レビュー

驚異的な薄さと軽さを実現した「ZenBook 3」フォトレビュー

ZenBook 3

 ASUSは、薄型軽量を実現した12.5型モバイルノート「ZenBook 3」を10月下旬に発売する。価格はオープンプライスで、税別店頭予想価格は下位モデルが139,800円、上位モデルが184,800円からとなっている。今回発売に先だって製品をお借りできたので、取り急ぎ写真を中心としたレポートをお伝えする。詳細な来週掲載するであろうHothotレビューを期待されたい。

 ZenBook 3は宇宙工学にも使われるアルミニウム合金を採用することで、ASUSが競合と位置付ける12.5型の「MacBook」より軽い910gを達成。また、競合製品はCore m搭載モデルが多い中Core i7を搭載し高性能を維持。その一方で3mmの薄さを実現したファンとヒートシンクにより、最薄部で3.5mm、最厚部でも11.9mmという驚異的な薄さを実現している。

 実物を手にした印象だが、この特殊なアルミ合金による高い剛性はすぐに体感できる。これだけの薄さでありながら、どこを持っても安心できるたわまない硬さはさすがだ。薄さで910gという数値ほど軽く感じず、ぎっしり詰まっているという印象だが、実測値はそれを期待を裏切らない。カバンに入れてしまえば重さが気になるということはないはずだ。

 特殊アルマイト加工された表面は非常に高品質。天板は同社のZenシリーズを踏襲する美しい同心円ヘアラインで、光の当たり具合次第では、夜の星の軌跡をも彷彿とさせる。中央のASUSのロゴは金色で、液晶のフチも金色のダイヤモンドカットとなっており、非常に高級感がある。この完成度なら、確かにジョニー・シー会長がわざわざ日本の発表会に来て、自らアピールしたい気持ちになるのも頷ける。

 液晶表面はゴリラガラス4を採用しており、安心できる強度を誇る。枠とフラットになっているため、操作中どうしてもタッチをしたくなってしまい、ついつい指が伸びてしまうが、残念ながらタッチパネルは搭載されていない。表面は光沢処理されており、強い環境下ではやや反射がキツく感じるかもしれない。

 本製品のアピールポイントにもなっているストローク0.8mmのキーボードだが、確かにMacBook以上のストロークは感じられるものの、ポメラDM200の1.2mmと比較すると浅い。しかしクリック感は十分で、キーピッチも十分確保されているので、初めて触る際でもタイプミスが少なかった。ストロークに関しては長時間の利用で慣れてきそうではある。

 もっとも感心したのはタッチパッドだ。精度が高いのかポーリングレートが高いのか分からないが、一般的なタッチパッド以上にポインタが気持ちよくキビキビ動き、止めたいところでピタッと止まる印象だった。筆者はこれまで多数のタッチパッドを試してきたが、はっきり言って「これならマウスはいらない」と思ったのはMacBook Airだけだった。しかしZenBook 3の気持ちよさはこれをも上回る。Windowsノートの中でもトップクラスな作りである。

 さて、読者がもっとも気になるのは動作中の騒音と熱だろう。今回短時間の試用であったため、本体をセットアップした程度にしか動かしていないが、負荷がかかった時のファンの音は静かな部屋でちょっと聞こえるぐらい、アイドル時はほぼ無音だった。このファンは温度上昇に対してリニアに反応するため、いきなり回転数が跳ね上がるといったことはなく、騒音に関しては連続して高負荷をかけるといった環境下でもなければ全く気にする必要はないだろう。

 一方、熱に関しては、本体右側底面に集中(上から見た場合)し、キーボード右上部と右のパームレストも少し上がる。手の方は気にならないが、腿の上に乗せた状態では腿の方がちょっと気になるかもしれない。長時間利用や負荷が高い時は、机で作業した方が良いと思われる。

 さすがパワフルな第7世代Core i7プロセッサとSSDを使用しているだけあって、普段の作業は快適に行なえる。普段は会社や家などでメインマシンとして使い、出かける時はスタイリッシュにキメたいといった欲張りなユーザーにおすすめしたい製品である。

製品パッケージ
中にもう1つのパッケージが
中のパッケージの表面の手触りがとってもよく、ついつい触れてしまいたくなる
パッケージを開けたところ
ZenBook 3の天板。ASUSロゴを中心に同心円状のヘアライン加工が施されている
金色であしらわれたASUSのロゴ
高級感のあるヘアライン加工
金色のダイヤモンドカットエッジ
加工精度が高く、手にした時の満足感が得られる
右側面。本体の薄さがよく分かる
インターフェイスはUSB 3.0 Type-Cのみ。ディスプレイ出力機能も備える。また、電源LEDとバッテリLEDもついている
前から見たところ
左側面はヘッドセット用の3.5mmミニジャックを装備。ディスプレイが開く角度はこれぐらいが限界
本体後部も薄い
ヒンジ部にさり気なく入った「ZENBOOK SERIES」の表記
本体底面はソリッドな仕上げ。人によってはシルク印刷やシールがいただけないかもしれない
廉価モデルとは異なり、足も筐体色と共通だ
ネジはトルクス
底面にもスピーカー用の穴が用意されている
キーボード。キーには余裕があり、タッチタイピングも難なくこなせる。いびつな形のキーも少ない
電源ボタン右下にLEDインジケータがあり、電源状態を知らせる
Caps Lockキーの右端にも装備されている
フライトモード有効時に光るインジケータも備える
harman/kardonのエンボスロゴ
タッチパッドは大きく、余裕がある。ただし左右クリックはパッド一体型
右上に指紋センサーを搭載する
キーバックライトを搭載し、暗所でも視認可能だ
液晶は非常に鮮やかで見やすい
表面にゴリラガラス4を採用。視野角は広いが、反射はややきつい
液晶下部にZenBookのロゴ
スピーカー付近は一見穴がいっぱい開いているが、実はスピーカー開口に必要な部分だけで、残りはドットパターン印刷だ
液晶上部にWebカメラを搭載。左右にマイクの穴も見える
キャリングケースも付属する
こちらは付属のドック。あわよくば本体色と共通化して欲しかった
USB Type-C、HDMI出力、USBが利用できる
付属のUSB Type-C ACアダプタ
残念ながらプラグはたためない
ACアダプタは5V/2Aまたは12V/2Aまたは20V/2.25A出力