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PCゲームなら「WQHD」っしょ!推しのワケとおすすめ製品10選
2023年7月28日 06:22
ゲーミングモニターの定義を問われれば、まずは高いリフレッシュレートが挙げられる。一般的なモニターのリフレッシュレートが60Hzなのに対し、ゲーミングモニターは120Hzや144Hzなどと高いのが特徴だ。これにより映像が滑らかになると同時に、対戦ゲームでより早く映像情報を得られるというメリットがある。
では高いリフレッシュレートに対応した上で、解像度はどうするか。ゲーミング向けとしては長らくフルHD(1,920×1,080ドット)が標準として扱われてきたが、最近ではPCはもちろん、PlayStation 5やXbox Series X|Sといった家庭用ゲーム機もフルHDを超える解像度に対応している。
家庭用ゲーム機で出力できる最高解像度は、今のところ4K(3,840×2,160ドット)で、リフレッシュレートは120Hzとなっている。もちろんPCでも4Kは出力できるし、144Hzなどより高いリフレッシュレートに対応するものもある。
ただ、PCで4Kかつ高いリフレッシュレートとなると、かなり高い処理能力が求められる。最新のゲームで画質を最高品質にした場合、ハイエンドゲーミングPCでも4Kで120Hzを維持できないものもある。
また4Kで高いリフレッシュレートに対応するモニターは、現状では10万円前後のものが多く高めだ。つまり、PCゲーミングで4Kのゲーミングモニターは、性能と価格の面でかなりハードルが高いのが現状だ。
そこで現在、最もバランスがいいと言われるのが、WQHD(2,560×1,440ドット)という解像度だ。フルHDよりは高精細で、高いリフレッシュレートの出力も4Kに比べれば低負荷で済む。PCのみならず家庭用ゲーム機でも出力可能な解像度となっており、汎用性も高い。仕事で使うにしても、フルHDでは物足りないという人のステップアップにちょうどいい。
ただし、フルHDを前提に作られたゲームではドットバイドットでの表示ができず拡大表示になるというデメリットもある。この辺りは各自がプレイしたいゲームの解像度対応がどうなっているかによるが、実際に使ってみれば拡大表示もそう違和感がないものが多いのも確かだ。
前置きが長くなってしまったが、今回はWQHD解像度で144Hz以上のリフレッシュレートに対応したゲーミングモニターの中から、価格や性能のバリエーションから10製品を選び出した。WQHDゲーミングモニターに興味がある方はぜひチェックしてみていただきたい。
なお各製品の価格は、Amazonにおける7月26日調査時点でのもの。価格の変動や在庫切れの可能性もあるので、購入の際にはご注意いただきたい。
(1)自作PCファンにはおなじみのブランド GALAX「Vivance-01」
(2)31.5型と大型ながら安価 LG「UltraGear 32GN650-B」
(3)より高速な180Hz Acer「Nitro XV271UM3bmiiprx」
(4)「FF XIV」推奨で超解像搭載 アイ・オー・データ機器「GigaCrysta X-GCQ271HA」
(5)31.5型湾曲1,000R MSI「MAG 325CQRF-QD」
(6)「LoL」コラボモデル AOC「AGON Pro AG275QXL/11」
(7)38.5型の大型湾曲 JAPANNNEXT「JN-39VCG165WQHDR-C65W」
(8)240Hzに高品質サウンド BenQ「MOBIUZ EX270QM」
(9)有機ELで240Hz Corsair「XENEON 27QHD240」
(10)最高速360Hz ASUS「ROG Swift 360Hz PG27AQN」
自作PCファンにはおなじみのブランド GALAX「Vivance-01」
ビデオカードのブランドとして知られるGALAXのモニター。GALAXブランドではマウスやヘッドセットなどゲーミング向けの製品を展開しており、本機もその中の1つ。
27型で165Hz対応の製品としては比較的安価ながら、計4つの入力端子がありスピーカーも内蔵。外見も狭額縁でシンプルなデザインながら、背面は少し凝っており、ゲーミング向けっぽさが出ている。
31.5型と大型ながら安価 LG「UltraGear 32GN650-B」
31.5型と比較的大型の製品で、DisplayPort接続時には165Hzに対応する。その割には実売4万円を切っておりコストパフォーマンスが高い。
応答速度は5msとしているが、黒画面を挿入することで残像感を減らす「1ms Motion Blur Reduction」を搭載している(120/144/165Hz時)。FreeSync Premiumにも対応。スピーカーは非搭載。
より高速な180Hz Acer「Nitro XV271UM3bmiiprx」
DisplayPort接続時には最大180Hzに対応。それでも価格は4万円強に抑えられており、少しでも高いリフレッシュレートが欲しいという人にはお買い得。
応答速度は1ms(GTG)だが、オーバードライブ設定をExtremeにした場合は0.5msに短縮するという。ただしこの際にはFreeSync Premiumは非対応となる。標準スタンドで左右90度のピボットに対応する。
「FF XIV」推奨で超解像搭載 アイ・オー・データ機器「GigaCrysta X-GCQ271HA」
DVDなどのSD画質の映像を写す際、解像度を上げて映像を鮮明にする超解像技術を搭載。超解像は設定で好みに合わせた調整が可能としている。
リフレッシュレートは最大165Hzで、DisplayHDR 400に対応。IPSパネルの派生型となるAHVAパネルを採用し、応答速度は最速1msと性能も十分。「ファイナルファンタジーXIV」のWindows版の推奨製品でもある。
31.5型湾曲1,000R MSI「MAG 325CQRF-QD」
31.5型で曲率1,000Rの湾曲モニター。曲率1,000Rというのは、半径1mの円が描ける形で、かなりの急カーブだ。
パネルは応答速度1msの高速駆動に対応したRAPID VAパネル。量子ドット技術も搭載し、発色にも優れる。リフレッシュレートも最大170Hzと少し高め。USB Type-Cからの映像入力にも対応する。スピーカーは非搭載。
「LoL」コラボモデル AOC「AGON Pro AG275QXL/11」
「League of Legends(LoL)」とコラボしたモデル。「LoL」の開発者と共同し、ビジュアルを最大限引き出す「LOLモード」を搭載している。本体デザインも「LoL」の世界観を踏襲し、「LoL」のプレイとシンクロするLEDライティングを搭載する。また、クイックスイッチリモコンでプリセットを即座に切り替えたりできるのが特徴だ。
もちろん本機は「LoL」専用というわけではない。応答速度1msのFast IPSパネルを採用し、リフレッシュレートも最大170Hzと、ゲーミングモニターとしても高性能。映像入力端子が合計4系統あるのに加え、4ポートのUSBハブを搭載するなど、端子類も充実している。
38.5型の大型湾曲 JAPANNNEXT「JN-39VCG165WQHDR-C65W」
38.5型と大型で、なおかつ湾曲パネルを採用。曲率はR3000でそれほど強くは曲がっていないが、それでも38.5型という大型モニターを近くで見た際にも、端まで見やすくはなるだろう。
入力端子はHDMIが3系統と豊富。USB Type-Cによる入力も可能で、65Wの給電にも対応する。スピーカーは非搭載。USB Type-Aポートはファームウェア更新用で、USBハブ機能は持っていない。
240Hzに高品質サウンド BenQ「MOBIUZ EX270QM」
HDMI 2.1を搭載し、ワンランク上のリフレッシュレート240Hzに対応すいる。FreeSync Premium ProやDisplayHDR 600などにも対応した高性能が魅力。
さらに内蔵スピーカーには5Wのウーファーも搭載し、5種類のサウンドモードの切り替えも可能。映像だけでなく音声にもこだわりが見える。
有機ELで240Hz Corsair「XENEON 27QHD240」
LG製の有機EL(OLED)パネルを採用した製品で、応答速度は0.03msと超高速。リフレッシュレートは240Hz。高色域や高コントラストも魅力的で、USB Type-Cによる接続にも対応するなど、機能面も充実している。
14万円超と高価な製品だけにドット抜けが心配だが、本機はドット抜けゼロ保証が付いており安心感がある。パネル部分が非常に薄いのも有機ELならではで、デザイン性にも優れる。ただしスピーカーは非搭載なので注意されたい。
最高速360Hz ASUS「ROG Swift 360Hz PG27AQN」
調査した範囲では最速となるリフレッシュレート360Hzに対応。応答速度1msのFast IPSパネルを搭載し、DisplayHDR 600に対応する。スピーカーは非搭載。
G-SYNCプロセッサを搭載し、システム遅延を計測できるNVIDIA Reflex Analyzer機能を使用できる。さらにバックライトを明滅して残像感を減らすUltra Low Motion Blur 2にも対応する(発売後のファームウェアアップデートで対応)など、NVIDIAの最新技術を満載した製品となっている。