鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第15回:1月19日~1月23日


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●キーワード


1月20日

■■松下電器、DVD-RAMドライブの発売を4月に延期
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980120/dvdram.htm

DVD-ROM
ディーブイディーロム

 DVDフォーラム(旧DVDコンソシアム)が1996年に策定した、読み出し専用のDVD規格。
 CDファミリーにかわる次世代のメディア規格として、オランダのPhilips社とソニーは、94年12月にMMCD(Multimedia CD)規格を発表。翌95年1月には、東芝や松下電器産業など7社がSD(Super Density Disc)規格を発表した。商品化に向け、主導権争いが激化することが予想された両派だったが、その年の9月には規格を一本化することで合意。翌年9月に最初の正式規格として、このDVD-ROMとDVD-Videoのバージョン1.0仕様がリリースされた。

 DVDは、古くはDigital Video Diskと呼ばれていたこともあり、一般に「DVD」といえば、ファミリーのひとつであるDVD-Videoを指していることが多い。DVD-VideoもDVD-ROMも、メディアそのものの仕様や記録フォーマットは同一のものを使用しており、DVD-ROMの規格に、ビデオ用のアプリケーションフォーマット規格を加えたものが、DVD-Video、オーディオ用のアプリケーションフォーマット規格を加えたのがDVD-Audio(現在策定中)と考えて差し支えない(DVD-RAMやDVD-Rは物理的な仕様が異なる)。

 使用するメディアは、CDと同じ直径12cmのディスクで、厚さも同じ1.2mm。ただしDVDの場合は、0.6mmのディスクを2枚貼り合わせた構造になっており、片面単層から両面2層までの4種類の構造が規定されている。回転制御方式は、CDと同じCLV(本連載第5回「CAV」を参照)で、それぞれの容量は以下のようになっている。

片面単層(DVD-5)4.7GB1枚にピットを形成しもう1枚を貼り合わせる
片面2層(DVD-9)8.5GB張り合わせる2枚にそれぞれピットを形成
両面単層(DVD-10)9.4GBピット面をディスクの両面に生成
両面2層(DVD-18)17GB片面に2層のピット作成し貼り合わせる

 ディスクのボリュームレベルのフォーマットには、OSTA(Optical Storage Technology Assosiation)のUDF(Universal Disc Format)およびISO-9660に準拠したものが採用されており、DVD-Videoのビデオファイルも、コンピュータの各種ファイルも、この上に同じように格納されている。

□DVD Forum
http://www.dvdforum.org/
□DVD Home Page(東芝)
http://eiplaza.toshiba.co.jp/dvd/j/
□OSTA(Optical Storage Technology Assosiation)
http://www.osta.org/


 
DVD-RAM
ディーブイディーラム
 DVDフォーラムの「DVD-RAMワーキンググループ」11社(日立製作所、東芝、松下電器産業、ソニー、三菱電機、パイオニア、日本ビクター、Philips Electronics、Thomson Multimedhia、Eastman Kodak、Hewlett-Packard)によって97年に策定された、書き換え可能なDVD規格。

 DVD-RAMは、CDに対するCD-RWに相当するDVDの規格で、ディスクの構造は、DVD-ROMでいうところの単層構造のみ。ZCLV(本連載第5回「CAV」を参照)と相変化記録方式(本連載第12回の「CD-RW」を参照)を使用し、片面で2.6GB、両面で5.2GBの記憶容量を持つ。メディアは、基本的には保護用のカートリッジに納めたスタイルで使用するが、片面ディスクに関しては、トレイ式のDVD-ROM装置でも使用できるように、カートリッジから取り出すことも可能である。ただし、当初は互換性を持つ筈だったが、DVD-RAMの物理フォーマットの規格統一が難航したため(松下/東芝の「ランドグルーブ方式」とソニー/フィリップスの「トラック・ウォーブル方式」の折衷案として日立製作所が提案した「ウォーブル・ランドグルーブ方式」を採用)、先行発売されていたDVD-ROMでは、フォーマットに未対応のため読み出すことはできない。

□DVD Forum
http://www.dvdforum.org/
□DVD Home Page(東芝)
http://eiplaza.toshiba.co.jp/dvd/j/
□書き換え可能な大容量光ディスク関連記事インデックス
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/970904/rw.htm


1月22日

■■デル、同社初のNet PCと液晶ディスプレイ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980122/dell.htm

Net PC (Network PC)
ネットピーシー
 Compaq、Dell、Hewlett-Packard、Intel、Microsoftが共同で策定し、97年に発表されたネットワーククライアント向けのPC規格。PC 98規格(本連載第4回参照)に追加された新しいカテゴリのひとつであり、オラクルが提唱したNCの対抗策という見方もされている。

 システムの基本仕様に関してはPC97/98に準じたものだが、システムの管理面やセキュリティ面が強化されているのが、Net PCの大きな特徴だろう。例えば、システムの様々なコンフィギュレーションをはじめ、起動やシャットダウン等もリモートから操作できるように設計されており、システム管理者がエンドユーザーのマシンを集中的に管理できるようになっている。筐体も、ユーザーが本体を開けて勝手にハードウェアを変更できないようなものを採用。アプリケーションのインストールやデータを持ち出すことができないように、リムーバブルメディアそのものを廃止、もしくはハードウェアレベルでアクセスを制限する機能を用意している。

 Net PCは、エンドユーザーがシステムに介入することなく(あるいは介入できないようにし)、管理者側で全てを集中的に管理するためのシステムであり、使う側と管理する側を明確に分けたいところや、そうすることによってシステム全体の運用にかかるコスト(TCO~Total Cost of Ownership)を削減できるような環境には、有効な選択肢かも知れない。

□Hardware Developer Open page
http://www.microsoft.com/hwdev/
□Network PC System Design Guidelines(規格書のダウンロードページ)
http://www.microsoft.com/hwdev/netpc.htm
 


1月23日

■■ネットスケープ社が「Netscape Navigator」の無償配布開始
http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/980123/freenn.htm

ソースコード(source code)
 プログラムの形態のひとつで、CやC++などの高級言語やアセンブリ言語などを使い、人間が読み書きできる形で書かれたものを指す。ユーザーがふだん利用している、直接実行することができる形のプログラムは、コンパイラやアセンブラを使ってこのソースコードをマシンが読み取れる形に翻訳したもので、こちらは、オブジェクトコードと呼んでいる。

 プログラムの仲間には、ユーザーが書いたソースコードを、そのまま別のプログラムが解釈して実行するスタイルのものもある。このようなタイプは、一般にスクリプトと呼んでおり、WWWのCGIによく使われているPerlのプログラムや、HTML内に直接記述するJavaScriptなどがこれにあたる。ユーザーにとっては、もっとも手軽に利用できるプログラムであるスクリプトだが、人間に都合のよい可読性の高い文字列を、逐次解釈して実行するのは、プログラムにとっては負担の大きい作業であり、処理速度がはどうしても遅くなってしまう。そこで、解釈して実行する側のプログラムにとって都合の良い形にいったん変換(例えば文字列の命令をバイトコードにしてしまう等)しておくタイプもある。この場合には、それぞれソースコードとオブジェクトコードになるわけだが、マシンとの間に入るプログラム用に翻訳したコードであることを示すために、中間コードと呼ぶこともある。代表的なものには、Visual BasicやJavaの実行プログラムがこのスタイルをとっている。

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp