鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第146回:11月27日~12月1日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


11月27日

■■アイ・オー、Just Link搭載のIEEE-1394対応DVD/CD-RWコンボドライブ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001127/iodata1.htm

i・CONNECT(アイコネクト)

 アイ・オー・データ機器が考案した、ATA/ATAPI(IDE)デバイスを外付デバイスとして使用するためのインターフェイス規格。

 ハードディスク(HDD)やCD-ROMなどのインターフェイスとして広く使われているATA/ATAPIは、内蔵デバイスの接続を前提に設計されており、ケーブル長は18インチ(457.2mm)に制限される上、外付け用のシールドコネクタの規定もない。このため、安価で高性能なデバイスが充実しているものの、そのままでは、汎用的な外付けデバイスとして利用することはできない。

 HDDの大容量化が急速に進む'97年頃から、SCSIをATAに変換する回路を組み込み、安価なATAドライブを外付けのSCSIドライブとして利用できるようにした製品が登場。現在は、同様の方法でUSBやIEEE-1394に変換した製品が数多くリリースされている。

 「i・CONNECT」は、これをさらに一歩進めて汎用性を高めたもので、ドライブ側に共通のコネクタ(※1)を規定。インターフェイス変換回路はケーブルに組み込み、ケーブルを交換することによって、同じデバイスを様々なインターフェイスに接続できるようにしている。インターフェイス変換機能を含んだこの専用ケーブルを「i・CONNECTケーブル」といい、2000年12月7日現在、USB、IEEE-1394、PCカードの3種類を発売。 USB 2.0対応のケーブルも予定している。

(※1)物理的には36ピンの高密度コネクタで、USBとIEEE-1394の場合は、このコネクタにインターフェイス変換回路が組み込まれている。同種の製品をリリースしているベンダーは、ほかにもいくつかあるが、インターフェイスの仕様が標準化されているわけではないので、ベンダー間の互換性は保証されない。

【参考】
□ATA/ATAPI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990114/key60.htm#ATA_4
□SCSI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991210/key101.htm#SCSI
□USB
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971014/key2.htm#usb
□USB 2.0
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000706/key126.htm#USB2
□IEEE-1394
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971118/key7.htm#ieee1394
□SDAT(SCSI Directed ATA Transfer)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971014/key2.htm#sdat


■■アイ・オー、マルチモニタPCカードなど
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001127/iodata2.htm

カスケード接続(cascade connection)

 多段(多階層)接続。
 カスケードには、階段状に連なった滝という意味があり、複数のウィンドウを少しずつずらし、段状に重ねて表示するスタイルをカスケード表示ともいう。

 カスケード接続は、複数のデバイスを連結して機能させることで、PCの周辺機器では、LANやUSBで使用するHubがこれをサポート。通常のポート(※1)を使って複数台を連結することにより、接続ポートを増やすことができる。また、ディスプレイ出力などの信号分配器や複数のマシンでキーボードなどを共有するためのCPU切り換え器などにも、カスケード接続をサポートした製品がある。ただし、段数が増えると信号の劣化や遅延が生ずるため、連結できる台数にはたいてい制限がある。ちなみに10Base-TのHubの場合は4段、100Base-TXは2段、USB Hubは5段(※2)となっている。

 LAN用のHubの中には、同じHubどうしを連結するための独自のインターフェイスを備えた製品がある。専用インターフェイスは、Hubの内部バスに相当するもので、これを使って接続した場合には、ネットワーク上では1台のHubとして動作する。このようなHubをスタッカブルHub、このような接続方法をスタック接続と言う。

(※1)10Base-Tや100Base-TXのケーブルには、送信用と受信用の信号線がある。通常のHubポートは、ネットワークカードなどを接続することを前提に、相手の送信が自分の受信に、自分の送信が相手の受信に接続される様に配線されているため、Hubポートどうしを通常のストレートケーブルを使って接続することはできない。通常のポートをクロスケーブルで接続するか、ストレートケーブルの一方を、「カスケードポート」や「アップリンクポート」と呼ばれる、送受の関係が入れ替わった(スイッチで入れ替えるものもある)ポートに接続する。

(※2)USBは、PCのホストコントローラが最上位のHub(ルートHub)を内蔵しているので、これを含めると6段になる。

【参考】
□100Base-TX
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980421/key27.htm#100base
□USB
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971014/key2.htm#usb


11月28日

■■一ヶ谷兼乃のデジタルde GO! GO!
  あなたのパソコンは世界中から狙われている
  インターネットアタックからPCを守る「BlackICE Defender」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001128/dgogo19.htm

ローカルルータ(local router)

 LANとLANを接続するためのデバイス。
 ルータは、ネットワーク間を接続し、TCP/IPなどのネットワーク層のプロトコルを使ってパケットの中継を行なうデバイスである。このルータの中で、一方をローカルなLAN(Local Area Network)に、もう一方を電話回線やISDN、専用線などのWAN(Wide Area Network)回線につなぎ、遠隔地のネットワークを接続するタイプをリモートルータ(remote router)、ローカルなLANどうしを接続するものをローカルルータという。

 リモートルータの場合は、一方が10Base-TなどのLANインターフェイス、もう一方がISDNなどのWAN回線用のインターフェイスという構成であるのに対し、ローカルルータは、両方ともLANインターフェイスという構成になっている。リモートルータの中で、中継すべきパケットを受け取った際に、予め設定された先に接続(ダイヤルアップ)する機能を備えたものを特にダイヤルアップルータ(dial-up router)と呼んでいる。PCの周辺機器としては、ISDN用のダイヤルアップルータが最もメジャーなルータだが、大規模なネットワークを構築する際に欠かせないこのローカルルータの方が、ネットワークデバイスとしては、基本的なごく普通のルータである。

 最近では、安価で高速なインターネット接続回線として、CATVやADSLを利用するケースが増えてきた。これら回線で使われるケーブルモデムやADSLモデムのローカル側のインターフェイスには、通常10Base-Tが採用されている。もともとは、大規模なネットワークを構築する際に使用する高価なデバイスだったローカルルータだが、これら回線にLANを接続するためのデバイスとして注目される様になり(※1)、現在はパーソナル向けの安価な製品が多数発売されている。

(※1)同種のデバイスには、Hub(リピータ)やスイッチ(ブリッジ)などもあるが、ルータの場合には、インターネット側(ISP側)とLANをネットワーク的に分離し、適切なルーティング処理やフィルタリングによるセキュリティの確保、1つのIPアドレスで複数台が接続できるなどの高度な機能を利用することができる。

【参考】
□ルータ、ブリッジ、ハブ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001019/key140.htm#bridge
□ダイヤルアップルータ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980930/key48.htm#dialup_router


11月29日

■■プレイステーション2がMP3プレーヤーに! エルゴソフトが新作ソフトを発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001129/ergo.htm

ビットマップフォント(bit-mapped fonts)
ベクトルフォント(vector fonts)

 文字のイメージを点の集まり(ビットマップ)として記録したフォントをビットマップフォント、輪郭(アウトライン)を示すデータ(※1)で記録したフォントをベクトルフォント(ベクターフォント)あるいはアウトラインフォント(outline font)という。

 ディスプレイやプリンタなどのほとんどの出力デバイスは、最終的には、文字を点の集まり―すなわちビットマップで表現している。ビットマップフォントは、これをそのままフォント情報として記録したもので、例えば16×16ドットという様な、予め一定の数の点を使って文字をデザインする。これがそのままストレートに出力できる場合には、デザイン通りの美しい文字を高速に出力することができるのだが、拡大縮小が伴なう場合には、出力品質が大幅に低下してしまう。言い換えると、品質を保つためには様々な解像度やサイズに合わせてデザインしたデータを持たなければならないということである。

 一方のベクトルフォントは、文字イメージそのものではなく、それを描くための方法が記録されたもので、出力時には文字の大きさや解像度に合わせて、最終的な出力イメージであるビットマップデータを生成する。

 ビットマップデータはラスタデータ(raster data)とも呼ばれ、これを生成する処理をラスタライズという。ベクトルフォントは、このラスタライズという余分な処理が必要になるが、その都度最適なデータを生成するため、ひとつのフォントデータで様々な解像度やサイズに合った高い品質の文字出力を得ることができる。ちなみに、このように品質を落とすことなく文字の拡大縮小が可能なことから、ベクトルフォントはスケーラブルフォント(scalable font)と呼ばれることもある。

 Windowsでは、「Courier」や「MS San Serif」など(フォントファイルが[A]というアイコンで表示されるフォント)がビットマップフォント、「MSゴシック」や「MS明朝」など([TT]というアイコンで表示されるフォント)が、TrueTypeフォントと呼ばれるベクトルフォントである。

(※1)一般に使われているベクトルフォントは、文字のアウトラインを示すいくつかの座標と、それを結んで輪郭を描くための数式という形でデータを記録している。なお、一般にはあまり使われないが、同じ「文字の描き方」でも、筆記具で文字を書く時の様な線のストロークを記録するタイプもある。こちらは「ストロークフォント」といい、図面などを実際にペンを動かして印刷するプロッタで、このストロークフォントが用いられる。

【参考】
□TrueTypeフォント
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980317/key22.htm#TrueType


11月30日

■■NEC、Crusoe搭載Lavie MXをリコール
  ~対象製品284台のマザーボード交換で対応
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001130/nec.htm

リコール(recall)

 欠陥のある製品を回収し修理すること。

 製品の欠陥によって発生する事故を未然に防ぐために、メーカーなどが情報を公開した上で、該当製品を回収、修理や交換などを行なうことをリコールという。自動車のようにリコール制度が法制化されている製品(※1)もあるが、一般的な製品の場合には、メーカーが自主的に行なっており、告知は、各種メディアや登録ユーザーに対するダイレクトメールなどを使って行なわれている。なお、一般製品のリコール情報や製品事故を扱う公的機関としては、通商産業省製品評価技術センターや国民生活センター、地方自治体の消費生活センターなどがある。

(※1)自動車のリコール制度は、運輸省の省令に基づき'69年から実施されていたが、'95年に道路運送車両法に盛り込まれた。インターネット上では、'98年からリコール情報のデータベースが公開されている。

□事故情報ページ(通商産業省製品評価技術センター)
http://www.jiko.nite.go.jp/
□回収・無償修理(国民生活センター)
http://www.kokusen.go.jp/recall/index.html
□リコール商品情報(愛媛県生活センター)
http://www.pref.ehime.jp/ecc/attend/index.htm
□自動車リコール情報(運輸省)
http://www.motnet.go.jp/carinf/ris/

[Text by 鈴木直美]


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