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レノボ、オンライン会議のハードルを下げる大和研究所開発の「ThinkSmart Hub 700」

ThinkSmart Hub 700

 レノボ・ジャパン株式会社は2月12日、働き方改革を推進するオンライン会議システム「ThinkSmart Hub 700」の提供を開始した。端末価格は税別399,000円で、クラウド機能といった1年間分のソフトウェア利用ライセンス権が付属。2年目以降のライセンス料金は1年で5,000円を予定している。

 ハドルルームといった小/中規模な会議室での利用を想定した製品で、社内と社外で円滑にオンライン会議が行なえる。各デバイス(PCやスマートフォン)とはソフトウェアを介して接続し、ZoomやSkypeといったUC(Unified Communications)に対応する。

 全方位から操作可能な山形デザインが特徴。頂点部分は決定やメニューを呼び出すボタンなどと、円を描くようにさわってカーソル操作や音量調整が行なえるタッチインターフェイスとなっており、どの席の位置からでも操作しやすいようにデザインした。4つの大型スピーカー(ステレオ×2)や、人が会議室に入ったことを検知してスリープを解く人感センサーも搭載する。

 対応OSはWindowsとAndroidで、ThinkSmart Hub 700につなげたディスプレイに複数のクライアントの画面を表示させる「コラボレーションモード」では、HDMIによる有線接続と、無線接続に対応。クライアントをUSBとHDMIで接続する「パススルーモード」も利用でき、こちらはクライアントソフトウェアなしで操作可能となる。

 ThinkSmart Hub 700は、Core i5-8350U、メモリ8GB、SSD 128GBを内蔵。OSはWindows 10 IoT Enterprise SAC(Semi-Annual Channel)を搭載するが、PCとして意識して利用することはない。

 インターフェイスは、Thunderbolt 3(電源用)、USB 3.0 Type-C(パススルーモード専用)、USB 3.1×3、HDMI入力×2、HDMI出力×2、IEEE 802.11ac無線LAN、Ethernet、4Wスピーカー×4を装備。

 本体サイズは約300×88.7mm(直径×高さ)、重量は約3kg。保証期間は3年間で、機器交換サービスも付帯する。

インターフェイス

オンライン会議システム利用の壁をなくす

 製品発表当日は都内にて記者発表会が開催され、ThinkSmart Hub 700の説明とデモンストレーションが行なわれた。

 レノボ・ジャパン株式会社 コマーシャル事業部 企画本部 製品企画部 プロダクトマネージャーの元嶋亮太氏は、企業においてオンライン会議システムが導入済みでありながら、実際にそれを活用できていない人は全体で35.8%に上ると少なくない割合を指摘。

レノボ・ジャパン株式会社 コマーシャル事業部 企画本部 製品企画部 プロダクトマネージャーの元嶋亮太氏

 利用の足かせになっている点として、設定や操作のわかりにくさを挙げたほか、代表的な不満点として会議資料といったコンテンツ共有が直感的出ないこと、ネットワークを介しての相手側の声の聞き取りにくさなどがあると説明。また、オンライン会議の開始までにソフトウェアの設定などで、開始までに平均で6~11分ほどの遅れを67%の人が発生させてしまっている背景を説明した。

 ThinkSmart Hub 700はレノボ・ジャパンの大和研究所にて国内開発された製品であり、独自のシステムを設計することで、これらの不明瞭さや不満点について解決を試みた。

 設定/操作のしにくさについては、操作に必要な階層の浅いユーザーインターフェースと管理者用のダッシュボードを、コンテンツ共有には有線と無線で両対応、音声面に関しては4つの大型スピーカーと4つのマイクを搭載することで改善を図っている。

不満点を改善
操作画面

 クライアントとのペアリングに超音波が用いられていることも特徴の1つで、Bluetoothの場合だと通信範囲が広すぎてしまうことから、会議室のその場にいる人のみが利用できる形態として採用。本製品が搭載する4つのスピーカーとは別のスピーカーが超音波を発し、クライアント側は会議用のIDなどを入力せずとも、クライアントにインストールされているソフトウェアが、自動的に超音波を取得してペアリングを行なうため、スマートフォンといったデバイスでも使いやすい。

 また、ThinkSmart Hub 700の開発に携わった、同社大和研究所 エンタープライズ・ソリューション開発を務める熊木淳氏は、とくにオーディオ機能に力を入れており、大型スピーカーを採用したものの、内蔵マイクでチャンバーの振動を拾わないようにするために、振動を熱に変える抑制ダンパーを採用していることなどをアピールした。

 ThinkSmart Hub 700は2016年より開発がはじまったが、当時は白い円筒型の筐体となっており、「まるで骨壺のようだ」とか「横にするとトイレットペーパーみたいだ」といったダメ出しが入ったことから、デザイナーが一念発起し、今のデザインに落ち着いたとのこと。

レノボ・ジャパン株式会社 大和研究所 エンタープライズ・ソリューション開発の熊木淳氏
内部構造

 レノボはオンライン会議システムの不便な点を払拭した「ThinkSmart Hub 700」によって、働き方改革をサポートできると強調した。