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■■東芝、Rambusとライセンス契約を締結
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000619/rambus.htm
●DDR FCRAM(Double Data Rate Fast Cycle RAM)
メモリコアに富士通が'98年に発表した内部動作をパイプライン化したFCRAMを、メモリインターフェイスに、クロックの立ち上がりと立ち下りに同期して動作するDDRを採用したDRAM(SDRAM)。
DRAMのメモリセルは格子状に並べられており、列と行のアドレスを指定して特定のセルにアクセスする仕組みになっている。個々のセルは、FETのスイッチと電荷を蓄えるためのコンデンサで構成され、このコンデンサの充電状態でビットの状態を記憶する。最終的には、コンデンサの充放電という形でメモリの読み書きが行なわれる。
そのためには、アドレスを確定、所定のスイッチをONにし、センスアンプと呼ばれる検出用の増幅器で電荷を検出して、データを読み出す……といった手順を踏まなければならない。
これまでのメモリ高速化技術は、1行分のセルをまとめてセンスアンプで検出した後、いかに高速に転送するかという、バースト転送の性能に主眼が置かれていた。例えば一般的なSDRAM(※1)はクロックに同期して、DDR SDRAMはクロックの立ち上がりと立ち下りに同期して高速に転送できる。
しかし、それはあくまでセンスアンプで検出済みのデータが対象であり、検出が終わるまでのタイミングは、DRAM本来の性能に依存する。つまりデータを転送し始めると速いが、読み出すまでの時間や異なる行アドレスへの移行、読み書きが交錯するような場合には、ただのDRAMと同じである。
FCRAMは、メモリコアを独立して動作する複数のバンクで構成し、交互にアクセスするインターリーブや、一連のアクセス手順を分割し、バケツリレー式に連続処理が行なえるようにするパイプライン化の手法を採用。メモリアクセスに伴なうオーバーヘッドを大幅に削減している。DRAMそのもののアクセス性能を向上しており、ランダムアクセスタイム30ns(※2)という高速な製品が出荷されている。
(※1)DDRに対し、SDR(Single Data Rate)と呼ぶこともある。
(※2)一般的なPC100/133仕様のSDRAMの場合、ランダムアクセスは60~70ns。
【参考】
□FPM DRAM、EDO DRAM、SDRAM
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980701/key36.htm#fpm-dram
□PBSRAM(Pipelined Burst SRAM)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980715/key38.htm#PBSRAM
□VC SDRAM(Virtual Channel Synchronous DRAM)~NECの高速コア技術を使ったSDRAM
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980826/key43.htm#VC_SDRAM
□パイプライン(CPUの解説)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981021/key51.htm#pipeline
■■本田雅一の週刊モバイル通信
Palmにはない可能性を持つ「Visor」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000620/mobile56.htm
●IrCOMM(IrDA Infrared Communications Protocol)
アシアールコム
シリアルポートやパラレルポートを使う通常のアプリケーションが、そのままIrDA(Infrared Data Association)の赤外線通信を利用できるようにするための、エミュレーション規格。
IrDAは、Hewlett-Packard、IBM、Microsoft、シャープなどが中心となって、'93年に設立された赤外線通信の標準化団体であり、ここで策定された規格を総称してIrDAと呼んでいる。
規格は、ハードウェアの仕様を規定した物理層の規格(IrPHY~IrDA Physical Signaling Layer)。接続相手を見つけてコミュニケーションを確立するリンクアクセス層の規格(IrDA Link Access Protocol)。1つのリンクを複数のアプリケーションが利用できるようにするリンクマネージメント層の規格(IrLMP~IrDA Link Management Protocol)、フロー制御の規格(TinyTP~Tiny Transport Protocol)などから成り、その上に、実際にさまざまなアプリケーションから利用するための、アプリケーション規格が用意されている。
IrCOMMは、このアプリケーションプロトコルの1つで、ケーブルで接続していたモデムやプリンタなどをそのまま赤外線通信に置換えられるように、インターフェイスのエミュレーションを行なう。
シリアルポートには送信、受信、グランドの単純な3線式接続「3-Wire raw」、XON/XOFFなどのキャラクタフロー制御をサポートする3線式接続「3-Wire」、各種制御線もサポートした、9ピンのシリアルポート互換の「9-Wire」を定義。パラレルポートには、ECP(Extended Capabilities Port)やEPP(Enhanced Parallel Port)などを含むIEEE-1284準拠の「Centronics」を定義。2線式接続相当のIrDAで、これらインターフェイス特有の信号処理とコミュニケーション方法がエミュレートできるようになっている。
□IrDA
http://www.irda.org/
【参考】
□IrDA
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971028/key4.htm#irda
□IEEE-1284、ECP、EPP
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980421/key27.htm#parallel-port
■■「世界が変わるお手伝いをしたい」アドビ新社長 堀昭一氏会見
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000621/adobe.htm
●SVG(Scalable Vector Graphics)
エスブイジー
W3C(World-Wide Web Consortium)で標準化が進められている、ベクターグラフィックスを記述するためのXML(eXtensible Markup Language)ベースの言語。
画像を、小さな点の集まりで表現する形式をラスターグラフィックス(raster graphics[※1]~ビットマップグラフィックスとも)という。デジタルカメラやスキャナなどの入力系から、画面や印刷などの出力系まで、あらゆる場面で利用されている、画像そのものをサンプリングしたデータである。
これに対し、画像を線で描かれた図形の集まりとして扱い、その描き方をデータ化するタイプがある。これをベクターグラフィックスといい、ドロー系のソフトやCADソフトのデータ、身近なところではTrueTypeフォントがこの形式を採っている。中身は、あくまで描き方のデータなので、ディスプレイやプリンタなどに出力する際には、この描き方に従ってラスターデータを生成する(ラスタライズ[※1])。出力デバイスの解像度やサイズに合わせ、その都度画像を描き直しているので、歪の無い解像度に合った最適な出力が得られるというのが大きな特徴となっている(※2)。
SVGは、このベクターグラフィックスを扱うための標準フォーマットとして、'98年に提案されたPGML(Precision Graphics Markup Language[※3])とVML(Vector Markup Language[※4])を基に、各社が共同で開発にあたっているもので、'99年2月に最初のドラフトを公開。現在は、1.0のドラフトが公開されている。仕様的には、汎用的なマークアップ言語であるXMLを使って作成されたテキストベースのフォーマットで、図形やテキストを使った画像の描画のみならず、アニメーションやフィルタエフェクト、スクリプトなどもサポート。Webサイトでよく使われているMacromedia Flashのようなことを、標準フォーマットとして実現できるようになっている。
(※1)出力デバイスのほとんどが、ビットマップを扱うラスター系のデバイスであるため、一般にラスタライズが必要となる。しかし、ペンを動かして描画するペンプロッタのようなベクター系のデバイス(初期のコンピュータではディスプレイもベクター系だった)の場合には、ラスタライズのプロセスは無い。
(※2)ベクターグラフィックスの場合も、座標の緻密さや描き方次第で歪が生ずる。例えば、扱える座標が緻密であればあるほど、拡大(高解像度)時の歪を抑えられるが、逆に縮小(低解像度)時には、データの間引きによる歪が生じやすくなってしまう。この両極端な環境をサポートしなければならないフォントの場合、何を間引くかは非常に重要な問題であり、一般に、ヒント情報と呼ばれる補正情報を備えている。
(※3)Adobe Systemsが提案し、IBMやNetscape Communications(現在はAOL)、Sun Microsystemsなどが支持していた言語。
(※4)Autodesk、Hewlett-Packard、Macromedia、Microsoft、Visio(現在はMicrosoft)が共同で開発した言語。
□SVG概要(W3C)
http://www.w3.org/Graphics/SVG/
□仕様書(W3C)
http://www.w3.org/TR/SVG/
【参考】
□XML
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980610/key33.htm#XML
□TrueType
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980317/key22.htm#TrueType
■■後藤弘茂のWeekly海外ニュース
SCEI、プレイステーション2のグラフィックスライブラリを今秋リリース
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000623/kaigai01.htm
●デバッガ(debugger)
プログラムをデバッグ(debug)するためのツール。
プログラムの誤りを総称してバグ(bug)といい、バグを取り除く作業をデバッグという。デバッガは、このデバッグを行なうためのツールで、プログラムを任意の位置や任意の条件で停止させたり、1ステップずつ実行したり、メモリやレジスタ(※1)の内容を確認したり操作したりといった様々な機能を提供し、プログラムの挙動を追跡できるようになっている。
身近なところでは、Windowsに付属している(とういうかMS-DOS時代からの付属品)debug.exeもその1つだが、一般には開発環境に統合され、ソースコードレベルで操作出来るものが使われる。
【バグ関連用語】
・マイナーバグ(minor bug) = 小さなバグ
・バグフィックス(bug fixed) = バグが修正されたこと
・バギー(buggy) = バグが多いこと
(※1)CPU内部にある、演算などに使用する高速なメモリ。
【参考】
□コンパイラ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000316/key112.htm#compiler
□ソースコード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980127/key15.htm#SourceCode
[Text by 鈴木直美]