鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第170回:6月11日~6月15日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


6月12日

■■ 本田雅一の「週刊モバイル通信」
AirH"の使い心地とDDIポケットへのインタビュー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010612/mobile104.htm

PING(Packet Internet Groper)
 ピン

 IPネットワーク上で、相手との接続性を確認する際に用いられるプログラム。

 ソナー(※1)が発射する音波のことを、ソナーピン(sonar ping)あるいは単にピン(ping)という。「ping」は、これに因んだ命名で、IP(Internet Protocol)の上位プロトコルの1つであるICMP(Internet Control Message Protocol)を使い、相手にIPパケットを折り返し送信する要求(echo request)を送る。これを受けた相手は、受け取ったデータと同じものを格納した返答(echo reply)を送り返すことになっており、返答が返って来れば、少なくともIPレベルでは、ネットワーク的に接続可能であることが確認できる。また、このパケットの往復に要する時間(RTT[Round-Trip Time])は、相手との通信経路のパフォーマンスを知る手がかりとなる。

※1 SONARは、「SOund NAvigation and Ranging」の略で音波探知機のこと。広くは潜水艦などの推進機音をとらえるものもあるが、ソナーピンは、音波を発射してその反射波で目標物の方向や距離を測定する。


TRACEROUTE
 トレースルート

 IPパケットの経路をトレースするプログラム(Windowsではtracert)。

 IP(Internet Protocol)の上位プロトコルの1つであるICMP(Internet ControlMessage Protocol)を使い、相手先にTTL(Time to Live)値を変えた返答要求(echorequest)を送信。相手からの返答(echo reply)や、経路上のルータが返すエラーメッセージをもとに、通信経路や到達時間などの情報を表示する。

 TTLは、IPパケットのヘッダに格納される、パケットの生存時間を示す8bit値のことである。パケットは、この値が0になると破棄され、ネットワーク上を永遠に転送され続けることの無いようにしている。TTL値は、定義上は生存時間を表す秒数だが、時間に関係無く、ルータを通過する際には値が1つマイナスされる。「traceroute」は、相手先に対しTTL値を1つずつ増やした返答要求を送信する。TTLが0になるとルータはパケットを破棄し、送信元にエラーメッセージ(destination unreachable)を返すことになっているので、「TTL=1」で送信すれば最初のルータから、「TTL=2」なら次のルータから……というように、経由するルータのエラーメッセージを順に収集して行くことができる(パケットが相手に届けば相手からの返答が返って来る)。tracerouteは、これらパケットの送信元や到達時間を調べ、接続相手までの経路情報を表示しているのである。

□RFC792 - INTERNET CONTROL MESSAGE PROTOCOL
ftp://ftp.nic.ad.jp/rfc/rfc792.txt
【参考】
□TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980729/key40.htm#TCP/IP
□TCP(Transmission Control Protocol)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001006/key138.htm#TCP
□UDP(User Datagram Protocol)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001006/key138.htm#UDP


6月14日

■■ プラネックス、1000Base-T 1ポートを備えた29,800円のスイッチングHub
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010614/planex.htm

Auto MDI/MDI-X(Automatic Medium Dependent Interface/Medium Dependent Interface Crossover)
 オートエムディーアイ/エムディーアイエックス

 Ethernetポートの送受信チャンネルを検知して、MDIとMDI-Xを自動的に切り替える機能。

 同軸ケーブルを使うオーソドックスなEthernetは、送受信で1つの信号線を共用するスタイルだが、ツイストペアケーブルを使う10Base-Tや100Base-TXの場合には、送信と受信にそれぞれ個別の信号線を使用している。このため、物理的なインターフェイスであるモジュラージャック(RJ45)の配線には、2種類の接続タイプがある。

 1つは、PCのネットワークカードに使われている標準的なMDIで、端子の1-2番に送信、3-6番に受信が接続される。もう1つは、ハブのEthernetポートに使われている相手の送信が自分の受信に、自分の送信が相手の受信につながるよう、送受の関係を交差したタイプで、こちらはMDI-Xと呼ばれる。したがって、一般的なMDIとMDI-X間の接続には、同じピン番号どうしを接続したストレートケーブルを使用するが、MDIとMDI(ネットワークカード間)やMDI-XとMDI-X(ハブ間)の接続には、ケーブル内で送受を交差させたクロスケーブルを用いる。

 市販のハブはたいてい、ハブ間を一般的なストレートケーブルを使って配線する機能を備えており、ネットワークカードと同じMDIタイプのポートは、「カスケードポート」あるいは「アップリンクポート」と呼ばれている。また、特定のポートや任意のポートを、スイッチを使って切り換えられる製品も多い。2000年に入ると、送受信を自動的に検知して切り換える機能を持ったコントローラチップが登場。この機能を「Auto MDI/MDI-X」といい、インターフェイスとケーブルの組み合わせを意識する必要のない、Auto MDI/MDI-X対応のHubやインターフェイスカードが増えつつある。

【参考】
□カスケードポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980415/key26.htm#CascadePort
□カスケード接続
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001207/key146.htm#cascade
□100Base-TX
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980421/key27.htm#100base
□Gigabit Ethernet
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010409/key160.htm#GBE


6月15日

■■ AKIBA PC Hotline! Hothotレビュー by Ubiq Computing
テレビキャプチャカードの本命登場!? カノープスMTV1000
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010615/hotrev113.htm

GOP(Group Of Pictures)
 ジーオーピー

 MPEG(Moving Pictures Experts Group)のビデオストリームにおいて、ランダムアクセスの単位となる、複数の画面で構成されたデータグループ。

 動画データは、少しずつ時間が経過した連続する静止画(フレーム)の集まりである。 この動画の圧縮規格であるMPEG Videoでは、フレーム内圧縮とフレーム間圧縮を組み合わせ、効率よく圧縮を行なっている。簡単に言えば、フレーム内圧縮は、隣接するピクセルはそれほど変化しない(同じような輝度が続いている)という、空間的な相関性を利用した圧縮で、このフレーム内圧縮だけを使ったフレームをI Frame(Intraframe)という。

 一方のフレーム間圧縮は、隣接するフレームはそれほど変化しない(同じようなものが映っている)というフレーム間の相関性を利用した圧縮で、前(過去)のI Frameとの相関性を利用したタイプをP Frame(Prediction Picture Frame)、前後(過去と未来)のI Frameとの相関性を使って圧縮したフレームをB Frame(Bi-directional Interframe)と呼んでいる。過去や未来のフレームと同じ部分は省略し、異なる部分だけをデータ化していけば、効率的に圧縮できるという発想である。

 このようにして圧縮されたP FrameやB Frameは、単独では1枚の画像にはならず、必ず前や後のI Frameが必要になる。GOPは、単独で静止画として成り立つ1枚以上のI Frameと、それを参照するP FrameやB Frameから成る一続きのシーケンスのことで、MPEGのビデオストリームは、このGOPに同期用のシーケンスヘッダを付けたデータの繰り返しになっている。言い換えると、シーケンスヘッダを検索すれば、必ずそこから再生できる様になっており、早送りや巻き戻しはこのGOP単位で行なわれる。ちなみに、GOPの最大フレーム数は128(約4秒)だが、一般には15フレーム(0.5秒)程度のものが多い。

□The MPEG Home Page
http://www.cselt.it/mpeg/
【参考】
□MPEG-2
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981015/key50.htm#MPEG_2
□MPEG-1
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981007/key49.htm#MPEG-1


■■ プロカメラマン山田久美夫の三洋電機「DSC-MZ1」最新β機 実写ミニレポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20010615/yamada.htm

ワイドレンジショット(wide range shot)
 異なるシャッタースピードで撮影した画像を合成し、ダイナミックレンジを拡大する手法、あるいは撮影モード。ワイドレンジモードとも。

 CCD(Charge Coupled Device)撮像素子(以下CCD)の各画素には、光のエネルギーを電気エネルギーに変換するフォトダイオードという半導体が組み込まれており、このフォトダイオードによって光電変換された信号電荷を測定し、画素の明暗レベルを決める仕組みになっている。蓄積される電荷量は、入射する光の大きさと露光する時間で決まるので、露光時間を長くすれば、暗い部分も高いレベルで撮像することができる(※1)。が、蓄積することのできる最大電荷量は、一般にフォトダイオードの大きさ次第なので(※2)、露光時間が長いと明るい部分の画素が飽和してしまう。したがって一度の露光で得られるダイナミックレンジ(扱える信号の最小レベルと最大レベルの幅)は、CCDの性能で決まってしまうのである。

 短時間の露光では、暗い部分は写らないが明るい部分を鮮明に写すことができる。長時間の露光では、明るい部分は飛んでしまうが暗い部分を鮮明に写すことができる。ワイドレンジショットは、異なる露光時間で撮影した被写体の明部と暗部を合成することにより、CCDが持つ能力以上にダイナミックレンジを拡大する手法である。実際に2回の露光を行なう方法には、以下の3通りのやり方が用いられている。

・2回シャッターを切る
 1回のシャッターで、長短2回撮像する方法である。CCDの画像の読み取りは、蓄積された電荷を転送することによって実現している。転送後は電荷が空になるので、1回のシャッターで続けて2回信号を読み取るようにすれば、簡単に実現することができる(電子シャッターもこの様なやり方で露光時間を調整している)。ただし、2枚の画像に時間差ができるためブレが生じやすい。

・画素を2倍にしたCCDを使う
 CCDは、フォトダイオードに蓄積された電荷を垂直方向に転送しながら、順次1ラインずつ水平方向に転送する仕組みになっている。この垂直方向の画素を2倍に増やし(既存の画素数のままなら垂直解像度が半分になる)、1列おきに2種類の露光時間で撮像する。高画素のCCDが必要になるが、比較的実現は容易で、画像に時間差が生じることもない。

・2枚のCCDを使う
 レンズからの入射光をハーフプリズム等を使って2つに分け、2枚のCCDを使って撮像する。露光時間の違いは、CCDそのものに差を付けるやり方と、CCDは同じ時間で撮像し、プリズムの分光比率を変えるやり方がある。既存のCCDをそのまま利用できるが、2組必要であり、これに分光の機構も加わるため高価で小型化が難しい。

※1 実際には、半導体の残留ノイズ(暗電流)があるため、露光時間を長くすればいくらでも感度が上がるというわけではない。

※2 一般的なCCDには、発生した電荷を蓄積しておく特別な機構があるわけではなく、ダイオード自身の蓄積能力に依存している。

□CCD(Charge Coupled Device)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980324/key23.htm#CCD
□CCDの各種方式
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000217/key108.htm#FT
□CMOSセンサ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000120/key104.htm#CMOS
□スミア
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991028/key96.htm#smear
□ハニカム信号処理
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000511/key118.htm#honeycomb

[Text by 鈴木直美]


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