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実はPCやモニターだけでもPrime Videoやネトフリが見られる!テレビ代わりに使いたいオススメPCモニター

 いよいよスタートした2023年の新生活。これを機にテレビやPC+モニターを新調したい、でも大画面テレビは置く場所がないし、そもそも両方とも買うと予算をオーバーしてしまう……。そんな風に悩んでいるあなたにオススメしたいのが、今や高性能でもリーズナブルになったPCモニター。最小限の出費と最小限のスペースで、動画コンテンツだけでなくテレビ番組も楽しめる方法があるのだ。

 というわけで今回は、PCモニターでどんな風に動画コンテンツを楽しめるのか、それに向いたモニターにはどんなものがあるのか、紹介していきたい。PC本体もあった方が楽しみの幅は広がるけれど、なくても方法はある。みなさんの新しいライフスタイルに向けての参考になれば幸いだ。

動画視聴にPCモニターをおすすめする理由とは

 ご存じの通り、動画コンテンツを視聴できるいわゆるVODサービスは多数存在している。有名どころで言うと、Amazon Prime Video、Netflix、Hulu、TVer、AbemaTVがあり、専門チャンネル的な存在としてはDAZNやdアニメストア、Disney+などがある。

 これらのVODサービスを利用するには、スマホ(アプリ)や、専用の端末が必要と思い込んでいる人もいるかもしれない。たとえばPrime VideoはAmazon Fire TVシリーズのような端末が必要になるとか、それならVODサービスに対応する最新の多機能なテレビがないと見られないのでは、とか……。結局あきらめて、スマホの小さな画面で我慢していたりはしないだろうか。

 しかし、実はそんなことはない。どのVODサービスもシンプルにPCのWebブラウザで視聴できるし、PC用アプリケーションを用意しているものもある。特にNetflixは、モニターさえ対応していればWebブラウザ経由(またはPC用アプリケーション)でも4Kの高画質で再生可能で、手軽に高画質の動画コンテンツを満喫できてしまうのだ。

PCのWebブラウザやアプリケーションで代表的なVODサービスは気軽に視聴できる

 これまでテレビでしか見られなかったような地上波の番組も、最近はTVerで配信されることが増えてきた。テレビ本体やアンテナをわざわざ設置することなく、ドラマやバラエティなど話題のテレビ番組を視聴できるようになってきている。専用の端末は必要ではなく、とにかくPC(とPCモニター)さえあればいいのだ。

 そうは言っても、動画を見るだけならスマホでも大丈夫ではある。でもなぜVODコンテンツの視聴にPCモニターをおすすめするのか? その理由はなんといっても、それほどスペースを取らない割りに、スマホと比べて圧倒的に大きな画面で楽しめるからだ。スマホの画面サイズはせいぜい5~7型程度。対してPCモニターは、一般的にビジネス用途で使われる製品でも23~27型という大きさ。仮に6型(100平方cm弱)と23型(約1,500平方cm)の面積を比べると、そこには15倍もの開きがある。

 PCモニターの解像度は、エントリークラスでも今はだいたいがフルHD(1,920×1,080ドット)以上だし、VODサービスにおける標準的な動画解像度と同一でもある。本来の画質を損なうことなく、しかも大画面で、広くない部屋でも無理なく置けるサイズ感のPCモニターは、実際のところ動画視聴環境としてちょうどいいアイテムだったりするのだ。

PCモニターとしては小さめの23.8型でも、画面の面積で言えば一般的なスマホの15倍の大きさがある

 そして、テレビではなくPCを使うことのメリットもある。当然ながらWindowsなどのOSを利用することになるので、仕事用のPCと兼用できる場合もあるし、VODサービス以外のコンテンツや本格的なゲームを遊ぶのにも最適だ。組み合わせるPCモニターにゲーミングモニターを選べば、高いリフレッシュレートによる滑らかな画面表示など副次的なメリットも得られる。高リフレッシュレートはゲームだけでなく普段の画面操作でも効果が感じられ、目の疲労軽減につながるのも利点だ。

PC本体がなくても動画視聴環境は整えられる

 メリットは分かったが、PC本体を所有していない場合、PCモニターに加えてPCまで新調するのはさすがに出費が大きいと感じる人もいるだろう。でも安心してほしい。PC本体は後々購入するとして、とりあえずPCモニターだけを先に手に入れてしまうのもアリだ。そこに先ほど触れたAmazon Fire TVシリーズや、Google Chromecastなどの端末を組み合わせることで、立派な動画視聴環境があっという間に整うからだ。

Amazon Fire TV StickとGoogle Chromecast。リモコン付きで、テレビっぽく使える

 いずれの端末も、エントリーモデルであれば価格は5,000円未満。それでも解像度はフルHDなので、画質の面で不足はない。リモコンが付属することもあって、PCモニターであっても利便性高く扱えるうえ、よりテレビらしい雰囲気が出たりもする。PC本体が必要ないぶん低コストでスマートな構成でもあり、VODサービスが見られればそれでいい、という人にはベストな組み合わせのはずだ。

 そしてもう1つ。使っているスマホをPCモニターに接続することでも、動画コンテンツを大画面で楽しめる場合がある。スマホの機種ごとに対応状況は異なるが、たとえばiPhoneから変換アダプタを経由してPCモニターに接続することで、そのPCモニターに最適化された解像度で映し出せるのだ。PCモニター側にスピーカーやイヤフォン端子があれば、そこからしっかりサウンドも再生されるようになる。

 ただし注意しておきたいのは、PCモニターの機種によっては、Fire TVやChromecast、スマホなどを接続しても映像が出力されないケースがあること。これはHDCPという著作権保護の仕組みが影響しており、Fire TVの場合は少なくとも「HDCP 1.4」以上、Chromecastの場合は「HDCP 1.3」以上に対応するPCモニターが必要になる(さらに4KおよびHDRコンテンツの表示にはHDCP 2.2対応のモニターが必要)。

 その意味でも、PCモニターを選ぶときは、ぱっと見の価格の安さだけに釣られるのではなく、HDCPへの対応など細かい仕様も確認しつつ、将来的な使い方もある程度考慮に入れておきたいものだ。

Chromecastを接続したところ。PCモニターがHDCP 1.3以上に対応していることを確認しておこう

動画視聴に、将来の用途拡大に、ぴったりのPCモニター3機種

 では、VODサービスを楽しむのに適したPCモニターにはどんなものがあるのだろうか。今回は23.8~27型の範囲で、将来的に多用途で使うことも想定しながら、リーズナブルな価格帯かつ動画視聴に十分な画質を備えるMSI製モニターを3機種ピックアップしてみた。

湾曲タイプなのに安価な「PRO MP271C」

MSI「PRO MP271C」

 27型とやや大きめのPCモニターである「PRO MP271C」は、実売価格2万~2万5,000円と安価ながら、トレンドの1つでもある湾曲タイプのディスプレイを採用しているのが特徴だ。ディスプレイの左右が手前側に湾曲していることによって、隅の方に視線を移しても、目から画面までの距離が大きく変化しないことから、画面全体の視認性が高まるだけでなく、目のピント合わせの負担が減って疲れにくくなる効果があると言われる。

背面。VESA準拠で100mmピッチのねじ穴が設けられている

 フルHD解像度のスタンダードなモデルだが、リフレッシュレートは75Hzと標準的なモニターより高速で、より滑らかな画面表示を実現しているのもうれしいところ。映像入力端子はHDMIとD-Sub 15pinの2つで、1台のPCもしくはFire TVなどの端末を接続するプライベートユースには十分。もちろんHDCPに対応しているので、Fire TVだけでなくChromecastの利用もOKだ。

入出力端子はHDMI、D-Sub 15pin、ヘッドフォン端子
電源オンオフやOSDの操作は背面右側のボタンで行なう

 2W×2のスピーカーを内蔵し、別途スピーカーやヘッドフォンを用意しなくてもすぐにVODサービスの映像とサウンドを堪能できる。モニター自体の重量は軽く、たびたび視聴する場所を変えたり、最適な設置場所を探ったりするときにも苦労はしない。動画視聴に不足がないのは当然として、高リフレッシュレートかつ湾曲タイプということで、カジュアルなゲーミングモニター的に使いたい人にも適している。

首振りは上下方向のチルト(マイナス3.5~プラス21.5度)のみだが、軽量なPCモニターなので向き変えや移動は楽ちん

本格ゲーミングモニターとしても使える「G2412」

MSI「G2412」

 「G2412」は23.8型のコンパクトなPCモニター。実売約3万円とこれもお手頃感のある価格だが、リフレッシュレートが最大170Hzと本格的ゲーミングモニターとして使えるポテンシャルをもつ。高いリフレッシュレートのおかげで通常のPC使用時にもスクロールやマウスカーソルなどの残像が目立たないため、操作性が向上するうえに目の疲労感も軽減するだろう。

背面はゲーミングらしいシャープな見た目。VESA準拠のねじ穴もある

 フルHD解像度のIPSパネルを採用しており、Webコンテンツやビジネス文書のように輪郭のくっきりした明瞭な見栄えが求められるシーンでの視認性は抜群だ。色空間としてはsRGBで99.38%、DCI-P3で約82%のカバー率を誇り、写真や動画を扱う作業にも向く高いマルチメディア性能を備える。

 入出力端子はHDMI、DisplayPort、ヘッドフォン出力。Fire TVなどの端末はHDMIに、PCはDisplayPortに接続し、VODサービスの視聴と普段の仕事とで使い分けるのもいい。なお、スピーカーは内蔵していないため、ヘッドフォンやPCスピーカーを組み合わせるのがおすすめだ。

入出力端子はHDMI、DisplayPort、ヘッドフォン出力
電源オン/オフ、OSDは1つのスティックで操作するシンプルな仕組み

 3Dゲームのグラフィックス表示で、描画の不自然さを抑えるFreeSync Premiumに対応していること、ダークなグラフィックスのゲームでも視認性を高めるナイトビジョンという画質調整機能を備えていることなど、いずれはゲーミングPCと組み合わせてFPS系ゲームもチャレンジしたいと考えている人にもぴったり。動画視聴メインで使うのは正直もったいないスペックではあるけれど、仕事もゲームもハイレベルにこなせることを考えれば高くない買い物ではないだろうか。

スタンドはチルト対応で、マイナス5~プラス20度

ノートPCと一緒に使いたい、白にこだわりたい人に「Modern MD272QPW」

MSI「Modern MD272QPW」

 ホワイトのスタイリッシュなカラーリング・デザインが特徴の「Modern MD272QPW」は、実売価格4万円前後。27型だが、狭額縁でスタンドもスリムなため、設置したときのサイズ感はコンパクトだ。IPSパネルを採用するディスプレイはWQHD解像度(2,560×1,440ドット)となっており、フルHDよりも広大なデスクトップを扱えることでPC利用時の生産性はぐっと高まる。

背面。スタンドは細く、ホワイトで統一されたすっきりとしたデザイン
付属のケーブルホルダーで、各種ケーブルをきれいにまとめられる

 もちろん、VODサービスの視聴やFire TV、Chromecastの使用も問題なし。映像は少し拡大されることになるけれど、それによって変に引き延ばされたように見えたり、画質が劣化していると感じたりすることはない。リフレッシュレートは75Hzと、こちらも画面スクロールなどは滑らかに見える。解像度の高さとあわせて、ゲームプレイ時に一段上の画質/滑らかさを狙えるのは大きな魅力だ。

 機能面での一番のポイントは、USB Type-Cポートを用意していること。DisplayPort Alternate Modeに対応するノートPCとモニターとを1本のType-Cケーブルで接続するだけでノートPCの外部モニターとして使え、しかもUSB PDによるノートPCへの給電も同時に行なえる。このほか、HDMIとDisplayPortの各端子を1つずつ備え、ヘッドフォン端子やUSBポートも装備する充実ぶり。

 さらにモニター内蔵のUSBハブを複数台のPCで活用できるKVM機能も利用できる。2台のPCと接続した状態で、2個のUSBポートにキーボードやマウスをつないでおくと、映像入力の切り替えに応じてキーボード/マウスの操作対象となるPCも自動で切り替わる優れものだ。

USB Type-C、HDMI、DisplayPortの3系統の映像入力に、オーディオ出力、USBハブ(KVM)機能も備える
電源ボタン、OSD操作用のボタンなどは底面に用意されている

 スタンドは高機能タイプで、モニターの高さ調整に加え、左右向きのスイベル、上下向きのチルトに対応。ピボット機能で90度回転して縦向きにすることも可能で、フレキシブルな使い勝手を実現する。

無段階の高さ調整が可能
スイーベルはマイナス30~プラス30度
チルトはマイナス5~プラス20度
ピボット対応で、マイナス90~プラス90度の範囲で回転させられる

 動画視聴にとどまらず、これからPCでバリバリ仕事していきたい人、ノートPCをメインに使っている人、あるいは部屋のテイストとして白にこだわりたい人には「Modern MD272QPW」がマッチするに違いない。

出費を抑えつつ、無理なく動画視聴を楽しめる環境作りを

 近頃のPCモニターは画質調整機能も充実しており、たとえば今回紹介したPCモニター3機種は、いずれも文書表示や映像表示に最適なモード、目に優しいとされるブルーライトカットのモードなどを備えていて、その時々の用途に合った画質で利用できる。動画、ゲーム、仕事をはじめ、どんなシチュエーションにも合わせられ、好みの色合いで視聴できる高い利便性をPCモニターはもっているわけだ。

 新しい環境に落ち着くのには、少し時間がかかるもの。物入りのタイミングでもあるし、そんなところにいきなり大画面テレビや巨大なPCをどーんと投入するのはなかなかハードルが高い。まずは最低限、PCモニターを用意して、VODサービスを無理なく見られるようにするところから始めてみてはいかがだろうか。