Hothotレビュー

ノートでもゲームを高解像/高フレームレートで動かせる「GeForce RTX 3080」

MSI GS66 Stealth 10UH

 NVIDIAが1月13日に発表したノートパソコン向けGeForce RTX 30シリーズ、その最上位モデルであるGeForce RTX 3080 Laptop GPUを搭載したゲーミングノート「MSI GS66 Stealth 10UH」をテストする機会が得られた。今回はこのノートパソコンを使って、Ampere世代のノートパソコン向けGPUの実力をベンチマークテストでチェックする。

Ampereアーキテクチャ採用のノートパソコン向けGeForce RTX 30シリーズ

 ノートパソコン向けのGeForce RTX 30シリーズは、先に発売されたデスクトップ向けGeForce RTX 30シリーズと同じく、Ampereアーキテクチャに基づいて8nmプロセスで製造されたGPUコアを採用する新世代GPUだ。1月13日の発表時点では3モデルがラインナップされている。

 今回テストするMSI GS66 Stealth 10UHに搭載されているGeForce RTX 3080 Laptop GPUは、ノートパソコン向けGeForce RTX 30シリーズの最上位モデルで、6,144基のCUDAコアや、第2世代RTコア、第3世代Tensorコアなどを備えたGPUコアに、16GBまたは8GBのGDDR6メモリを備えている。

【表1】GeForce RTX 30 シリーズ(ノートパソコン向け)のおもな仕様
GPUGeForce RTX 3080 Laptop GPUGeForce RTX 3070 Laptop GPUGeForce RTX 3060 Laptop GPU
アーキテクチャAmpereAmpereAmpere
製造プロセス8nm8nm8nm
CUDAコア6,144基5,120基3,840基
Tensorコア第3世代第3世代第3世代
RTコア第2世代第2世代第2世代
ブーストクロック1,245~1,710MHz1,290~1,620MHz1,283~1,703MHz
メモリ容量8GB/16GB (GDDR6)8GB (GDDR6)6GB (GDDR6)
メモリインターフェイス256bit256bit192bit
PCI ExpressPCIe 4.0PCIe 4.0PCIe 4.0
GPU Subsystem Power80~150W以上80~125W60~115W

 ノートパソコン向けGeForce RTX 30シリーズでは、第3世代Max-Qテクノロジーを採用。AIによる電力配分の最適化を行なう「Dynamic Boost 2.0」や、AIにより冷却とパフォーマンスをチューニングする「WhisperMode 2.0」、従来のOptimusテクノロジーにディスプレイに接続するGPUを切り換える機能を追加した「Advanced Optimus」などの新機能によって、ゲーミングノートの薄型軽量化とゲーム体験の向上を実現する。

 また、ノートパソコン向けGeForce RTX 30シリーズは、CPUがすべてのVRAMに直接アクセスすることができるようになる「Resizable BAR」に対応。AMDがRadeon RX 6000シリーズで対応したSmart Access Memory(SAM)と同等の機能であり、一部のゲームでのパフォーマンス向上が期待できる。

 NVIDIAは、最新のAmpereアーキテクチャや第3世代Max-Qテクノロジーを採用したノートパソコン向けGeForce RTX 30シリーズが、ゲーミングノートで「1440pゲーミング」を実現するとしており、すでにRazer、ASUS、HP、Lenovoなどのメーカーが1440pディスプレイとGeForce RTX 30シリーズを搭載したゲーミングノートの発売を予定しているという。

Dynamic Boost 2.0は、GPU/VRAM/CPUのうち、性能のボトルネックとなっているパーツがより多くの電力を消費できるようAIによる電力配分の最適化を実施する
WhisperMode 2.0は、ユーザーが設定したファンボリュームと最小フレームレートターゲットに基づき、性能とファンスピードをAIによって最適化する
Advanced Optimusでは、従来内蔵GPU経由でディスプレイに接続していた外付けGPUが、直接ディスプレイに接続できるようになり、直接時はG-SYNCも利用できるようになった
CPUがすべてのVRAMに直接アクセスできるようになるResizable BARに対応した

240Hz駆動の1440pディスプレイを搭載する「MSI GS66 Stealth 10UH」

 今回のテストで使用するゲーミングノート「MSI GS66 Stealth 10UH」は、GeForce RTX 3080 Laptop GPUとCore i7-10870H(8コア16スレッド)を搭載したゲーミングノート。ディスプレイには、G-SYNC対応で240Hz駆動かつWQHD解像度(2,560×1,440ドット)の15.6型液晶を搭載している。

 このハイスペックなゲーミングノートは、1440pゲーミングを実現するGeForce RTX 3080 Laptop GPUの魅力を引き出すために用意されたスペシャルモデルであり、記事執筆時点では市販の予定はないとされている。

15.6型ゲーミングノート「MSI GS66 Stealth 10UH」
240Hz駆動のWQHD(1440p)液晶を搭載。GeForce RTX 3080 Laptop GPU利用時はG-SYNCに対応している
折り畳み時の厚さは約20mm。ハイスペックなゲーミングノートパソコンとしてはなかなかの薄さだ
本体重量は2.2kg弱。Max-Qテクノロジー採用製品らしい薄型軽量のゲーミングノートである
【表2】MSI GS66 Stealth 10UHのおもな仕様
CPUCore i7-10870H
iGPUIntel UHD Graphics
dGPUGeForce GTX 3080 Laptop GPU 16GB
メモリDDR4-3200 8GB×2
ストレージ1TB NVMe SSD
ディスプレイ15.6型WQHD液晶(2,560×1,440ドット/240Hz)
OSWindows 10 Pro

テスト機材

 今回のテストでは、MSI GS66 Stealth 10UHで3Dベンチマークや実際のゲームを動作させ、GeForce RTX 3080 Laptop GPUを搭載したゲーミングノートが発揮するパフォーマンスをチェックしていく。

 テスト時は、Advanced Optimusで追加されたdGPUが直接ディスプレイに接続した状態になっており、Dynamic Boost 2.0やResizable BARも標準で有効化されている。なお、ファンスピードとパフォーマンスを抑制するWhisperMode 2.0については利用していない。

【表3】テスト機材一覧
CPUCore i7-10870H
コア数/スレッド数8/16
CPUパワーリミットPL1:45W、PL2:45W、Tau:56秒
マザーボードIntel HM470 チップセット
メモリDDR4-3200 8GB×2
iGPUIntel UHD Graphics
dGPUGeForce GTX 3080 Laptop GPU 16GB
システム用SSD1TB NVMe SSD
アプリケーション用SSDSanDisk Ultra 3D SSD (USB 3.2 Gen 1)
電源ACアダプタ (230W)
グラフィックスドライバGeForce Game Ready Driver 461.23 (27.21.14.6123)
OSWindows 10 Pro 64bit (Ver 20H2 / build 19042.746)
電源プランバランス
Resizable BAR有効
室温約24℃

ベンチマーク結果

 それではベンチマーク結果をみていこう。

 実施したテストは、「3DMark」、「VRMark」、「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク」、「Forza Horizon 4」、「DIRT 5」、「フォートナイト」、「レインボーシックス シージ」、「VALORANT」、「オーバーウォッチ」、「Call of Duty: Black Ops Cold War」、「サイバーパンク2077」、「アサシン クリード ヴァルハラ」、「ウォッチドッグス レギオン」、「Godfall」、「Horizon Zero Dawn」、「Microsoft Flight Simulator」、「V-Ray Benchmark」、「Blender Benchmark」。

3DMark

 3DMarkでは、DirectX 12テスト「Time Spy」、DirectX 11テスト「Fire Strike」、Vulkanテスト「Wild Life」、DirectX Raytracing(DXR)テストの「Port Royal」と「DirectX Raytracing feature test」を実行した。

 比較対象がないため、3DMarkのスコアだけではGeForce RTX 3080 Laptop GPUの実力がどの程度なのかを知るのは難しいが、以前、デスクトップ向けGeForce RTX 3060 Tiをレビューしたさいのスコアと比較すると、Graphics Scoreに関しては1世代前のデスクトップ向けGPU「GeForce RTX 2080」に匹敵する数値を記録しているようだ。

 CPU性能の違いなどもあってトータルスコアでは及ばないものの、GeForce RTX 3080 Laptop GPUが備えるポテンシャルが非常に高いものであることが伺える。

【グラフ01】3DMark v2.16.7117「Time Spy」
【グラフ02】3DMark v2.16.7117「Fire Strike」
【グラフ03】3DMark v2.16.7117「Wild Life」
【グラフ04】3DMark v2.16.7117「Port Royal」
【グラフ05】3DMark v2.16.7117「DirectX Raytracing feature test」

VRMark

 VRMarkでは、DirectX 11テスト「Orage Room」、DirectX 12テスト「Cyan Room」、5K解像度テスト「Blue Room」を実行した。

 Orange RoomとCyan Roomでは、ターゲットフレームレートの109fpsを余裕で上回っており、5KテストのBlue Roomでも60fpsを超える平均フレームレートを記録した。

【グラフ06】VRMark v1.3.2020「スコア」
【グラフ07】VRMark v1.3.2020「平均フレームレート」

ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

 ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマークでは、描画品質を「最高品質」に固定して、フルHD解像度(1,920×1,080ドット)とWQHD解像度(2,560×1,440ドット)でテストを実行した。

 最高評価である「非常に快適」の基準スコア「7,000」に対し、GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、フルHDで17,180、WQHDでも14,577を記録。1440pでもファイナルファンタジーXIVを余裕でプレイできる実力を示した。

【グラフ08】ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク

FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク

 FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマークでは、描画品質を「高品質」に固定して、フルHD解像度とWQHD解像度でテストを実行した。

 フルHDでは「9,422」を記録して上から2番目の評価である「とても快適」、WQHDでは「7,506」で上から3番目の評価「快適」を獲得した。重量級のDirectX 11タイトルでも十分にプレイできる実力を示したと言える結果だ。

【グラフ09】FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION ベンチマーク v1.3

Forza Horizon 4

 Forza Horizon 4ではベンチマークモードを使って、フルHD解像度とWQHD解像度でそれぞれ3種類の描画設定をテストした。

 GeForce RTX 3080 Laptop GPUはすべての条件で120fps以上の平均フレームレートを記録。G-SYNC対応240Hz駆動パネルを備えるGS66 Stealth 10UHでは、スムーズで破綻のない映像でゲームを楽しむことができた。

【グラフ10】Forza Horizon 4 (v1.460.859.2)

DIRT 5

 DIRT 5ではベンチマークモードを使って、フルHD解像度とWQHD解像度でそれぞれ3種類の描画設定をテストした。

 ここでは、すべての条件で60fpsを超える平均フレームレートを記録した。WQHD時の「Ultra High」については65fpsときわどい所だが、それ以外は余裕で60fpsを上回ることができる。ちなみに、GS66 Stealth 10UHのようにG-SYNC対応ディスプレイを搭載したゲーミングノートであれば、ディスプレイ側がフレームレートに同期して表示するので、瞬間的に60fpsを下回ったとしても、破綻の無い映像でゲームを楽しめる。

【グラフ11】DIRT 5 (v1.0.251476.171)

フォートナイト

 フォートナイトでは、フルHD解像度とWQHD解像度で、2種類の描画設定と、レイトレーシングを含めたすべての描画品質を最高にしつつDLSSを「バランス」で有効化した設定でフレームレートを測定した。テスト時のグラフィックスAPIは「DirectX 12」で、3D解像度は「100%」。

 描画品質「中」ではフルHDで237.5fps、WQHDでも181.2fpsを記録し、GS66 Stealth 10UHが備える240Hzディスプレイの表示能力を存分に活用できた。描画品質「最高」でもフルHDで143.7fps、WQHDで98.0fpsを記録しており、かなりの高フレームレートでプレイできる。

 描画品質とレイトレーシングを「最高」にしてDLSSを「バランス」にした場合は60fpsを割り込んでしまっているが、これは最高設定にしたレイトレーシングの負荷が非常に高いためだ。快適なプレイを狙うなら、レイトレーシング設定を多少引き下げる必要がありそうだ。

【グラフ12】フォートナイト (v15.21)

レインボーシックス シージ

 レインボーシックス シージでは、フルHD解像度とWQHD解像度でそれぞれ3種類の描画設定をテストした。テスト時のグラフィックスAPIは「Vulkan」で、レンダリングのスケールは「100%」。

 フルHDではすべての条件でGS66 Stealth 10UHの表示能力を上回る平均フレームレートを記録し、WQHDでも195~234fpsを記録。相当な高フレームレートでのプレイが可能だった。

【グラフ13】レインボーシックス シージ (Y5S4.2)

VALORANT

 VALORANTでは、フルHD解像度とWQHD解像度でそれぞれ3種類の描画設定をテストした。

 結果としては、すべての条件で300fpsを大きく超える平均フレームレートを記録しており、GPU性能的にはVALORANTを超高フレームレートでプレイ出来る実力を備えていることがわかる。

【グラフ14】VALORANT (v02.01.00.511946)

オーバーウォッチ

 オーバーウォッチでは、フルHD解像度とWQHD解像度でそれぞれ3種類の描画設定をテストした。テスト時のレンダー・スケールは「100%」。

 最高品質設定である「エピック」でも、すべての条件で144fpsを超える平均フレームレートを記録しており、一般的なゲーミングディスプレイの表示性能を存分に引き出せるパフォーマンスを示した。

【グラフ15】オーバーウォッチ (v1.56.0.0.77262)

Call of Duty: Black Ops Cold War

 Call of Duty: Black Ops Cold Warでは、基本の描画設定をもっとも高くした状態をベースに、レイトレーシング「オフ」、レイトレーシング「ウルトラ」、レイトレーシング「ウルトラ」かつDLSS「バランス調整済み」という3つの設定でテストを行なった。

 レイトレーシング「オフ」時は、フルHDで108.6fps、WQHDでは77.1fpsを記録し、60fpsを超える高フレームレートでのプレイが可能だった。

 レイトレーシングを「ウルトラ」で有効化した場合、フレームレートはフルHDでも60fpsを割り込む結果となったが、DLSSを「バランス調整済み」で有効化することで、フルHDで67.5fps、WQHDで56.6fpsという60fps前後のプレイアブルなフレームレートを実現できた。

【グラフ16】Call of Duty: Black Ops Cold War (v1.7.5.8408002)

サイバーパンク2077

 サイバーパンク2077では、フルHD解像度とWQHD解像度でそれぞれ3種類の描画設定をテストした。なお、3種の描画設定のうち、レイトレーシングが有効になる2つでは、DLSSが「自動」設定で有効になっている。

 描画負荷の高さで知られる最新タイトルだけあって、60fpsに届いたのはフルHDでの「ウルトラ」と「レイトレーシング:中」設定のみとなっている。もっとも、サイバーパンク2077は30fpsから遊べるタイトルなので、いずれの設定もプレイ可能であるとも言える。

【グラフ17】サイバーパンク2077 (v1.1)

アサシン クリード ヴァルハラ

 アサシン クリード ヴァルハラではベンチマークモードを使って、フルHD解像度とWQHD解像度でそれぞれ3種類の描画設定をテストした。

 フルHDではすべての条件で60fpsを超える高フレームレートを記録し、WQHDでも描画品質「最高」のみ56fpsで60fpsを下回ったものの、描画品質「高」以下では60fps以上を記録した。かなりの高画質設定でも滑らかな描画でアサシン クリード ヴァルハラを楽しむことができるだろう。

【グラフ18】アサシン クリード ヴァルハラ (v1.1.1)

ウォッチドッグス レギオン

 ウォッチドッグス レギオンでは、描画品質「最大」をベースに、レイトレーシング「オフ」、レイトレーシング「最大」、レイトレーシング「最大」かつDLSS「バランス」という3つの設定でテストを行なった。

 レイトレーシング無効時はフルHDで98fps、WQHDで85fpsを記録しているが、レイトレーシングを「最大」で有効にすると、それぞれ60fpsと50fpsに低下している。これでも十分プレイアブルな数値ではあるが、DLSSを「バランス」で有効にすると、平均フレームレートは90fpsと73fpsにまで上昇し、滑らかな描画でレイトレーシングによる表現を楽しめる。

【グラフ19】ウォッチドッグス レギオン (v1.2.40)

Godfall

 Godfallではベンチマークモードを使って、フルHD解像度とWQHD解像度でそれぞれ3種類の描画設定をテストした。

 結果としては、WQHDの描画品質「最高」で54.9fpsを記録したことを除けば、60fps以上の平均フレームレートを記録した。30fpsからプレイできるゲームなので、WQHDの描画品質「最高」でもプレイできるだけのフレームレートは確保できているが、WQHDでより滑らかな描画を望むなら描画品質の調整を検討したい。

【グラフ20】Godfall (v2.3.15)

Horizon Zero Dawn

 Horizon Zero Dawnではベンチマークモードを使って、フルHD解像度とWQHD解像度でそれぞれ3種類の描画設定をテストした。

 結果としては最高画質設定でも60fpsを上回るフレームレートを記録しており、GeForce RTX 3080 Laptop GPUならWQHDでも画質を妥協することなくHorizon Zero Dawnをプレイできる。

【グラフ21】Horizon Zero Dawn (v1.54)

Microsoft Flight Simulator

 Microsoft Flight Simulatorでは、3種類の描画設定でフレームレートの測定を行った。測定は、羽田空港から関西国際空港へのルートをAIに飛行させ、離陸後3分間のフレームレートを測定している。使用した機体は「Daher TBM 930」。

 Microsoft Flight Simulatorは、CPUのボトルネックによって60fpsを超えるのが困難なタイトルであり、今回の測定でもすべての条件で60fpsを下回っている。とはいえ、30fpsを安定して確保できればプレイできるタイトルなので、描画品質「ULTRA」以外は余裕でプレイできるフレームレートであると言える。

【グラフ22】Microsoft Flight Simulator (v1.12.13.0)

Blender Benchmark

 3DCGソフト「Blender」のオフィシャルベンチマーク「Blender Benchmark」では、GeForce RTX 3080 Laptop GPUで「OPTIX」と「CUDA」を使った場合のGPUレンダリングと、8コア16スレッドCPUであるCore i7-10870Hを使ったCPUレンダリングを実行した。

 最速はOPTIX利用時のGeForce RTX 3080 Laptop GPUで、CUDA利用時に比べ、レンダリング速度は1.5~3倍ほど高速化している。CPUのCore i7-10870Hと比べると9~16倍も高速であり、OPTIXを用いたGPUレンダリングが非常に高速であることがわかる。

【グラフ23】Blender Benchmark

たしかに1440pゲーミングを実現したGeForce RTX 3080 Laptop GPU

 今回のテストでは、高フレームレート志向のゲームから、グラフィック品質重視のゲームまでテストしてみた。GeForce RTX 3080 Laptop GPUは、いずれのゲームでもWQHD解像度で十分にプレイできると言えるだけの性能を発揮しており、ゲーミングノートで1440pゲーミングを実現するというNVIDIAの主張通りの結果が得られた。

 テストに用いたMSI GS66 Stealth 10UHの出来も良く、とくに240Hz駆動かつG-SYNCに対応するWQHD液晶の表示品質は高精細かつハイクオリティであり、発売予定がないことが残念に思えるほどに素晴らしいものだ。

 今後、ノートパソコン向けGeForce RTX 30シリーズの性能がゲーマーの注目を集めることは間違いないだろうが、より良いゲーム体験を得たいのであれば、GPUだけでなくディスプレイのスペックにも注目することをおすすめする。