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鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第124回:6月12日~6月16日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


6月12日

■■ダイジェスト・ニュース(6月12日分)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/digest/

PAL方式(PAL~Phase Alternating Line)
パルほうしき

 西欧を中心に普及しているカラーテレビジョン方式。
 現在のアナログテレビジョン放送は、国によって、映像のカラー方式や音声の変調方式、ステレオ方式、使用する周波数帯や帯域幅、チャンネルの割り当てなどが異なる。映像を再生するためのカラー方式には、日本や米国などで採用されているNTSC(エヌティーエスシー)方式。ロシアや東欧などのSECAM(セカム)方式。そしてこのPAL方式があり、PAL方式は、イギリスやドイツ、イタリアなど西欧諸国とオーストラリアや中国などで採用されている。

【カラー方式の諸元】
NTSCPALSECAM
走査線数(本)525625625
フレーム数302525
インタレース2:12:12:1
アスペクト比4:34:34:3


6月13日

■■富士通パーソナルズ、プライベートショー「Presentation 2000」を開催
  ~MMCスロット搭載のカセット型MP3プレーヤーなど~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000613/fjp.htm

周波数ホッピング方式(Frequency Hopping [FH]、Spread Spectrum [FH-SS])

 スペクトル(スペクトラム)拡散方式のひとつ。FHSS(Frequency Hopping Spread Spectrum)またはSSFH(SSとの間にハイフンが入ることもある)。

 データは変調して電波に乗せて伝送する。例えば、デジタル値の0と1の状態を、電波の振幅(ASK~Amplitude Shift Keying)や周波数(FSK~Frequency Shift Keying)、位相(PSK~Phase Shift Keying)などに割り当てて伝送するのである(※1)。スペクトル拡散方式は、このような変調波をより広い周波数帯域に拡散して通信する方式で、秘話性が高く干渉に強いという特性を持っている。

 FH方式は、DS(Direct Sequence または Spread~直接拡散)方式とともに広く用いられている、広帯域に拡散する手法で、使用する周波数帯を短い時間で次々に切り換えていく。身近なところでは、1Mbpsや2Mbpsの無線LAN(IEEE 802.11)の一部(※2)や、各種デバイスを無線で接続するBluetoothがこの方式を採用。ともに、2.4GHz帯を1MHz間隔で23ないし79の帯域に区切り、無線LANでは224μ秒間隔で、Bluetoothでは625μ秒間隔で周波数をホップする。

(※1)一般には、PSKやPSKとASKを組み合わせたQAM(Quadrature Amplitude Modulation~直交振幅変調)がよく用いられている。

(※2)802.11では、FH、DSの両方式を採用。11Mbpsの802.11bでは、DS方式のみとなっている。

【参考】
□DSSS(Direct Sequence Spread Spectrum)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991125/key99.htm#DSSS
□Bluetooth
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/990826/key89.htm#Bluetooth
□無線LAN(IEEE 802.11)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/991007/key93.htm#IEEE_802


6月16日

■■Seagate、ATA/100対応5,400回転/分HDDは7月から量産
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20000616/seagate.htm

ATA/100
エーティーエー、あるいはアタ

 Quantumが2000年6月に発表した、最大転送レート100MB/秒をサポートするATAインターフェイスの拡張規格。Ultra DMAのMode 5として、ATA/ATAPI-6に採用される予定。

 ATAは、Compaqが中心となって開発したディスクインターフェイス「IDE(Integrated Device~またはDrive~ Electronics)」をもとに、ANSIで標準化が進められているもので、現在は、NCITS(National Committee on Information Technology Standards)のT13技術委員会で標準化作業が行なわれている。

 このATAには、4種類のデータ転送方式があり、それぞれにいくつかの異なるタイミングが規定されている。転送方法は、CPUが転送を行なうPIOと、CPUによらないDMA転送があり、DMA転送はさらに、1回のDMAリクエストに対し1回の転送を行なうSingle word DMA(ATA-3から廃止)と、複数回転送を行なうMulti word DMAがある。Multi word DMAでは、所定の信号線のOFF/ONで転送のタイミングをとっているが、OFFの時とONの時にそれぞれ1回転送を行なう――すなわち、1サイクルで2回転送を行なうダブルデータレートタイプを特にUltra DMAと呼んでいる。

 Ultra DMAは、'98年にANSIの標準規格となったATA/ATAPI-4(ANSI NCITS 317-1998)ではじめて盛り込まれた転送方式で、規格では、Mode 0~2の3種類のタイミングモードを規定。最も高速な120ns(ナノ秒:1秒=1,000,000,000ns)のMode 2では、1秒間で最大「1,000,000,000÷120ns×16bit×2回=33,333,333.33……バイト」を転送することから、Ultra DMA/33あるいはATA/33と呼ばれている。

 NCITSでレビュー中のANSI規格案ATA/ATAPI-5では、より高速な転送を実現するために、特性を改善した新しいインターフェイスを規定。80コンタクトのケーブルを用いるこのインターフェイスを前提に、転送タイミングをさらに縮めた2つのUltra DMAモード(Mode 3,4)が追加された。最大転送速度は66.7MB/秒にアップし、これを Ultra DMA/66(ATA/66)と呼んでいる。

 ATA/100は、ATA/66の60nsから、40nsとタイミングをさらに短縮した新しいモードで、策定中のATA/ATAPI-6の拡張規格として提出。これをサポートするアダプタやHDDが、同時期に各社が一斉にリリースしている。

【ATAの転送モード】
転送方式モード転送サイクル
(ns)
最大転送速度
(MB/s)
ATA-1ATA-2ATA-3ATA/ATAPI-4ATA/ATAPI-5ATA/ATAPI-6
PIO06003.3
13835.2
22408.3
318011.1
412016.7
Single word DMA09602.1
14804.2
22408.3
Multi word DMA04804.2
115013.3
212016.7
Ultra DMA024016.7
116025.0
212033.3
39044.4
46066.7
540100.0

□Technical Committee T13
http://www.t13.org/
【参考】
□IDE
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980805/key41.htm#IDE
□ATAPI
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971105/key5.htm#atapi
□Ultra DMA
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/971014/key2.htm#ultaradma
□Ultra DMA(ATA)/66
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980903/key44.htm#Ultra_ATA/66

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp