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今度の“Core”はAI処理がすごい!MSIからCore Ultraノートが16シリーズ登場。AI活用が今後のスタンダードに

 米ラスベガスで開催されているCES 2024で、MSIはCore Ultra搭載ノートPCを16シリーズ披露した。ポータブルゲーミングPCのClaw A1Mや、発表されたばかりの第14世代Core HX搭載モデルが注目を集めている同社だが、新ブランドとなる「Core Ultra」搭載モデルのラインナップを着実に拡大させている。

全カテゴリ、幅広いレンジをカバーするMSIのCore Ultra搭載ノート

 MSIはCore Ultra搭載モデルをゲーミング、クリエイター向け、ビジネス向けという全カテゴリにおいて、ローエンドからミドルハイといった幅広いグレードに一気に投入してきた。現在のところは(主にゲーミング、クリエイター向けの)ハイエンドがCore HX、それ以外の大部分がCore Ultraという棲み分けだ。

 そしてまた、Core Ultra搭載モデルにおいてはもう1つ特徴的な打ち出し方もしている。それはCore Ultraが内蔵するNPU(AI処理用プロセッサ)を活用した高効率なマルチメディア処理だ。Core Ultra搭載機種には「AI」というワードがモデル名に含まれていることからも、MSIがAI処理に注力していることが伺える。

 ここではそうしたNPU活用やAI処理に関連した内容を中心に、会場に展示されていたCore Ultra搭載モデルを紹介したい。

NPU活用でビジネス・クリエイティブシーンを高効率に

 NPU活用やAI処理の事例として最も分かりやすかったのが、13〜16型をラインナップする「Prestigeシリーズ」の展示だ。同シリーズはビジネス向けのノートPCだが、一般的なビジネスシーンでもNPUを活用できる例として「カメラ映像とバーチャル背景の合成処理」を紹介していた。

「Prestige 14 AI Evoシリーズ」

 Web会議でバーチャル背景を利用するのは今や珍しくない。が、従来はディスクリートGPUによるハードウェア処理か、CPUによるソフトウェア処理のどちらかで、金額的コストもしくは処理負荷的なコストが大きいものだった。

 しかしNPUを利用することで特別なGPUが不要となり、CPUの負荷も軽減可能になる。つまり、Web会議の最中でもほかの処理や作業に影響を与えにくくなるわけだ。加えて、NPUによる処理は高効率なので省電力化のメリットも期待できる。

 展示ではCore Ultra 7 155H(内蔵GPUはIntel Arc Graphics)搭載のミドルクラスノート「Prestige 14 AI Evo」でバーチャル背景のデモを行なっており、NPUが積極的に処理を引き受け、CPUやGPUの負荷を最小限に留めていることが確認できた。

 また、同じCPUを搭載する「Prestige 13 AI Evoシリーズ」では、動画編集においてもNPUが有効に機能することも訴求していた。

NPU活用でCPU/GPU負荷が減る
バーチャル背景処理のほとんどをNPUが引き受けることで、CPUとGPUの使用率を10%以下に抑えている
「Prestige 13 AI Evoシリーズ」での動画編集。動画のプレビュー時でもNPUが有効に働いていることが分かる

 ただ、今後のAI処理をすべてCore UltraのNPUが担うというわけではない。MSIはディスクリートGPUを用いたAI処理の実例も紹介している。

 クリエイター向けノートPCの「Creator 16 AI Studio」および「CreatorPro 16 AI Studio」では、MSI独自のユーティリティ「AI Artist」を使い、GeForce RTXシリーズの高いGPU性能を活かして、効率良く画像生成するデモを行なっていた。

 「AI Artist」は入力したテキスト(プロンプト)をもとに画像を生成する一般的な画像生成AIとしての機能を持つが、クラウドとの連携ではなく、すべてローカルで処理を完結させているのが特徴。生成した画像は1つの画像ファイルとして出力できるだけでなく、レイヤー分けされたPhotoshop(PSD)形式のファイルで保存することもできる。

 画像の後加工が容易になるため、生成AIを作業に組み込みたいと思っているクリエイターにとっては、まさにうってつけの機能と言えるだろう。

 今後、PCを使うさまざまな場面においてAI活用が普及してゆくことが予想されるが、その内容はさまざま。たとえば、Web会議のバーチャル背景処理であればCPUやGPUのリソースを他のアプリに回しつつ低消費電力で実行できるNPUを使う、短時間で多数の画像を生成する場合はGPUを使う、といった使い分けが効率的な作業の1つのカギになってくるだろう。

 今回のCESで発表されたMSIのCore Ultra搭載ノートPCのラインナップは、さまざまなユーザーのAI処理を幅広くカバーできる現実的なものとなっている。

「Creator 16 AI Studio」および「CreatorPro 16 AI Studio」シリーズを使用した「AI Artist」による画像生成AIのデモ
生成AIをローカルで高速処理させられるほどの性能
テキスト生成した画像はレイヤー分けされたPSD形式で出力可能

Core Ultra搭載機のブース展示

 CES 2024のMSIブースで展示されていたCore Ultra搭載機を下記に写真で紹介する。いずれもNPUを活用できるだけでなく、ディスクリートGPU搭載機種もさまざまに取りそろえており、バリエーション豊かなラインナップとなっている。

ゲーミングノートPCシリーズ

18型ノートの「Stealth 18 AI Studioシリーズ」。Core Ultra 9 185HおよびGeForce RTX 4090/4080/4070 Laptop GPUを搭載
16型の「Stealth 16 AI Studioシリーズ」。Core Ultra 9 185H、GeForce RTX 4090/4080/4070/4060 Laptop GPU搭載。このほかに14型の「Stealth 14 AI Studioシリーズ」もラインナップする
パームレスト周りのあしらいが特徴的な17型「Pulse 17 AIシリーズ」と16型「Pulse 16 AIシリーズ」。Core Ultra 9 185H、GeForce RTX 4070/4060 Laptop GPUを搭載
キーボードにRGBライティング機能が付いた15.6型「Cyborg 15 AIシリーズ」。Core Ultra 7 155H、GeForce RTX 4060/4050 Laptop GPUを搭載

クリエイター向けノートPCシリーズ

クリエイター向けとしては唯一のCore Ultra搭載モデルとなる16型「Creator 16 AI Studioシリーズ」および「CreatorPro 16 AI Studioシリーズ」。Core Ultra 9 185H、GeForce RTX 4090/4080 Laptop GPUを搭載

ビジネス向けノートPCシリーズ

13.3型2in1ノートの「Summit E13 AI Evoシリーズ」。Core Ultra 7 155Hを搭載
16型の「Prestige 16 AI Evoシリーズ」および「Prestige 16 AI Studioシリーズ」。Core Ultra 9 185Hを搭載。StudioはGeForce RTX 4070/4060/4050 Laptop GPUとなる
14型の「Prestige 14 AI Evoシリーズ」および「Prestige 14 AI Studioシリーズ」。EvoがCore Ultra 7 155H搭載、StudioがCore Ultra 9 185HとGeForce RTX 4060/4050/3050 Laptop GPUを搭載。このほかに13.3型の「Prestige 13 AI Evoシリーズ」もラインナップ