉄道やバスマニア向けにWebで公開されている行き先案内板シミュレータを表示するにはベストマッチだ。また店頭のサイネージや部署メンバーの出欠掲示板などにするのにいいだろう。
が!今回筆者が一目惚れしたのは、34型湾曲モニターのウルトラワイドモニター「ILD-ACW34WQHD」。一目ぼれして速攻、アイリスプラザで5万4,780円で購入した!(※編注 掲載時点では8万7,780円に値上がり)。
展示会で見てなかったら買わない(笑)。逆に言うと見たら惚れる!
以前から湾曲モニターを狙っていたのだが、モニターから1mほど離れて見て、フォントサイズ100%で使えるモニターがあまりなかった。そこで出会ったのが、34型の湾曲モニターだ。
20型クラスだと画素か画面が小さすぎて、フォントサイズ100%だとメガネをかけても文字が小さすぎて読みづらいのだ。「なら、フォントサイズ150%にすればいいじゃん!」というツッコミが聞こえそうだが、せっかく解像度の高いモニターを買ったのに、文字を1.5倍で表示したら解像度がもったいない!ね?そう思うでしょう?ね!ネ!
しかも解像度は3440×1,440ピクセル!縦がフルHDの1,080じゃなくて、ちょい広めの1,440ピクセルなのがミソ。この解像度だとフォントサイズ100%がギリOKなのが34型以上ってわけ。まずこれで湾曲ワイドモニター買うなら、34型ってのが決定だ!
VAパネルがパネェー!マジで黒がシャープ
TVで使われている液晶と言えばIPSパネル。別に「IPSパネル最高!」ってわけで液晶TVがこぞって採用しているわけでなく、TVはPCみたいに真正面から見るものではなく、どんな角度からでもよく見えるIPSが採用されている。
また色の再現性もそれなりで、コストもそれなりってのもTVに選ばれるポイント。加えてスポーツやゲームの動きの早い動きで(240Hz)表示できるので、そこそこ万能選手なのだ。
ただ微妙なのが、黒がグレーに見えちゃう点。視野角が広い分、液晶シャッターの閉まりがユルユルで、バックライトの白が漏れ気味。だから夜の真っ暗なシーンなのに、部屋真っ暗にしてるのに街灯の光が漏れてきて、ぼんやり見えちゃってる系の画になる。ゲームだとAPEXとかはいいけど、「Escape from Tarkov」(タルコフ)みたいな建物の暗がりで殺り合うと、敵がグレーで見づらくてスコア稼げない。
逆にタルコフとかやるゲーマーに人気なのがTNパネル。コイツは応答速度も速く映像も240Hzまで入る上に安い!格安!何十万のビデオカードと大出力電源を買っちゃって、モニターに回すお金がなくなったときの救世主がTNパネルだ。
ただTNが微妙なのは、真正面から見ないと色が妙チクリンになったり、白黒とか反転した映像になっちゃう点(縦で使うとちょっと首振るだけで色が変わるwww)。だからデカイTNパネルは中央と左右で色が変わって見えちゃうのだ。でも黒はIPSより黒く見えるので、暗いところのFPS向け。
一方どっちつかずで中途半端なVAパネルはPCショップや家電量販店でおざなりな扱い。展示台のココ空いたのでVAパネルも展示してみました的な(そーじゃないと思うけど……)。なぜなら応答速度が遅く144Hzまでしか入らないのでゲーマーから微妙呼ばわり。映像派からはIPSに比べ色の再現性が落ちるけどTNほどじゃないのでこれまた微妙扱い。でもVAパネルは劣等生じゃない!ビジネス向けのモニターとしてウルトラベストマッチする。
なぜなら「コントラストが高く「黒」が「真っ黒」に見えるから」。WordやExcel、Webブラウザやメールなどオフィスで使うアプリケーションの大半は、白バックに黒文字。プログラマにしてもソースコードエディタやデバッガなども、白地に黒か反転の場合がほとんど。
VAパネルはバックライトが透けない黒を表示できるので、IPSやTNに比べて、白と黒のコントラストがメチャ高いのだ。Webブラウザでは見づらい小さな文字も、VAパネルならはっきり見えるのが特徴。高コントラストなので「HDR」との相性もバッチリで、文字が本当にキレイ。なんなら画素の1ピクセルが四角いってのが分かるほど鮮明。
先の通り、画面サイズは34型と大型なので、フォントサイズ100%でもデスクトップアイコンの文字も、アプリケーションのメニューやダイヤログの文字もシッカリ見えるので問題なし!仕事用に使う液晶パネルには、断然「VAパネル」をオススメする。
例外はデザインの現場や色が重要になる職種の場合は、VAより色の再現性が高いIPSがいいだろう。
なお、ここで説明した「視野角」「色の再現性」「黒のシャープ」さは、実際に3台を見比べてみないとなかなか分かりづらい。購入前には必ず量販店に行って、それぞれのパネルの度合いを自分の目で確かめてほしい。
入力ポートや付属のスタンドも文句なし!
入力ポートはHDMI×2系統にDisplayPort×2系統で、もちろんステレオスピーカー内蔵。RGBやDVIポートは付いていないが、最近のマシンなら問題なく使える。
付属のスタンドはしっかりしていてVESA 75mmで固定。チルトが左右15度、上下に15~-5度、また上下に100mm動かせ、ほとんど力を入れなくても動かせるバランサーが入っている。電源ケーブルとHDMIケーブルがそれぞれ1本添付されているので、買ったその日からPCやゲーム用モニターとして使える。
パネル表面は非光沢タイプなので、映像のきらびやかさはないが、照明や自分自身などの映り込みが少なく、落ち着いた色調で作業が可能だ。さらにブルーライトカット機能もあり、気になる方は要チェック!
とまあ、いいこと尽くめなのだがアイリスオーヤマならではのお茶目な一面も。それは電源ケーブルが抜けやすい点(個体差の可能性もある)。下から電源を挿すタイプのモニターはどれもそうなのだが、モニターを上下させると電源が抜けやすい。きつめに差し込んだり、馴染むまでスタンドや背面にテープで固定しておくといいだろう。そのうち馴染んで外れなくなる。
さらに映像信号が切れると自動的に電源がオフになるが20回に1回ぐらい確率で、再度信号を入れても、また電源ボタンを押してもモニターが復旧しないときがある。こんなときは、電源を抜いて挿し直せば復旧可能だ。たぶん内部のソフトウェアの問題なので、以降のモデルで解消されるだろう。挿し直しがイヤならスイッチ付きのタップから電源を取ることをオススメする。
「IRIS OHYAMA」のモニターは自慢できる!
34型の湾曲ワイドモニターで3,440×1,440ピクセルの解像度。コイツがアイリスオーヤマの直販サイトで購入すると、送料無料で爆安の5万4,780円!5万円台の湾曲モニターは、20型クラスまで小さくなっちゃうことも多く、コストパフォーマンスがいいTNパネルでも34型5万円台はなかなか見当たらない!なによりモニター起動時に「IRIS OHYAMA」ってドカーン!と表示される瞬間が「俺ってお前らとちょっと違うんだぜ!」感を醸し出せる。
もちろん本体にもIRIS OHYAMAと液晶TVのシリーズ名「LUCA」がシルク印刷されているので、分かるヤツは「えっ!?なにそのモニター!」となること確実。これは絶対オススメのモニターだ。