Hothotレビュー

マウスの14型ノート「mouse B4-i7」は家族や知人にも勧められる抜群の安心感があるノートだった

mouse B4-i7(直販価格15万9,800円)

 マウスコンピューターの「mouse B4-i7」は、14型サイズのノートPCだ。メーカーでは「オフィスワークもエンタメも快適に」と謳っており、特に用途を定めていないオールマイティに使えるノートという位置付けとなっている。

 軽量なモバイルノートではないが、大きさが14型サイズで比較的コンパクトなことと、本体重量が約1.38kgなので、職場や学校などと家の間の移動くらいならそれほど苦もなく持ち運ぶことができるだろう。

【表1】mouse B4-i7の主なスペック
製品名mouse B4-i7
CPUCore i7-1260P(Pコア×4+Eコア×8/16スレッド、最高4.7GHz)
メモリDDR4-3200 16GB
ストレージSSD 512GB(M.2、NVMe、PCI Express 3.0 x4)
グラフィックスIris Xe Graphics(CPU内蔵)
ディスプレイ14型液晶(1,920×1,080ドット、非光沢)
主なインターフェイスThunderbolt 4(USB PD入出力、画面出力対応)、USB 3.1 Type-C(同)、USB 3.0×2、HDMI、SDカードスロット、ヘッドフォン/マイクコンボジャック
通信機能Wi-Fi 6、Bluetooth 5
Webカメラ100万画素(Windows Hello対応)
バッテリ駆動時間約10時間(JEITA2.0)
OSWindows 11 Home
本体サイズ320×215×19mm
重量約1.38kg
希望小売価格15万9,800円

第12世代Core i7搭載で広範囲に対応できるスペック

 スペックは、ノートPC用の最新世代である第12世代Core i7-1260Pを搭載しているほか、16GBのDDR4-3200メモリと512GBのM.2 SSDを搭載しており、どのような用途にも不足を感じさせない安心感のあるスペックとなっている。

 特に今の世代のCore CPUは、いろいろな用途に使われる現代のノートPCにまさにうってつけのCPUと言えるもので、これまでのものより性能面でも消費電力面でも大変高いトータル性能を実現している。最大の特徴は、通常の処理を優先的に行なう高性能なPコア(Performanceコア)と、単純な処理などを優先的に行なう高効率なEコア(Efficientコア)という性質の異なるCPUコアを1つのCPUに併存させていることだ。今回試用したmouse B4-i7が搭載しているCore i7-1260Pの場合は、4つのPコアと8つのEコアを融合させた計12コアのCPUとなっている。

 Pコアというのは要は従来のCPUコアのことで、Eコアは追加で搭載されたサブコアのようなものだ。今までの4コア/8スレッドCPUに、シングルスレッドで動作する8つのサブコアを加えたような構成である。そして、複雑で重い処理はPコアとEコアが全力で動いて高い性能を発揮し、そうでもない単純な処理は主にEコアが動いて低消費電力かつ低発熱を実現する。このように処理内容に応じて得意なほうのコアが優先的に動くことで、従来よりもさらに高いレベルで性能と省電力を両立している。

 mouse B4-i7はCPU以外のスペックもそこそこ高いので、使い方にもよるが極端に性能が必要な用途でもない限りは、この先長い間性能に不足を感じるようなことにはならないだろう。もしもっと性能が欲しい場合には、購入時にスペックを変更できるようになっており、より高速なSSDに変更したりメモリとSSDの容量を増やしたりといったことも可能になっている。

搭載CPUは第12世代Core i7-1260P。8スレッド処理に対応する4つのPコアと、シングルスレッド処理に対応する8つのEコアを搭載した16スレッド処理対応の12コアCPUだ。最高クロックは4.7GHzである
搭載しているSSDはWestern DigitalのPC SN530 NVMe SSD。接続はPCI Express 3.0 x4で、最大読み出し速度が2.4GB/s、最大書き込み速度が1.75GB/sのM.2 SSDだ。容量は512GBとなっている

好き嫌いが出にくいシンプルで落ち着いたデザイン

本体のデザインは大変シンプルで、質実剛健な雰囲気があって落ち着いている。ただ天板のロゴマークは好き嫌いが明確に分かれそうではある。気になるようなら好きなステッカーを貼るという手もある

 本体のデザインは大変シンプルで、天板にあるロゴマークを除けば特徴的なものはない。ロゴマークがなければマウスコンピューターのノートだと分かる人はまずいないだろう。画面を開いてみても、同様にオーソドックスでシンプルなデザインをしている。画面の下にmouseのロゴがあるのでマウスコンピューターのノートということは分かるが、目立ったデザインは見受けられない。

 中にはこのシンプルなデザインをネガティブに捉える人もいるかもしれないが、ほとんどの人はそんなことはないだろう。奇をてらっているところが一切なく、万人に受け入れられるデザインである。ちなみに試用したモデルは本体カラーがオリーブブラックだったが、ほかにシャンパンゴールドも用意されており、そちらはシンプルなデザインはそのままにもっと華やかな雰囲気になっている。

シンプルなデザインは画面を開いてみても同様。大変オーソドックスなデザインのノートだ。表面はマット調なので手触りがさらさらしていて触り心地が良い
本体を前から見ると、本体と天板の間に指をかけられる溝が横一直線にあり、どこに指をかけても簡単に画面を開けられるようになっている

 質感は値段相応か、少しよいといった感じで安っぽさはない。表面は天板も底面もキーボード面もすべてマット調になっていて手触りがさらさらとしている。キーボードのキートップも似たような手触りで、本体の表面とともに指紋などが付きにくく好印象だ。

 画面を閉じた状態で本体を前から見ると、本体と天板の間に横一直線に溝があり、そこに指をかけることで画面を簡単に開くことができる。隅でも真ん中でもどこに指をかけても開けられるので大変使いやすい。

フットプリントは320×215mmで、A4用紙と比較するとこれくらいのサイズ感。14型サイズということもあり、なかなかコンパクトだ
重さは実測で約1.37kg。メーカーの公式スペックに掲載されている約1.38kgとほぼ同じだ。軽量モバイルノートとは言えないが持ち運びに困るほどの重さではない
ACアダプタのサイズは実測で約93×39.5×28.5mmと標準的な大きさ。重さはケーブル込みで約233gだ。Thunderbolt 4ポートとUSB 3.1 Type-CがUSB PDに対応しているので、市販のUSB PD充電器も使える

 本体サイズは幅が320mmで奥行きが215mmなので、身近にあるものではA4用紙に近い。実際に比較すると、A4用紙よりも幅が23mm大きく、奥行きが5mm大きい。幅がややオーバーしてはいるが、サイズ感としてはほぼA4コピー用紙サイズと言えるだろう。

 厚みは19mmで厚すぎず、しっかりしていて扱いやすく安心感がある。重量は約1.38kgとなっており、こちらもこのクラスのノートとしては標準的な重さだ。常に持ち歩く用途では少し重いかもしれないが、職場や学校と家を往復するくらいならそれほど苦にはならない程度の重さである。

ちょうどよいサイズ感の14型フルHDディスプレイ

画面サイズは14型で表示解像度は1,920×1,080ドットのフルHDだ。この写真ではスケーリングを初期設定の150%にしてある。スケーリングは自分の使いやすい値に変えて使うとよいだろう

 ディスプレイには、14型で1,920×1,080ドット表示のフルHD液晶ディスプレイを搭載している。14型の画面サイズは310×174mmであり、大画面とは感じないが小さくて見辛いということもないちょうどよいサイズだ。15型以上のノートでは置き場所に困る場合や、見やすい画面サイズは確保しつつも持ち運びが苦にならないようなできるだけ小さなノートが欲しい場合に最適な画面サイズだろう。

 解像度もちょうどよく、Windowsのスケーリング設定を100%にしても少し文字が小さいと思う程度で問題なく使える。なお、Windowsの推奨設定かつ初期設定のスケーリングは150%になっており、その場合は少々画面が狭く感じる。購入後は100%または125%にして使うとよいだろう。

Windowsのスケーリング設定を100%にするとこれくらい画面が広くなる。当然文字は小さくなるが作業効率は上がりそうだ。人にもよるが筆者の場合は125%がバランスがよくて使いやすかった

 液晶パネルの種類は公開されていないが、表示される色に特別なクセなどは見られず、濃過ぎず薄過ぎず自然な発色だ。視野角も十分に広くて、画面をどんな角度で使っても、自分がどの方向から見ても画面が見えなくなることはない。

 画面の明るさは標準的で特別に明るいというわけではないが、屋外で太陽の下で使用してもそれほど見えにくくなることはなかった。画面の表面は非光沢タイプなので、室内であればかなり明るい環境で使用しても映り込みが気になることはない。

視野角はかなり広い。撮影の都合でこれくらいの角度から撮っているが、実際にはもっと斜めから見ても大丈夫である。左右だけでなく上下方向も同様だ

主要キーはフルピッチでストレスなく使えるキーボード

使用頻度が低いキーを縮小してある変則配列のキーボードながら、主要キーは通常サイズになっていて使い勝手に配慮されている

 キーボードは、「Enter」キーや「Space」キー、「半角/全角」、「-」など一部のキーが少し小さくなっており、ノートで一般的に見られるタイプの変則配列キーボードを搭載している。ただし、主要キーのキーピッチは約19mmを確保している。

 その一方でキーストロークは約1.2mmと少々浅い。普段ストロークの深いキーボードを使っている人は戸惑ってしまうかもしれないが、慣れれば問題ないレベルではある。キータッチはクリック感があまりなく押下圧が少し強いタイプで、キーストロークが浅い割にはタイピング時の感触は重い印象。打鍵音は静かなほうなので、オンラインミーティングなどではマイクに音が入りにくくて使いやすいだろう。

主要キーのキーピッチは約19mmなので比較的違和感なくブラインドタッチを行なえる。キーストロークは約1.2mmだ

 タッチパッドは実測で116×72mmと一般的なサイズで、左右のボタンがタッチパッドと一体になっているタイプだ。ボタンの押し心地は標準的だが、もう少し軽く押せたほうがより使いやすいかもしれない。タッチパッドの詳しい仕様については情報がないが、キーボード使用時に手の平が触れても反応しないことから、誤操作の防止機能が付いていると思われる。

 また、タッチパッドの左上にある白い点をダブルタップすると白い点が赤く点灯し、タッチパッドの機能をオフにできる。タッチ機能はマルチタッチにも対応しており、文字や画像をピンチアウトとピンチインの操作で拡大/縮小したり、3本指で横にスライドすることで表示ウィンドウの切り替えるといったジェスチャー操作も行なえる。

バックライトLEDを搭載しているので暗い場所でもキーを確認できる。明るさは2段階で切り替えでき、LEDのオン/オフも可能
タッチパッドのサイズは実測で116×72mmでちょうどよいサイズ感。左上の白い点をダブルタップすると白点が赤く点灯してタッチパッドの機能をオフにできる

USBでも電源端子でも充電できるのが便利

 インターフェイスはUSB Type-C形状のポートとして、最高40Gbpsの転送速度と最大3,840×2,160ドットの画面出力、さらに65W以上のUSB PD入力および最大15WのUSB PD出力に対応したThunderbolt 4ポートと、同様の仕様で転送速度のみ最高10GbpsになっているUSB 3.1 Type-Cポートの計2ポートを搭載している。Thunderbolt 4ポートには当然USB機器も接続可能だ。また、Type-A形状のUSBポートとして転送速度が最高5GbpsのUSB 3.0ポートが2ポートある。

 画面出力用の専用端子としては、最大3,840×2,160ドットに対応したHDMIを搭載しており、前述のThunderbolt 4とUSB 3.1 Type-Cに、本体の画面を加えて計4画面のマルチディスプレイ表示が可能となっている。インターフェイスはほかに、SDカードスロットと、ヘッドフォン/マイクのコンボジャックを搭載している。SDカードスロットは、ミラーレスカメラやアクションカメラなどから簡単かつ高速にデータを取り込めて便利だ。

左側面には左からセキュリティスロット、USB 3.1 Type-C、USB 3.0、SDカードスロット、ヘッドフォン/マイクコンボジャックを搭載
右側面には左からThunderbolt 4、USB 3.0、HDMI、電源端子を搭載

 Webカメラは画面の上のベゼル部分に100万画素のものを搭載している。このWebカメラは暗い場所にかなり強く、真っ暗な部屋でスタンドライトを点けた程度の薄暗い状態でも、鮮明さの低下や暗部ノイズはありながらも実用に耐えられる程度の映りは確保できる。また、Windows Helloに対応しているので、Windowsへのログインを顔認証で行なえるのだが、こちらも光源のない真っ暗闇でも問題なく認証が可能だった。

 本体の右側面の後ろ寄りにはACアダプタ用の電源端子があり、通常はそこに電源ケーブルを接続してノートの使用または充電を行なう。最近はUSB Type-Cポートから充電するノートが多い中、電源端子から充電を行なえるのはType-Cポートを1ポート塞がずに済むので便利だ。

 また、USB PDに対応したType-Cポートも2ポートあるので、65W以上の出力に対応したUSB PD充電器からも充電を行なえる。充電関係の汎用性の高さは、さまざまな使い方に対応できるので大変便利だ。

Webカメラは100万画素。Webカメラがオンになっているときはレンズの約13mm左にあるインジケータが小さく青く光る
前面には何も搭載しておらずスッキリしている
背面に端子類はないが下半分が排気口になっている。この写真で見ると左の隅の内部にファンが搭載されていて、そこから内部の熱気が排出される

 スピーカーは、本体底面の前寄りの左右にステレオスピーカーを搭載している。出力のワット数は公開されていない。スリムなノートということもあって極端な大音量は出せないが、6畳くらいの部屋なら全体にそこそこ響き渡らせることができる程度には大きな音が出せる。音量を最大にしても音が割れたり聞き辛い音になったりすることはなく14型サイズのノートとしては優秀なサウンド周りである。

 2つのスピーカーまたはステレオヘッドフォンで仮想的な立体音響を実現できるDolby Atmosに対応しており、映画などを立体感のあるサウンドで楽しむことも可能だ。

第12世代Core i7搭載ノートらしい用途を選ばない高い性能

 次は、各種ベンチマークソフトを使用してmouse B4-i7の性能を見ていく。比較対象には、おおよそ3年前の14型ハイエンドノートで第8世代のCore i7-8565Uを搭載した「VAIO SX14」の2019年モデルのテスト結果を使用している。PCの進歩は凄まじいもので、当時の実売価格でmouse B4-i7よりも倍くらい価格が高いノートだ。どちらも電源や冷却などの動作モードは初期設定のままである。

 使用したベンチマークソフトは、CPUの単純な処理性能としてレンダリング性能を計測する「Cinebench R23.200」、PCの一般的な用途をほぼ網羅したテストを行なえる「PCMark 10 v2.1.2563」、3Dゲーム関連の性能を計測する「3DMark Professional Edition v2.22.7359」、人気ゲームのゲームエンジンを使用した「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ」、ストレージの速度を計測する「CrystalDiskMark 8.0.4」の5本だ。

【表2】ベンチマークテストで使用したPCのスペック
製品名mouse B4-i7VAIO SX14(2019年モデル)
CPUCore i7-1260P(Pコア×4+Eコア×8/16スレッド、最高4.7GHz)Core i7-8565U(4コア/8スレッド、最高4.6GHz)
メモリDDR4-3200 16GBLPDDR3-2133 16GB
ストレージSSD 512GB(M.2、NVMe、PCI Express 3.0 x4)SSD 256GB(M.2、NVMe、PCI Express 3.0 x4)
グラフィックスIris Xe Graphics(CPU内蔵)UHD Graphics(CPU内蔵)
【グラフ1】Cinebench R23

 まずCinebenchの結果を見ると、この3年間のマルチスレッド処理に関する性能向上がよく分かる。Single Coreのスコアでも3年前のハイエンドCPUと比べて約1.7倍の性能向上が見られるが、Multi Coreのスコアではその差は約3倍にもなっている。CPUの動作クロックは100MHzしか変わらないのに、アーキテクチャの進歩に加えて4コア/8スレッドと4+8コア/16スレッドの違いはこれだけの性能向上を実現するわけだ。

【グラフ2】PCMark 10

 PCMark 10の結果でも、一部変わらない項目があるもののほとんどの処理でmouse B4-i7が大幅に高い性能を示している。ちなみにこれだけの性能があると、ノートを使っていて遅いと感じることはほぼなくなる。どうしてもアプリケーションの起動を待つ場面というのは発生するが、それ以外の部分でオフィスソフト程度の使用なら処理待ちになることはほとんどない。

【グラフ3】3DMark Professional Edition

 3DMarkの結果では、ゲームにおけるCPUの性能を計測するNight Raid CPU ScoreとTime Spy CPU Scoreのテストと、それ以外のテストの結果で新旧のノートの性能差の開き具合が異なっている。これは、CPUの処理性能の差よりも、内蔵グラフィックス機能の性能差のほうが大きいからだ。具体的には第8世代Core i7-8565UのUHD Graphicsと、最新のIris Xe Graphicsの差である。

 3年前の時点では、IntelのCPU内蔵グラフィックス機能で3Dゲームをプレイするのは少々厳しいと言われていたし、実際性能はあまり高くなかった。しかし、今は違う。IntelのCPU内蔵グラフィックス機能は、この3年間で最も進化した機能の1つである。

【グラフ4】ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ

 CPU内蔵グラフィックス機能の性能向上は次のファイナルファンタジーXIVのテスト結果にも表れている。Iris Xe Graphicsを搭載したmouse B4-i7の結果は「普通」となっており、これはプレイ自体に支障はないということを表わしている。

 このノートでゲームをプレイする予定があるかどうかは別として、プレイできるだけの性能を持っているのと持っていないのとでは未来が大きく変わるかもしれない。今はそのつもりはなくても、今後気になるゲームが出てきて自分でプレイするかもしれないし、子どもがプレイするかもしれないからだ。

【グラフ5】CrystalDiskMark

 最後はCrystalDiskMarkの結果である。これはもう単純にどれだけ高価で高性能なSSDを搭載しているのかということが出てくる。3年前のノートはたとえ3年前でもハイエンドモデルということもあってさすがに高速だ。mouse B4-i7のほうは2022年においてはそこそこの性能のSSDではあるが、3年前のハイエンドに並ぶほどの性能が出ている。

 なお、mouse B4-i7は内部的にはPCI Express 4.0 x4に対応しており、購入時に容量は同じで最大読み出し速度が約6.7GB/sの高速なSSDにプラス7,700円で交換することができる。テストで使用した初期搭載のものでも使用していて遅く感じることはなかったが、より速さを求めるのなら高速なSSDを選択するのもアリだ。

バッテリ駆動時間は約8時間ほどで十分に使える範囲

 バッテリ駆動時間は、Webブラウザを使用したりメモ帳で文章を書いたりYouTubeを見たり、高負荷環境を再現するために短い時間ではあるがベンチマークソフトを実行してみたりといった使い方で約7時間40分動作した。使い方によってはもっと長い時間使えることもあるだろうし短い場合もあると思うので参考程度に考えてほしい。なお、Windowsの電源モードの設定は初期設定のバランスのまま、画面の明るさは真ん中より少し上の辺りの状態で使用した。

 高価なハイエンドノートやモバイルノートなどと比べると短い駆動時間ではあるが、このノートがそのどちらでもないことを考えると十分な駆動時間と言える。全く充電を行なえない状況で7時間以上使えれば通常は問題ないだろう。

 本体の動作音は、ベンチマークソフトを実行したとき以外は特に音が聞こえてくることはなかった。キーボードの右上辺りに耳を近付ければファンが回っている音が聞こえはするが、通常の使用においてその音が気になることはないだろう。

 ベンチマークソフトの実行時、つまり高負荷時については、高音でも低音でもない「ショーー」というような音が高回転型の小型のUSB扇風機程度の音量で鳴る。耳障りな音ではないので1人で使用しているときには大きく気になることはないと思うが、たとえば会議中や授業中、図書館などでの使用は少々厳しいとは思う。とは言っても、そんな場所で高負荷になるような処理をさせるということはあまりないとは思うが。

 最後に高負荷時の本体の温度については、キーボードの右上辺りが熱くはなるが使用していて気になるほどではなかった。膝の上などで使えばさすがに熱いだろうが、机に置いて使用するのなら問題ない。ちなみに本体の底面から吸気している都合上、底面が塞がれてしまう膝の上などではそもそも使用しないほうがよいだろう。

本体底面の後ろ寄りにあるメッシュ状の部分が吸気口だ。ここから外気を吸い込んで背面のディスプレイの下から排出する。ファンは薄っすら見えているが、この写真で見て左奥に搭載している。本体を上から見た場合は右奥だ。主にその部分が熱くなる

人に安心して勧められて自分も欲しくなってしまうようなノート

 mouse B4-i7は、とにかくシンプルで質実剛健なノートだ。飾り気がなく特別な機能やソフトも一切入っていない。キーボードのFnキーの設定やバックライトの設定などを行なえる簡単な設定ソフトは入っているが、それくらいのもので、独自機能を制御するためのゴテゴテしたソフトなどはない。つまり、何も加えていない素の状態のWindowsノートなのだ。

 長年Windowsノートに触っていると、何かしらトラブルが出るのはだいたい独自に入っているオリジナルの制御ソフト周りであることが多い。その点、このノートならそういった心配がほぼない。家族や知人にノートの購入を相談されたときに、後々独自機能周りの想定外のトラブルに陥る可能性が低いので、安心して薦めることができる。そしてそれは自分用のノートの場合でも同様だ。変なクセがないので動作も素直で使いやすい。

 質実剛健なのでスペックの割りに価格も安く、コストパフォーマンスは高い。可能な限り余計なものが付いていないノートが欲しいという人は、まず最初に検討対象に入れてよいノートだろう。