レビュー

Polarisの第2世代「Radeon RX 580」の実力をチェック

 AMDは4月18日、Polarisアーキテクチャを採用した第2世代のGPU製品である「Radeon RX 500 シリーズ」を発表した。この発表に先立ち、同シリーズの最上位モデルとなる「Radeon RX 580」を搭載したビデオカードをAMDから借用することができたので、ベンチマークテストを用いてその実力をチェックした。

既存ラインナップを更新するRadeon RX 500 シリーズ

 Radeon RX 580は、Radeon RX 500 シリーズの最上位に位置するGPUで、第4世代GCNアーキテクチャである「Polaris」に基づき、14nm FinFETプロセスで製造されたGPUコアを採用している。

 Radeon RX 580のGPUコアは、36基のCompute Units(CU)を備えており、2,304基のストリームプロセッサーと144基のテクスチャユニットを備えている。コアの規模は、Polarisを採用した最初の製品の1つであるRadeon RX 480と同等であり、ダイサイズも同じ232平方mmである。

 GPUコアの規模が、Radeon RX 480と同等である一方、GPUのベースクロックは1,257MHz、ブーストクロックは1,340MHzとなっており、それぞれ1,120MHzと1,266MHzであったRadeon RX 480より高速化している。

 メモリについては、8GB GDDR5メモリを備えている。メモリスピードは8Gtpsで、256bitのメモリインターフェースで接続することにより、256GB/secのメモリ帯域を実現している。その他、消費電力の指標であるBoard Powerは185Wとなっており、150WであったRadeon RX 480よりも35W高い数値となっている。

【表1】Radeon RX 580の主なスペック
モデルナンバーRadeon RX 580Radeon RX 480
アーキテクチャPolaris(第4世代GCN)Polaris(第4世代GCN)
GPUダイサイズ232平方mm232平方mm
製造プロセス14nm FinFET14nm FinFET
Compute Units36基36基
ストリームプロセッサ2,304基2,304基
テクスチャユニット144基144基
ROPユニット32基32基
ベースクロック1,257MHz1,120MHz
ブーストクロック1,340MHz1,266MHz
メモリ容量8GB GDDR54GB/8GB GDDR5
メモリスピード8Gbps7Gbps以上
メモリインターフェイス256bit256bit
メモリ帯域256GB/sec224GB/sec以上
Board Power185W150W

検証機材 ~ Sapphire製のオーバークロックモデルをテスト

 今回、AMDより借用したRadeon RX 580は、オーバークロック仕様を採用したSapphire製ビデオカード「NITRO+ RADEON RX 580 8G GDDR5 DUAL HDMI / DVI-D / DUAL DP OC W/BP」だ。

 95mmファンを2基備える大型GPUクーラー「Dual-X」の冷却性能を利用し、Radeon RX 580の動作クロックを最大1,411MHzまでオーバークロックして搭載。補助電源コネクタには8ピンと6ピンを各1系統ずつ備えており、PCI Expressスロットからの給電と合わせて、最大300Wの電力を供給可能となっている。

 今回のテストでは、このビデオカード本来のオーバークロック仕様を「Radeon RX 580 OC」、SapphireのGPUユーティリティ「TriXX 3.0」を用いてリファレンス相当にダウンクロックした状態を「Radeon RX 580」として、それぞれベンチマークテストを実行する。

Radeon RX 580を搭載するSapphire製ビデオカード「NITRO+ RADEON RX 580 8G GDDR5 DUAL HDMI / DVI-D / DUAL DP OC W/BP」
基板裏面には金属製のバックプレートを搭載
補助電源コネクタは8ピンと6ピンを各1系統ずつ備えている
ディスプレイインターフェイス。DisplayPort×2、HDMI×2、DVI-D×1
GPU-Z実行画面。GPUの最大クロックが1,340MHzから1,411MHzにオーバークロックされている
SapphireのGPUユーティリティ「TriXX 3.0」。これを用いて、GPUクロックをリファレンス相当に引き下げた際のデータも取得する

 Radeon RX 580の比較対象には、第1世代のPolaris採用製品である「Radeon RX 480」のほか、NVIDIAの「GeForce GTX 1060 6GB」と「GeForce GTX 1070」を用意した。このうち、ASUS製のオーバークロックモデルであるGeForce GTX 1060 6GBについては、ASUSのGPUユーティリティを利用して、リファレンス仕様に近い動作モードである「Silent Mode」に設定した上で、GPUのベースクロックをリファレンス仕様に合わせる調整を行なっている。

Radeon RX 480のリファレンスボード
Radeon RX 480のGPU-Z実行画面
GeForce GTX 1060 6GBを搭載するASUS製ビデオカード「DUAL-GTX1060-O6G」
GeForce GTX 1060 6GBのGPU-Z実行画面。GPUのベースクロックをリファレンス仕様相当までダウンクロックしている
GeForce GTX 1070を搭載するASUS製ビデオカード「TURBO-GTX1070-8G」
GeForce GTX 1070のGPU-Z実行画面

 今回のテストでは、Windows 10 Creaters Update(バージョン1703)を利用している。同バージョンではゲーム体験の向上を図る「ゲーム モード」が追加されているが、同機能を利用した際の各ベンチマークテストの動作について、十分に確認する時間がとれなかったため、今回はゲーム モードを無効にしてテストを実行した。

 Radeon RX 580のグラフィックスドライバについては、AMDよりレビュアー向けに提供された専用バージョン「Radeon Software Crimson ReLive Edition (22.19.147.0)」を利用している。比較用GPUについては、Radeon RX 480は「Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.4.2 Optional」、NVIDIA製品は「GeForce Game Ready Driver 381.65」を利用した。

 そのほかのテスト機材については、以下の表の通り。

【表2】テスト機材一覧
GPURadeon RX 580Radeon RX 480GeForce GTX 1070/1060
CPUCore i7-7700K
マザーボードASUS ROG STRIX Z270F GAMING (UEFI: 0906)
メモリDDR4-2400 8GB×2 (2ch、17-17-17-39、1.2V)
システム用ストレージPlextor PX-128M8PeG (128GB SSD/M.2-PCIe 3.0 x4)
アプリケーション用ストレージOCZ VTR180-25SAT3-480G (480GB SSD/SATA 6Gbps)
電源玄人志向 KRPW-TI700W/94+ (700W 80PLUS Titanium)
グラフィックスドライバRadeon Software Crimson ReLive Edition
(22.19.147.0)
Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.4.2 Optional
(22.19.157.3)
GeForce Game Ready Driver 381.65
OSWindows 10 Pro 64bit (Ver 1703/Build 15063.138)
ゲーム モードオフ
電源設定高パフォーマンス
【表3】各ビデオカードのテスト時動作仕様
GPURadeon RX 580 OCRadeon RX 580Radeon RX 480GeForce GTX 1060GeForce GTX 1070
ビデオカードベンダーSapphireAMDASUS
製品名NITRO+ RADEON RX 580 8G GDDR5 DUAL HDMI / DVI-D / DUAL DP OC /BPリファレンスボードDUAL-GTX1060-O6G (Silent Mode+ダウンクロック)TURBO-GTX1070-8G
ベースクロック1,120MHz1,506MHz
ブーストクロック1,411MHz1,340MHz1,266MHz1,722MHz1,683MHz
メモリ8GB GDDR56GB GDDR58GB GDDR5
メモリスピード8.0Gbps
メモリインターフェイス256bit192bit256bit
メモリ帯域256GB/sec192GB/sec256GB/sec
Intel Z270 チップセット搭載のASUS製マザーボード「ROG STRIX Z270F GAMING」

ベンチマーク結果

 それでは、ベンチマークテストの結果を確認していく。今回実施したベンチマークテストは、「3DMark (グラフ1~6)」、「VRMark (グラフ7、8)」、「ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク (グラフ9)」、「Ashes of the Singularity (グラフ10)」、「オーバーウォッチ (グラフ11)」、「アサシンクリード シンジケート (グラフ12)」、「The Witcher 3: Wild Hunt (グラフ13)」、「ダークソウル3 (グラフ14)」、「Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands (グラフ15)」、「Watch Dogs 2 (グラフ16)」。

 まずは定番ベンチマークテストである、3DMarkのテスト結果から見ていこう。

 DirectX 12テストの「Time Spy」で、Radeon RX 580はRadeon RX 480を約5%上回り、OC動作ではその差を約9%まで広げている。競合となるGeForce GTX 1060 6GBには、リファレンス相当の動作で約2%、OC時に約5%の差をつけた。比較製品の中で唯一ハイエンドに分類されるGeForce GTX 1070には約32%の差をつけられており、Radeon RX 580が同GPUと競合する製品でないことは明らかだ。

 DirectX 11テストの「Fire Strike」の結果は、Time Spyでの結果に近い傾向となっており、Radeon RX 580がRadeon RX 480とGeForce GTX 1060 6GBを上回った。

 より描画負荷の低いテストである「Sky Diver」でも、競合との差が縮んでいるもののRadeon RX 580がRadeon RX 480とGeForce GTX 1060 6GBをリードしているが、DirectX 10相当のテストである「Cloud Gate」では、GeForce GTX 1060 6GBがスコアを伸ばしてRadeon RX 580を逆転している。

【グラフ1】 3DMark - Time Spy (2,560×1,440ドット)
【グラフ2】 3DMark - Fire Strike Ultra (3,840×2,160ドット)
【グラフ3】 3DMark - Fire Strike Extreme (2,560×1,440ドット)
【グラフ4】 3DMark - Fire Strike (1,920×1,080ドット)
【グラフ5】 3DMark - Sky Diver
【グラフ6】 3DMark - Cloud Gate

 VRMarkでは、現行のVR環境を想定した「Orange Room」と、超高解像度テストの「Blue Room」のテスト2種を実行した。

 Orange RoomでのRadeon RX 580は、Radeon RX 480に約4%、GeForce GTX 1060 6GBを約3%の差で上回り、OC動作ではそれぞれの差を約8%と約7%に拡大している。いずれのGPUもOrange Roomの基準フレームレートである109fpsを大きく上回っており、現行のVR環境での性能が期待できる結果だ。

 5K解像度で実行される超高負荷テストのBlue Roomでは、Radeon RX 480との差を約6%に拡大した一方で、GeForce GTX 1060 6GBには逆に約3%の差をつけられ逆転されている。OC動作ではGeForce GTX 1060 6GBをわずかに逆転し、Radeon RX 480との差は約10%に拡大した。ただ、これらのGPUはいずれも30fpsを割り込んでおり、Blue Roomの基準フレームレートである109fpsにまったく届いていない。性能不足で実用的ではない状況下での差である点を考慮すべきである。

【グラフ7】 VRMark
【グラフ8】 VRMark (Frame Rate)

 ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマークでは、描画品質をDirectX 11の最高品質に設定し、フルHD、WQHD、4Kの3画面解像度でテストを実行した。

 Radeon RX 580は、Radeon RX 480に約3~5%の差をつけており、OC動作ではスコア差を約6~8%に拡大している。一方、GeForce GTX 1060 6GBには約8~13%の差をつけられており、OC動作でもGeForce GTX 1060 6GBのリードを約5~10%に縮める程度で、逆転には至っていない。

【グラフ9】 ファイナルファンタジーXIV: 蒼天のイシュガルド ベンチマーク

 Ashes of the Singularityでは、画面解像度はフルHDに固定し、APIをDirectX 11とDirectX 12の2パターン、描画品質をStandardとCrazyの2パターン、合計4パターンの設定でベンチマークテストを実行した。

 全体的な結果としては、DirectX 11ではRadeon RX 580に対してGeForce GTX 1060 6GBが優勢で、DirectX 12になるとRadeon RX 580がフレームレートを伸ばして逆転している。

 少々奇妙な結果に見えるのが、「DirectX 11、描画品質Standard」という設定におけるRadeon RX 580とRadeon RX 480の性能差だ。僅かな差とはいえ、Radeon RX 480がRadeon RX 580を上回るという結果になっている。同じDirectX 11でも描画品質Crazy時にはRadeon RX 580が5~9%リードしていることや、DirectX 12でもRadeon RX 580でも優勢であることから、恐らくはCPUなどのGPUコア性能以外の要素にボトルネックが生じた結果と思われる。

【グラフ10】 Ashes of the Singularity: Benchmark (ver. 1.50.24210)

 オーバーウォッチでは、フルHD、WQHD、4k、以上3つの画面解像度でテストを実行した。描画品質については、プリセットで「Epic」を選択した上で、レンダー・スケールを100%に固定している。

 Radeon RX 580は、Radeon RX 480より約3~5%高いフレームレートを記録しており、OC動作では約6~8%に差を広げている。競合との比較ではGeForce GTX 1060 6GBが優勢で、フルHDで約26%、WQHDで約18%、4kで約12%という差をつけてRadeon RX 580をリードしている。Radeon RX 580はOC動作でわずかに差を縮めているが、オーバーウォッチでは、GeForce GTX 1060 6GBがはっきりと優位な結果となった。

【グラフ11】オーバーウォッチ (ver. 1.10.0.2.35780)

 アサシンクリード シンジケートでは、画面解像度をフルHDに固定し、描画品質プリセットから、「標準」、「非常に高い」、「最高」の3種類を選択して、フレームレートの測定を行なった。

 Radeon RX 580のRadeon RX 480に対するアドバンテージは約2~4%、OC動作ではこの差が6~8%に拡大する。競合のGeForce GTX 1060 6GBには、「標準」設定で約1%、「非常に高い」で約14%、「最高」で約16%の差をつけられている。OC動作で「標準」でのフレームレートは逆転しているものの、それ以外では1割前後のリードを維持されている。

【グラフ12】アサシンクリード シンジケート(ver. 1.51)

 The Witcher 3: Wild Huntでも、画面解像度をフルHDに固定した状態で、描画品質のプリセットから「中」、「高」、「最高」の3種類を選択して、フレームレートの測定を行った。

 Radeon RX 580は、Radeon RX 480に約6%の差をつけてリードし、OC動作ではその差を約9~10%に拡大している。これは、GPUの最大クロックの差に近いものであり、GPUクロックの向上が素直に性能に反映された結果と言える。

 GeForce GTX 1060 6GBとの比較では、約2~6%のリードを許しているものの、OC動作では「中」と「高」での差を約1~2%に縮め、「最高」では逆に2%の差をつけ逆転している。

【グラフ13】The Witcher 3: Wild Hunt (ver. 1.31)

 ダークソウル3では、描画品質を「最高」に固定し、画面解像度をフルHD、WQHD、4kの3種類に設定して、フレームレートの測定を行なった。なお、このゲームでは最大フレームレートが60fpsに制限されている。

 フルHDではいずれのGPUも60fpsに張り付いており、性能的には差のない結果となっている。各GPU毎の性能差が生じ始めるのはWQHD以上の画面解像度であり、WQHDではRadeon RX 580はRadeon RX 480に約4%の差をつけ、OC動作では差を約9%に拡大している。GeForce GTX 1060 6GBには約10%の差をつけられ、OC動作でも約6%リードされている。

 4k解像度の結果では、なぜかRadeon RX 580がRadeon RX 480に逆転され、OC動作でさらに差が開くという結果になっている。もっとも、Radeon RX 480の記録した25fpsに対して、24fps、あるいは23fpsになったという程度の話であり、快適なプレイが望めないという点では差のない結果であるとも言える。4K解像度では、GeForce GTX 1060 6GBも25fpsに留まっており、この価格帯のGPUで動かせる設定ではないということだろう。

【グラフ14】ダークソウル3 (ver. 1.13)

 Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsでは、画面解像度をフルHDに固定して、描画プリセットから「中」、「非常に高い」、「ウルトラ」の3種類を選択して、同ゲームのベンチマークモードを実行した。

 ここでは、OC動作のRadeon RX 580がRadeon RX 480とほぼ同等の平均フレームレートを記録した「ウルトラ」設定での結果を除き、Radeon RX 580がRadeon RX 480を下回るという結果となった。それも、「中」や「非常に高い」では7~10%もの差をつけられているという結果であり、誤差というにはあまりに大きな差がついている。

 ほかのテストでは見られない結果だけに不思議ではあるが、Radeon RX 480に適用しているグラフィックスドライバの「Radeon Software Crimson ReLive Edition 17.4.2 Optional」の方が、Radeon RX 580のレビュアー向けドライバより、バージョンの進んだものとなっているため、このあたりで差が生じている可能性はある。今後、Radeon RX 580に対応した正式なドライバがリリースされれば、Tom Clancy's Ghost Recon Wildlandsは改善されるはずだ。

【グラフ15】Tom Clancy's Ghost Recon Wildlands Benchmark (ver. 2236483)

 Watch Dogs 2では、画面解像度をフルHDに固定して、描画プリセットから「中」、「超高」、「最大」の3種類を選択して、フレームレートの測定を行なった。

 もっとも描画負荷の軽い「中」では、Radeon RX 580とRadeon RX 480の間に有効な差がついているとは言いがたいが、「高」や「最大」ではそれぞれ約7%と約5%の差をつけており、OC動作ではこの差が約9%に拡大しており、順当に性能は向上している。

 競合のGeForce GTX 1060 6GBにはリードを許しており、「高」では約5%、「中」と「最大」では約14~16%の差をつけられている。OC動作でもこの差を逆転するには至っていない。

【グラフ16】Watch Dogs 2 (ver. 1.011.174.6.1009368)

 最後に、システムの消費電力を測定した結果を紹介する。

 アイドル時の消費電力は、Radeon RX 580が35Wで比較製品中もっとも高く、逆にもっとも低かったのは28Wを記録したGeForce GTX 1060 6GBだった。最大と最小の差は7Wであり、この差を意味のあるものとしてみるかは、人によって判断が分かれるところだろう。

 ベンチマークテスト実行中のピーク電力については、比較製品中もっとも高い数値を記録したのがOC動作のRadeon RX 580で、そこから5~10%程度低い消費電力だったのが、リファレンス相当にダウンクロックしたRadeon RX 580だった。

 この結果には、オーバークロック仕様のビデオカードを検証に用いたことが少なからず影響しているが、Radeon RX 480の150Wから185Wへと、Board Powerが35W引き上げられていることを考えると、電力効率が劇的に改善しているというわけではないようだ。結果として、競合であるGeForce GTX 1060 6GBには、実消費電力で大きな差をつけられてしまっている。

【グラフ17】 システムの消費電力

妥当な性能向上を果たしたPolarisのマイナーチェンジモデル

 以上、Radeon RX 580の性能をチェックしてきた。一部ドライバの熟成不足と思われる結果があったものの、第1世代のPolaris採用製品であるRadeon RX 480から、クロック向上に相当する性能向上が確認できた。劇的な改善はないものの、マイナーチェンジモデルとしては妥当な性能向上と言ったところだろう。

 AMDはRadeon RX 500 シリーズについて、2年以上前のGPUを使い続けているユーザーに対して14nmプロセスで製造されたGPUへの移行を促すための製品群であるとしている。すでにRadeon RX 480を所有しているユーザーのアップグレード対象にはなり得ないが、Radeon R9 300シリーズ以前のGPUを使っているユーザーにとっては魅力あるGPUとなるだろう。