デル株式会社は、14,980円の23型ワイド液晶ディスプレイ「E2313H」を発売した。
エントリータイプのEシリーズに属する液晶ディスプレイの23型モデル。「E2311H」の後継にあたり、デザイン面を一新したほか、集中管理ツール「Dell Display Manager」に対応し、故障時に良品を先に提供する「3年良品先出しサービス」が付属する。バックライトはLEDで、通常時の消費電力は24W。従来と同様に、ENERGY STAR、EPEAT Goldなどの環境基準に準拠する
主な仕様は、解像度1,920×1,080ドット(フルHD)、表示色数約1,677万色、応答速度5ms、コントラスト比1,000:1、輝度250cd/平方m、視野角が上下160度/左右170度。パネルはTN方式。
インターフェイスはDVI-D、ミニD-Sub15ピンの2系統。本体サイズは546.4×180.1×404.8mm(幅×奥行き×高さ)、重量は4.62kg。
デルは今回の新製品に合わせて、都内で記者会見を開催。同社のディスプレイ事業や9月の以降に投入した製品を解説した。
デル 河田浩行氏 |
デル株式会社 マーケティング統括本部 リレーション製品マーケティング本部 ブランドマネージャーの河田浩行氏は、「デルはトータルソリューションプロバイダーとして、周辺機器の充実で付加価値を与える」とし、ハードウェアベンダーからの変身を打ち出している同社として、周辺機器にも注力するとした。
IDCの調査によると、デルの国内ディスプレイ出荷台数は2007年から1位を維持しており、直近のデータも合わせて2012年も第1~3四半期で首位だという。2012年9月時点のシェアは16%。河田氏は「これに満足せず、よりシェアを拡大したい」とした。
デルの戦略としては、価格面で競争力があり、なおかつ最先端技術の投入、広視野角パネルの拡充、デザイン面の3つを大きな柱として拡充していくという。また、あらゆるニーズに対応可能な豊富なシリーズ、サポート体制、環境配慮設計などの特徴もアピールした。
周辺機器を充実させトータルソリューションプロバイダーへ | デルの国内ディスプレイ出荷台数は1位を継続 |
現状デルのディスプレイは、「デジタルハイエンド」、メインストリーム向けの「S」シリーズ、企業向けの「プロフェッショナル」、エントリータイプの「E」シリーズ、20型までの「IN」シリーズを展開。このうち、24型~30型のデジタルハイエンドは、IPSパネルや「Premier Color」技術などで差別化。デジタルハイエンドとSシリーズの21.5型~29型はIPSパネルのメインストリーム向けに位置付けられる。プロフェッショナルシリーズとEシリーズはTNパネルで主に法人用途としている。
サポート体制に関しては、故障が発生した場合、まずデルから良品を送り、後日、不良品を引き取る「翌営業日交換サービス」を標準で3年提供(オプションで4~5年に変更可能)。デジタルハイエンドおよびプロフェッショナルでは、輝点が1つでもあった場合は無償交換する「プレミアムパネル保証」が標準で3年適用される(4~5年オプション)。環境配慮は、LEDバックライトモデルを拡充し、独自の「PowerNap」機能で自動スリープ/輝度低減を行なう。さらに、筐体の一部には再生材料を使用し、ヒ素/水銀の使用率をゼロとした。各種環境基準にも準拠する。
デルの液晶ディスプレイの分類 | 良品先出しや輝点交換のサポート | 環境配慮設計 |
続いて、先頃投入したシネマスコープのアスペクト比を持つ29型「U2913WM」を説明。ハードウェアについては既報の通りだが、ソフトウェア機能として、Dell Display Managerと「Smart Video Enhance」を紹介した。
集中管理ツールのDell Display Managerは、アプリケーションウィンドウを分割して使える「Easy Arrange」、先述の自動スリープ機能PowerNapなどを利用できる。特にフルHDからさらに約1.33倍横長になったU2913WMでは、Easy Arrangeが有効に使えるとした。Smart Video Enhanceは、映像を表示している部分のみビデオ表示設定に自動で最適化する機能で、U2913WMのみが搭載している。Dell Display Managerについては、2012年夏以降に投入された製品はほぼ対応しており、U2913WMに限らず利用できる。
画面のウィンドウ区切りや自動スリープなどを設定できるDell Display Manager | 動画の位置に自動で補正をかけるSmart Video Enhance | 会場に展示されたU2913WM |
(2012年 11月 29日)
[Reported by 山田 幸治]