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VAIO「VAIO Pro 13 | mk2」

〜13.3型液晶搭載ビジネス向けタフモバイル

「VAIO Pro 13 | mk2」

 VAIO株式会社から登場した「VAIO Pro 13 | mk2」(以下VAIO Pro 13 mk2)は、13.3型液晶搭載モバイルノートPCであり、2014年7月に発表されたVAIO Pro 13の後継となる製品だ。mk2という名前からも分かるように、VAIO Pro 13と基本的なデザインは変わらないものの、さまざまな改良が施されており、ビジネス向けモバイルノートPCとしての完成度はさらに向上している。今回、VAIO Pro 13 mk2を試用する機会を得たので、早速レビューしていきたい。

150kg加圧振動試験やひねり試験、落下試験など過酷なテストをクリア

 まずは、VAIO Pro 13 mk2の外観から見ていこう。VAIO Pro 13 mk2は、最近はやりのいわゆる2in1 PCではなく、オーソドックスなクラムシェルタイプのノートPCである。基本的な筐体デザインはVAIO Pro 13と同じで、断面が六角形状の「ヘキサシェルデザイン」を採用している。

 VAIO Pro 13から変わったのは、天板の材質だ。VAIO Pro 13は、天板と底面にUDカーボンを採用していたが、VAIO Pro 13 mk2では、天板がマグネシウム合金に、底面がGFRP(グラスファイバーで強化したナイロン樹脂)に変更されている。マグネシウムは一体成形が可能なため、構造を利用して強度を出すことが可能だ。VAIO Pro 13 mk2では、天板をダイカストによって成形したのち、CNC加工で内側をくり抜いて仕上げている。さらに底面には補強リブを追加することで、全体の剛性を向上。キーボードやタッチパッドの操作性向上にも繋がっている。また、VAIO Pro 13では、底面にネジの頭が出て来ないクリーンボトムを採用していたのだが、メンテナンス性を優先し、VAIO Pro 13 mk2では、敢えてネジ穴を底面表面に出し、ネジの配置を最適化することでも、剛性を高めている。

 VAIO Pro 13 mk2はこうした改良によって、過酷な耐久試験をクリアする、高い堅牢性を実現している。VAIO Pro 13 mk2がクリアした耐久試験は、満員電車を想定した150kgf加圧振動試験、高さ90cmからの落下試験(6面)、角がぶつかるように5cmの高さから落下させる角衝撃試験(4角×5,000回)、液晶を上からさまざまなポイントで加圧する液晶ハウジング加圧試験、3点を固定し1点のみを加圧する本体ひねり試験、キーボードと液晶の間にペンを挟んで天板に圧力をかけるペンはさみ試験など多岐に渡る。

 もちろん、これらのテストをクリアしたからといって、同じ条件で落下させた時に壊れないことを保証しているわけではないのだが、今までのVAIOシリーズは、2009年1月に登場したビジネス向けモバイルノートPC「VAIO type G」を除いて、こうしたテストをクリアしたことを正式に表明することはなかった。Let'snoteシリーズなど、他社のビジネス向けモバイルノートPCでは耐久試験をクリアしていることを公式サイトやカタログで謳っているものも珍しくはないが、VAIOシリーズではかなり異例と言える。それだけ、VAIO Pro 13 mk2の堅牢性には自信があるということであろう。

 VAIO Pro 13 mk2は、コストと性能のバランスを追求した、ビジネスプロフェッショナルのためのマシンであるが、ビジネスの現場では多少ラフに扱っても壊れないことが何よりも要求される。ビジネスモバイルノートPCの中でもトップクラスの堅牢性を実現したVAIO Pro 13 mk2は、そうした要求に十分応えることができるのだ。

 本体色は、ブラックとシルバーの2色が用意されており、店頭モデルでは仕様によって色が決まっているが、VAIO OWNER MADEモデルならカスタマイズで好きな色を選択できる。

 重量は最軽量構成時が約1.03kgで、最重量構成時が約1.16kgとなる。なお、UDカーボンを採用した前モデルのVAIO Pro 13の重量は約0.94〜1.08kgであり、VAIO Pro 13 mk2の方が多少重くなっているが、その差はわずかであり、体感できるほどの違いはない。

今回試用したモデルの本体色はシルバーであった
メンテナンス性と剛性を重視して、底面には多数のネジが見えるようになっている
試用機の重量は実測で1,001gであった

VAIO OWNER MADEモデルならストレージとしてSATA SSDとPCIe SSDを選択可能

 次に、PCとしての基本スペックを見てみよう。今回試用したモデルは、VAIO OWNER MADEモデルで、CPUはCore i7-5500U(2.4GHz)、メモリ8GB、ストレージは128GB SSD(SATA接続)という仕様である。

 VAIO OWNER MADEモデルでは、CPUは3種類選択可能で、Core i7-5500Uが最上位となる。メモリは8GBまたは4GBで、それぞれ固定となり、後から増設はできない。ストレージは、店頭モデルは2モデルともSATA接続の128GB SSDだが、VAIO OWNER MADEモデルなら、128GB/256GB/512GBのそれぞれにつき、SATA接続のSSDまたはPCI Express接続のSSDを選べるので、選択肢は6種類となる。性能はPCI Express接続の方が上だが、、価格はやや高くなる。基本スペックはモバイルノートPCの中でも、トップクラスと言える。

 液晶は13.3型で、解像度は1,920×1,080ドットのフルHDである。試用機はタッチパネル非搭載であったが、タッチパネル搭載も選択できる。非タッチパネルは視野角の広いIPS液晶を採用しており、表面はノングレア仕様になっているため、外光の映り込みが少なく、目も疲れにくい。また、バックライトの光の向きをプリズム導光板で制御することで光の無駄を減らし、少ない電力でも高い輝度を実現しており、液晶輝度に関してはVAIO史上最高だという。液晶上部には、92万画素Webカメラが搭載されており、ビデオチャットなどに利用可能だ。

視野角の広いIPS液晶を採用しており、輝度も高い
液晶上部には、92万画素Webカメラが搭載されている

キーボードはVAIO Zと同じ、タッチパッドは2ボタンに変更

 VAIO Pro 13 mk2で、大きく改良されたのがキーボードとタッチパッドである。キーボードはVAIOのフラッグシップモデルであるVAIO Zと同じものが使われており、2kHz以上の人間にとって耳障りな音域のノイズを低減、静かで心地良い打鍵音を実現している。キーピッチは約19mmで、不等キーピッチはなく、キー配列も標準的なので快適にタイピングが可能だ。また、キーボードバックライトも搭載しているので、暗い場所でも打ち間違いを防げる。

 前モデルのVAIO Pro 13では、タッチパッドとクリックボタンが一体化したタイプが使われていたが、クリックボタン一体化タイプのタッチパッドは慣れるまで、ドラッグ&ドロップ操作などがしにくく、クリックの誤動作なども起きがちだ。しかし、VAIO Pro 13 mk2では、左右クリックボタンが独立したタイプになり、しかも、タッチパッドの位置をホームポジションに合わせることで、より操作性を向上させている。筆者も、タッチパッドのクリックボタンは独立している方が使いやすいと考えているので、この改善は高く評価できる。

キーピッチは約19mmで、不等キーピッチはない。配列も標準的である
タッチパッドが左右クリックボタンが独立したタイプになり、クリックミスなどを減らせる

アナログRGB出力や有線LANが追加されるなど、インターフェイスも強化

 VAIO Pro 13 mk2は、インターフェイスも強化されている。前モデルのVAIO Pro 13ではUSB 3.0とUSB 3.0 Battery Charge、HDMI出力が用意されていたが、VAIO Pro 13 mk2では、USB 3.0が1基追加され、合計3ポートになったほか、新たにアナログRGB出力と1000BASE-Tの有線LANが追加されている。

 プレゼンテーションなどでプロジェクタに接続する際に、ちょっと古いプロジェクタだとアナログRGB入力しか備えてないことも多い。VAIO Pro 13 mk2なら、そうした場合でも問題なく接続できる。また、HDMI出力とアナログRGB出力に同時に出力が可能であり、本体液晶と合わせて3画面同時出力を行なえるようになったことも嬉しい。オフィスで使う場合など、2台の外部ディスプレイに接続すれば、デスクトップが広くなり、複数のウィンドウを同時に開いても快適に利用できる。

 有線LANについても、RJ-45コネクタが分厚いため、薄さ重視のUltrabookでは省略されるか、専用の変換アダプタを介して接続する仕様になっている製品が主流だが、ビジネスの現場では有線LANが必要な場面も多い。変換アダプタが必要なタイプだと、肝心な時に変換アダプタを忘れて利用できないといったことになりがちだ。液晶を開くと、キーボード奥が持ち上がって、キーボードに適度な傾斜がつくようになっているが、それと同時にLANケーブルを接続するためのスペースも確保される。

 アナログRGB出力や有線LANの追加も、ビジネスプロフェッショナルからの要望に応えたものだという。ワイヤレス機能としては、IEEE 802.11a/b/g/n/ac準拠の無線LAN機能とBluetooth 4.0を搭載しており、無線LANアンテナの位置を見直すことで、受信感度も向上している。また、音質にもこだわっており、スピーカーの変更とボックス構造の見直しにより、VAIO Pro 13に比べて音圧が6dB上がり、人の声の帯域の聞き取りやすさが向上していることも評価できる。

右側面には、SDカードスロットとマイク/ヘッドフォン端子、USB 3.0 Battery Charge、HDMI出力、1000BASE-T、アナログRGB出力が用意されている
右側面のポート部分のアップ
左側面には、USB 3.0×2が用意されている
左側面のポート部分のアップ
液晶を開くと、ヒンジ部分が下になり、本体の後部が持ち上がって傾斜がつく
LANポートにLANケーブルを接続したところ。LANコネクタが下に開くようになっている

バッテリ駆動時間は実測で9時間を超える

 バッテリは固定で交換はできないが、公称バッテリ駆動時間は約9.4〜10.4時間(JEITA 2.0準拠)であり、1日仕事で使うにも十分な駆動時間を実現している。実際にバッテリベンチマークソフトの「BBench」(海人氏作)を利用し、1分ごとに無線LAN経由でのWebアクセス、10秒ごとにキー入力を行なう設定でバッテリ駆動時間を計測したところ(電源プランは「バランス」、液晶輝度は「中」)、9時間7分という結果になった。

 ACアダプタはVAIO Pro専用のもので、電源供給用のUSBポートも用意されている。コンパクトで軽いので、携帯性も良好だ。

【お詫びと訂正】初出時に、ACアダプタがVAIO Zと共通のものとしておりましたが、VAIO Pro専用のものとなります。お詫びして訂正させていただきます。

ACアダプタは44W仕様で、電源供給用のUSBポートも用意されている
こちらが電源供給用のUSBポート
ACアダプタの重量は実測で234gであった

SATA接続SSDでもベンチマーク結果は十分高速

 参考のためにベンチマークテストを行なってみた。利用したベンチマークソフトは、「PCMark 7 v1.4.0」、「PCMark 8」、「3DMark」、「FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編」、「CrystalDiskMark 3.0.3b」である。比較用として、レノボ・ジャパンの「ThinkPad T450s」、「第3世代ThinkPad X1 Carbon」の値も掲載した。結果は下の表に示した通りで、PCMark 7の総合スコアは、ストレージとしてPCI Express接続の超高速SSDを搭載した第3世代ThinkPad X1 Carbonに迫る値であり、HDD搭載のThinkPad T450に比べて格段に高い。

VAIO Pro 13 | mk2のベンチマーク結果
VAIO Pro 13 | mk2 ThinkPad T450s 第3世代ThinkPad X1 Carbon
CPU Core i7-5500U(2.4GHz) Core i7-5600U(2.6GHz) Core i7-5600U(2.6GHz)
GPU Intel HD Graphics 5500 Intel HD Graphics 5500 Intel HD Graphics 5500
PCMark 7
PCMark score 5045 3363 5290
Lightweight score 5083 1795 3903
Productivity score 4388 1224 2898
Entertainment score 3874 3011 3544
Creativity score 9105 6639 10214
Computation score 17273 14613 14466
System storage score 5075 2093 5959
Raw system storage score 4896 604 12188
PCMark 8
Home conventional 2674 2480 2446
Home accelerated 3217 2995 2949
Creative conventional 2590 2447 2575
Creative accelerated 3852 3463 3757
Work conventional 3076 3020 2842
Work accelerated 4277 4084 3851
3DMark
Fire Strike Ultra 169 128 164
Fire Strike Extreme 318 295 320
Fire Strike 701 637 721
Sky Diver 2679 2628 2605
Cloud Gate 5117 4938 5235
Ice Storm Extreme 36750 32556 34609
Ice Storm 51511 44883 48912
FINAL FANTASY XIV 新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編
1,280×720ドット 最高品質 1818 1352 1831
1,280×720ドット 高品質(デスクトップPC) 1872 1373 1895
1,280×720ドット 高品質(ノートPC) 2344 1686 2413
1,280×720ドット 標準品質(デスクトップPC) 3936 2782 3738
1,280×720ドット 標準品質(ノートPC) 3985 2668 3709
1,920×1,080ドット 最高品質 903 685 979
1,920×1,080ドット 高品質(デスクトップPC) 920 696 984
1,920×1,080ドット 高品質(ノートPC) 1185 862 1293
1,920×1,080ドット 標準品質(デスクトップPC) 1865 1454 2037
1,920×1,080ドット 標準品質(ノートPC) 2011 1433 2035
CrystalDiskMark 3.0.3b
シーケンシャルリード 522.1MB/s 119.1MB/s 1328MB/s
シーケンシャルライト 122.3MB/s 114.6MB/s 1257MB/s
512Kランダムリード 445.4MB/s 33.22MB/s 977.1MB/s
512Kランダムライト 122.1MB/s 50.62MB/s 1235MB/s
4Kランダムリード 34.53MB/s 0.412MB/s 44.33MB/s
4Kランダムライト 93.25MB/s 0.896MB/s 105.6MB/s
4K QD32ランダムリード 358.9MB/s 0.776MB/s 347.9MB/s
4K QD32ランダムライト 122.0MB/s 0.892MB/s 234.5MB/s

ビジネス向けモバイルノートPCとしての完成度は高い

 VAIO Pro 13 mk2は、VAIO Pro 13と見た目はほとんど変わらないが、筐体材質やタッチパッドの変更、インターフェイスの追加などによって、ビジネス向けモバイルノートPCとしての使い勝手は大きく向上している。過酷な耐久試験をクリアしたことを謳っているので、ヘビーなビジネス用途でも安心だ。店頭モデルの下位モデルなら10万円台で購入でき、コストパフォーマンスも良好だ。VAIO Zほどの性能は不要だが、軽くて高性能なモバイルノートPCを探しているのなら、有力な選択肢の1つとなるだろう。

(石井 英男)