キング・テック「IMPRESSION KT-i7A4.0」
~12,980円で技適準拠の7型Android 4.0タブレット



IMPRESSION KT-i7A4.0

発売中
価格:13,980円



 「IMPRESSION KT-i7A4.0」は、低価格が特徴となる7型Androidタブレット。米LEADER INTERNATIONALが開発した製品をキング・テックが国内で発売。店頭ではドスパラが販売しており、8月31日まではキャンペーン期間として12,980円で、9月以降でも13,980円で購入できる。

●低価格の7型タブレット。国内販売のための認証も取得済み

 7型サイズの低価格なAndroidタブレットとしては、中国メーカーによる、いわゆる「中華タブレット」が7,000円から1万円前後の価格帯で販売されている。これらは並行輸入品で、日本での動作保証や規格への準拠がなされていないものが多い。一方、IMPRESSION KT-i7A4.0は、キング・テックが国内における電波法および電気通信事業法に基づく無線通信の認証(技適マーク)を取得した、お墨付きの端末だ。また、日本人ユーザー向けにバイドゥの日本語入力アプリ「Simeji」をプリインストールするといったカスタマイズも行なわれている。

 スペック面ではCPUにCortex-A8ベース1GHzのAllwinner A10、メモリは512MB、フラッシュメモリは4GBを搭載。ディスプレイは1,024×600ドット表示対応7型ワイドIPS液晶で、5点マルチタッチに対応する。無線LANはIEEE 802.11b/g/nを搭載するが、BluetoothとGPSは非搭載。カメラは30万画素の前面カメラのみで、背面カメラは搭載しない。

 本体サイズは173×132×12mm(幅×奥行き×高さ)と、同じ7型のGALAXY TabやNexus 7と比べると幅がやや狭い代わりに奥行きがある。重量は330gで、GALAXY Tabの380g、Nexus 7の340gよりも若干軽量になっている。

●インターフェイスは充実。カバーも標準付属

 本体インターフェイスは上部に音量ボタン、microSDカードスロット、Micro HDMIポート、Micro USBポート、LED、リセットボタンを搭載と、接続インターフェイスは充実。LEDは充電時だけでなく、電源オンの際も常時青く点灯するようになっている。

 本体左側面には電源ボタン、本体右側面には戻るボタンを搭載。Android 4.0ではボタンのソフトウェア化が進められていることもあり、戻るボタンを物理ボタンで搭載、しかも配置が本体右側面の上側にあるというのは珍しい構成だ。

本体上部に音量ボタン、microSDカードスロット、Micro HDMIポート、Micro USBポート、LED、リセットボタン本体左側面上部に電源ボタン本体右側面上部に「戻る」ボタン

 本体下部にはイヤフォンジャックと電源端子、マイクを搭載。電源端子は独自の形状だが、Micro USBポートから充電することも可能で、電源アダプタのほかにMicro USBケーブルも付属する。

本体下部にイヤフォンジャックと電源端子、マイク背面にはスピーカー。カメラは非搭載専用の電源ケーブル

 本体を保護するケースも同梱。本体を保護する部分に加えて本の表紙のようなフラップ部で本体全体を包みこむ形状だ。重量は130g近くあるため、装着すると一気に重みが増す感じを受ける。フラップ部は滑り止めが2カ所用意されており、フラップを利用して本体2段階の角度に固定できる。

付属のケース本体を包むように装着本体を斜めに固定できる
ケース装着時の右側面ケース装着時の本体上部ケース装着時の左側面
ケース装着時の本体下部ケース装着時の厚みは新書2冊分程度

●ホーム画面はAndroid 4.0標準

 縦表示のホーム画面はAndroid 4.0標準をベースとしているが、本体を横表示にした際は左下のメニューに、通常の戻る、ホーム、マルチタスクに加え、ボリューム調整や設定メニューが追加表示される。

 スリープ復帰時はカスタマイズが加えられており、ショートカットから直接アプリを起動することが可能。ショートカットは直近で利用したアプリの履歴が表示されるようになっている。アプリを指定することはできず、パスワードやパターン入力などのセキュリティ設定を行なうと同機能は利用できなくなる。

 ディスプレイの解像度は1,024×600ドットで、Nexus 7のような1,280×800ドットのHD対応モデルと比べると低いが、7型サイズとしては標準的な解像度。IPS液晶を採用しているため、左右からの視野角も広く、ほぼ真横からでもディスプレイの表示を確認できる。

ホーム画面左下には戻る、ホーム、マルチタスクに加えてボリューム調整、設定メニューもアイコンで表示縦表示時にはボリューム調整が表示されないスリープ復帰時は利用したアプリの履歴がショートカットで表示される

●Google Playは一部利用できないアプリも

 プリインストールのアプリはGmailやブラウザといった標準アプリに加え、人気ゲーム「Angry Birds」、スクリーンショット撮影の「Screenshot ER」、ファイラーの「FileManager」、PDFビューアの「RapliGo Reader」、SDカード内のapkファイルをインストールできる「Apk Installer」に加え、前述の通り日本語入力としてSimejiが搭載。Android 4.0は標準でスクリーンショットを保存する機能を備えているが、本機では電源ボタンと音量ボタンの長押しで保存できなかったため、スクリーンショット用のアプリが用意されているのだろう。

 Simeji自体は無料アプリであるがめ自分でもインストールできるが、初めから日本語入力環境が整っているのはありがたい。なお、Office系アプリはプリインストールでは用意されておらず、Officeファイルを利用するには別途アプリを用意する必要がある。

 なお、標準では電子書籍「kobo」アプリも用意されており、起動すると楽天IDの入力画面が表示される。すでにkoboを購入してセットアップしているユーザーであればログインして書籍の購入が可能だが、購入した書籍は現時点で読むことができない。

プリインストールのアプリケーションインストールアプリ「Apk Installer」ファイラーアプリ「FileManager」スクリーンショットアプリ「Screenshot ER」
プリインストールされている日本語入力アプリ「Simeji」。縦表示はフリック可能だが横表示はQWERTYのみkoboはインストールされているものの購入した書籍を読むことはできない

 なお、Google Playに対応してはいるものの、利用できないアプリが多い点も注意が必要だ。調べたところではChromeやSleipnirといったブラウザアプリに加え、TwitterやFacebookも公式アプリは「お使いの端末はこのバージョンに対応していません」と表示されインストールできなかった。

 この場合、やや裏技的ではあるが、他のAndroid端末でアプリをapkファイルとしてバックアップし、そのファイルをネット経由またはSDカード経由でインストールすることが可能だ。プリインストールの「Apk Installer」もこのために用意されているのだろう。とはいえGoogle Playで利用対象外のアプリは動作も重く、スペック的に利用が厳しいと感じた。

Google Chromeはインストールできないapkファイルとしてインストールは可能だが動作は重い

 内部ストレージは初期利用時で900MB程度で、SDカード扱いになるストレージ容量が1.9GB程度。microSDカードを別途装着はできるものの、アプリをインストールするメイン部分の内部ストレージが1GBを切っており、アプリを多数利用しようとする場合は利用に難があるかもしれない。

内部ストレージの容量SDストレージの容量。これとは別にmicroSDも装着できる

●パフォーマンスは低め

 低価格が特徴の製品ということもあり、CPUは1GHzのシングルコアと、2年前のスマートフォンと同程度。最近のタブレットはデュアルコア以上のスペックが標準となりつつあり、そうしたタブレットに慣れていると操作性ではやや難がある。ホーム画面こそスムーズにタッチ操作できるものの、ブラウザやGoogle Playなど多数の画像を読み込むようなアプリでは文字入力がタッチ入力に追従せず、読み込み速度自体も遅い。

【動画】操作しているところ

 「Quadrant Professional Edition」での測定結果は、1GHzシングルコアのSnapdragonを搭載した「HTC Desire HD」をやや上回る程度。HTC Desire HDの国内発売日は2010年10月とほぼ2年近く前の端末であり、2年前のハイスペックモデルと同程度と考えておけば妥当なところだろう。AnTuTu BenchmarkでもCPUやRAM性能と比較すると、最新機種とは段違いの結果となった。

「Quadrant Professional Edition」の測定結果

【AnTuTuベンチマークの結果】
AnTuTu BenchmarkKT-i7AXOOM Wi-Fi TBi11M
Android 3.2
IdeaPad Tablet K1
Android 3.1
Sony Tablet SEeePad SliderEeePad Transformer TF101
Android 3.2
バージョンv2.9v2.5.4v2.1v2.1v2.3.1v.2.5.4
RAM356818818819787808
CPU integer50914251169.4117011611404
CPU float-point12711091016101810281065
2D graphics254286291.8293346307
3D graphics685872802.2811823872
Database IO140332175325295325
SD card write72104130.695141150
SD card read136158130.6192189181
Total score227951044533.6472347705112

 一方で、YouTubeの再生はフルHD動画を再生しても途切れることなくスムーズな再生が可能。電子書籍サービス「BookLive!」の電子書籍もページ送りがスムーズに行なえた。動画や電子書籍を楽しむことを目的とした小型タブレットとしては十分に力を発揮しそうだ。

 バッテリは3,000mAhと大容量バッテリを搭載。無線LANをオン、液晶輝度を最低にしてTwitterクライアントの更新時間を3分に設定し、同時にフルHD動画を連続再生したところ、4時間でバッテリが空になった。連続利用の時間としては十分、といいたいところだが、気になるのは利用していない時もバッテリの消費が早いこと。無線LANに接続した状態はもちろん、無線LANに接続していない状態でもバッテリが減っていく。外出時は電源をオフにするなどの工夫が必要かもしれない。

●低価格ゆえのパフォーマンスを割り切るかどうかがポイント

 ハイスペックが特徴のモデルではなく、あくまで低価格が売りのタブレットだけに、価格に対するコストパフォーマンスが注目のポイントだろう。機能面ではmicroSD、Micro HDMI、Micro USBと接続インターフェイスは充実。背面カメラやBluetooth、GPSは非対応だが、室内を中心にタブレット単体で使うのであればさほど問題はないだろう。

 一番の注目ポイントは動作スピードで、ブラウザなど通信が発生するアプリではどうしても動作が遅くなり待たされる感がある。内蔵ストレージの少なさもアプリを積極的に使いたいユーザーには厳しいだろう。そうした課題を理解した上で、電子書籍を読む、動画を見るなど用途を割り切って使う分には満足できるだろう。

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(2012年 8月 9日)

[Text by 甲斐 祐樹]