配信修行僧
同時配信のコメント表示/確認どうしてる?規約を守ってOBSに統合表示する神ワザ
2026年1月21日 06:38
配信修行僧こと、PC Watch編集長の若杉です。新年あけましておめでとうございます。今年もPC Watchをよろしくお願いいたします。
さて、時は少しさかのぼるが、2023年末にTwitchがほかのプラットフォームとの同時配信を解禁したことで、TwitchとYouTubeなどに同時配信ができるようになった。しかし、特にチャットに関しては、細かい規定があったり、標準の環境では複数プラットフォームのチャットを同時に確認しにくかったりという運用面での課題がある。そこで、今回は同時配信に必須、あるいはあると便利なOBSプラグインと、その使い方を紹介していく。
同時配信は許可されているが、細かい規約あり
まず同時配信に関する規約を確認しよう。一般ユーザーが多く使う配信プラットフォームで、同時配信に関する細かい規約を設けているのはおそらくTwitchだけだ。規約におけるポイントは以下の3点となる。
- Twitchの品質が同時配信するほかのプラットフォームより下回らないようにする
- Twitchの視聴者を同時配信先へと誘導しない
- 同時配信プラットフォーム先のチャットやほかの機能をTwitchと統合して見せない
1については、Twitchだけ低解像度だったり、Twitchでのチャット(コメント)を無視するようなことがなければいい。つまり、それぞれの視聴者に同等の体験を与えられれば問題ない。
2については、読んで字のごとくでTwitchユーザーをYouTubeなどに移動するよう促したりしなければいい。なお、概要欄に同時配信先や各種SNSなどのURLを書いておくことは禁止されていない。
3は少し分かりにくいのだが、具体的にはYouTubeなどとTwitchのチャットを1つに統合して"配信画面に載せる"行為が禁止されている。Twitchのサービス利用規約では、チャットを統合してはいけないと書かれているが、同時配信に関するガイドラインのFAQによると、外部サービスなりを使って複数のチャットを統合し、それを"配信者が見ること自体"は禁止されていない。禁止されているのは統合したチャットを"視聴者に見せる"ことだ。
つまりTwitchは、体験や品質面でほかのプラットフォームと同等以上に扱うよう要求する一方で、チャットを統合して同等扱いするのは禁止しているということになる。
では、「統合ではなく、Twitchのコメントのみを配信画面に載せ、それをYouTube視聴者にも見せる。あるいはその逆は禁止されているのか?」という疑問が湧くだろう。
解釈や最終的な判断をするのはTwitchなので、断言はできないが、プラットフォームをまたいでコメントを視聴者に見せると、"禁止行為を行なっているとTwitchに判断されるリスクがある"と捉えた方がいいだろう。つまり、リスクを抑えたいなら、TwitchのコメントをYouTube配信にも流したり、その逆もしない方がいいということになる。
同時配信に必要なOBSプラグインその1: Multiple RTMP outputs plugin
では、こういった注意事項に留意した上で、どうやれば同時配信ができるのか?OBSにその機能は標準搭載されていないので、プラグインを使うことになる。
同時配信機能を持ったプラグインはいくつかあり、最初に紹介するのは「Multiple RTMP outputs plugin」(以下、Multiple RTMP)だ。原稿執筆時点での最新バージョンは0.7.3と0.7.3.2の2つ。前者はOBSバージョン31用、後者はOBSバージョン32用となっている。
インストールするには、公式サイトの「Go to download」ボタンを押し、自分のOSにあったものをダウンロードする。Windowsユーザーなら「obs-multi-rtmp-0.7.3.0-windows-x64-Installer.exe」をダウンロードして、実行するのが手っ取り早い。
OBSを起動して、「ドック」→「同時配信」と選ぶとMultiple RTMPが表示される。適当なところにドラッグし、ドックとして設置しよう。
すでに配信を行なっているユーザーなら、「ファイル」→「設定」→「配信」でTwitchなりYouTubeなりのアカウント設定を行なっているだろう。「Multiple RTMP」の「新規ターゲット」を追加を押すと、2つ目の配信プラットフォーム(アカウント)を指定できるようになる。
YouTubeアカウントを追加したいなら、まず「名前」には「YouTube」など自分に分かりやすいものを入力する。「プロトコル」が「RTMP」になっているのを確認して、URLとストリームキーを入力する。この2つは、ブラウザで自分のYouTubeスタジオを開き、「作成」→「ライブ配信を開始」を押して表示される画面で取得できる。
映像と音声についてメインの配信設定とは別のエンコーダを指定することもできるが、特別な理由がない限り「OBSと同じエンコーダを使用する」のままでいい。
設定が終わったら一番下の「はい」を押す。これで「同時配信」ドックにYouTubeが追加される。ここでメインプラットフォームとは個別に配信の開始、停止を行なうことができるが、「編集」を押して、「その他の設定」で「OBSとの同期を開始」と「OBSとの同期を停止」にチェックを入れておくと、メインプラットフォームでの配信にあわせて自動的に2つ目のプラットフォームでも配信開始/停止が実行されるので便利だ。
メインプラットフォームがYouTubeで、2つ目のプラットフォームにTwitchを使いたい場合も設定箇所は同じ。URLは日本のユーザーだと「rtmp://apn10.contribute.live-video.net/app/(自分のストリームキー)」となり、ストリームキーは「クリエイターダッシュボード」の「設定」→「配信」で確認できる。
同時配信に必要なOBSプラグインその2: Aitum Multistream
別のプラグインとして「Aitum Multistream」というのがある。原稿執筆時点の最新バージョンは1.0.7だ。
公式サイトに行くと、自動的にインストーラーがダウンロードされるので、それを実行してインストールする。
OBSを起動して、「ドック」→「Aitum Multistream」を選ぶ。これも適当なところにドラッグして配置する。続いて歯車アイコンをクリックし、表示されたウィンドウで「Main Canvas」→「+Add Output」を押す。追加したいプラットフォームのアイコンが表示されるので、希望するものを選ぶ。
Twitchの場合もYouTubeの場合も、サーバーはデフォルトで選ばれているので、入力が必要なのはストリームキーだけだ。上記の説明を参照して、キーを入れ、「Create Output」を押す。これでAitum Multistreamのドックに2つ目のプラットフォーム/アカウントアイコンが追加される。
Multiple RTMP outputsと違って、配信の開始/停止を同期する機能はないので、OBSの「配信開始」(あるいは、Aitum Multistreamにある「Built-in stream」の右にある配信開始アイコン)を押した後、2つ目のプラットフォームの配信開始アイコンをクリックする必要がある。
同時配信に必要なOBSプラグインその3: Aitum Vertical
同時配信は基本的に前述2つのいずれかを使えばいいのだが、実はAitum Multistreamは「Aitum Vertical」という別のプラグインと組み合わせると、2つ目のプラットフォームについて縦型レイアウトで配信ができるようになる。
PCやコンシューマ機のゲーム画面は横型なので、画面レイアウトは基本的には横向きが適している。一方で、スマホユーザーが見やすいのは縦型レイアウトだ。そこで、メインプラットフォームでは横型で、2つ目のプラットフォームでは縦型で同時配信したいというニーズもある。それに応えるのが、Aitum VerticalとAitum Multistreamの組み合わせだ。
公式サイトで「Download Vertical for FREE」をクリックすると、インストーラーがダウンロードされる。原稿執筆時点の最新版は1.6.1だ。インストール後にOBSを起動すると、ドックに「Vertical」関連の項目が4つ追加される。「Vertical」を選ぶと、縦型のキャンバスが表示されるので、ドックとして設置しよう。
このほか、「Verticalシーン」と「Verticalソース」も選んでドックとして配置する。Verticalシーンとしてはデフォルトで「Vertical Scene」が登録されているので、Verticalソースになにかしらのソースを追加すると、Verticalキャンバスに表示される。このあたりの使い方はOBSの基本と同じだ。
Verticalキャンバスに必要なソースを追加し、レイアウトが完成したら、Aitum Multistreamの歯車アイコンを押し、今度は「Vertical Canvas」を選んで「+Add Output」を押す。内容はAitum Multistreamでのくだりを参照してほしい。
OKボタンを押すと、Aitum Multistreamの「Vertical Canvas」に先ほど追加したプラットフォームのアイコンが表示されるので、その右横の配信開始アイコンを押すと、縦型での配信ができるようになる。
同時配信のコメント確認用ツール
これで同時配信ができるようになるわけだが、同時配信をしたらしたらで別の悩みが出てくる。それがコメントの確認だ。多くの人は、配信コメントはYouTubeやTwitchのダッシュボードなどで確認しているだろう。もちろんこの方法は同時配信でも使えるが、モニター上に開くウィンドウが多くなりすぎる問題が生じる。
OBSだけでモニター1枚をほぼ専有してしまうので、そこにダッシュボードのウィンドウを2つも追加し、常に見えるようにするのはレイアウト的にかなり無理がある。YouTubeもTwitchもコメント欄だけを別ウィンドウでポップアウトできるが、その場合でもそこそこの面積を専有することになる。
そこでオススメしたいのが、コメントを統合表示できるサービス/ツールだ。冒頭に書いた通り、Twitchの同時配信に関するガイドラインで、複数配信プラットフォームのチャットを統合し、配信者がそれを見ることは許可されている。むしろ、視聴者とのコミュニケーションを考えると、コメントを見逃さないよう、積極的にこれらのツール/サービスを使うべきだと思っている。
チャットの統合表示ツール/サービスはいくつかある。現時点で筆者が利用しているのはStreamer.botだ。このツールは、OBSなどの配信ソフトとTwitchなどの配信プラットフォームの橋渡しをするもの。たとえば、新規フォロワーが増えたら通知したり、アラート画面を出したりといったことができる。コメント表示機能はStreamer.botが持つ非常に幅広い機能の内の1つに過ぎないので、コメント表示だけで使うのはオーバースペックといえる。
それでも、筆者がこのツールを勧めるのは、オリジナルのコメント欄に表示されるほとんどすべてを表示できるからだ。たとえば、筆者が試した別のチャット統合ツールだと、Twitchのスタンプだけが投稿されたときに表示ができなかった。また、別のツールでは、Twitchのチャンネルポイントを使った場合などにコメント欄に表示されるシステムメッセージが表示されなかった。
一方、Streamer.botのコメント表示機能では、筆者が試した限りオリジナルのコメント欄に表示されるメッセージはすべて表示され、チャンネルのフォローなどオリジナルのコメント欄には表示されない通知も表示される。そのため、コメントウィンドウだけじゃなく、ダッシュボード自体をずっと見えるようにしておく必要も減る。
Streamer.botを使うには、公式サイトへ行き、「Download Now」ボタンを押し、「Streamer.bot」の下にある「Download」ボタンを押す。
Streamer.botは普通のアプリと違って、インストールはしない。代わりに、落としたZIPファイルを展開し、その中にあるStreamer.bot.exeを実行すると起動する。
コメント機能を使うのに必要なのは、左側ペインにある「Platforms」の中の項目。Streamer.botはTwitch、YouTube、Trovo、Kickの4つのプラットフォームに対応している。
Twitchであれば、「Twitch」を押し、「Broadcaster Account」の「Login」ボタンを押す。ブラウザでTwitchのアクセス許可の画面が出るので、許可を押す。YouTubeの場合も同様に、「YouTube」→「Sign in with Google」を押し、ブラウザでアカウントを選び、「次へ」「続行」と押す。
これで、画面上部にある「Chat」ボタンを押すとチャットウィンドウが表示される。チャットウィンドウの「All」タブを開いておけば、TwitchとYouTubeのコメント、およびフォローなどのイベントメッセージが表示されるようになるので、ダッシュボードを開く必要がほぼなくなる。
「ほぼ」と書いたのは、同時接続数はこのチャットウィンドウでは確認できないからだ。これについては、もしStream Deckを持っているなら、Elgato公式のYouTubeおよびTwitchプラグインを入れることで、Stream Deckのボタン上に同時接続数を表示できるので、ダッシュボードが不要になるだろう。
外部アプリの画面をOBSのドックにする
これは同時配信専用ではないのだが、もう1つ便利なプラグインを紹介しておこう。それは「Window Dock」だ。
このプラグインを使うと、OBS以外のウィンドウをOBSのドックとして表示できるようになる。つまり、Streamer.botのチャットウィンドウをOBSのドックとして表示できるということだ。これにより、同時配信時に見ておくべきウィンドウがOBSのみで済むようになる。
もちろんこのプラグインは基本的にどんなウィンドウでもドック化できるので、たとえばミキサーアプリをOBSのドックにしてしまうというのもありだ。
使い方は、公式サイトで「Download」ボタンを押し、ダウンロードしたファイルを展開する。中に「data」フォルダと「obs-plugin」フォルダがあるので、この2つをそのままOBSのインストールフォルダ(デフォルトでは C:\Program Files\obs-studio )にコピーする。
OBSを起動し「ツール」をクリックすると、「カスタムウィンドウドック」が追加されているのでこれを選ぶ。ドック名には分かりやすい名前(例: ここではStreamer.bot Chatなど)をつける。その横の「デスクトップウィンドウ」の三角ボタンを押すと、現在開いているウィンドウ一覧が表示されるので、「[Streamer.bot.exe]: Chat」を選ぶ(Streamer.botのチャットウィンドウを開いていない場合は開いてからこの作業を行なう)。
これで、OBSの「ドック」にStreamer.botのチャットウィンドウが追加されるので、これを選ぶ。小さなドックが表示されるので、OBS上の置きたい場所にドラッグすれば完了だ。
なお、このドックは次回OBS起動時もそのまま表示されるが、元のウィンドウが表示されていないと自動起動はできない。その場合は、Streamer.botでチャットウィンドウを表示させた後、ドック内に表示されている「ウィンドウをキャプチャ」を押せばいい。
同時配信でコメントを載せたいなら
今回紹介したプラグインにより、同じ画面での複数プラットフォーム同時配信や、横画面と縦画面の同時配信を効率的にできるようになる。悩ましいのはコメントを配信画面に載せる点。Twitchの規約を見る限り、規約違反となるリスクをできるだけ排除するなら、同時配信時はコメントは配信画面に表示しない方がいい。
ただ、横画面と縦画面で同時配信をする場合は、キャンバスが別々になる。これにより、横画面にはTwitchのみのコメントを表示してTwitchのみに、そして縦画面にはYouTubeのコメントのみを表示してYouTubeのみに配信ということができる。これであれば、規約に反することなくコメントを表示できる。


















































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