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Microsoft、12型になった「Surface Pro 3」を発表
~価格は799ドルより。日本でも発売が決定
(2014/5/21 00:29)
米Microsoftは20日(現地時間)、ニューヨークで発表会を開催し、Windowsタブレット「Surface」の新モデルとなる「Surface Pro 3」(以下、Pro 3)を発表した。
同社はPro 3を開発するにあたって、既存製品に対するあらゆるフィードバックを検討し、改善を盛り込んだ。その結果、タブレットでは腿の上で使いにくい、入力インターフェイスが制限されている、ノートPCはタブレットほど気楽に使えないという弱点を克服。また、思いつきを即座に書き留められる紙とペンのような使い勝手を盛り込んだ。
まず、Pro 3は外観が「Surface Pro 2」(以下、Pro 2)と大きく異なる。Pro 2は、アスペクト比16:9、1,920×1,080ドットの10.6型液晶だったが、Pro 3はアスペクト比3:2、2,160×1,440ドットの12型という他に類のない液晶を採用した。
サイズは大型化したが、厚みは13.5mmから9.1mmに薄くなり、重量は907gから800gへと軽量化。縦横は292.1×201.4mm。
【お詫びと訂正】初出時、Surface Pro 2の厚みを誤って掲載しておりました。お詫びして訂正いたします。
CPUは、Core i3/i5/i7から選択可能とされ、現時点でモデル・ナンバーは不明だが、新開発のファンを搭載したことにより、熱によるスロットリングを防ぎ、性能はPro 2よりも10%向上したという。このファンは薄型で、排熱を外に押し出すのではなく、周辺に配置されたフィンを冷却するという構造で、従来よりも効率を30%上げ、騒音はほとんど聞こえないとしている。
メモリはデュアルチャネルの4GBか8GB、SSDは64/128/256/512GBから選択可能。価格は799ドルからとなっており、最高のCore i7+メモリ8GB+512GB SSD構成では1,949ドル。米国およびカナダでは発表翌日の現地時間21日から受注、6月20日より出荷開始。また、日本を含むその他の地域でも8月末までに発売する。
そのほかの主な仕様は、Windows 8.1 Pro、IEEE 802.11a/b/g/n/ac無線LAN、Bluetooth 4.0、500万画素1080p動画撮影対応カメラ×2(背面+前面)、出力が40%増し前面に配置されたDolby Audio対応スピーカー、USB 3.0、microSDカードスロット、Mini DisplayPort、環境光センサー、加速度センサー、ジャイロスコープ、地磁気センサーなどを装備。バッテリはWeb閲覧時でPro 2より10%長い9時間持続する。
使い勝手の面では、背面のキックスタンドが進化し、20度から最大150度まで開くことができるようになった。150度開いた状態では、卓上でわずかに度傾いた状態になり、ペンなどでの作業が容易になる。
タイプカバーも進化し、磁石によってワンタッチで装着できる点は同じだが、ヒンジが二重構造となり、への字型に曲げることで、奥側の部分をPro 3の底辺部分に磁石でくっつけることもできるようになった。これによって、タイプカバーと本体が面でくっつくため、腿の上など不安定な場所で使っても、本体が外れる心配がなくなる。また、タッチパッドも面積を63%拡大し、摩擦を78%減らし、操作性を向上させている。
液晶はタッチに加え、「Surface Pen」という名称のデジタイザに対応。実は、液晶が大型化したのは技術上の制約などではなく、12型で3:2というサイズ/比率が紙のノートと同じになるからだ。そして、Surface Penによる操作も可能な限り紙の書き心地や使い勝手に近づけた。
具体的には、液晶とペン先の視差をなくすことで、ズレをなくし、遅延も低減。感度も向上させ、スムーズかつ繊細な手書きを行なうことができる。また、ペン利用時は手のひらが画面に触れても、タッチに反応しない「Palm Block」技術が盛り込まれている。
さらに新機能として、本体がスリープ中でも、Surface Penの先端をクリックすることで、「OneNote」が起動する機能を搭載。これにより、ボールペンの先端を押し込んで、紙に書き始めるのと同様のやり方でメモを取ることができる。また、ペンをダブルクリックすると、表示画面がキャプチャされ、OneNoteに転送。その上で、ペンで範囲指定すると、その部分が保存。そして、さらにペンをクリックすると、即座に内容がOneDriveに同期されるという具合だ。
このほか、オプションで、Gigabit Ethernetポート、4K出力対応のMini DisplayPort、USB 3.0×3、USB 2.0×2搭載のドッキングステーションや、1Gbpsに対応するEthernetアダプタなどが用意される。
なお、噂されていた小型版については発表はなかった。