トピック
ミニPCの弱点をなくした限りなくミニPCに近いゲーミングPC。小さくてもGeForce RTX積んでます
~ASUS「TUF Gaming T500 T500MV」を検証
- 提供:
- ASUS JAPAN株式会社
2025年9月26日 06:30
ASUSが新機軸のゲーミングPC「TUF Gaming T500 T500MV」を投入した。 ノート向けのCPUとデスクトップ向けのGPUを組み合わせ、奥行きわずか30cm程度のコンパクトなサイズと高いゲーミング性能、そして良好なコストパフォーマンスを実現。 小さくてパワフルな“ミニPC”を求める人に深く刺さること間違いなし。その実力を確かめていこう。
このサイズでデスクトップ用GeForce RTXを搭載
昔から実用的なスペックを備えたコンパクトなデスクトップPCは根強い人気だ。それは近年流行のミニPCを見ても分かるところ。しかし、オフィスワークなど一般的な用途ならそれで十分だが、ゲーミングになると外部GPUを持たないミニPCではかなり厳しくなる。
ミニPCと外部GPU(ビデオカード)の接続を実現するOCuLinkという規格も存在するが、PCI Express 4.0 x16ではなく、バス幅が4分の1のx4で接続されるので、ビデオカードの性能を引き出し切れない。そもそも接続が煩雑で設置スペースも必要とミニPCの意義が薄れてしまう。
そのジレンマに対する答えるデスクトップPCが登場した。コンパクトなボディと高いゲーミング性能を両立するASUSの「TUF Gaming T500 T500MV」だ。見た目は普通のタワー型PCのようだが、サイズはわずか155.5×296.4×347mmしかない。一般的なタワー型のゲーミングPCと比べるとふたまわりは小さいサイズだ。
TUF Gaming T500 T500MVは、それでいて高い性能を備えているのはもちろん、左側面はガラスで内部が見え、ライティングの制御が可能なLEDを内蔵とドレスアップも楽しめる。ゲーミングPCとしてほしい要素をギュッと凝縮しているのだ。
CPUの冷却は3本のヒートパイプによって熱を大型ヒートシンク付きの背面ファンへと運んで冷却するシステム。実際のCPU温度は後述するが、しっかりとした冷却力を確保しつつ、内部がスッキリ見えるためLEDがより際立つというなかなかにロマンを感じる作りだ。
ノートPC向けCPUとデスクトップ向けGPUを搭載
コンパクトかつ高いゲーミング性能を実現する秘訣は、ノート向けCPUとデスクトップ向けGPUを組み合わせていることだ。CPUはノートPC向けと言っても、末尾に“H”が付くハイパフォーマンスモデルの「Core i7-13620H」を搭載。
Core i7-13620Hは、パフォーマンス重視のPコアを6基、効率重視のEコアが4基で合計10コア16スレッドというメニーコア仕様だ。ゲーミングにおいて重要となるPコアが6基というのは、デスクトップCPUを含めても多い。ブーストクロックも最大4.9GHzと高く、コア数を求めるゲームもクロックが重要なゲームも高い性能を発揮できる。
第13世代と世代は少し古いものの、ゲームプレイでCPU性能が不足するシーンは早々ない。それでいて発熱と消費電力の目安になるPBP(Processor Base Power)は45W、MTP(Maximum Turbo Power)は115Wとデスクトップ向けの上位CPUに比べると低く、PCの小型化を実現するのに大きく貢献している。
GPUはデスクトップ向けのカードをそのまま搭載し、高いゲーミング性能を実現している。本機に搭載されていたのは、ASUSのスタンダードなDUALシリーズをベースにしたビデオカードだ。GPUにはNVIDIA最新世代であるGeForce RTX 5060 Tiのビデオメモリ8GB版を採用。CUDAコア4,608基、メモリバス幅128bitと、フルHDからWQHD解像度での快適なゲームプレイをターゲットにしたミドルレンジクラスのモデルだ。
1フレームから最大3フレームをAIによって生成するマルチフレーム生成が可能なDLSS 4のサポート、H.264/H.265コーデックの高画質な「4:2:2フォーマット」に対応する第9世代NVENC/第6世代NVDECの搭載など機能面が充実しているのも特徴と言える。
そのほかスペックは、メモリがDDR5-5600を16GB×2枚搭載で合計32GBとゲームプレイには十分な容量が確保されている。これだけの容量があれば、クリエティブワークにも対応しやすい。ストレージは1TBのNVMe SSDが搭載されており、当面ゲームのインストールに困ることはないだろう。
そして、電源ユニットは500W出力で80PLUS Platinumというハイレベルな電力効率が求められる認証を取得したものが採用されていた。何気にうれしいポイントだ。
なお、CPUにCore i5-13420H(Pコア4基、Eコア4基)、GPUにGeForce RTX 3050、16GBのメモリを搭載するモデル(型番: T500MV-13420H082W)もラインナップ。スペックはやや控えめとなるが、直販価格で13万9,800円と手頃な価格だ。このほか、Core i5-13420HとGeForce RTX 5060を組み合わせたモデル(型番: T500MV-13420H420W)などもあり、予算に合わせて選びやすい。
インターフェイスは前面にUSB 3.2 Gen 1 2基、USB 3.2 Gen 1 Type-C、ヘッドセット端子。背面にHDMIとDisplayPort出力、Gigabit Ethernet、USB 2.0 4基、サウンド入出力が用意されている。無線通信機能はWi-Fi 6とBluetooth 5.4をサポートする。
ゲーミングPCとしてうれしいのはM.2スロットに空きがあること。ユーザー自身でM.2 SSDを増設した場合でも、万が一の際には増設パーツを取り外して元の状態に戻せば保証が継続されるので安心だ。筆者が試しにPCI Express 4.0 x4接続のM.2 SSDを増設してみたが、問題なく認識して速度もしっかりと出ていた。
また、本体購入後30日以内にユーザー登録および製品登録すると「あんしん保証(無料)」に加入が可能だ。これは1年間の間、メーカー保証対象外の故障の際に自己負担が部品代金の20%で修理を受けられる。
このほか、PCケース内のLEDは総合管理アプリの「Armoury Crate」で制御できる。単色やレインボーなど複数のカラーや発光パターンが選べるので個性的な演出も可能だ。
最新&人気の10タイトルで検証!4K最高画質でどこまで戦える?
ここからは、TUF Gaming T500 T500MVの実性能をチェックしていこう。
ゲームで検証
今回は描画負荷が軽めから重量級まで10タイトルを用意した。解像度はフルHD、WQHD、4Kの3種類。基本的に最高画質設定でアップスケーラーやフレーム生成に対応しているものは、それぞれ利用している。テストしたゲームとその条件はこちらに記載した。
なお、マーベル・ライバルズ、Clair Obscur: Expedition 33、DOOM: The Dark Ages、The Last of Us Part II Remastered、モンスターハンターワイルズ、サイバーパンク2077はマルチフレーム生成に対応したタイトルであり、どこまでフレームレートが出るのかに注目してほしい。
オーバーウォッチ2、Apex Legendsは4K最高画質でも快適にプレイできるだけのフレームレートが出ている。ストリートファイター6、ELDEN RING NIGHTREIGNは最大60fpsのゲームで、どの解像度でも平均フレームレートはほぼほぼ上限に到達した。マーベルライバルズ、Clair Obscur: Expedition 33、モンスターハンターワイルズはマルチフレーム生成の効果もあって、こちらも4K解像度でもプレイ可能なフレームレートが出ている。
その一方でThe Last of Us Part II Remasteredとサイバーパンク2077は4K解像度でフレームレートがガクッと落ちている。これはビデオメモリが8GBでは不足し、ミドルレンジのRTX 5060 Tiでは基本性能面で高画質&4K解像度の処理が厳しくなっているため。DOOM: The Dark Agesはすべての光源の経路(パス)を再現するパストレーシング処理が入っていることもあり、フルHDでもビデオメモリ不足に陥ってフレームレートが出なかった。パストレーシングをオフにすれば、フルHDならプレイできるフレームレートが出た。
8GB版のRTX 5060 Tiは多くのゲームで4K解像度でも遊べるだけのパワーを持つが、一部の大容量ビデオメモリを求める超重量級ゲームをプレイするには画質を落とす必要がある、という立ち位置だ。このPCの性能を最大限に生かすなら、フルHDかWQHDの高リフレッシュレート液晶と組み合わせるのがベストな選択と言えるだろう。
定番ベンチで検証
定番のCPUパワーを測定する「Cinebench 2024」、PCの基本性能を測る「PCMark 10」、3Dベンチマークの「3DMark」を実行する。動作モードは「パフォーマンス」と「Turbo」が用意されているが、今回のテストはパフォーマンス設定に統一した。
Cinebench 2024はMulti Core、Single CoreともCore i7-13620Hとして非常に優秀なスコアだ。ノートPCよりも冷却力が高いため安定して高クロックが維持でき、高いスコアにつながったと見られる。
3DMarkもGeForce RTX 5060 Tiとして高いスコアが出ており、十分に性能は引き出せている。PCMark 10のスコアもすべて高く、ノートPC向けのCPUでも一般的な処理であれば、まず不満を感じることはないだろう。
CPUとGPU温度をチェック。動作音は驚きの静かさ
最後にサイバーパンク2077を10分間実行したときのCPUとGPUの温度をシステム監視アプリの「HWiNFO Pro」で測定した。室温は25℃だ。合わせて動作音も前面と上部、背面のそれぞれ10cmの位置に騒音計を設置して測定している。
サイバーパンク2077はCPUとGPUの両方に高い負荷がかかるゲームだが、CPUは平均69.9℃、GPUは平均75.3℃とまったく心配のいらない温度だ。CPUは最初だけ温度高めだが、ファンの回転数が上がってすぐに下がった。GPUは75℃前後で安定だ。コンパクトなボディだが冷却力はしっかり確保されている。
そして驚くのは動作音だ。正面からは、ほとんどファンの音が気にならないレベルで静かだ。背面は排気ファンがあるのでちょっと数値が大きくなっているが、それでもうるさいとは感じない程度の音。静かなゲーミングPCを求める人にもおすすめできる。
小さなボディに高い性能、内部が見えてLEDの演出もありとゲーマー心をくすぐる要素だらけの1台だ。パストレーシングを使うような超重量級ゲーム以外は快適にプレイでき、WQHDまでなら高いフレームレートも出せる。設置場所を取らず、静かに使えるゲーミングデスクトップPCを求めているなら、ぜひともチェックしてほしい。












































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