Hothotレビュー

サムスン電子ジャパン「Galaxy Book 12.0」

~国内初投入、Galaxyブランドの有機ELディスプレイ搭載Windowsタブレット

サムスン電子ジャパン 「Galaxy Book 12.0」

 サムスン電子ジャパンは、Galaxyブランドとして国内初投入となるWindowsタブレット「Galaxy Book 12.0」を発売した。Windowsタブレットとしては珍しく、有機ELディスプレイを採用する点も大きな特徴となっている。

 今回は、このGalaxy Book 12.0を中心に取り上げるとともに、同じく国内発売された10.6型液晶ディスプレイ搭載の法人向けモデル「Galaxy Book 10.6」も紹介する。Galaxy Book 12.0の価格はオープンプライスで、実売価格は139,800円。

外観はオーソドックスなWindowsタブレット

 ではまず、Galaxy Book 12.0の外観からチェックしていこう。

 Galaxy Book 12.0は、Galaxyシリーズとして2代目となるWindowsタブレットで、2016年1月のCES 2016で発表された「Galaxy TabPro S」の後継となるモデルだ。

 “Tab”ではなく“Book”という製品名になっているのは、タブレットPCだけでなくクラムシェルノートとしての利便性も考慮し、より2in1にシフトしていることの現れのようで、製品パッケージにはキーボード付きカバーが標準添付されている。それにより、本体のみでWindowsタブレットとして、キーボードカバーを装着した状態でノートPCとして利用できるようになっている。

 本体は、Windowsタブレットらしい比較的オーソドックスな外観となっている。背面にはマグネシウム合金を採用し、シルバーの塗装が施されている。また、角や背面側の側面付近はカーブが取り入れられており、手に持ったときのゴツゴツとした印象は少ない。

 Surfaceシリーズのような特徴的なデザインではないため目は引かないが、これならどういったシーンでも安心して使えそうだ。なお、背面には本体を支えるスタンド機構は備わっていないため、本体のみで自立はしない。クラムシェルノート相当として利用するには、専用キーボードカバーで本体を支えることになる。

 サイズは、291.3×199.8×7.4mm(幅×奥行き×高さ)。ディスプレイのベゼル部が極端な狭額縁仕様とはなっていないが、12型ディスプレイ搭載のタブレットPCとして標準的なベゼル幅と言える。重量は公称で754g、実測では752gだった。

本体背面。ボディ素材はマグネシウム合金で、シルバーに塗装されたシンプルでオーソドックスなデザイン。角や側面はカーブを採用しており、手への馴染みがいい
本体下部側面。高さは7.4mmとなかなかの薄さとなっている
左側面。タブレットPCということで、背面はフラットだ
上部側面
右側面
本体の重量は、実測で752gだった

 Galaxy Book 10.6も、基本的なデザインコンセプトはGalaxy Book 12.0と同じだ。背面にマグネシウム合金を採用し、シルバーの塗装やカーブを取り入れたデザインなども同じとなっている。

 こちらは、サイズは261.2×179.1×8.9mm(同)、重量は648gとなっており、Galaxy Book 12.0よりもひとまわり小さく軽い。なお、重量の実測値は646gだった。

こちらは10.6型液晶搭載の「Galaxy Book 10.6」
本体背面。デザインはGalaxy Book 12.0とほぼ同じで、フットプリントが261.2×179.1mmとひとまわり小さい
本体下部側面。フットプリントがコンパクトな反面、高さが8.9mmとGalaxy Book 12.0よりも1mm以上厚い
左側面
上部側面
右側面
本体の重量は、実測で646gだった

付属キーボードカバーはスタンドとしても利用できる

 Galaxy Book 12.0には、専用のキーボードカバーが標準で付属している。

 キーボードカバーは、本体下部にマグネットで装着して利用する標準的な仕様となっているが、Galaxy Book 12.0のキーボードカバーは、背面側も覆う構造となっている点が特徴。これによって、持ち運び時には背面も含めて本体全体をカバーでき、本体の傷付きを抑えられる。Galaxy Book 10.6のキーボードカバーも、同様の仕様となっている。

 また、キーボードカバーの背面側は、本体を支えるスタンド機能も備えている。背面側は先端部がマグネットで本体に固定するようになっているが、背面を折り曲げて本体側の固定位置を変更することで、Galaxy Book 12.0では3段階、Galaxy Book 10.6では2段階に角度を調節できる。

 さらに、キーボード側を下に折り曲げて、背面側先端をキーボード側の溝に合わせて折り曲げることで、低い角度で本体を支えられる。これによって、ペン入力時の軽快な作業環境も確保できるとしている。

 ただ、本体にかかる力が大きくなると、折り曲げた部分が溝から外れて倒れてしまうことも度々あったので、もう少し安定して角度を付けられる構造にしてもらいたかったように思う。

Galaxy Book 12.0に付属するキーボードカバー
このように、背面も含めて本体全体をカバーする構造となっている
本体を装着し、背面カバーで本体を支えることで、クラムシェルPC相当として利用できる
背面カバーの固定位置を変えることで、3段階に角度を調節可能
快適なペン入力が行なえるように、浅い角度で本体を保持することも可能だ
こちらはGalaxy Book 10.6付属のキーボードカバー。サイズは異なるが、基本的な仕様はGalaxy Book 12.0のものとほぼ同じ
こちらも、本体全体をカバーできる
本体の角度は2段階に設定可能
浅い角度での保持も可能

 キーボードはアイソレーションタイプのもので、英語配列となる。残念ながら、日本語配列のキーボードを備えるキーボードカバーは用意されない。キーは約1.5mmと、カバー型としては深いストロークを確保しており、クリック感もしっかりとしていて、打鍵感は良好だ。

 ただし、カバー型ということで、ノートPCのキーボードと比べると剛性は低く、利用環境によってはやや違和感を感じることもあった。とはいえ、デスクの上で利用する場合には、そういった違和感を感じることもなく、なかなか快適に利用できた。また、Galaxy Book 12.0のキーボードのみ、キーボードバックライトを搭載。暗い場所でも快適に利用できる点は嬉しい。

 タッチパッドは、クリックボタン一体型で、ジェスチャー操作もサポートしており、使い勝手は標準的。タブレットPCなので、ディスプレイ側のタッチ操作も可能ではあるが、タッチパッドを利用したカーソル操作も十分軽快に行なえる。

キーボードはアイソレーションタイプ。ただし英語配列のみで日本語配列のキーボードカバーは用意されない
キーピッチは約19mmフルピッチ。英語配列ながら配列は一般的で、タッチタイプも問題なし
ストロークは1.5mmと、カバー型のキーボードとしては深く、クリック感もしっかりとしており、打鍵感はまずまず良好
Galaxy Book 12.0のキーボードカバーはキーボードバックライトを搭載している
タッチパッドはクリックボタン一体型。面積は十分広く、ジェスチャー操作にも対応しており、扱いやすい
右パームレスト部分にはNFC機能を内蔵
こちらはGalaxy Book 10.6のキーボードカバー。こちらもキーボードは英語配列となっている
クリックボタン一体型のタッチパッドやNFC機能も搭載している

 ところで、このキーボードカバーだが、気になる部分もある。それは重量だ。

 Galaxy Book 12.0のキーボードカバーは実測で417.5g、Galaxy Book 10.6のキーボードカバーは実測で362.5gと、手にするとかなりずっしりとした印象だ。そのため、本体に装着した場合の総重量は、Galaxy Book 12.0が実測で1,169.5g、Galaxy Book 10.6が実測で1,008gと、どちらも1kgを超えてしまう。

 13.3型ディスプレイ搭載のクラムシェルノートPCで、1kgを下回る重量の製品が多いことを考えると、これはかなり残念な部分と感じる。本体を安定して支え、キーボードの打鍵感を高めるためにはカバー全体の剛性を高める必要があり、そのために重量増となっていると考えられるが、できればもう少し軽量化も突き詰めてもらいたかった。

Galaxy Book 12.0のキーボードカバーの重量は、実測で417.5gとやや重い
本体とキーボードカバーとのセットでは、重量が実測で1169.5gと1kgを大きく上回る
Galaxy Book 10.6のキーボードカバーも、重量は実測で362.5gとやや重かった
本体とキーボードカバーのセットで、重量は実測1,008g。こちらも1kgを超えてしまう

HDR表示にも対応する12型Super AMOLEDを採用

 Galaxy Book 12.0のディスプレイには、アスペクト比が3:2、表示解像度が2,160×1,440ドットの有機ELパネル「Super AMOLED」を採用している。有機ELディスプレイを採用するWindowsタブレットは非常に珍しく、その点でもGalaxy Book 12.0は大きな特徴があると言っていいだろう。

 有機ELディスプレイということで、表示品質は非常に優れている。まず、ひと目見て感じるのが発色の鮮やかさで、特に赤などは非常に鮮烈で、デジカメ写真などもクオリティを損なうことなく表示できる。

 また、コントラスト比の高さも特徴の1つで、HDR10準拠のHDR表示もサポート。実際にHDR映像を表示してみたが、明るい場所はひときわ明るく、暗い場所は深い黒が確認でき、一般的な液晶ディスプレイとは一線を画す品質だった。

 今回は直接比較できなかったが、優れた表示品質で定評のあるSurface Proと、同等以上の表示品質を備えていると言っていいだろう。

 海外では、Galaxy Book 12.0はクリエイター向けのタブレットPCとして位置付けられているが、この有機ELディスプレイの表示品質なら、クリエイターも納得のはずだ。ただ、表面が光沢処理となっており、外光の映り込みがやや激しい部分は少々気になった。

Galaxy Book 12.0は、2,160×1,440ドット表示対応の12型Super AMOLEDを採用
有機ELディスプレイということで、非常に発色は鮮やかだ
HDR10表示にも対応しており、優れたコントラスト比も大きな魅力。明るい場所は明るく、暗い場所は深い黒が表現される

 対するGalaxy Book 10.6では、液晶ディスプレイを採用している。パネルの種類は非公開だが、広視野角でIPS相当のものと思われる。

 アスペクト比は同じく3:2だが、表示解像度は1,920×1,280ドット。表示品質は、さすがにSuper AMOLEDにはかなわないものの、液晶として発色やコントラストは申し分ない。こちらも表面は光沢仕様で、外光の映り込みは気になるが、全体的には大きな不満はない。

Galaxy Book 10.6では、1,980×1,280ドット表示対応の10.6型液晶を採用
発色の鮮やかさは、有機ELディスプレイのGalaxy Book 12.0にやや劣る印象だが、こちらも十分満足できる表示品質を備えている

筆圧検知4,096段階のスタイラスペン「Sペン」に対応

 Galaxy Book 12.0とGalaxy Book 10.6は、双方ともスタイラスペン「Sペン」に対応しており、製品に標準添付されている。

 Sペンは、同社のスマートフォン「Galaxy Note8」が採用しているものと同じ、ワコムの「Wacom feel IT technologies」をベースとしており、4,096段階の筆圧検知に対応した最新のものとなっている。Windows 10のペン機能「Windows Ink」もサポートする。

 ペンは鉛筆に近い太さがあり、握りやすく扱いやすい。ペン先は約0.7mmと非常に細くなっており、細かな文字や線も軽快に入力できる。紙に鉛筆やボールペンで書いているかのような感覚でペン入力が行なえるよう、ディスプレイ部との摩擦係数が調整されているようで、書き味も非常になめらかだ。

 もちろん、タッチパネルはディスプレイにダイレクトボンディングされているため、ペン先との視差がほとんどなく、快適な入力が可能。ペン先への追従性も非常に優れており、Windowsタブレットのペン機能としては、トップクラスの品質を誇っていると感じる。

 なお、ペンは本体に収納できないが、キーボードカバーに装着して持ち運べるようになっている。

 ところで、Galaxy Noteシリーズでは、Sペンの利便性を高めるために「エアコマンド」と呼ばれるランチャー機能が用意されているが、Galaxy Bookにもこのエアコマンド機能が用意されている。

 Galaxy Note 8のように、画面のどこにでもエアコマンドが表示されるわけではないが、ペンを画面付近でホバーさせた状態でペンのボタンを押すと、ペンの位置が画面右半分の場合には右側面から、ペンの位置が画面左半分の場合には左側面からエアコマンドのメニューが表示され、登録されたアプリを簡単に呼び出せる。

 用意されているコマンドは全部で5種類で、手書きノートアプリ「Samsung Notes」の起動や、表示画面の一部を切り抜いてキャプチャーする「スマート選択」、表示画面をキャプチャーして文字などを書き込む「キャプチャ手書き」などの機能を用意。このエアコマンドがあるため、ペン機能も便利に活用可能な点は嬉しい特徴と言える。

Galaxy Book 12.0、Galaxy Book 10.6とも、ワコムの「Wacom feel IT technologies」をベースとするスタイラスペン「Sペン」に対応している
ペン先は0.7mmと非常に細く、細い線や細かい文字も軽快に入力可能。また4,096段階の筆圧検知にも対応しており、滑らかな入力が可能だ
ペン先への追従性は非常に優れており、書き味も鉛筆やボールペンに近く、快適にペン入力できる
ペン先をホバーさせてペンのボタンを押すと、ペン対応アプリなどを呼び出せるランチャー「エアコマンド」が起動。画面左半分で呼び出すと、左側面にエアコマンドが表示される
Sペンは、キーボードカバーに装着して持ち運べるようになっている

CPUは、12型はCore i5-7200U、10.6型はCore m3-7Y30を採用

 では、スペック面を確認していこう。

 Galaxy Book 12.0は、CPUにCore i5-7200Uを採用し、メインメモリは標準でDDR4-2133を8GB搭載。内蔵ストレージは容量256GBのSATA SSD。無線機能はIEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠無線LANとBluetooth 4.1 BLEを搭載。海外ではLTE通信機能を搭載するモデルも販売されているが、国内では無線LANモデルのみとなる。

 外部ポートは、左側面にmicroSDカードスロット、右側面にUSB 3.0 Type-C×2とオーディオジャックを用意。Type-Cポートは両方ともUSB PDをサポートしており、付属のACアダプタをどちらに接続しても、給電および内蔵バッテリの充電が行なえる。

 これ以外のポートは用意されないため、周辺機器を利用する場合には、USB変換アダプタや、オプションで用意されているポートリプリケータなどの利用が基本となる。

 カメラは、背面側にオートフォーカス対応の約1,300万画素カメラ、ディスプレイ側に約500万画素のWebカメラを搭載。このほか、GPS、加速度センサ、磁気センサ、環境光センサなどのセンサ類を搭載する。搭載OSはWindows 10 Home 64bit。

 対するGalaxy Book 10.6は、CPUにCore m3-5Y70、メインメモリにDDR3L-1600を4GB、内蔵ストレージに128GBのeMMCを搭載。無線機能はIEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠無線LANとBluetooth 4.1+LEを搭載し、こちらも無線LANモデルのみの販売となる。

 外部ポートは、右側面にオーディオジャック、USB 3.0 Type-C×1、microSDカードスロットを用意。Type-CはUSB PD対応で、付属のACアダプタを接続して給電や内蔵バッテリの充電が行なえるのも同じだ。

 カメラは、ディスプレイ側に約500万画素のカメラを搭載するだけで、背面側には搭載しない。このほか、GPS、加速度、磁気、環境光などのセンサー類を搭載する。こちらは法人向けとして位置付けられていることもあり、搭載OSはWindows 10 Pro 64bitとなる。

 付属のACアダプタは、双方ともUSB PD対応の小型のものが付属している。充電には付属のUSBケーブルを利用する。なお、Galaxy Book 12.0付属のACアダプタの重量は、付属USBケーブル込みで実測95.1gだった。

Galaxy Book 12.0では、左側面にmicroSDカードスロットを用意。トレイタイプで、細いピンでトレイを取り出して装着する
上部側面には、電源ボタンとボリュームボタンを配置
右側面には、オーディオジャックとUSB 3.1 Gen1準拠のUSB Type-Cを2ポート用意
USB Type-Cポートは双方ともUSB PDに対応しており、どちらに付属のACアダプタを接続しても給電が可能
背面に、オートフォーカス対応の約1,300万画素カメラを搭載
ディスプレイ側には約500万画素のカメラを搭載する
Galaxy Book 10.6は、左側面にオーディオジャックとUSB 3.1 Gen1準拠のUSB Type-C、microSDカードスロットを備える。こちらもUSB Type-CはUSB PD対応だ
上部側面に電源ボタンとボリュームを用意
Galaxy Book 12.0付属のACアダプタ。コンパクトで持ち運びも楽だ
重量は、付属USBケーブル込みで実測95.1gだった
こちらはGalaxy Book 10.6付属のACアダプタ。Galaxy Book 12.0のものよりさらにコンパクトだ

スペック相応の性能を発揮

 では、ベンチマークテストの結果を見ていくことにしよう。利用したベンチマークソフトは、Futuremarkの「PCMark 10 v1.0.1403」、「PCMark 8 v2.7.613」、「3DMark Professional Edition v2.4.3819」、Maxonの「CINEBENCH R15.0」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク」の5種類。Galaxy Book 12.0とGalaxy Book 10.6双方の結果を掲載する。また、比較として富士通の「LIFEBOOK UH75/B3」の結果も掲載する。

Galaxy Book 12.0Galaxy Book 10.6LIFEBOOK UH75/B3
CPUCore i5-7200U(2.5/3.1GHz)Core m3-7Y30(1/1.6GHz)Core i5-8250U(1.6/3.4GHz)
チップセット---
ビデオチップIntel HD Graphics 620Intel HD Graphics 615Intel UHD Graphics 620
メモリDDR4-2133 8GBDDR3L-1600 4GBDDR4-2400 SDRAM 4GB
ストレージ256GB SSD(SATA)128GB eMMC128GB SSD(SATA)
OSWindows 10 Home 64bitWindows 10 Pro 64bitWindows 10 Home 64bit
PCMark 10 v1.0.1403PCMark 10 v1.0.1275
PCMark 10 Score3,0592,4193,240
Essentials6,7875,7186,814
App Start-up Score8,0176,8308,541
Video Conferencing Score6,5004,9705,977
Web Browsing Score6,0025,5096,198
Productivity5,2074,1835,769
Spreadsheets Score6,2165,2557,073
Writing Score4,3633,3304,706
Digital Content Creation2,1991,6072,591
Photo Editing Score2,6762,0903,137
Rendering and Visualization Score1,3609361,782
Video Editting Score2,9222,1223,112
PCMark 8 v2.7.613
Home Accelarated 3.03,4092,9383,456
Creative accelarated 3.04,3753,5284,444
Work accelarated 2.04,1253,8934,574
Storage4,9874,6534,866
CINEBENCH R15.0
OpenGL (fps)44.430.9939.12
CPU325230534
CPU (Single Core)126107144
3DMark Professional Edition v2.4.3819
Cloud Gate6,2754,1876,971
Graphics Score7,9585,4157,455
Physics Score3,6072,3355,683
Sky Diver3,8472,297動作せず
Graphics Score3,7192,243動作せず
Physics Score4,8872,814動作せず
Combined score3,6332,106動作せず
ファイナルファンタジーXIV: 紅蓮のリベレーター ベンチマーク
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC)3,3842,1682,358
1,920×1,080ドット 標準品質(ノートPC)1,9471,2291,324

 結果を見ると、ほぼスペック相応の結果が得られていることがわかる。当然ながら、上位のCPUを搭載するGalaxy Book 12.0のほうが、全ての項目で結果が上回っている。

そのGalaxy Book 12.0の結果自体は、Core i5-7200Uを搭載するPCとしてほぼ標準的。4コア8スレッド処理に対応するCore i5-8250U搭載のLIFEBOOK UH75と比べると、スコアが負けている部分も多くなっているが、Galaxy Book 12.0ではメモリがデュアルチャネルとなっているため、3Dグラフィックスのテストでは上回る部分も見られる。

 ところで、Galaxy Book 12.0では、Core i5-7200Uを搭載することもあり、空冷ファンを搭載、右側面上部の吸気口から給気し、上部の排気口から排気することで、発熱を効率良く外部に放出するようになっている。高負荷時のファンの動作音は静かで、ほとんど気にならないが、排気口付近はかなり熱くなるので、手に持って使う場合には気を付けたい。

 Galaxy Book 10.6は、やはりCore m3-5Y70搭載ということで、性能面では今一歩という印象。

 実際に使ってみると、アプリの起動など、Galaxy Book 12.0に比べてワンテンポ遅いと感じる部分もあった。とはいえ、特に動作が重いアプリを使わない限り、動作に不満を感じる場面は少ないという印象。こちらも、スペック相応に使えるはずだ。

 次にバッテリ駆動時間だ。公称のバッテリ駆動時間は、双方とも9時間以上の動画連続再生とされている。

 それに対し、Windowsの省電力設定を「バランス」、電源モードを「(バッテリー)より良いバッテリー」、バックライト輝度を50%に設定し、無線LANを有効にした状態で、BBenchでキー入力とWeb巡回にチェックを入れて計測したところ、Galaxy Book 12.0は約7時間39分、Galaxy Book 10.6は約9時間22分だった。

 Galaxy Book 12.0はSuper AMOLEDを採用していることで、ディスプレイの消費電力が大きく、時間がやや短くなったが、それでも実測で7時間半以上の駆動時間が記録されたため、通常利用の範囲内であれば、バッテリ駆動時間は十分に満足できそうだ。

販路の拡大や、次期モデルの早期投入を期待

 Galaxy Bookは、2017年2月に発表され、海外では春以降順次発売されており、それから半年以上近く遅れての日本での発売となった。これまで、GalaxyブランドでのWindows PCの日本での投入はもちろん、サムスンブランドのPCも販売例がなかったことを考えると、早期の投入は難しかったと思われる。

 そういった中で、今回日本での販売が開始されたことは、ユーザーにとって選択肢が増えるという意味で、大いに歓迎できる。特に、市場でほとんど見かけることのない、有機ELディスプレイを搭載するWindowsタブレットが国内市場に投入されたという点も、大きな魅力となるはずだ。

 ただ、まだまだ課題もある。

 まず、付属キーボードカバーが英語配列のみという点。日本市場で受け入れられるには、日本語キーボードの用意は不可欠であり、競合製品との比較で見劣りする部分となる。

 また、販路やサポートについても課題があると感じる。サポートに関しては、Galaxyブランドのスマートフォンと同じ部隊が担当するとのことだが、これまではAndroidスマートフォンのサポートが中心だったことを考えると、Windows PCについて、どこまでしっかりサポートできるかは未知数だろう。

 加えて、Galaxy Book 12.0は現時点でコストコのみでの販売という点も大きな課題だ。興味のあるユーザーがいても、近くの量販店で製品を手に取って体験できる環境が整っていないという点で、非常に残念だ。製品の完成度が高いだけになおさらで、この点は早急な改善が必要だろう。

 このように課題はあるが、やはり日本での発売にこぎ着けたことを素直に歓迎したいと思う。

 そして、今後は後継モデルも含めての継続的な販売に加えて、サムスンが海外で販売しているノートPCなどの投入にも期待したい。