鈴木直美の「PC Watch先週のキーワード」
第33回:6月1日~6月5日


■■キーワードが含まれる記事名
●キーワード


6月2日

■■「塩田紳二のMSサイトWatch」 第9回:5月1日~5月31日まで
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980602/mssite9.htm

XML (eXtensible Markup Language)
エックスエムエル、拡張可能なマーク付け言語
 W3C(World-Wide Web Consortium)のXMLワーキンググループによって策定され、'98年2月に正式な勧告となった、インターネット用のマークアップ言語。

 WWW(World-Wide Web)で閲覧しているドキュメントは、HTML(HyperText Markup Language)というマークアップ言語を使って記述している。具体的には、文書の中に<H1>というようなタグを埋め込み、文書構造やデザインなどの情報が記述できるようになっている。HTMLが、このような定義済みのタグを使ってドキュメントを記述する言語であるのに対し、XMLは定義の仕方を規定した規格である。すなわち、HTMLのようなものを作成するための手段を提供する言語である。XMLは、国際規格(ISO 8879)の汎用的なマークアップ言語「SGML(Standard Generalized Markup Language)」から、インターネットアプリケーションには不要な部分を削ぎ落とし、簡単に扱えるようにしたサブセットになっており、W3Cが策定した数式記述用のMathML(Mathematical Markup Language)やマルチメディア配信用のSMIL(Synchronized Multimedia Integration Language)、Microsoftのアクティブチャンネルで使われているCDF(Channel Definition Format)や、アプリケーション配信用のOSD(Open Software Description)なども、このXMLを使って作られている。

□XML(W3C)のページ
http://www.w3.org/XML/


■■B.H.A.、Windows用フォーマットユーティリティ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980602/bscrew.htm

FAT16 (File Allocation Table 16)
FAT32 (File Allocation Table 32)
ファット16/32、16/32ビットファット
 MS-DOSやWindowsで使われている、FATファイルシステムの種類。

 FATファイルシステムでは、ディスクを1つ以上の連続するセクタをまとめたクラスタ(cluster)という単位で管理している。このクラスタの状態を記録しておくために、ディスク上のクラスタと1対1に対応するエントリを持つ管理テーブルが用意されており、これをFATと呼んでいる。ファイルシステムは、このFATとディレクトリ領域(ルートディレクトリ)、データ領域から成り、データ本体をデータ領域に格納(サブディレクトリはディレクトリエントリを中身に持つ特殊なファイル)。ディレクトリ領域には、ファイル名等の情報とともに、格納したデータの最初のクラスタを指す番号を記録する。該当するFATには、ファイルの最終クラスタであることを示す特別な値や、チェインするクラスタの番号を記録して、複数のクラスタに分散されたデータのつながりを示す仕組みになっている。

 16や32という数字は、FATの各エントリのサイズを表している。MS-DOSが最初に採用したのは12bitで、この時の管理可能なクラスタ数は4,087個までとなる(12bitは0~4,095までの4,096種類の値を表現できるが、アドレッシングに利用できるのは、予約値を除く4,087個)。ひとつのクラスタに含まれるセクタ数は、2のべき乗の値をとるので、1セクタ512バイトの現行ディスクのクラスタサイズは、512、1K、2K、4K、8K、16K、32Kのいずれかとなる。したがって、FAT12で管理可能な最大容量は、約128MBと計算できるのだが、セクタ数のカウントが16bitであるため、実際の上限は32MBまでである。

 DOS Ver3からは16bit FATがサポートされ、管理クラスタ数は65,526(予約値を除く)に拡大。4.0からはセクタ数を32bitでカウントし、2GB(Windows NTは64KBクラスタをサポートするので4GB)までの容量を1パーティション(論理ドライブ)で扱えるようになった。

 Windows 95 OSR2(OEM Service Release 2)からは、さらに32bitに拡張されたFAT32が追加される(市販パッケージ版ではWindows 98/NT 5.0からのサポート)。クラスタのアドレッシングには、このうちの28bit分が使用され、268,435,456クラスタ(予約値を除く)までの管理が可能になる。クラスタサイズ32KB時には、8TB(1TB=1024GB)の容量が扱える計算になるが、セクタ数は32bitであるため、最大容量は2TBまでとなる。なお、Microsoftのサポートでは、4KB以上のクラスタサイズで、65,526以上のクラスタを扱う場合にFAT32が利用でき、標準では以下のパラメータが適用される。

パーティションサイズクラスタサイズ
260MB~8GB4KB
8GB~16GB8KB
16GB~32GB16KB
32GB~32KB


6月4日

■■メルコ、IDE HDDを接続可能なSCSIインターフェイスボード ほか
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980604/melco.htm

拡張INT13 (Interrupt 13 Extensions)
イントイチサン
 IBMとMicrosoftによって新しく追加された、ディスクBIOSのファンクション。大容量ドライブのサポート、リムーバブルメディアのロック、イジェクト等の機能を提供する。

 ハードディスクやフロッピーディスクなどの一般的なディスクは、ディスク上にトラック(track)という同心円状の記録領域が作られ、ディスクアクセスは、このトラックを512バイトのブロックに分けたセクタ(sector)という単位で行なっている。1枚のディスクには通常2面、複数枚のディスクで構成されるハードディスク等には、さらに多くの記録面があるが、各面の同じ位置にあるトラックをまとめてシリンダ(cylinder)といい、ディスクには、各面に対応したヘッド(head)が用意されている。

 「INT13」は、PCのBIOSが提供する、ディスクサービスのインターフェイスで、旧来からのオーソドックスなサービスでは、シリンダ、ヘッド、セクタの3つのパラメータを使って、ディスク上の特定の位置を指定する(それぞれの頭文字をとってCHSという)。それぞれの値は、シリンダが10bit(1,024)、ヘッドが8bit(256)、セクタが6bit(セクタのみ1から数えるので63)となっており、最大で約7.8GB(※)のディスクを扱うことができる。IDEドライブにも同様の制限(H=4bit C=16bit S=8bit)があり、こちらは最大で127.5GBまで対応することができる。ただし、CHSで直にアクセスする場合には、パラメータはBIOSとIDEの双方の許容範囲内に納まっていなければならないため、最大ディスク容量は504MBに制限される。

BIOSの上限IDEの上限接続ディスクの上限
シリンダ1,02465,5361,024
ヘッド2561616
セクタ6325563
容量7.8GB127.5GB504MB

 Enhanced IDE(EIDE)では、CHSパラメータの相互変換もしくは、BIOSのCHSをドライブのLBA(Logical Block Address~ディスクを一定単位の連続するブロックと考え、ブロックに割り当てた番号でアクセスする方法)に変換するやり方で、BIOSレベルの互換性を維持しつつ、BIOSのサポート限界である7.8GBまでのディスクをサポート。拡張INT13では、このLBAを直接使ってディスクにアクセスするファンクションが追加され、IDEの管理限界である127.5GBまでのディスクが扱えるようになっている。ただしこれを利用するためには、ドライブやBIOSはもちろん、OSもこれに対応していなければならない。Windows 95/98は標準でサポート、Windows NT 4.0は、Service Pack 3で対応している。

※ パソコンでは「1K=1,024」が一般的だが、ディスク業界では「1k=1,000」を用いることが多い。ここでは全て「1K=1,024」で算出しているが、例えば、ここで「7.8GB」としている値(8,455,716,864バイト)は、「1k=1,000」で換算すると「8.4GB」となる。

□Phoenix Technolgies Technical Specifications
http://www.phoenix.com/techs/specs.html


■■COMPUTEX TAIPEI '98レポート Vol.4 ~Librettoサイズのミニノートを展示~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980604/cmptx3.htm

ポートリプリケータ (port replicator)
 ノートPCで使われる、ポート拡張用のユニット。
 サイズに制限のあるノートPCでは、周辺機器の接続用に用意されている全てのポートに対し、正規のコネクタを実装するのはあまり現実的ではない。ディスプレイポートやプリンタポートの様な携帯時に不要なポートに関しては、本体にコネクタを実装する必要性は低いので、まとめて引き出せるようにしておき、使用する際には、ここにコネクタが装備された外部ユニットを接続して使うようになっている。これをポートリプリケータといい、ポートの他に拡張バスまで引き出し、拡張スロットや本体にはないインターフェイスを備えているものをドッキングステーションと呼んでいる。


■■後藤弘茂のWeekly海外ニュース ~「Katmai対K6-3」に向けて、疾走するIntelとAMD~
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/980604/kaigai01.htm

Direct RDRAM(Rambus DRAM)
ダイレクトラムバスディーラム、ダイレクトアールディーラム
 Rambus社が開発した、メモリインターフェイスにDirect Rambus技術を使用したDRAM(Dynamic Random Access Memory)。
 Direct Rambusは、同社が開発したRambusという高速インターフェイス技術の拡張プロトコルのひとつで、基本となるベースプロトコルをメモリインターフェイスに使用したDRAMは、単にRDRAM(Rambus DRAM)と呼ぶ。RDRAMは、現時点で600MHzという非常に高いバスクロックで動作する製品が出荷されており、ビデオボードのメモリをはじめ、任天堂のゲーム機(NINTENDO64)などにも使われている。PC本体のメモリとしても、SDRAMに代わる高速メモリとして注目されている。バス幅は8bit(パリティビット付きの場合は9bit)なので、最大転送能力は600MB/秒である。拡張版のコンカレントプロトコル(Concurrent Rambus)を用いた製品も出荷されており、こちらは700MHzのバスクロックで動作。バス幅は同じ8bitなので、最大700MB/秒の転送能力を持つ。ダイレクトプロトコル(Direct Rambus)では、バスクロックを800MHzにすると同時にバス幅も16bitに拡張され、最大で1.6GB/秒の転送速度を達成。量産出荷は'99年を予定している。

□Rambus Inc.のホームページ
http://www.rambus.com/
□ラムバス株式会社のホームページ
http://rambus.co.jp/home/

[Text by 鈴木直美]


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ウォッチ編集部内PC Watch担当 pc-watch-info@impress.co.jp