Hothotレビュー

もう鼻の穴を覗かれない! 狭額縁13.3型ノート「XPS 13」実機レビュー

デル「XPS 13(9380)」126,980円~

 デル株式会社は1月18日、第8世代(Whiskey Lake)のCore i3/i5/i7プロセッサーを採用したWindows 10搭載13.3型ノートPC「XPS 13(モデル番号9380)」を発表し、販売を開始した。

 Coreプロセッサーを2018年モデルのKaby Lake RからWhiskey Lake世代に一新。また狭額縁ディスプレイ「InfinityEdgeディスプレイ」を継承しつつ、直径2.25mmのWebカメラを採用することで、その位置をディスプレイ上部に移動。ビデオコミュニケーション時に自然な構図で撮影可能となった。

 今回デルよりXPS 13の実機を借用したので、製品詳細、使い勝手、AV品質、性能などについてじっくりレビューしていこう。

プロセッサーは第8世代(Whiskey Lake)を採用、SSDは512GBまで

 XPS 13の2018年モデルに用意されるプロセッサーは第8世代(Whiskey Lake)で、「Core i3-8145U(2コア4スレッド、2.1~3.9GHz)」、「Core i5-8265U(4コア8スレッド、1.6~3.9GHz)」、「Core i7-8565U(4コア8スレッド、1.8~4.6GHz)」の3種類。

 メモリはLPDDR3-2133 SDRAMで4GB/8GB/16GB、ストレージはM.2形状PCIe NVMe SSDで128GB/256GB/512GBのいずれかが搭載される。ディスプレイはタッチ非対応のフルHD(1,920×1,080ドット)、タッチ対応の4K(3,840×2,160ドット)の2種類が用意されている。

 記事執筆時点(2月23日)では基本モデルとして、Core i3-8145Uを搭載する「スタンダード」、Core i5-8265Uを搭載する「プレミアム」、Core i7-8565Uを搭載する「プラチナ」が用意されており、メモリ、ストレージ、ディスプレイ、そしてOfficeの有無などのスペックが異なる全15モデルがラインナップされている。

 直販サイトには「カスタマイズして購入」というボタンがあるが、プロセッサ、メモリ、ストレージ、ディスプレイは変更できない。カスタマイズできるのはOS(Home/Pro、日本語/英語)、本体カラー(3種類)、キーボード(日本、US/インターナショナル)、Office(Home & Business、Professional)などとなる。

 さまざまなユーザーのニーズに応える豊富なラインナップをそろえているが、写真や動画を大量に保存するユーザーのために1TBストレージモデルも用意してほしかったところだ。

【表1】XPS 13のラインナップ一覧その1 ※2月23日調べ
製品名XPS 13 【新生活応援モデル】プレミアム Office H&B付 (即納)XPS 13 【新生活応援モデル】プラチナOffice H&B付XPS 13 【新生活応援モデル】プラチナ・4Kタッチパネル Office H&B付XPS 13 【新生活応援モデル】プラチナハイエンド・4Kタッチパネル Office H&B付XPS 13 スタンダードXPS 13 スタンダード Office H&B付
OSWindows 10 Home 64bit
CPUCore i5-8265U(4コア8スレッド、1.6~3.9GHz)Core i7-8565U(4コア8スレッド、1.8~4.6GHz)Core i3-8145U(2コア4スレッド、2.1~3.9GHz)
GPUIntel UHD Graphics 620(300MHz~1.1GHz)Intel UHD Graphics 620(300MHz~1.15GHz)Intel UHD Graphics 620(300MHz~1GHz)
メモリLPDDR3-2133 SDRAM 8GBLPDDR3-2133 SDRAM 16GBLPDDR3-2133 SDRAM 4GB
ストレージ256GB SSD(PCIe NVMe M.2)512GB SSD(PCIe NVMe M.2)128GB SSD(PCIe NVMe M.2)
ディスプレイ13.3型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、166ppi、タッチ非対応)13.3型4K液晶(3,840×2,160ドット、331ppi、タッチ対応)13.3型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、166ppi、タッチ非対応)
通信IEEE 802.11ac/a/b/g/n(2×2、最大867Mbps)、Bluetooth 4.1
インターフェイスThunderbolt 3(USB 3.1 Gen 2 Type-C、DisplayPort Alternate Mode、USB Power Delivery対応)×2、USB 3.1 Gen 2 Type-C(DisplayPort Alternate Mode、USB Power Delivery対応)×1、microSDカードリーダ(SDHC/SDXC対応)×1、ヘッドセットジャック×1、Nobleロックスロット×1、Webカメラ(720p)
バッテリ容量52WHr
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)/重量302×199×7.8〜11.6mm/約1.23kg
セキュリティWindows Hello対応電源ボタン一体型指紋認証センサー
Microsoft Officeありなしあり
カラープラチナシルバー&ブラックプラチナシルバー&ブラック、ローズゴールド&アークティックホワイト、フロスト&アークティックフロストプラチナシルバー&ブラック
価格193,330円203,330円228,330円253,330円126,980円148,980円
クーポン適用価格152,230円162,230円182,230円207,230円121,980円143,980円
その他
【表2】XPS 13のラインナップ一覧その2 ※2月23日調べ
製品名XPS 13 【4年プレミアムサポートモデル】プレミアムXPS 13 プレミアムXPS 13 プレミアム Office H&B付XPS 13 プラチナXPS 13 プラチナ Office H&B付XPS 13 プラチナ・4KタッチパネルXPS 13 プラチナ・4Kタッチパネル Office H&B付XPS 13 プラチナハイエンド・4KタッチパネルXPS 13 プラチナハイエンド・4Kタッチパネル Office H&B付
OSWindows 10 Home 64bit
CPUCore i5-8265U(4コア8スレッド、1.6~3.9GHz)Core i7-8565U(4コア8スレッド、1.8~4.6GHz)
GPUIntel UHD Graphics 620(300MHz~1.1GHz)Intel UHD Graphics 620(300MHz~1.15GHz)
メモリLPDDR3-2133 SDRAM 8GBLPDDR3-2133 SDRAM 16GB
ストレージ256GB SSD(PCIe NVMe M.2)512GB SSD(PCIe NVMe M.2)
ディスプレイ13.3型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、166ppi、タッチ非対応)13.3型4K液晶(3,840×2,160ドット、331ppi、タッチ対応)
通信IEEE 802.11ac/a/b/g/n(2×2、最大867Mbps)、Bluetooth 4.1
インターフェイスThunderbolt 3(USB 3.1 Gen 2 Type-C、DisplayPort Alternate Mode、USB Power Delivery対応)×2、USB 3.1 Gen 2 Type-C(DisplayPort Alternate Mode、USB Power Delivery対応)×1、microSDカードリーダ(SDHC/SDXC対応)×1、ヘッドセットジャック×1、Nobleロックスロット×1、Webカメラ(720p)
バッテリ容量52WHr
本体サイズ(幅×奥行き×高さ)/重量302×199×7.8〜11.6mm/約1.23kg
セキュリティWindows Hello対応電源ボタン一体型指紋認証センサー
Microsoft Officeなしありなしありなしありなしあり
カラープラチナシルバー&ブラックプラチナシルバー&ブラック、ローズゴールド&アークティックホワイト、フロスト&アークティックフロスト
価格205,080円152,980円174,980円162,980円184,980円187,980円209,980円212,980円234,980円
クーポン適用価格179,580円147,980円169,980円157,980円179,980円182,980円204,980円207,980円229,980円
その他4年プレミアムサポート付き

サイズは従来モデルと同じ、閉じた状態では見分けがつかない

 狭額縁を採用することで11型クラスの筐体に13.3型ディスプレイを搭載するという基本コンセプトは踏襲。サイズは302×199×7.8〜11.6mm(幅×奥行き×高さ)と同じで、重量は約1.23kgとわずかに0.02kg増えているものの、ディスプレイを閉じている状態では2019年モデルと2018年モデルで見分けはつかない。

 ただしディスプレイ上部に直径2.25mmのWebカメラを内蔵するにあたって、上辺のベゼルは実測約6.5mmとわずかに広くなっている。また、Windows Hello対応赤外線カメラは選択できなくなっている。

 筐体はアルミブロックからの削り出し。パームレストはカーボンファイバーと織り込みグラスファイバー製で、ディスプレイはCorning Gorilla Glass 4でカバーされている点も2018年モデルと同様だ。

 本体色は「プラチナシルバー&ブラック」、「ローズゴールド&アークティックホワイト」、「フロスト&アークティックホワイト」の3色を用意。「フロスト」は英語で「霜」という意味で、明るくそしてマット調の質感は、まるで新雪のようなたたずまいだ。年齢、性別問わず愛用できる美しく、かつニュートラルなデザインだと思う。

 インターフェイスはThunderbolt 3(USB 3.1 Type-C、DisplayPort Alt Mode、USB PD対応)×2、USB 3.1 Type-C(DisplayPort Alt Mode、USB PD対応)、microSDカードリーダ(SDHC/SDXC対応)、ヘッドセットジャック、Nobleロックスロット、Webカメラ(720p)を装備。そして全モデルにWindows Hello対応電源ボタン一体型指紋認証センサーが搭載されている。

 付属品は45W ACアダプタ「HA45NM180」と変換アダプタ「Dell アダプタ USB-C to USB-A 3.0」、そして説明書という構成。

 本体には映像専用端子が搭載されていないので、HDMI、DisplayPort経由で外部ディスプレイに接続するさいには、「Dell USB-C(M) to HDMI 2.0(F) アダプタ(3,703円)」や「Dell USB-C(M) to DP アダプタ(3,808円)」などが必要となる。

 なお、オプションの「Dell Thunderbolt ドック 240W (TB16) APJ(35,500円)」を装着すれば、最大3台のフルHDディスプレイまたは2台の4Kディスプレイを接続可能だ。

 USB Type-A、HDMI端子や、フルサイズのSDカードスロットなど旧来のインターフェイスが切り捨てられているものの、USB Type-C端子が左右に装備されており、どちらからでも充電/給電、対応機器を接続できる点は使い勝手がいい。また盗難防止のための「Nobleロックスロット」も法人向け、商用利用に便利な装備だ。

 しかし、いまさら要望しても聞き入れてもらえないとは重々承知しつつも、フルサイズのSDメモリカードスロットを復活してほしいという要望は記しておきたい。

本体天面。今回借用したのは「フロスト&アークティックホワイト」モデル
本体底面。横一文字の大きなゴム足はXPS 13全体をしっかりと支える。また小さなゴム足より接着面が広いので、雑に扱っていても剥がれにくそうだ
本体前面。4つの小さな穴はデジタルアレイマイク。最大14フィート(4.27m)離れた場所からでもユーザーの声をキャッチする。中央にあるのは電源およびバッテリステータスライト
本体背面
本体右側面。左から、スピーカー、microSDカードリーダ(SDHC/SDXC対応)×1、USB 3.1 Gen 2 Type-C(DisplayPort Alternate Mode、USB Power Delivery対応)×1、ヘッドセットジャック×1が配置
本体左側面。左から、Nobleロックスロット×1、Thunderbolt 3(USB 3.1 Gen 2 Type-C、DisplayPort Alternate Mode、USB Power Delivery対応)×2、バッテリ充電ステータスボタン、バッテリ充電ステータスライト、スピーカーを用意
ディスプレイ面。ディスプレイ自体の面積は293.76×165.24mm(幅×高さ)
キーボード面。ローズゴールドとフロストモデルには共通してアークティックホワイトの織り込みグラスファイバーのパームレストが採用されている
パッケージには、本体、45W ACアダプタ「HA45NM180」、変換アダプタ「Dell アダプタ USB-C to USB-A 3.0」、説明書が同梱されている
45W ACアダプタ「HA45NM180」。ACアダプタのコード長は実測183cm、電源ケーブルの長さは実測90cm
変換アダプタ「Dell アダプタ USB-C to USB-A 3.0」
45W ACアダプタ「HA45NM180」の仕様は、入力100-240V~1.3A、出力5V/3A、9V/3A、15V/3A、20V/2.25A、容量は当然45W
本体の実測重量は1,222g
システム情報
主要なデバイス
Windows 10のバージョン1809適用後、初期状態に戻したさいのCドライブの空き容量は202.12GB(256GBモデルの場合)
「powercfg /batteryreport」コマンドを実行したところ、DESIGN CAPACITYは51,999mWh、FULL CHARGE CAPACITYは49,400mWhと表示された

新モデル最大のトピックはWebカメラがあるべき位置に配置されたこと

 Webカメラを使用するXPS 13ユーザーは、2015年モデルから下から見上げるような不自然な構図が強いられてきたが、ようやくストレスなくビデオチャットできるようになった。

 ディスプレイ下部のカメラは、二重顎を強調したり、鼻の穴を目立たせたりと見た目的にいいことはない。3Dカメラで撮影し、正面からの映像に補正するような技術でも実装しないかぎりは、ディスプレイ下部にカメラを配置するべきではないと思う。日常的にビデオコミュニケーションを楽しむ若い世代ほど、不自然な構図に拒否反応が強いはずだ。

 新モデル最大のトピックは、Webカメラがディスプレイ上部というあるべき位置に配置されたことなのは間違いない。

 キーボード、タッチパッドの操作性は良好だ。左右カーソルキーの上に「PageUp」と「PageDown」キーが密接して配置されている点は個人的には好みではないが、慣れで解消できるレベルだ。Enterキー、スペースキーの打鍵音が大きすぎるとも思うが、ある程度力を加減すれば耳障りにならない程度には抑えられる。

 次期モデルで改善してほしいのがキーボードの刻印。キートップの文字部分がほぼ透明でバックライトが強く透けるのはよいのだが、明るい場所で点灯しているときに、手の影がかかるとキーの刻印が欠けて見える。デザイン的にはユニークだし、文字の刻印がかすれないというメリットもあるが、肝心の視認性が低下するのは解決すべき課題だと思う。

ディスプレイ上部に、新しい光学レンズ4枚で構成された直径2.25mmのHD Webカメラを内蔵。静止画は90万画素(HD)、動画は1,280×720ドット(HD、30fps)で撮影できる
天井の照明を消して、向かって左の外部ディスプレイを点灯したままで、XPS 13で撮影した。新型Webカメラにはノイズリダクション機能が搭載されており、薄暗い部屋でもノイズが低減される
キーピッチ(スペック値)はX軸方向に19.05mm、Y軸方向に18.05mm
「-」、「@」、「:」から右の記号キー以外は等幅にそろえられている。ちなみに日本語キーボードは86キー、英語キーボードは82キーで構成されている
タッチパッドは実測約105×60mm。クリック感は小気味よく、ストロークも浅めなので、快適かつ正確にマウスカーソル操作が可能だ
キートップの文字部分はほぼ透明で、バックライトが綺麗に透けて見える
バックライトを点灯した状態で影を作ると、キートップの刻印が欠けて見えてしまう

色域はモバイルノートPCとしては平均的、サウンドは音量が物足りない

 XPS 13には、13.3型フルHD液晶(1,920×1,080ドット、166ppi、タッチ非対応)、または13.3型4K液晶(3,840×2,160ドット、331ppi、タッチ対応)が用意されている。今回の借用機に搭載されているのは4K液晶ディスプレイだ。

 デルのサポートページにはディスプレイの仕様が詳しく記載されており、4K液晶の色域はsRGBカバー率100%、輝度は400cd/平方m、コントラスト比は1,500:1、リフレッシュレートは60Hz、視野角は水平垂直ともに±80度とされている。

 実際の色域をディスプレイキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で確認してみたところ、sRGBカバー率は96.2%、sRGB比は99.8%、Adobe RGBカバー率は72.1%、Adobe RGB比は74.0%という結果だった。カタログスペックには達していないが、モバイルノートPCの色域としては平均的と言える。

 一方サウンド面については少々物足りないというのが正直なところ。音質自体に大きな破綻はないが、ボリュームがとにかく小さすぎる。目の前で音楽を聞くなら十分な音量だが、6畳程度の部屋でもオーディオ機器の代わりに使うには力不足だ。

 XPS 13にはパーソナルシアター体験を実現する「Dell Cinemaテクノロジー」として、コンテンツごとに発色をワンタッチで切り替える「CinemaColor」、ビデオや音楽に最大のネットワーク帯域幅を割り当てる「CinemaStream」機能が実装。

 サウンド面では、スタジオ品質の音を体験できると謳う「CinemaSound」として「Waves MaxxAudio Pro」という機能が用意されているが、内蔵スピーカーのボリュームが足りていないので、音楽は外付けスピーカーやヘッドフォン、イヤフォンを接続して楽しむものとして割り切ろう。

XPS 13にはデフォルトで独自の「282B」というカラープロファイルが設定されており、ニュートラルな発色で表示される
実測したsRGBカバー率は96.2%、sRGB比は99.8%
実測したAdobe RGBカバー率は72.1%、Adobe RGB比は74.0%
YouTubeで公開されている「前前前世 (movie ver.) RADWIMPS MV」を最大ボリュームで再生したさいの音圧レベルは最大77.2dBA(50cmの距離で測定)。音楽を楽しむためには80dBAは超えてほしいところだ
コンテンツごとに発色をワンタッチで切り替える「CinemaColor」
ビデオや音楽に最大のネットワーク帯域幅を割り当てる「CinemaStream」
スタジオ品質のサウンドを体験できると謳う「CinemaSound」の「Waves MaxxAudio Pro」機能。PC内蔵スピーカー用の仮想サブウーファー/ツイーター効果、ヘッドフォン用の3Dバーチャルサウンド機能、音声とノイズを聞き分けるマイク入力機能などが提供される

Core i7-8565U搭載機としてはトップクラスの性能

 さて最後にベンチマークスコアを見てみよう。今回は下記のベンチマークを実施している。

  • 総合ベンチマーク「PCMark 10 v1.1.1739」
  • 総合ベンチマーク「PCMark 8 v2.10.901」
  • 3Dベンチマーク「3DMark v2.8.6446」
  • CPU/OpenGLベンチマーク「CINEBENCH R15.0」
  • CPU/OpneCLベンチマーク「Geekbench 4.3.2」
  • ゲーミングPCベンチマーク「モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐.jpg」
  • ゲーミングPCベンチマーク「FINAL FANTASY XV BENCHMARK」
  • ゲーミングPCベンチマーク「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」
  • ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 6.0.2」
  • 「Adobe Lightroom Classic CC」で100枚のRAW画像を現像
  • 「Adobe Premiere Pro CC」で実時間5分の4K動画を書き出し
  • バッテリベンチマーク「BBench」で連続動作時間を計測
  • バッテリベンチマーク「BBench」で充電時間を計測

 今回は比較対象機種としてXPS 13の2018年モデルと、同じくCore i7-8565Uを搭載する「VAIO SX14」のベンチマークスコアを併記した(一部を除く)。なお、XPS 13の2019年モデルは最大限の性能を発揮させるために、「Dell Power Manager」を「超高パフォーマンス」、「電源モード」を「最も高いパフォーマンス」に設定している。

下記が検証機の仕様とその結果だ。

【表3】検証機の仕様
XPS 13(2019年モデル)XPS 13(2018年モデル)VAIO SX14
CPUCore i7-8565U(1.8~4.6GHz、4コア8スレッド)Core i7-8550U(1.8~4GHz、4コア8スレッド)Core i7-8565U(1.8~4.6GHz、4コア8スレッド)
GPUIntel UHD Graphics 620(300MHz~1.15GHz)
メモリLPDDR3-2133 SDRAM 8GBLPDDR3-2133 SDRAM 16GB
ストレージ256GB PCIe NVMe SSD
ディスプレイ13.3型、3,840×2,160ドット(331ppi)14型、3,840×2,160ドット(315ppi)
TDP15W
OSWindows 10 Home 64bitWindows 10 Pro 64bit
サイズ(幅×奥行き×高さ)約302×199×7.8~11.6mm約302×199×7.8~11.6mm約320.4×222.7×15.0~17.9mm
重量約1.23kg約1.21kg約1.045kg
【表4】ベンチマーク結果
XPS 13(2019年モデル)XPS 13(2018年モデル)VAIO SX14
PCMark 10 v1.1.1739
PCMark 10 Score3,520
Essentials8,5756,9757,830
App Start-up Score12,7017,90910,095
Video Conferencing Score7,4457,0287,296
Web Browsing Score6,6696,1066,518
Productivity6,3545,4616,416
Spreadsheets Score7,7026,6197,078
Writing Score5,2434,5075,817
Digital Content Creation3,109
Photo Editing Score4,2513,6693,841
Rendering and Visualization Score計測不可2,065計測不可
Video Editting Score4,2003,9683,827
PCMark 8 v2.10.901
Home Accelarated 3.03,5993,3643,488
Creative Accelarated 3.05,0894,8734,957
Work Accelarated 2.04,3004,0524,194
Storage 2.05,0235,0235,062
3DMark v2.8.6446
Time Spy460435453
Fire Strike Ultra301286294
Fire Strike Extreme561532554
Fire Strike1,1981,1311,159
Sky Diver4,7504,7904,563
Night Raid5,4274,854
Cloud Gate9,8349,0539,367
Ice Storm Extreme33,96749,72641,123
Ice Storm43,07062,71054,718
CINEBENCH R15.0
OpenGL54.41 fps52.60 fps52.95 fps
CPU740 cb637 cb703 cb
CPU(Single Core)185 cb167 cb186 cb
Geekbench 4.3.3
32-bit Single-Core Score4,6664,791
32-bit Multi-Core Score15,20314,813
64-bit Single-Core Score5,2555,417
64-bit Multi-Core Score16,55816,209
OpenCL38,25436,889
CUDA
モンスターハンターフロンティアベンチマーク【大討伐】
1,280×720ドット6,5035,641
FINAL FANTASY XV BENCHMARK
1,280×720ドット、標準品質、フルスクリーン1,001(動作困難)985(動作困難)
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC)4,992(快適)4,522(快適)4,533(快適)
1,280×720ドット 高品質(ノートPC)3,498(やや快適)3,157(やや快適)
SSDをCrystalDiskMark 6.0.2で計測
Q32T1 シーケンシャルリード3,518.489 MB/s3,389.496 MB/s3,487.145 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト1,395.874 MB/s1,172.782 MB/s1,570.637 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード565.676 MB/s866.818 MB/s565.722 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト388.579 MB/s449.603 MB/s1,000.005 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード276.542 MB/s393.423 MB/s376.644 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト432.772 MB/s400.497 MB/s300.095 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード39.146 MB/s43.464 MB/s43.836 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト101.843 MB/s132.749 MB/s128.663 MB/s
外付けUSB 3.1 Gen2 SSDをCrystalDiskMark 6.0.2で計測(右側奥)
Q32T1 シーケンシャルリード481.914 MB/s487.967 MB/s
Q32T1 シーケンシャルライト814.464 MB/s810.293 MB/s
4K Q8T8 ランダムリード218.064 MB/s166.752 MB/s
4K Q8T8 ランダムライト234.405 MB/s184.036 MB/s
4K Q32T1 ランダムリード184.463 MB/s190.508 MB/s
4K Q32T1 ランダムライト181.824 MB/s187.774 MB/s
4K Q1T1 ランダムリード22.855 MB/s23.530 MB/s
4K Q1T1 ランダムライト40.413 MB/s40.682 MB/s
Adobe Lightroom Classic CCで100枚のRAW画像を現像
7,952☓5,304ドット、カラー - 自然12分1秒459分53秒75
Adobe Premiere Pro CCで実時間5分の4K動画を書き出し
3,840×2,160ドット、30fps10分14秒8811分20秒98
BBenchにより連続動作時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モード:高パフォーマンス)
バッテリ残量5%まで10時間7分10秒9時間28分42秒
バッテリ残量5%まで(パフォーマンス優先、バッテリ節約機能オフ)4時間18分53秒
バッテリ残量5%まで(標準、バッテリ節約機能オン)4時間40分54秒
BBenchにより充電時間を計測(ディスプレイの明るさ40%、電源モード:最も高いパフォーマンス)
バッテリ残量5%から50%まで45分46秒37分52秒
バッテリ残量5%から80%まで1時間17分13秒1時間5分42秒
バッテリ残量5%から100%まで2時間22分7秒2時間49分59秒

 ベンチマークプログラムのスコアはおおむねXPS 13の2019年モデルがもっとも高かった。VAIO SX14は独自のチューニングを施してCore i7-8565U搭載機としては、CINEBENCH R15.0のCPUでトップクラスの「703 cb」というスコアを記録しているが、XPS 13の2019年モデルはさらに1.05倍の「740 cb」というスコアを叩き出している。XPS 13の2019年モデルにも、Core i7-8565Uの性能を最大限に引き出すチューニングが施されていると言える。

 XPS 13の2019年モデルがVAIO SX14に大きく後塵を拝したのが、Adobe Lightroom Classic CCで実施した「100枚のRAW画像の現像」。今回、XPS 13の2019年モデルが8GB、VAIO SX14が16GBのメモリを搭載していたが、それがスコア差の原因になった可能性が高い。

 バッテリ駆動時間はモバイルノートPCとして満足いくレベルだ。XPS 13の2019年モデルは2018年モデルよりバッテリ駆動時間をさらに39分延長し、10時間超えを実現した。4K液晶の最大消費電力は5.41W、フルHD液晶の最大消費電力は2.9Wとサポートサイトに記載されているので、さらに長時間のバッテリ駆動時間を必要とするならフルHD液晶搭載モデルを選択しよう。

 なお少々気になったのが本体表面の発熱。CINEBENCH R15.0のCPUを連続で5回実行したときのキーボード面の最大温度が56.4℃、底面の最大温度が57.3℃とかなりの温度に達していた。

 どちらもヒンジ部付近で手や太股がふれる場所ではないが、気温20.6℃の部屋でここまで表面温度が上がっていると夏場が心配だ。暑い時期に運用するさいにはDell Power Managerを「最適化」または「低温」に設定したほうがよさそうだ。

CINEBENCH R15.0のCPUを連続で5回実行したときのキーボード面の最大温度は56.4℃
底面の最大温度は57.3℃
ACアダプタの最大温度は51.7℃

定期的に実施されている割引キャンペーンを活用しよう!

 Hothotレビューに掲載された過去記事を参照しても、XPS 13の2019年モデルがCore i7-8565U搭載機としてはトップクラスの性能を備えているのは間違いない。

 ただし、XPS 13の2018年モデルと比べて飛躍的に性能が向上したわけではないので、Webカメラの位置さえ気にならないのであれば型落ちで価格的に値頃感のある2018年モデルも魅力的な選択肢だ。

 XPS 13のサウンド性能は正直高く評価できないが、処理性能、バッテリ駆動時間は優秀で、キーボードやタッチパッドの操作性も申し分ない。

 またデルは定期的に割引キャンペーンを実施しており、記事執筆時点(2月24日)ではCore i7/16GBメモリ/512GBストレージ/4Kディスプレイという構成で198,702円と比較的手頃な価格でハイスペックマシンを入手できる。ハイスペックなモバイルノートPCを求めているなら、必ずチェックするべきマシンだと言えよう。