Hothotレビュー

スペック充実で今なら10万円切りのRyzen搭載2in1「HP ENVY 15 x360(AMD)」

日本HP「HP ENVY 15 x360(AMD)」94,800円~(キャンペーン価格)

 日本HPは2月15日、AMD製プロセッサー「Ryzen 5 2500U」を採用したディスプレイ360度回転型2in1「HP ENVY 15 x360(AMD)」を発売した。本製品は2018年8月1日に発売された「HP ENVY 15 x360(インテル)」の兄弟モデルで、キャンペーン価格でどちらも10万円を切る低価格を実現している。

 今回はスペック、外観、使い勝手などをチェックした上で、AMD版とIntel版にどのような差があるのか検証していこう。

AMD版とIntel版には細かな違いが多数ある

 ENVY 15 x360(AMD)は前述のとおり、2017年10月26日に発売された「Ryzen 5 2500U(2~3.6GHz、4コア8スレッド)」を採用。GPUはCPU内蔵の「Radeon Vega 8 Graphics」で、メモリは8GBまたは16GB(DDR4-2400 SDRAM)、ストレージは256GB PCIe NVMe SSDと1TB SATA HDD(7,200rpm)を搭載している。

 ディスプレイは15.6型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、光沢、タッチ対応)を採用。Microsoft Penプロトコル(N-Trig)に対応するデジタイザペンを利用可能だが、同社標準の「Spectre アクティブペン(8,000円)」、「Spectre アクティブペン(9,800円)」はオプション扱いとなっている。

【表1】HP ENVY 15 x360(AMD)のラインナップ一覧 ※3月15日調べ
シリーズ名HP ENVY x360 15-cp0000 シリーズ
型番15-cp0016AU15-cp0017AU
OSWindows 10 Home 64bit
CPURyzen 5 2500U(2~3.6GHz、4コア/8スレッド)
GPURadeon Vega 8 Graphics(CPU内蔵)
メモリDDR4-2400 SDRAM 8GBDDR4-2400 SDRAM 16GB
ストレージ256GB PCIe NVMe SSD、1TB SATA HDD(7200rpm)
ディスプレイ15.6型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、光沢、タッチ対応)
通信IEEE 802.11ac無線LAN、Bluetooth 4.2
インターフェイスUSB 3.1 Type-C(DisplayPort Alternative Mode、USB Power Delivery対応、電源オフUSBチャージ機能対応)、USB 3.0(内1ポートは電源オフUSBチャージ機能対応)×2、HDMI 2.0、SDカードスロット、ヘッドセットジャック、Webカメラ(フルHD、200万画素)
バッテリ容量Design Capacity:53,615Wh、Full Charge Capacity:53,615mWh(Battery reportで計測)
本体サイズ/重量359×245×19〜20mm(幅×奥行き×高さ)/約2.11kg
セキュリティWindows Hello対応顔認証センサー(IRカメラ)
Microsoft Officeオプション
カラーダークアッシュブラック
価格104,800円124,800円
キャンペーン価格94,800円99,800円

 AMD版とIntel版のサイズ/重量は359×245×19〜20mm(幅×奥行き×高さ)/約2.11kgとまったく同じ。両者で異なるのはまずカラー。AMD版がダークアッシュブラック、Intel版がナチュラルシルバーを採用している。

 つぎに異なるのはストレージ構成。AMD版は256GB PCIe NVMe SSDと1TB SATA HDDの組み合わせだけだが、Intel版はそれに加えてエントリーモデルに1TB SATA HDD、Intel Optaneメモリー(16GB)という構成が用意されている。

 使い勝手に関わる装備で大きく違うのはAMD版が顔認証センサー、Intel版が指紋認証センサーを採用しているところ。屋内では見つめるだけでロックを解除できる顔認証センサーのほうが利便性は高いが、直射日光下では赤外線の影響を受けない指紋認証センサーのほうが動作は確実だ。

 細かい点では、USB 3.1 Type-C端子が、AMD版はGen 2(最大10Gbps)、Intel版はGen 1(最大5Gbps)となっている。USB 3.1 Gen 2対応モバイルストレージを接続したさいには、Gen 2に対応するAMD版のほうが高速にデータをやり取りできる。

 最後に異なるのは価格。Ryzen 5/8GB RAM/256GB SSD+1TB SSDという構成のAMD版が94,800円、Core i5/8GB RAM/1TB SATA HDD+Intel Optaneメモリー(16GB)という構成のIntel版が96,800円だ(キャンペーン価格)。ストレージ構成が上のAMD版のほうが2,000円安いのだから、コストパフォーマンスという点でAMD版は魅力的だ。

Intel版のカラーはビジネス色が強いナチュラルシルバーだが、AMD版はラグジュアリー感が漂うダークアッシュブラック。スペック以上にカラーリングがモデル選びの決め手になるかもしれない

10万円を切るPCとは感じさせない質感のアルミニウム製筐体

 ENVY 15 x360(AMD)の筐体はアルミニウム製。表面には梨地処理が施されており、手脂などが比較的目立たず、また高級感の演出にも一役買っている。ヒンジ部にはダマスカス鋼風の模様が描かれており、10万円を切るノートPCとは感じさせない風格だ。

 インターフェイスは、USB 3.1 Type-C(DisplayPort Alternative Mode、USB Power Delivery対応、電源オフUSBチャージ機能対応)×1、USB 3.0(内1ポートは電源オフUSBチャージ機能対応)×2、HDMI 2.0、SDカードスロット、ヘッドセットジャックを用意。新旧インターフェイスを揃えている点、フルサイズのSDカードスロットを搭載している点は、実用性を重視した装備と高く評価できる。

 重量は前述のとおりカタログ値で約2.11kg(実測2,104g)と、ノートPCと考えるとやや重く感じるが、本製品は2in1だ。大型タブレットを持ち運ばなくて済むのなら許容範囲だ。

 細かな点だがコンセント直付け用のダックヘッドが付属していないのは残念。電源ケーブルはかさばるし、重量も増えてしまう。同社の「HP Spectre x360」にはダックヘッドが付属しているので、本製品にもぜひ同梱してほしいところだ。

本体天面。HPのロゴは鏡面仕上げ
本体底面。ゴム足は左右ギリギリに広げられたバータイプ。溝のあるテーブルの上でも安定して設置できる
本体前面
本体背面。筐体下側にダマスカス鋼風の模様が施されている
ヒンジ部に「ENVY」のロゴがさりげなく記されている
本体右側面。左からボリュームボタン、USB 3.1 Type-C(DisplayPort Alternative Mode、USB Power Delivery対応、電源オフUSBチャージ機能対応)、USB 3.0(電源オフUSBチャージ機能対応)、HDMI 2.0を装備
本体左側面。左から電源端子、USB 3.0、電源ボタン、ヘッドセットジャック、SDカードスロットを装備
ディスプレイは15.6型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、光沢、タッチ対応)のみ。上部にWebカメラ(フルHD、200万画素)が内蔵されている
Webカメラの横にはWindows Hello対応の顔認証センサー(IRカメラ)が配置されている
キーボードは日本語配列のみ。テンキーも用意されている
本体以外にACアダプタ、電源ケーブル、説明書類が付属している。Microsoft Penプロトコル(N-Trig)に対応するデジタイザペンを使用可能だが、標準では同梱されていない
ACアダプタのコード長は約180cm、電源ケーブルは約100cm
ACアダプタ「TPN-LA05」の仕様は、入力100-240V~1.7A、出力19.5V 3.33A、容量65W
本体の実測重量は約2,104g
ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は実測334.5g
システム情報
主要なデバイス
Windows 10のバージョン1803適用後、初期状態に戻したさいのCドライブ(SSD)の空き容量は192.05GB、Dドライブ(HDD)の空き容量は909.65GB。リカバリ領域はDドライブに確保されている
「powercfg /batteryreport」コマンドを実行したところ、DESIGN CAPACITYは53,615mWh、FULL CHARGE CAPACITYは53,615mWhと表示された

テーブルの上や、膝の上などに置いて利用するべき2in1

 多くの2in1を手がけてきたHPだけに、ENVY 15 x360(AMD)はヒンジが適度な力で滑らかに動作するように調整されているし、タブレット状態ではキーボードが無効化されるなど、2in1としてスキのない作りだ。ノートブック、タブレット、テント、スタンド、フラットモードのどのスタイルでも快適に利用できる。

 とは言え、重量が約2.11kgあるので、外出先で立ったままタブレットとして利用するのは現実的ではない。テーブルの上や、膝の上などに置いて利用するべき2in1だ。

 キーボード、タッチパッドの操作感は良好。キーピッチは約18.7×18.7mm、キーストロークは約1.5mmが確保され、テンキーも装備している。キーピッチをややせまく感じる方がいるかもしれないが、キー同士が離れているアイソレーションキーボードなので、数時間使っていればすぐに慣れるだろう。

 キーボードの打鍵音、タッチパッドのクリック音は低めに抑えられているが、EnterキーとSpaceキーのみ打鍵音が少々大きい。要所要所で「ターン!」と響かせるのはたしかに気持ちよいが、自宅ならともかく公衆の場では迷惑だ。個人的にはすべてのキーが同じ打鍵音であるべきだと考える。

 入力デバイス関連の不安要素はタッチパッドがWindows 10の「高精度タッチパッド」に対応していないこと。高精度タッチパッドに対応した多くのノートPCとは、ジェスチャーの設定方法が異なる点、Windows 10に新しいジェスチャーが導入されてもすぐに利用できない可能性が高い点には留意しておこう。

左上からノートブックモード、タブレットモード、テントモード、スタンドモード
対面で画面を見ながら操作するさいに役立つフラットモード
表計算ソフトで重宝するテンキーが搭載されているが、ホームポジションに指を置くと、手の位置は当然左寄りになる
キーピッチは約18.7×18.7mm、キーストロークは約1.5mmが確保されている
キーボードにはバックライトが内蔵されている
タッチパッドは全体が沈み込むダイビングボード構造。ストロークは浅めでクリック感は心地いい。操作しやすいタッチパッドだ
タッチパッドはWindows 10の「高精度タッチパッド」に対応しておらず、各種ジェスチャーは「Synaptics ClickPad」により提供されている

ディスプレイの色域はせまいが発色は悪くない、サウンドは価格以上の品質

 ENVY 15 x360(AMD)には15.6型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、光沢、タッチ対応)ディスプレイが採用されている。輝度、色域、コントラスト比は公表されていないが、実際の色域をディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で確認してみたところ、sRGBカバー率は63.0%、sRGB比は63.4%、Adobe RGBカバー率は47%、Adobe RGB比は47%という結果だった。

 一般的なモバイルノートPCのsRGBカバー率は90%台なので、色域はかなりせまい。しかし液晶パネルに合わせて入念にセッティングされているのか、発色自体は悪くなかった。もちろん、プロフェッショナル品質の色調整には力不足だが、映画やミュージックビデオを鑑賞するという用途なら不満を感じることはないはずだ。

 サウンドは価格以上の品質と言ってよいと思う。高級オーディオブランド「Bang & Olufsen」と共同でチューニングしているとのことだが、そもそもキーボード面に大きな開口部のあるスピーカー設計が音質面に有利だ。個人的にはやや低音が物足りないが、ボリュームは十分で、なかなか抜けのよいサウンドを楽しめた。10万円を切るノートPCとしてはトップクラスの音質だと思う。

ディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で確認したsRGBカバー率は63.0%、sRGB比は63.4%
Adobe RGBカバー率は47.0%、Adobe RGB比は47.0%
数値的には色域は広くはないが、液晶パネルに合ったチューニングのおかげか発色は悪くない
広視野角は謳われていないが45度ぐらいの角度なら一定の視認性、階調が保たれる
スピーカーは上面に配置。高級オーディオブランド「Bang & Olufsen」と共同でチューニングされているとのこと
YouTubeで公開されている「前前前世 (movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生したさいの音圧レベルは最大83.8dBA(50cmの距離で測定)。オーディオコンポ代わりに音楽を楽しめるボリュームだ

3DMarkでCore i7-8565U搭載マシンを超えるスコアを記録!

 さて最後にベンチマークスコアを見てみよう。今回は下記のベンチマークを実施している。

  • 総合ベンチマーク「PCMark 10 v1.1.1739」
  • 総合ベンチマーク「PCMark 8 v2.10.901」
  • 3Dベンチマーク「3DMark v2.8.6446」
  • CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」
  • CPU/OpneCLベンチマーク「Geekbench 4.3.3」
  • ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
  • ゲーミングPCベンチマーク「FINAL FANTASY XV BENCHMARK」
  • ゲーミングPCベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」
  • ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.2」、「CrystalDiskMark 5.5.0」
  • 「Adobe Lightroom Classic CC」で100枚のRAW画像を現像
  • 「Adobe Premiere Pro CC」で実時間5分の4K動画を書き出し
  • バッテリベンチマーク「BBench」で連続動作時間を計測
  • バッテリベンチマーク「BBench」で充電時間を計測

 なお比較対象として西川和久氏の記事『第8世代Core搭載15.6型2in1 HP「ENVY 15 x360/15-cn0004TU」』と、『もう鼻の穴を覗かれない! 狭額縁13.3型ノート「XPS 13」実機レビュー』のベンチマークスコアを転載している。前者はAMD版とIntel版の性能の違いを見るために、後者は 第8世代(Whiskey Lake)の「Core i7-8565U」を搭載するノートPCとの性能差を確認するために採用した。ただしOSやベンチマークソフトのバージョンなど諸条件が異なるので、あくまでも参考値としてご覧いただきたい。

 下記が検証機の仕様とその結果だ。

【表2】検証機の仕様
HP ENVY 15 x360(AMD)HP ENVY 15 x360(インテル)XPS 13
CPURyzen 5 2500U(2~3.6GHz、4コア8スレッド)Core i5-8250U(1.6~3.4GHz、4コア8スレッド)Core i7-8565U(1.8~4.6GHz、4コア8スレッド)
GPURadeon Vega 8 GraphicsIntel UHD Graphics 620(300MHz~1.10GHz)Intel UHD Graphics 620(300MHz~1.15GHz)
メモリDDR4-2400 SDRAM 8GBDDR4-2400 SDRAM 8GBLPDDR3-2133 SDRAM 8GB
ストレージ256GB PCIe NVMe SSD、1TB SATA HDD1TB SATA HDD、Intel Optaneメモリー(16GB)256GB PCIe NVMe SSD
ディスプレイ15.6型、1,920×1,080ドット(141ppi)13.3型、3,840×2,160ドット(331ppi)
TDP15W
OSWindows 10 Home 64bitWindows 10 Home 64bitWindows 10 Home 64bit
サイズ(幅×奥行き×高さ)359×245×19〜20mm302×199×7.8〜11.6mm
重量約2.11kg約1.23kg
【表3】ベンチマーク結果
HP ENVY 15 x360(AMD)HP ENVY 15 x360(インテル)XPS 13
PCMark 10v1.1.1739v1.0.1457v1.1.1739
PCMark 10 Score3,5372,928
Essentials7,1527,4258,575
App Start-up Score8,0848,47712,701
Video Conferencing Score7,2517,4437,445
Web Browsing Score6,2436,6206,669
Productivity5,3444,2736,354
Spreadsheets Score6,7715,8457,702
Writing Score4,2193,1255,243
Digital Content Creation3,1442,135
Photo Editing Score4,5601,7434,251
Rendering and Visualization Score2,6961,922計測不可
Video Editting Score2,5282,9084,200
PCMark 8v2.10.901v2.8.704v2.10.901
Home Accelarated 3.03,4913,1023,599
Creative Accelarated 3.04,3823,6555,089
Work Accelarated 2.04,4714,3784,300
Storage 2.05,0294,4415,023
3DMarkv2.8.6446v2.4.4264v2.8.6446
Time Spy742384460
Fire Strike Ultra489241301
Fire Strike Extreme985455561
Fire Strike2,0599591,198
Sky Diver7,4204,3104,750
Night Raid7,6425,427
Cloud Gate9,8837,6389,834
Ice Storm Extreme58,53143,97133,967
Ice Storm67,50560,55843,070
CINEBENCH R15.0
OpenGL36.39 fps43.00 fps54.41 fps
CPU595 cb627 cb740 cb
CPU(Single Core)136 cb147 cb185 cb
Geekbench 4.3.3
32-bit Single-Core Score3,2394,666
32-bit Multi-Core Score9,79315,203
64-bit Single-Core Score3,6625,255
64-bit Multi-Core Score9,33116,558
OpenCL32,55438,254
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット7,5706,503
FINAL FANTASY XV BENCHMARK
1,280×720ドット、標準品質、フルスクリーン1,760(動作困難)1,001(動作困難)
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC)5494(とても快適)4,992(快適)
1,280×720ドット 高品質(ノートPC)4,430(快適)3,498(やや快適)
SSDをCrystalDiskMarkで計測v6.0.2v6.0.06.0.2
Q32T1 シーケンシャルリード1,350.965 MB/s920.042 MB/s3,518.489 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト1,470.674 MB/s159.372 MB/s1,395.874 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード570.113 MB/s538.467 MB/s565.676 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト1,243.271 MB/s161.887 MB/s388.579 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード279.989 MB/s131.654 MB/s276.542 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト193.350 MB/s161.848 MB/s432.772 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード33.920 MB/s118.328 MB/s39.146 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト103.402 MB/s73.601 MB/s101.843 MB/s
HDDをCrystalDiskMark 5.5.0で計測
Q32T1 シーケンシャルリード1,350.584 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト1,472.662 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード290.371 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト201.258 MB/s
シーケンシャルリード779.997 MB/s
シーケンシャルライト1,473.052 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード34.194 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト105.004 MB/s
Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像
7,952☓5,304ドット、カラー - 自然18分53秒9412分1秒45
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、30fps19分2秒9110分14秒88
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モード:高パフォーマンス)
バッテリ残量7%まで8時間5分24秒
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能)
バッテリ残量7%まで10時間17分57秒
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モード:高パフォーマンス)
バッテリ残量5%まで10時間7分10秒
BBenchにより充電時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モード:最も高いパフォーマンス)
バッテリ残量7%から50%まで37分20秒
バッテリ残量7%から80%まで1時間4分13秒
バッテリ残量7%から100%まで1時間48分58秒
バッテリ残量5%から50%まで45分46秒
バッテリ残量5%から80%まで1時間17分13秒
バッテリ残量5%から100%まで2時間22分7秒

 ベンチマークスコアはなかなか興味深い結果となった。CINEBENCH R15.0の「CPU」スコアで比較すると、Intel版がAMD版の1.05倍のスコアを記録している。しかし3DMarkではすべての項目でAMD版がIntel版を上回っており、とくに「Fire Strike Extreme」では2.16倍のスコアを叩き出している。

 ちなみに格上のCore i7-8565Uを搭載するXPS 13よりも3DMarkではAMD版が上回っており、同じく「Fire Strike Extreme」で1.76倍のスコアを記録している。Ryzen 5 2500Uが内蔵するGPU「Radeon Vega 8 Graphics」は、3DMarkで「Intel UHD Graphics 620」よりも高いグラフィック性能を発揮することは間違いない。

 PCMark 10の総合性能でAMD版がIntel版を上回っているが、これはAMD版がSSDとHDD、Intel版がHDDとIntel Optaneメモリーという組み合わせのモデルで計測しているため。それを差し引いて結果を見るべきだろう。

 バッテリ駆動時間はAMD版が「ディスプレイの明るさ40%、電源モード:高パフォーマンス」、Intel版が「ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリ節約機能」というまったく異なる条件で実施している。AMD版もディスプレイの明るさを0%に設定すれば、両者の差は大きく縮まるはずだ。

CINEBENCH R15.0のCPUを連続で5回実行したときのキーボード面の最大温度は45.2℃
底面の最大温度は47.5℃
ACアダプタの最大温度は38.7℃

なぜ10万円を切れているのかわからないほど装備・機能・スペックが充実

 Ryzen 5 2500Uを搭載するHP ENVY 15 x360(AMD)は、ベンチマークスコアを見ればわかるとおり、グラフィックス性能に優れた2in1だ。とくに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」でCore i7-8565Uを搭載するXPS 13に下剋上をはたしたのには驚かされた。

 ディスプレイの色域だけは昨今のノートPCよりかなり下回っていたものの、剛性感のあるアルミニウム製筐体、上質なキーボードとタッチパッド、デジタイザペンをサポートしたタッチパネルディスプレイ、そして8GBメモリ、256GB SSD+1TB HDDと装備、機能、スペックが充実。正直、なぜ10万円を切れているのか不思議になるほどだ。

 15.6インチの大型2in1ということで携帯性という点ではやや人を選ぶだろう。しかし、約2.11kgの筐体を持ち運ぶのが苦にならないのなら、さまざまな用途に活躍してくれるコスパ抜群のモバイル端末であるのは間違いない。