編集部・ライターの今年“これ買った”!

クラウド管理がおもろい法人向けWi-Fi 6Eアクセスポイント

このコラムは、編集部員やライターがこの1年を振り返り、実際に買って「良かった!」と思う製品を簡単に紹介するコーナーです。

 宅内ネットワークをちょいパワーアップしようと2024年、筆者宅に導入したのが、ネットギアのWi-Fi 6E対応無線LANアクセスポイント「WAX630E」だ。

 インターネット接続はauひかり(10Gbps)で、ルーターはプロバイダーの貸与品から変更不可という制限があるため、だったらWi-FiルーターではなくWi-Fi機能オンリーの法人向けアクセスポイントの方が都合が良かろう、と思って選択したのだった(詳しくはINTERNET Watchで紹介している)。

2.5GbEとPoE++に対応する「WAX630E」

 同時接続数が最大計456台(2.4GHz:128台、5GHz:200台、6GHz:128台)でスマートホーム機器をガンガン追加しても余裕のキャパシティとか、LANケーブル経由で電力供給するPoE++対応でスタイリッシュに配線できるとか、法人向けアクセスポイントならではの特徴もいろいろあるけれど、購入から7カ月ほど使ってきてやっぱ便利だなー、と思っているのがクラウド上で管理できる機能「NETGEAR Insight」だ。

 WebブラウザにローカルのIPアドレスを入力して本体の管理画面にアクセスすることももちろんできる。が、毎回ログイン操作が必要だったり、UIが若干業務用感のある見た目だったり、基本的にLAN内からしか管理できないという縛りがあったりして、使い勝手がイマイチだ。

ローカルからログインした標準の管理画面
「NETGEAR Insight」のダッシュボード

 でもNETGEAR InsightだとモダンなUIで、周波数帯ごとのクライアント機器の接続台数とか、クライアント機器ごとの通信状況とか、各種情報がグラフなどで視覚的に分かりやすく表示されるから使っていて楽しい。外出先でも、スマホからでも管理できるので、仮に筆者が外出中に自宅でネットワークトラブルが起きても、リモートから操作して復旧できたりする(トラブル発生時はメールでアラートが飛んでくる)。

グラフィカルに各種情報を表示してくれる

 アクセスポイント本体の機能をフル活用するのにもNETGEAR Insightは不可欠なわけだけれども、中でも便利でよく使っているのが、複数のSSIDを作成できる機能だ。

 家庭向けのWi-Fiルーターでも、メインのSSIDとゲスト用のSSIDを分けたりできるものは多いが、WAX630Eは最大8つまでのSSIDを設定でき、各SSIDごとに有効にする周波数帯やVLAN(ネットワークセグメントの隔離)、帯域やアクセス元の制限などを変えることができる。アクセスポイントでありながら、ルーター的な機能も一部取り入れつつ、より柔軟なカスタマイズが可能になっているのだ。

最大8個のSSIDを設定可能
SSIDごとに有効化する周波数帯を決められる
帯域制限も可能

 たとえばゲスト用のWi-Fi接続先を作るのもそうだけれど、無駄に帯域を占有してほしくない(スマートホーム機器とかの)デバイス用に帯域制限したSSIDを作ったり、6GHz帯で常に接続してほしいテスト機材のために6GHz帯だけのSSIDを用意したり、みたいにいろいろな活用方法がある。仕事柄、そういう機能が必要になる場面がけっこう多いので本当に助かっている。

 NETGEAR Insightはサブスクサービスなので、料金が継続的にかかってしまうのがネックではあるのだけれど、1台あたり年額1,125円(NETGEAR Insight Premiumの場合)と全然高くはない。それなりの規模の法人だと数十台分とかになってそこそこのコストになってきそうだが、1、2台なら一般家庭でも無理なく導入できる製品/サービスなのだ。