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CP+ 2016の会場にマウスコンピューターの「DAIV」シリーズが展示

 パシフィコ横浜にて、カメラ/写真関連の展示会「CP+ 2016」が開かれている。カメラ本体やレンズ関連のレポートは僚誌デジカメWatchをご覧いただくとして、PC Watchでは会場で見つけたPC関連の製品をお伝えしていこう。

 最初にお伝えしたいのは、やはりマウスコンピューターのブースで展示されている、クリエイター向けの新ブランド「DAIV」シリーズだ。PC本体のメーカーとしては唯一出展されているからだ。同社は、昨年(2015年)までは写真家向けPCとして「MDV ADVANCE」シリーズを展示/推奨していたが、「やはりクリエイターに特化したPCが必要である」という判断のもと、今回のDAIVシリーズを開発、投入に至ったという。

デスクトップ

DAIV-D

 まずはデスクトップの「DAIV-D」から見ていこう。既報の通り、本製品は広告グラフィックを制作するプロダクション、株式会社アマナの協力を受け、クリエイターの声を反映した製品作りをしているという。

 最大の特徴は、やはり旧「Mac Pro」を彷彿とさせるフォルムだろう。前面上部にハンドルが装着されており、容易に持ち上げられる。ただし旧Mac Proは後部にもハンドルが用意され、両手で持ち上げることができたが、本製品は底面に手添え用スペースがあり、対角で持ち上げることを前提としている。ただし塗装は全面非光沢のブラックで、この点旧Mac Proと異なる。デルの「Precision」ワークステーションに似た塗装で、プロユースにふさわしい落ち着いた印象を受ける。

 また、オプションでシャーシ後方下部にキャスターを装着できる点もユニーク。これにより前面のハンドルを持ち上げて、後部のキャスターでスーツケースのように移動させられる。キャスターにはボールベアリングを採用しており、耐久性とスムーズな移動にも配慮している。

 デザイン上でもう1つの特徴として、前面のダイヤル状の電源スイッチも挙げられる。時計回りに回すとスイッチが入るというシンプルな構造だが、「車やバイクにキーを差し込み、エンジンに火を入れる高揚感を表した」という。デザインやアイディアとしては大変素晴らしいのだが、機能がシンプル過ぎる印象も受ける。個人的には、電源投入はクッと押してから回す、そうでないときは音量調節として動作、電源投入もできれば2段階のクリック感が欲しい……といった一捻りが欲しかったところだが、初号機だけに今後に期待したいところだ。

 前面のメッシュパネルは上下ともにマグネット着脱式となっている。上半分は拡張ベイを隠して一体感を高め、下半分は吸気部の保護の役割を果たしている。上半分を外して下半分の上にくっつけられるので、紛失することも防げる。下半分を外すとファンフィルタにアクセスでき、そのファンフィルタは外して水洗いできるなど、メンテナンス性にも配慮している。

 リリースにはなかったが、オプションの内蔵カードリーダはUHS-II転送に対応することが明らかとなった。ノートPCではUHS-II対応の製品も増えてきたが、デスクトップでは珍しく、今のところ外付けが主流だ。説明員によれば、開発の早期段階でUHS-II対応を決めていたらしく、本製品にあわせてカードリーダを開発/搭載したという。手持ちの東芝製UHS-II対応カードで写真を転送したところ、150MB/sec超の速度を確認できた。

 仕様などは発表時の記事を参照されたいが、最大8コアのHaswell-EやQuadroビデオカード、メモリ64GB、M.2対応のSSDを選択できるので、ヘヴィユースでも性能に不満を覚えることはほぼないだろう。

 展示されていたのはあくまでも試作機であり、シャーシの一部が未完成であった。具体的には、本来背面や内部もブラックで塗装される予定なのだが、展示機はスチールの色そのままであった。4月発売とのことなので、それまでブラッシュアップされ販売されていくことだろう。

前面インターフェイス部
ダイヤル状の電源スイッチ
5インチベイは3基。光学ドライブ下はオプションのリムーバブルハードディスクベイ
リムーバブルハードディスクベイを取り出したところ
オプションのカードリーダはUHS-IIに対応する
新mouseのロゴとなっている
下部のパネルを取り外したところ。水洗い可能なファンフィルタにアクセスできる
前面メッシュパネルは上下ともマグネットで付くようになっている
底面後部にキャスターを装着できる

ノート

 ノートPCとして「DAIV-N」シリーズを投入する。

 こちらはノートPCでありながらデスクトップ向けのSkylakeを採用しており、最大64GBのメモリが搭載可能。高負荷でメモリをふんだんに使うような写真編集も楽々こなせるのがウリ。また、sRGB比100%の色域を持つ1,920×1,080ドット(フルHD)液晶を備えている点も特徴。実際に展示機で見てみたが、確かに色鮮やかな発色が確認できた。

 GPUはGeForce GTX 965MまたはQuadro M1000Mで、いずれもMaxwellアーキテクチャとなっている。このあたりは必要に応じて選択すると良いだろう。DAIV-NのカードリーダもUHS-II転送に対応しており、対応カードを使えば高速転送が可能。また、キーボードはブルーLEDバックライト付きとなっている。

DAIV-Nシリーズ
キーボードはブルーLED付き
右側面はUSBや音声入出力などを装備
左側面はカードリーダなどを備える

(劉 尭)