鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第51回:10月12日~10月16日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


10月12日

■■ウイニングラン、MacintoshをWindowsのネットワークに接続するソフト
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981012/wrun.htm

SJIS(Shift JIS)
エスジス、シフトジス

 MS-DOSやWindows、Macintoshなどで用いられている日本語文字コード。
 MS-DOSの日本語化に際し、Microsoftとアスキーによって作られた2バイト(16bit)の文字コード体系で、MS漢字コードともいう。2バイトコードの上位バイトに、JISの8bitコードセットの未定義部分である81h(129)~9Fh(159)とE0h(224)~FCh(252)を使用、下位バイトには40h(64)~7Eh(126)と80h(128)~FCh(252)を使用して、JISの文字セット(X0208)のコードをそのまま置き換えた仕様になっている。

 JISの日本語コードは、7bitの文字コードと同じ21h(33)~7Eh(126)を2バイト使い、エスケープシーケンスと呼ばれる特別なコードの並びを使って、文字セットを切り替えるスタイルが採られている。シフトJISでは、第1バイト目に未使用コードを使うことによって、このような余分な手順を排し、文字操作が容易に行なえるようになっている。ただし、コードセットそのものを切り替えるやり方と違って、格納できる文字数に限界があるため、事実上これ以上の拡張を行なうことはできない。F040h(61504)以降は空いているが、外字領域などに用いられている。


10月14日

■■後藤弘茂のWeekly海外ニュース「怒濤のx86ラッシュ」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981014/kaigai01.htm

パイプライン (pipeline)

 命令の実行に必要な処理を小さなステップに分け、それぞれを個別のユニットが流れ作業の様に処理していくことによって、CPUの処理速度を向上させる技術。

 CPUが命令を実行する際には、命令を読み込み(fetch)、それを解釈し(decode)、実行し(execution)、結果を書き込む(write back)――というような一連の手順を踏む。この様な処理の単位をステージといい、単一のユニットが全てを行なう場合には、一つの命令の実行時間は、各ステージの処理に必要なクロックの総和であり、一連の命令の実行は、常にその命令数分の時間が必要となる。

 パイプライン化されたCPU内では、各ステージの処理を専門のユニットが担当しており、自分の担当分が終わると、逐次別のユニットに渡していくスタイルになっている。処理を終えたユニットは、すぐに次の処理にかかれるため、一つの命令の実行時間そのものは変わらないが、各ステージの処理がオーバーラップする分だけ、一定時間内に処理できる命令数は増え、全体の処理時間を短縮することができる。ただし、先行する命令の結果に依存する処理や分岐命令などがあると、流れ作業がスムーズに機能しなくなる。

 x86系では、486以降のCPUでこのパイプラインの手法が採りいれられており、486やPentiumは5ステージ、MMX Pentiumは6ステージで構成されている(前述のステージのデコード部分が2ステージに分かれている)。


スーパースカラー(superscalar)

 パイプラインを複数本備え、命令を並列実行することによってCPUの処理を高速化する技術。

 x86系ではPentiumからこのスーパースカラー技術が採りいれられており、Pentiumでは、整数演算用の2本のパイプラインを使って、2命令を同時に実行することができる。


10月16日

■■ネットジャパン、20GB以上のHDDにも対応した「PartitionMagic」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981016/pmagic.htm

FAT64(File Allocation Table 64)

 Windows NTがサポートする、1クラスタ64KBの16bit FATファイルシステムの俗称。
 FATファイルシステムでは、ディスクを1つ以上の連続するセクタをまとめたクラスタ(cluster)という単位で管理している。このクラスタの状態を記録しておくための、クラスタと1対1に対応するエントリを持つ管理テーブルをFATという。MS-DOSやWindowsがサポートする16bit FATは、各エントリのサイズが16bitあり、65,526クラスタ(予約値を除く)の管理が可能となっている。

 ひとつのクラスタに含まれるセクタ数は2のべき乗の値をとるが、通常の16bit FATでは32KB(512バイト×64セクタ)がその上限となっているため、1パーティションは2GBに制限される。Windows NTでは、64KBのクラスタもサポートしており、1パーティションの上限は4GBに拡大されている。

 なお、一般にいう「FAT16」や「FAT32」は、FATのエントリがそれぞれ16bit、32bitであることを示しているが、FAT64は64bitというわけではなく、実体は「FAT16」である。

【参考】
□FAT32X
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980701/key36.htm#FAT32X
□FAT16
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980610/key33.htm#FAT16
□FAT32
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980610/key33.htm#FAT32


■■アイ・オー・データ、PC-9821用K6-2/333搭載CPUアクセラレータほか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/981016/iodata.htm

RS-232C(Recommended Standard 232 revision C)
アールエスニーサンニシー

 EIAが策定した、DCE(Data Circuit terminating Equipment~回線終端装置)とDTE(Data Terminal Equipment~データ端末装置)を接続するためのシリアルインターフェイスの規格。

 名称の「RS-232」は、'69年に策定された当時のEIA勧告の呼び名で、「C」はその3番目のリビジョンであることを表している。規格そのものはその後、'87年に「D」、'91年に「E」、'97年に「F」と改訂され、現在は「ANSI/TIA/EIA-232-F」となっているが、一般には現在も「RS-232C」あるいは単に「RS-232」と呼んでいる。

 DCEはモデムの様な回線に直接接続するデバイスを指し、DTEはそれを使って実際にコミュニケーションを行なうパソコンなどのことをいう。すなわちこのRS-232Cは、標準的なパソコンやモデムに備わっている、あのシリアルインターフェイスの規格のことである。正規の規格は、同期通信用のクロックやマルチポイント通信用のバックワードチャンネルを備えたインターフェイスで、その電気特性と回路を定義したものであるのに対し、現在一般に「RS-232C」といわれているものは、ポイントツーポイントの非同期通信に特化し、最小限の回路を9ピン(EIA/TIA-574)または25ピン(EIA/TIA-562)のD-Subコネクタに配線したものとなっている。

 EIA-232は、15m以内20kbps以下の伝送を想定した規格で、同様のものはITU-TのV.24、V.28、ISOのISO-2110、JISのX5101などでも規定されており、ISOやJISの規格にはコネクタの仕様(同じ25ピンD-Subだがネジはインチとミリで異なる)も含まれている。

□EIA(Electronic Industries Alliance~米国電子工業会)
http://www.eia.org/
□ISO(International Organization for Standardization~国際標準化機構)
http://www.iso.ch/
□JSA(Japanese Standards Association~財団法人日本規格協会)
http://www.tokyo.jsa.or.jp/

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp