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IDEケーブルに緑基板!レトロなケース「FLP02」で'90年代風自作PCを組む
2026年4月28日 06:06
また編集部から変な依頼が来た。前回は、SilverStoneのレトロ風横置きPCケース「FLP01」を使った自作を行なったが、今回はその派生モデルである「FLP02」を使って古いタワーPC風のマシンを作ってほしい、というものだ。
目的は分かったが、今と昔の自作PCは何が違ったのか?
まずは「FLP02」について簡単に説明しよう。これはレトロ風タワー型のPCケースで、本体色も最近のケースでは見ないアイボリーとなっている。また、5インチベイが3つあり、そのカバーが5インチFDDのようなデザイン。電源スイッチやファンのターボモードなど1990年代風を漂わせつつも、前面USB Type-Cや360mm水冷ラジエータに対応など最新のトレンドやパーツも対応できるようになっている。
さて、悩んだのは構成だ。最新構成が組めるPCケースなのでもちろん最新のRyzen 9 9950X3D2 Dual Editionで組んでもいいのだが、せっかく組み立てるなら面白く組みたい。
そのため、まずは自作PCで昔と今でどこが変わっただろうか?という違いについて考えてみた。
1つ目は電源の配置だ。昔のケースは電源がマザーボードの上部に来ていた。最近のケースはほぼすべて電源は下部に配置されていること。
2つ目は裏配線と内部の色だ。今や魅せるのに当たり前になった裏配線も、昔はなくすべて表で配線していた。またマザーボードや拡張カードの基板の色は緑などが多く、24ピンケーブルも線ごとに色が異なっていたが、今はブラックやホワイト一色になっていること。
3つ目は拡張カードだ。今はネットワークカードや、サウンドはオンボードが当たり前だが、昔はオンボードされていないマザーボードが多く、拡張カードを挿して使っていた。ほかにもモデムやSCSIなど最近は使っていないカードなどもあり、とにかく拡張スロットの数が重要だった。
あくまで自分が自作を始めた1998年ごろを思い出して書いているので多少間違っている部分があるかもしれないが、細かいところは突っ込まないでほしい。
電源の配置はさすがにFLP02のレイアウトの都合により変更できないので、可能な限り表で色付きのケーブルを配線し、拡張スロットをとにかく埋めよう!というコンセプトで進めることにした。さらにレトロなケースに合わせた周辺機器も用意することにした。
今回用意した主要パーツ
まず用意した内部パーツはこちら。マザーボードは緑色がいい!とわがままを言ったところ、Supermicroの「X12SCA-F」が送られてきた。現在、小売市場で買える緑基板のマザーボードはほとんどなく、ASUSの「Pro H610M-C D4-CSM」があったが、今回は都合により手配できなかったので、古い世代で勘弁しほしい。
CPU(Xeon W-1290PのES)も取り付けられた状態で編集部よりきたのでそのまま使うことに。ただし背面パネルのカバーがなかった(編集部によれば誤って処分したかもとのこと)。CPUクーラーは手持ちでお気に入りの「Samuel 17」を使用した。LGA1700世代のCPUには正式対応しないが、今回のマザーにも使え性能も十分だった。
次に拡張カード。「ビデオカードは昔は1スロット占有だろ」、ということでATIの「All-in-Wonder X1900」を送ってもらった。しかしこちらは結局動作せず、諦めて手持ちの「Radeon RX 6800」を利用した。
そのほかにもLR-LINKの10Gigabit Ethernetカード「LREC6860BT」、CreativeのPCIのサウンドカード「Sound Blaster Audigy LS」、IDEの光学ドライブを使うためのPCIe接続のエアリア製IDE拡張カード「SD-PEIDEJ-1IL」も用意。やはり昔のストレージといえばめんたいケーブルのIDEだろう。
ただ、HDDは見つからなかったが、IDEの光学ドライブは手元にあったプレクスターのCD-Rドライブと、東芝製のHD DVDドライブを使うことにした。またFDDも用意し、こちらはUSB接続変換を使う。
組み立ては“今ほど簡単じゃない”
早速組み立てをしていこう。CPUやメモリ、SSDの取り付けについては割愛させていただくが、注意するポイントはSupermicroのマザーボードは前面のスイッチやLEDの配線が今のマザーボードと異なるため、ケースがせっかく一体型コネクタを採用しているものの、アイネックスのピン配列変換ケーブルを使用しなければならない点。なお、2ピンは別で使用したためHDDのLEDのみ接続していない。
マザーボードをケースに取り付け、まずはこの前面I/Oを接続し、電源をケースに固定した。用意しておいた12V補助用8ピンとATX 24ピンの延長ケーブルをマザーボードに接続し、電源のケーブルをそこに接続した。
続いて拡張カードを差し込み、IDEケーブルの長さを確認した。というのも、PCIの1つ上のPCIeにカードを挿したかったが、フラットケーブルなら干渉しないが、カバー付きのケーブルではサウンドカード側に干渉するためだ。結局フラットケーブルでは届かないため、カードの位置を変更した。
次は5インチベイのドライブを取り付ける。FLP02のベイリーフはFDDのロック部を上げると外すことができる。こういうギミックは大好きだ。ベイリーフを取り外し、光学ドライブとFDDを取り付けた。
なお、プレクスターの光学ドライブは長さがあり、そのままでマザーボードに干渉したため一番上にした。こういう物理干渉系のトラブルも、昔のあるあるだ。
組みあがった内部は下の図だ。All-in-Wonderで組んだ時の画像も用意した。
まずなんといってもIDEケーブルの主張が強い!昔はマザーボードにIDEは2ポート(プライマリとセカンダリ)あり、バスを食い合わないようそれぞれにHDDと光学ドライブをつなげることが多く、FDDも含めてフラットケーブルが3つ出ていたのを思い出す。
また、24ピンの延長ケーブルや、カラフルな基板の色も、どこか懐かしさを感じられたのではないだろうか。拡張スロット部分も、裏側から見ると全部埋めることはできなかったが、それでも満足はできた。
@@mar|c04|せっかくつけたが、ほぼ活用できなかった光学ドライブ@@
続いて、周辺環境を用意する前に起動するかを確認した。IDE拡張カードはドライバを探し何とか認識した。
サウンドカードはドライバ以前に認識せず、当初は不良かと思ったが、PCIe→PCIの変換基板を使って接続したところ認識した。チップの相性ではないだろうか。ただ、ドライバはどうやってもダメだったので、飾りになってしまった。サポートが終わっている製品なので、この辺りは仕方ない。思えば無理にPCIスロットにこだわらなくてもよかったかもしれない。
プレクスターの光学ドライブは、なぜかトレイが開かなかった。おそらく壊れているのだろう。HD DVDドライブはCDの再生を確認できたものの、HD DVDメディアと再生ソフトが行方不明だったため確認できずに終わった。久しぶりにHD DVD見たかったなぁ。
いよいよデスクトップ環境を完全に整えて、1990年代後半の雰囲気に!
マシンは出来上がったので、最後に、デスク環境を整えて、Windows 95時代を再現したい。
まずは前回も使用したEIZOのブラウン管モニターを使う、それに加えて、昔のキーボードとマウスをそろえた。実は別々で探したのに、なぜかGatewayのロゴがあり、なつかしさを感じた。もちろんPS/2接続のためUSB接続アダプタを使って接続する。
また編集部から、これも使ってとRolandのMIDI音源、「SC-88VL」が送られてきたので設置。最後にスピーカーとマイクを置いて完成だ。
MIDIファイルを再生してみた。SC-88VLとはUSB接続のMIDI接続ケーブルを使用しPCに接続、TMIDI Playerで再生したところ、音が出るのを確認できた。当時はMIDI機器を使ったことがなかったため、これ以上の深掘りはしないが、とても新鮮だった。
自作PCの組み立てはいつも楽しい
今回はレトロ風ケースで1990年代後半の自作PC風マシンを組んでみたが、実際はもう少し年代が新しいかもしれない。
当時は拡張カード、光学ドライブの増設など、「これを取り付けたらPCがどう変わるのだろう?」というワクワク感があった。今はそうしたワクワク感が減ったが、代わりにケースの大きさ、カラー、などバリエーションがものすごく増え、デスクトップ環境に合わせて選ぶなどの楽しみが増えたような気がする。
そんな「自作PCにおける選択肢や楽しみ方の変遷」に思いを馳せながら、このケースを使ってみるのもいいかもしれない。














































