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【VAIO Zクリエイターリレーレビュー】動画編集者はVAIO Zのどこに魅力を感じたか?
~Premiere ProでVAIO Zの動画編集性能を検証
- 提供:
- VAIO株式会社
2021年5月21日 06:55
今回から何回かに渡り、VAIOのフラグシップノートPC「VAIO Z」のレビューをお届けする。PCファンなら、VAIO Zと聞くだけで、こだわりのハイエンド製品というイメージを持つことだろう。新しいVAIO Zは、1kg(最軽量構成時)を切るモビリティと、第11世代Intel Core Hシリーズ+独自の「VAIO TruePerformance」機能などによる高い性能を両立させたマシン。さまざまな場所に持ち出して、クリエイティブな作業を行なうことができる憧れのマシンだ。
第1弾として、ワックスグラフィックスで動画編集を手がける大下幸治氏に、VAIO ZでPremiere Proを使い、動画編集を行なってもらい、その感想を伺った。大下氏は普段はデスクトップマシンで作業を行なっており、ノートで編集作業を行なうのは久しぶりとのこと。
利用してもらったのは、VAIO Z | SIGNATURE EDITION(シグネチャーブラック)モデルで、試用機の主な仕様は、Core i7-11375H、メモリ32GB、SSD 512GB、ディスプレイ4K(UHD)、5G搭載となっており、VAIO Zとしてもハイエンドなカスタマイズだ。
なお、製品のレビュー/インタビュー記事はすでに掲載しているので、VAIO Zがどのような点にこだわって開発され、どのように軽量化や高い性能を実現したのかといった点については、そちらを参照してほしい。
検証内容について
——:今回、VAIO Zを評価するにあたり、どのような作業を行なったのか、ご説明ください。
大下:一言で言うとPremiere Proを使った4K SDR素材の編集とエンコードです。まず、3日間に渡って撮影した約1時間分の撮影データを取り込み、全クリップを検証して、使わない、または使えないクリップを削除しました。次に、使えるクリップの中で、使える場面(時間)をおおまかにトリミングし、タイムラインに並べて全体の展開を検証します。
続いて音処理として、環境音を-12〜-24dBに、クロマノイズを約10%除去というのを全体に適用したら、クリップごとに個別の調整を行ないます。この工程では、Premiere Proで対応できない場合は音声編集ソフトのAuditionを使って編集します。
続いて、画像処理として、Lumetriプリセットを作って、全体に色補正、シャープネス等をあてていきます。そこから、クリップ個別に色調整し、ブレが気になるところはスタビライザーを少しかけます。
最後に、テロップや、Illustratorで作成した図を挿入し、テロップと地図にトランジションエフェクトを適応して完了です。
エンコードは、「YouTube 2160p 4K Ultra HD」をベースにして、解像度=3,840×2,160ドット、ビットレート=40Mbps、フレームレート=29.97fps、形式=H.264(mp4)にて、VBR/1パスでソフトウェアエンコードしました。
VAIO Zの高性能がどう活きる?
——:VAIO Zはモバイルノートながら、高い性能を実現しています。今回4K動画の編集を行なってみて、具体的にどのような作業で性能の高さを感じたか教えてください。
大下:ワープスタビライザー等の再計算をするエフェクトでの処理時間は少し気になりましたが、通常の編集作業でならプレビュー速度が気になることはなく、レスポンスもとても良いのでノートでもここまでできるんだなと感心しました。十分に高性能だと思います。作業中、ファンが高回転で動作することもありましたが、高負荷でも性能を落とさないための熱処理だと聞いて納得しました。
10年くらい前、遊びで動画編集を始めた時は、プレビューはカクカクで、6分のフルHDを書き出すのにも6時間とか12時間くらいかかっていました。そして、翌朝に書き出した動画を確認したら、テロップの間違えを発見し、さらに1晩エンコードし直しになるのも普通でした。
今は、VAIO Zのような製品を使うことで、ノートでも流れるような凝った表現を高解像度のままプレビューで確認でき、書き出しもフルHD動画なら再生時間よりも短い時間で完了できるというのは時代を感じますね。
軽さのメリット
——:VAIO Zは高性能ながら、重量は1kg切り(最軽量構成時)を実現しており、気軽に持ち運べます。動画編集者として、動画編集可能なノートが持ち運べると、どのように活用の幅が広がりますか?
大下:配送業者から受け取った時に、その中身がノートパソコンだと思わなかったほど軽さに驚きました。これなら持ち歩く負担はかなり少ないですね。例えば、編集者はデスクトップで作り込み、そのデータを動画編集チームの統括的立場の人がVAIO Zに入れて持ち出し、クライアント先で見せつつ、その場で微調整といった使い方で重宝されると思います。
また、カット編集メインで、ちょっとしたテロップを入れる作業ならセカンダリディスプレイがなくてもできるので、旅行系YouTuberといった人にもお勧めできそうです。
バッテリ駆動時間について
——:VAIO Zは最長で約34時間、4Kモデルでも約17時間の駆動が可能です。動画編集者の視点から、この駆動時間をどのように思いますか。
大下:カタログスペックで17時間ということは、動画編集作業だと4~5時間程度になると思います。実際、パフォーマンスを「最も高い」のまま変わらないように固定し、バッテリだけでエンコード実験してみたところ、給電状態とほぼ同じ38分で書き出し終了し、バッテリ残量は28%となりました。さすがに、動画編集用途だと、安心できる感じではないので、充電器は必要になるかと思いますが、付属のPDアダプターはコンパクトなので、持ち運んでも負荷にならないのがいいですね。
堅牢性について
——:軽いだけでなく堅牢さも米国防総省の規格に準ずるテストをパスするほどで、落下や曲げなどにも強く、長期間安心して使えます。この点について感想をお聞かせください。
大下:“カーボンの立体成型”と聞いていたので、最初は本体が凄く固いんだと思っていたら、意外と筐体自体は柔らかいんですね。正直、「これで本当に堅牢なのか?」とも思いましたが、VAIOの品質試験のページを見たら、落下試験とか衝撃試験とか、かなりの試験をパスしてると聞いて安心しました。当然、製品は長く使えるに越したことはないので、これが立体成型フルカーボンの良さなんですね。
4K HDR対応パネルについて
——:4KモデルはHDR対応で、DCI-P3カバー率99.8%となっています。大下さんは、普段はSDR素材を扱われてるとのことですが、こういった仕様にどのようなメリットがあると思われますか? また、じっさいに今回使ってみて、液晶の見栄え・品質はいかがだったでしょうか?
大下:今後は4K/HDR動画がさらに増えてくるので、その映像を確認することを考えると、今HDRで編集していなくても、対応したディスプレイがあるのは安心できますし、ある意味必須とも言えます。今回、HDR素材でも軽くチェックしてみました。VAIO Zのパネルは非光沢なので、暗所や明所の階調、および調整した時の変化がわかりづらくなると思ったんですが、このパネルはしっかり階調も出ていますね。確認する際、目にとても楽です。
洗練されたデザイン
——:洗練されたデザインも訴求点の1つです。大下さんの感想をお聞かせください。
大下:天板を開いた時に底面が持ち上がる構造が機能的なデザインとして好みです。キーボードは打ちやすくなるし、冷却にも寄与してますよね。表面のシックな仕上げも好きです。
5G対応の使いどころ
——:VAIO Zは5G対応モデルもあり、4Gよりも最大10倍高速に屋外でも通信ができます。これにより、どんな使い方ができそうでしょうか。
大下:ノートの機動力を活かすという意味で、5G対応モデルは非常に魅力的です。5G活用という観点では、動画編集よりも、動画配信の方がVAIO Zのメリットを活かせるかもと思います。この性能なら、高解像度の外部カメラを繋ぎ、音声もオーディオインターフェイスを使ってマイク入力し、OBSを使ってYouTubeなどで高品位なフルHDや4K配信も可能でしょう。
あなたならBTOでどんな構成にする?
——:最後に、大下さんがVAIO Zを買うとしたら、BTOでVAIO Zを、どのような構成にするか教えてください。また、それぞれの選択肢を選んだ理由も教えてください。
大下:VAIO Z | SIGNATURE EDITIONの標準から変更する点だけを抜粋すると、ディスプレイは4Kです。動画編集をやっていると、もはやフルHDという選択肢はないですね。そして、メモリは32GBに、ストレージは1TBに変更します。ストレージについて、デスクトップなら、データは外部SSDに保存してもいいのですが、せっかく軽いノートなので単体運用したく、予算に余裕があれば2TBを選びたいところです。