Hothotレビュー
スペック充実で今なら10万円切りのRyzen搭載2in1「HP ENVY 15 x360(AMD)」
2019年3月18日 11:00
日本HPは2月15日、AMD製プロセッサー「Ryzen 5 2500U」を採用したディスプレイ360度回転型2in1「HP ENVY 15 x360(AMD)」を発売した。本製品は2018年8月1日に発売された「HP ENVY 15 x360(インテル)」の兄弟モデルで、キャンペーン価格でどちらも10万円を切る低価格を実現している。
今回はスペック、外観、使い勝手などをチェックした上で、AMD版とIntel版にどのような差があるのか検証していこう。
AMD版とIntel版には細かな違いが多数ある
ENVY 15 x360(AMD)は前述のとおり、2017年10月26日に発売された「Ryzen 5 2500U(2~3.6GHz、4コア8スレッド)」を採用。GPUはCPU内蔵の「Radeon Vega 8 Graphics」で、メモリは8GBまたは16GB(DDR4-2400 SDRAM)、ストレージは256GB PCIe NVMe SSDと1TB SATA HDD(7,200rpm)を搭載している。
ディスプレイは15.6型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、光沢、タッチ対応)を採用。Microsoft Penプロトコル(N-Trig)に対応するデジタイザペンを利用可能だが、同社標準の「Spectre アクティブペン(8,000円)」、「Spectre アクティブペン(9,800円)」はオプション扱いとなっている。
シリーズ名 | HP ENVY x360 15-cp0000 シリーズ | |
---|---|---|
型番 | 15-cp0016AU | 15-cp0017AU |
OS | Windows 10 Home 64bit | |
CPU | Ryzen 5 2500U(2~3.6GHz、4コア/8スレッド) | |
GPU | Radeon Vega 8 Graphics(CPU内蔵) | |
メモリ | DDR4-2400 SDRAM 8GB | DDR4-2400 SDRAM 16GB |
ストレージ | 256GB PCIe NVMe SSD、1TB SATA HDD(7200rpm) | |
ディスプレイ | 15.6型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、光沢、タッチ対応) | |
通信 | IEEE 802.11ac無線LAN、Bluetooth 4.2 | |
インターフェイス | USB 3.1 Type-C(DisplayPort Alternative Mode、USB Power Delivery対応、電源オフUSBチャージ機能対応)、USB 3.0(内1ポートは電源オフUSBチャージ機能対応)×2、HDMI 2.0、SDカードスロット、ヘッドセットジャック、Webカメラ(フルHD、200万画素) | |
バッテリ容量 | Design Capacity:53,615Wh、Full Charge Capacity:53,615mWh(Battery reportで計測) | |
本体サイズ/重量 | 359×245×19〜20mm(幅×奥行き×高さ)/約2.11kg | |
セキュリティ | Windows Hello対応顔認証センサー(IRカメラ) | |
Microsoft Office | オプション | |
カラー | ダークアッシュブラック | |
価格 | 104,800円 | 124,800円 |
キャンペーン価格 | 94,800円 | 99,800円 |
AMD版とIntel版のサイズ/重量は359×245×19〜20mm(幅×奥行き×高さ)/約2.11kgとまったく同じ。両者で異なるのはまずカラー。AMD版がダークアッシュブラック、Intel版がナチュラルシルバーを採用している。
つぎに異なるのはストレージ構成。AMD版は256GB PCIe NVMe SSDと1TB SATA HDDの組み合わせだけだが、Intel版はそれに加えてエントリーモデルに1TB SATA HDD、Intel Optaneメモリー(16GB)という構成が用意されている。
使い勝手に関わる装備で大きく違うのはAMD版が顔認証センサー、Intel版が指紋認証センサーを採用しているところ。屋内では見つめるだけでロックを解除できる顔認証センサーのほうが利便性は高いが、直射日光下では赤外線の影響を受けない指紋認証センサーのほうが動作は確実だ。
細かい点では、USB 3.1 Type-C端子が、AMD版はGen 2(最大10Gbps)、Intel版はGen 1(最大5Gbps)となっている。USB 3.1 Gen 2対応モバイルストレージを接続したさいには、Gen 2に対応するAMD版のほうが高速にデータをやり取りできる。
最後に異なるのは価格。Ryzen 5/8GB RAM/256GB SSD+1TB SSDという構成のAMD版が94,800円、Core i5/8GB RAM/1TB SATA HDD+Intel Optaneメモリー(16GB)という構成のIntel版が96,800円だ(キャンペーン価格)。ストレージ構成が上のAMD版のほうが2,000円安いのだから、コストパフォーマンスという点でAMD版は魅力的だ。
10万円を切るPCとは感じさせない質感のアルミニウム製筐体
ENVY 15 x360(AMD)の筐体はアルミニウム製。表面には梨地処理が施されており、手脂などが比較的目立たず、また高級感の演出にも一役買っている。ヒンジ部にはダマスカス鋼風の模様が描かれており、10万円を切るノートPCとは感じさせない風格だ。
インターフェイスは、USB 3.1 Type-C(DisplayPort Alternative Mode、USB Power Delivery対応、電源オフUSBチャージ機能対応)×1、USB 3.0(内1ポートは電源オフUSBチャージ機能対応)×2、HDMI 2.0、SDカードスロット、ヘッドセットジャックを用意。新旧インターフェイスを揃えている点、フルサイズのSDカードスロットを搭載している点は、実用性を重視した装備と高く評価できる。
重量は前述のとおりカタログ値で約2.11kg(実測2,104g)と、ノートPCと考えるとやや重く感じるが、本製品は2in1だ。大型タブレットを持ち運ばなくて済むのなら許容範囲だ。
細かな点だがコンセント直付け用のダックヘッドが付属していないのは残念。電源ケーブルはかさばるし、重量も増えてしまう。同社の「HP Spectre x360」にはダックヘッドが付属しているので、本製品にもぜひ同梱してほしいところだ。
テーブルの上や、膝の上などに置いて利用するべき2in1
多くの2in1を手がけてきたHPだけに、ENVY 15 x360(AMD)はヒンジが適度な力で滑らかに動作するように調整されているし、タブレット状態ではキーボードが無効化されるなど、2in1としてスキのない作りだ。ノートブック、タブレット、テント、スタンド、フラットモードのどのスタイルでも快適に利用できる。
とは言え、重量が約2.11kgあるので、外出先で立ったままタブレットとして利用するのは現実的ではない。テーブルの上や、膝の上などに置いて利用するべき2in1だ。
キーボード、タッチパッドの操作感は良好。キーピッチは約18.7×18.7mm、キーストロークは約1.5mmが確保され、テンキーも装備している。キーピッチをややせまく感じる方がいるかもしれないが、キー同士が離れているアイソレーションキーボードなので、数時間使っていればすぐに慣れるだろう。
キーボードの打鍵音、タッチパッドのクリック音は低めに抑えられているが、EnterキーとSpaceキーのみ打鍵音が少々大きい。要所要所で「ターン!」と響かせるのはたしかに気持ちよいが、自宅ならともかく公衆の場では迷惑だ。個人的にはすべてのキーが同じ打鍵音であるべきだと考える。
入力デバイス関連の不安要素はタッチパッドがWindows 10の「高精度タッチパッド」に対応していないこと。高精度タッチパッドに対応した多くのノートPCとは、ジェスチャーの設定方法が異なる点、Windows 10に新しいジェスチャーが導入されてもすぐに利用できない可能性が高い点には留意しておこう。
ディスプレイの色域はせまいが発色は悪くない、サウンドは価格以上の品質
ENVY 15 x360(AMD)には15.6型フルHD IPS液晶(1,920×1,080ドット、141ppi、光沢、タッチ対応)ディスプレイが採用されている。輝度、色域、コントラスト比は公表されていないが、実際の色域をディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で確認してみたところ、sRGBカバー率は63.0%、sRGB比は63.4%、Adobe RGBカバー率は47%、Adobe RGB比は47%という結果だった。
一般的なモバイルノートPCのsRGBカバー率は90%台なので、色域はかなりせまい。しかし液晶パネルに合わせて入念にセッティングされているのか、発色自体は悪くなかった。もちろん、プロフェッショナル品質の色調整には力不足だが、映画やミュージックビデオを鑑賞するという用途なら不満を感じることはないはずだ。
サウンドは価格以上の品質と言ってよいと思う。高級オーディオブランド「Bang & Olufsen」と共同でチューニングしているとのことだが、そもそもキーボード面に大きな開口部のあるスピーカー設計が音質面に有利だ。個人的にはやや低音が物足りないが、ボリュームは十分で、なかなか抜けのよいサウンドを楽しめた。10万円を切るノートPCとしてはトップクラスの音質だと思う。
3DMarkでCore i7-8565U搭載マシンを超えるスコアを記録!
さて最後にベンチマークスコアを見てみよう。今回は下記のベンチマークを実施している。
- 総合ベンチマーク「PCMark 10 v1.1.1739」
- 総合ベンチマーク「PCMark 8 v2.10.901」
- 3Dベンチマーク「3DMark v2.8.6446」
- CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」
- CPU/OpneCLベンチマーク「Geekbench 4.3.3」
- ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
- ゲーミングPCベンチマーク「FINAL FANTASY XV BENCHMARK」
- ゲーミングPCベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」
- ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.2」、「CrystalDiskMark 5.5.0」
- 「Adobe Lightroom Classic CC」で100枚のRAW画像を現像
- 「Adobe Premiere Pro CC」で実時間5分の4K動画を書き出し
- バッテリベンチマーク「BBench」で連続動作時間を計測
- バッテリベンチマーク「BBench」で充電時間を計測
なお比較対象として西川和久氏の記事『第8世代Core搭載15.6型2in1 HP「ENVY 15 x360/15-cn0004TU」』と、『もう鼻の穴を覗かれない! 狭額縁13.3型ノート「XPS 13」実機レビュー』のベンチマークスコアを転載している。前者はAMD版とIntel版の性能の違いを見るために、後者は 第8世代(Whiskey Lake)の「Core i7-8565U」を搭載するノートPCとの性能差を確認するために採用した。ただしOSやベンチマークソフトのバージョンなど諸条件が異なるので、あくまでも参考値としてご覧いただきたい。
下記が検証機の仕様とその結果だ。
HP ENVY 15 x360(AMD) | HP ENVY 15 x360(インテル) | XPS 13 | |
---|---|---|---|
CPU | Ryzen 5 2500U(2~3.6GHz、4コア8スレッド) | Core i5-8250U(1.6~3.4GHz、4コア8スレッド) | Core i7-8565U(1.8~4.6GHz、4コア8スレッド) |
GPU | Radeon Vega 8 Graphics | Intel UHD Graphics 620(300MHz~1.10GHz) | Intel UHD Graphics 620(300MHz~1.15GHz) |
メモリ | DDR4-2400 SDRAM 8GB | DDR4-2400 SDRAM 8GB | LPDDR3-2133 SDRAM 8GB |
ストレージ | 256GB PCIe NVMe SSD、1TB SATA HDD | 1TB SATA HDD、Intel Optaneメモリー(16GB) | 256GB PCIe NVMe SSD |
ディスプレイ | 15.6型、1,920×1,080ドット(141ppi) | 13.3型、3,840×2,160ドット(331ppi) | |
TDP | 15W | ||
OS | Windows 10 Home 64bit | Windows 10 Home 64bit | Windows 10 Home 64bit |
サイズ(幅×奥行き×高さ) | 359×245×19〜20mm | 302×199×7.8〜11.6mm | |
重量 | 約2.11kg | 約1.23kg |
HP ENVY 15 x360(AMD) | HP ENVY 15 x360(インテル) | XPS 13 | |
---|---|---|---|
PCMark 10 | v1.1.1739 | v1.0.1457 | v1.1.1739 |
PCMark 10 Score | 3,537 | 2,928 | - |
Essentials | 7,152 | 7,425 | 8,575 |
App Start-up Score | 8,084 | 8,477 | 12,701 |
Video Conferencing Score | 7,251 | 7,443 | 7,445 |
Web Browsing Score | 6,243 | 6,620 | 6,669 |
Productivity | 5,344 | 4,273 | 6,354 |
Spreadsheets Score | 6,771 | 5,845 | 7,702 |
Writing Score | 4,219 | 3,125 | 5,243 |
Digital Content Creation | 3,144 | 2,135 | - |
Photo Editing Score | 4,560 | 1,743 | 4,251 |
Rendering and Visualization Score | 2,696 | 1,922 | 計測不可 |
Video Editting Score | 2,528 | 2,908 | 4,200 |
PCMark 8 | v2.10.901 | v2.8.704 | v2.10.901 |
Home Accelarated 3.0 | 3,491 | 3,102 | 3,599 |
Creative Accelarated 3.0 | 4,382 | 3,655 | 5,089 |
Work Accelarated 2.0 | 4,471 | 4,378 | 4,300 |
Storage 2.0 | 5,029 | 4,441 | 5,023 |
3DMark | v2.8.6446 | v2.4.4264 | v2.8.6446 |
Time Spy | 742 | 384 | 460 |
Fire Strike Ultra | 489 | 241 | 301 |
Fire Strike Extreme | 985 | 455 | 561 |
Fire Strike | 2,059 | 959 | 1,198 |
Sky Diver | 7,420 | 4,310 | 4,750 |
Night Raid | 7,642 | - | 5,427 |
Cloud Gate | 9,883 | 7,638 | 9,834 |
Ice Storm Extreme | 58,531 | 43,971 | 33,967 |
Ice Storm | 67,505 | 60,558 | 43,070 |
CINEBENCH R15.0 | |||
OpenGL | 36.39 fps | 43.00 fps | 54.41 fps |
CPU | 595 cb | 627 cb | 740 cb |
CPU(Single Core) | 136 cb | 147 cb | 185 cb |
Geekbench 4.3.3 | |||
32-bit Single-Core Score | 3,239 | - | 4,666 |
32-bit Multi-Core Score | 9,793 | - | 15,203 |
64-bit Single-Core Score | 3,662 | - | 5,255 |
64-bit Multi-Core Score | 9,331 | - | 16,558 |
OpenCL | 32,554 | - | 38,254 |
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】 | |||
1,280×720ドット | 7,570 | - | 6,503 |
FINAL FANTASY XV BENCHMARK | |||
1,280×720ドット、標準品質、フルスクリーン | 1,760(動作困難) | - | 1,001(動作困難) |
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク | |||
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC) | 5494(とても快適) | - | 4,992(快適) |
1,280×720ドット 高品質(ノートPC) | 4,430(快適) | - | 3,498(やや快適) |
SSDをCrystalDiskMarkで計測 | v6.0.2 | v6.0.0 | 6.0.2 |
Q32T1 シーケンシャルリード | 1,350.965 MB/s | 920.042 MB/s | 3,518.489 MB/s |
Q32T1 シーケンシャルライト | 1,470.674 MB/s | 159.372 MB/s | 1,395.874 MB/s |
4K Q8T8 ランダムリード | 570.113 MB/s | 538.467 MB/s | 565.676 MB/s |
4K Q8T8 ランダムライト | 1,243.271 MB/s | 161.887 MB/s | 388.579 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 279.989 MB/s | 131.654 MB/s | 276.542 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 193.350 MB/s | 161.848 MB/s | 432.772 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 33.920 MB/s | 118.328 MB/s | 39.146 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 103.402 MB/s | 73.601 MB/s | 101.843 MB/s |
HDDをCrystalDiskMark 5.5.0で計測 | |||
Q32T1 シーケンシャルリード | 1,350.584 MB/s | - | |
Q32T1 シーケンシャルライト | 1,472.662 MB/s | - | |
4K Q32T1 ランダムリード | 290.371 MB/s | - | |
4K Q32T1 ランダムライト | 201.258 MB/s | - | |
シーケンシャルリード | 779.997 MB/s | - | |
シーケンシャルライト | 1,473.052 MB/s | - | |
4K Q1T1 ランダムリード | 34.194 MB/s | - | |
4K Q1T1 ランダムライト | 105.004 MB/s | - | |
Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像 | |||
7,952☓5,304ドット、カラー - 自然 | 18分53秒94 | - | 12分1秒45 |
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し | |||
3,840×2,160ドット、30fps | 19分2秒91 | - | 10分14秒88 |
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モード:高パフォーマンス) | |||
バッテリ残量7%まで | 8時間5分24秒 | - | |
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリー節約機能) | |||
バッテリ残量7%まで | - | 10時間17分57秒 | - |
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モード:高パフォーマンス) | |||
バッテリ残量5%まで | - | - | 10時間7分10秒 |
BBenchにより充電時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モード:最も高いパフォーマンス) | |||
バッテリ残量7%から50%まで | 37分20秒 | - | |
バッテリ残量7%から80%まで | 1時間4分13秒 | - | |
バッテリ残量7%から100%まで | 1時間48分58秒 | - | |
バッテリ残量5%から50%まで | - | 45分46秒 | |
バッテリ残量5%から80%まで | - | 1時間17分13秒 | |
バッテリ残量5%から100%まで | - | 2時間22分7秒 |
ベンチマークスコアはなかなか興味深い結果となった。CINEBENCH R15.0の「CPU」スコアで比較すると、Intel版がAMD版の1.05倍のスコアを記録している。しかし3DMarkではすべての項目でAMD版がIntel版を上回っており、とくに「Fire Strike Extreme」では2.16倍のスコアを叩き出している。
ちなみに格上のCore i7-8565Uを搭載するXPS 13よりも3DMarkではAMD版が上回っており、同じく「Fire Strike Extreme」で1.76倍のスコアを記録している。Ryzen 5 2500Uが内蔵するGPU「Radeon Vega 8 Graphics」は、3DMarkで「Intel UHD Graphics 620」よりも高いグラフィック性能を発揮することは間違いない。
PCMark 10の総合性能でAMD版がIntel版を上回っているが、これはAMD版がSSDとHDD、Intel版がHDDとIntel Optaneメモリーという組み合わせのモデルで計測しているため。それを差し引いて結果を見るべきだろう。
バッテリ駆動時間はAMD版が「ディスプレイの明るさ40%、電源モード:高パフォーマンス」、Intel版が「ディスプレイの明るさ0%、電源モード:バッテリ節約機能」というまったく異なる条件で実施している。AMD版もディスプレイの明るさを0%に設定すれば、両者の差は大きく縮まるはずだ。
なぜ10万円を切れているのかわからないほど装備・機能・スペックが充実
Ryzen 5 2500Uを搭載するHP ENVY 15 x360(AMD)は、ベンチマークスコアを見ればわかるとおり、グラフィックス性能に優れた2in1だ。とくに、「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」でCore i7-8565Uを搭載するXPS 13に下剋上をはたしたのには驚かされた。
ディスプレイの色域だけは昨今のノートPCよりかなり下回っていたものの、剛性感のあるアルミニウム製筐体、上質なキーボードとタッチパッド、デジタイザペンをサポートしたタッチパネルディスプレイ、そして8GBメモリ、256GB SSD+1TB HDDと装備、機能、スペックが充実。正直、なぜ10万円を切れているのか不思議になるほどだ。
15.6インチの大型2in1ということで携帯性という点ではやや人を選ぶだろう。しかし、約2.11kgの筐体を持ち運ぶのが苦にならないのなら、さまざまな用途に活躍してくれるコスパ抜群のモバイル端末であるのは間違いない。