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「Windows+/」は万能だ!日本語IMEの“再変換”方法まとめ
2024年9月6日 06:06
勢いで日本語入力を確定してしまったけれど、本当に入力したいのは別の変換候補だった、ということが文章作成時にはよくある。せっかく入力したものをいったん消去して、改めて同じ文章を入力し直すのは結構面倒だ。
でも、実はそんなことをしなくても“再変換”できる機能が日本語IMEには用意されている。今回は「Microsoft IME」「ATOK」「Google 日本語入力」という3つのIMEにおける再変換機能の使い方を紹介しよう。
どのIMEでも使える万能な「Windows+/」
日本語入力時に変換候補を選んで確定してしまっても、同じ文を入力し直すことなく“再変換”できる仕組みが各IMEには備わっている。IMEごとにその操作方法は異なるが、IMEの種類を問わず共通で使えるショートカットキーも存在する。それが「Windows+/(スラッシュ)」だ。
「Windows+/」はMicrosoft IME、ATOK、Google 日本語入力の3つとも対応しており、そのうちGoogle 日本語入力のみ挙動が少し異なる。前者の2つは入力確定直後の文字列を選択していない状態、または以前から確定済みの任意の文字列を選択した状態で「Windows+/」を押すことで、未確定に戻り変換候補の一覧が現れるというものになっている。
入力確定直後に再変換できる文字列の範囲は入力内容によって変わってくるが、基本的には文節単位だ。たとえば「貴社の記者が汽車で帰社した」と入力した直後だと、最後の「帰社した」が再変換の対象となる。
対してGoogle 日本語入力では、確定済みの任意の文字列を選択した状態でのみ機能する。いずれにしても、改めて変換候補を表示して選び直せるという点は変わらない。いちいち文字を消し、入力し直すような手間を省けるわけだ。
Microsoft IMEは「変換」キーだけ
Microsoft IMEでは「変換」キーを再変換用のキーとして使うことができる。一般的にはスペースキーの右隣にあるのがそれ。1つのキーを押すだけでよく、右手親指が届きやすい位置でもあるので、「Windows+/」より使いやすいだろう。
入力確定直後に「変換」キーを押したとき、再変換できる文字列の範囲は「Windows+/」と同様に文節単位。任意の文字列を選択した状態で「変換」キーを押したときは、その全体が再変換の対象となる。
ただし、長い文章(数十文字程度。テキスト入力の環境などによる)を選択した状態で「変換」キーを押した場合は、再変換可能な文字数までに選択範囲が変更されたり、それ以降の文章が消えてしまったりすることがあるので注意しよう。
なお、設定で「変換」キーを再変換ではない別の機能に割り当てることもできるが、反対にほかのキーを再変換に割り当てることはできない。なので、利便性を考えるとデフォルト設定のまま使うのが良さそうだ。
ATOKは「Shift+変換」と「Ctrl+Backspace」
ATOKには、2パターンの異なる再変換方法が用意されている。1つは「Shift+変換」で、「Windows+/」と役割としては同じ。入力確定後の直前の文節を再変換できるうえ、範囲選択して再変換したいときにも使える。範囲選択は74文字以内にする必要があるようだ。
もう1つは「Ctrl+Backspace」(確定アンドゥ)で、こちらは入力確定した文全体を再変換できるようにするもの。最初に「Ctrl+Backspace」を押すと直前の文が未確定に戻り、再変換できるようになる。さらに続けて「Ctrl+Backspace」を押すと、それ以前の確定文字列の文節にも未確定の範囲を広げて再変換できる。
場合によっては押すたびに未確定範囲をどんどん広げられるというユニークな性質がある。その時々で対象にできる範囲は変わってくるが、長い文章でも最初から変換し直せる可能性があるので、うまく活用すればテキスト入力の効率が一段とアップするだろう。
ATOKではこうしたショートカットキーをきめ細かくカスタマイズできるのも強み。確定アンドゥを「変換」キー1つだけに割り当てるような設定もできるので、好みの押しやすいキーで再変換できるようにしておきたい。
Google 日本語入力は「Ctrl+Backspace」と「変換」キー
Google 日本語入力では、入力確定直後と範囲選択時とで使えるショートカットキーが異なる。まず入力確定直後に使えるのは「確定取り消し」と呼ばれる機能。デフォルトでは「Ctrl+Backspace」が割り当てられており、直前に入力確定した文全体を対象に再変換できる。
任意の文字列を選択しているときに使えるのは「変換」キー。範囲選択した状態で押すことで、その部分を再変換可能だ。入力確定直後の(文字列が選択されていない)状態では使えない。
以上のキー割り当ては、設定画面上で「MS-IME」(Microsoft IME)のプロファイルを選択しているときのものだが、再変換まわりの挙動は実際のMicrosoft IMEとは微妙に異なっているので、移行ユーザーは少し混乱してしまうかもしれない。
ただ、キー割り当ての設定自体は、ATOKほどではないとはいえかなり細かくカスタマイズできる。使い慣れたほかのIMEに限りなく近い設定や好みの設定にして操作性をさらに高めるのもいいだろう。
「Windows+/」で再変換の第一歩を
「変換ミスしてしまった!」というときには頭より先に指先が動いて、とっさにBackspaceキーなどで消去してしまいがち。IMEによって再変換に使える標準のキーが異なることもあり、最初のうちはなかなかスムーズに再変換の操作ができないかもしれない。
その意味では、とりあえず全IME共通で使える「Windows+/」だけでも覚えておけば、日本語入力の効率化に向けた第一歩を踏み出せるのではないだろうか。お気に入りのIMEの再変換方法を身体に覚え込ませるのはその後でも問題なし。少しずつ覚えていって長文作成をもっと楽にこなせるようにしよう。