.biz

PC Watch .bizでは、法人向けの製品やサービスを取り上げます。

8KやVRなど次世代コンテンツのためのクリエイター向けPC「DAIV」

 2011年46%だったビデオカード非搭載PCの出荷割合は46%だったのが、2015年には20%に縮小。一方、2011年42%だったミドルレンジ~ハイエンドビデオカード搭載PCの出荷割合は42%だったものが、2015年に76%にまで増えた。

 この数値は、28日に開催されたクリエイター向けPC「DAIV」シリーズ製品発表会で、株式会社マウスコンピューター代表取締役社長の小松永門氏が示した同社製PCのビデオカード搭載率推移によるものだ。

マウスコンピューターのビデオカード搭載率推移
マウスコンピューター代表取締役社長の小松永門氏

 元々ハイエンド志向の高いショップブランド製品であることや、ゲーミングPC「G-Tune」シリーズが好調なこともその要因だが、GeForce製品で言うと「GTX」シリーズに当たるミドル~ハイエンド搭載機の割合が4分の3を越えている背景について、小松氏はPCで扱うコンテンツが重くなってきていることがあると分析する。

 超高画素カメラのRAW現像、4K動画や既に登場し始めている8K動画、そして2016年から普及が見込まれるVRコンテンツなどは、一定以上の性能を求める。閲覧だけでなく、それを編集・制作しようとするなら、なおのこと高い性能が必要だ。同時に、一般ユーザーがそういったコンテンツを作成したり、クラウド上で公開したりする機会も増えている。

 同社がDAIVで狙うのは、そういったクリエイター市場だ。DAIVは、よりリッチなコンテンツをストレスなく扱えるマウスの新しいPCブランドとなる。

DAIVはクリエイター、そしてVRコンテンツの制作向けもターゲットとする

 自身、クリエイター向けの取り組みを強化しており、発表会でゲスト登壇した日本マイクロソフト株式会社Windows & デバイス本部 Windowsコンシューマーグループ エグゼクティブプロダクトマネージャーの藤原正三氏は、DAIVの投入を歓迎した。

 DAIVシリーズは、デスクトップで4シリーズ、ノートで3シリーズを用意。他のモデル同様、柔軟なカスタマイズができる。

 だが、一口に重いコンテンツと言っても、RAW現像や動画編集、VRなどそれぞれが求める仕様は異なる。クリエイターは、コンテンツに関する知識はあっても、PCについての知識は持ち合わせていないことも多く、どういった構成にすればいいのかが分からない。

 そこでDAIVシリーズでは、「RAW」、「Adobe」、「VR」の3つのコンセプトモデルを用意する。例えるならば、ゲーミングPCのゲームタイトル推奨取得モデルだ。特にAdobeモデルについては、Adobe Creative Cloudの推奨を取得しており、藤原氏は「PCに精通していなくても安心して購入できる」とした。

日本マイクロソフトの藤原正三氏
DAIVのラインナップ。コンセプトモデルとして、RAW、Adobe、VR用を用意する

 デスクトップもノートも、性能以外の点でも、データを短時間に取り込むための高速インターフェイスなど使い勝手に配慮。特にデスクトップPCは、ダイヤル式の電源スイッチや、ワンタッチで着脱できる前面ベイカバー、ハンドルやキャスター(オプション)など、他の製品に見られない特徴を持つ。詳細は発表時のニュース記事(マウス、クリエイター向けPC「DAIV」を正式発表)を参照されたい。

 コンシューマ営業統括部 部長の氏家朋成氏によると、ノートについては、今後17型の4Kパネル搭載モデルを予定しているという。

 なお、発表当初、パネルのsRGB比 100%としていた「NG5600」、「NQ5300」シリーズについて、実際には95%となるとの訂正があった。これは、パネルの仕様上は100%だが、個体差があり、同社が計測したところ下限値が95%だったため、この数値を仕様とした。同社は、出荷時に全ての製品について計測を行ない、その結果を製品に貼付して出荷する。

 DAIVシリーズは本日28日より受注を開始する。

コンシューマ営業統括部 部長の氏家朋成氏
今後17型4Kモデルも追加予定
デスクトップ。ベイ部分にはカバーがあるが、ワンタッチで外せる。写真では本体前に立てかけているが、下部のカバー部分に重ねて収納できる
右端のつまみをひねると電源が入る
側面にDAIVのロゴ
オプションでキャスターを取り付けられるのはかなり珍しい
カラーキャリブレーション対応のディスプレイやプリンタとのセットモデルも用意
ノートモデル
キーボードはテンキー付き
左側面。SDカードスロットはUHS-II対応
右側面

(若杉 紀彦)