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Webサイトの集客からおもてなしまでを包括的に支援するインバウンドマーケティング支援ツール「Sienca」とは?
2023年6月16日 06:18
Webサイトを運営していて、PVはずっと頭打ち、滞在時間や離脱率などさまざまなデータと日々にらめっこしているものの、それらのデータをどう活かしてよいか分からない。そんなWebサイト管理者は少なくないのではないだろうか。
また、具体的な施策のアイデアはあっても、やり方が分からないケースも多いはず。たとえば大手ポータルサイトやECサイトでよく目にする、ユーザーの属性に合わせたバナーの表示などは、いざ自分たちも導入したいと思っても、そもそも何から着手してよいか見当がつかないのではないだろうか。
こうしたWebサイトのインバウンドマーケティング周りの悩みを包括的に支援してくれる、Webサイト管理者御用達のツールが、今回紹介するクロスリスティングの「Sienca(シエンカ)」だ。実際にどのようなことができるのかを探ってみた。
インバウンドマーケティングを支援する「Sienca」
Siencaとは、クロスリスティングが提供しているインバウンドマーケティングのためのサービスの総称だ。
インバウンドマーケティングとは、自社サイトやオウンドメディアなどのコンテンツを通じて自社の製品やサービスに興味を持ってもらい、ロイヤル顧客として継続的な関係を構築するまでの施策を指す。近年はこれらのプロセスがオンラインで完結するようになりつつあるため、これらへの取り組みは企業にとって欠かせないものになりつつある。
そんなインバウンドマーケティングについて、NTTグループの中で15年以上にもわたって専門的なデジタルマーケティングを行なってきた同社が保有する豊富なノウハウを、誰にでも使えるサポートツールとして落とし込んだのが、このSiencaというわけだ。
Siencaはそのアプローチによって、大きく2つのプロダクトに分けられている。1つはSEOおよびコンテンツ発信による集客に効果を発揮する「Siencaインサイト」、さらにサイト上で顧客のエンゲージメントを最大化する「Siencaエンゲージ」だ。
SEOとコンテンツマーケティングを支援「Siencaインサイト」
まず「Siencaインサイト」から紹介しよう。これはインバウンドマーケティングでは入り口に相当する、潜在顧客に自社のサービスや製品を知ってもらい、サイトを訪れてもらうまでの集客を強化するツールの総称だ。
具体的には、自社サイトのコンテンツや自社ブログの記事ネタを発掘したり、SEOキーワードを選定するといった機能を備える。キーワード分析やサイト分析を通じて、どのようなコンテンツが求められているか、またどのようなタイトルで発信すべきかといった方向性を確定させるのに役立てられる。
これらの核となっているのが「トピッククラスター」と呼ばれる考え方だ。トピッククラスターは、「ピラーコンテンツ」と呼ばれるメイントピックと、それらを補足する「クラスターコンテンツ」と呼ばれるトピックで構成されている。
具体例を見てみよう。たとえば「ダイエット」というキーワードがあったとして、「ダイエット器具」や「ダイエットレシピ」がピラーコンテンツ、さらにダイレットレシピの先にある「ダイエットレシピ 簡単」「ダイエットレシピ おかず」といったキーワードの掛け合わせがクラスターコンテンツといった具合だ。
このSiencaインサイトでは、キーワードを入力することで、これらトピッククラスターを抽出できる。これらを活用すれば、どのような切り口やキーワードの掛け合わせが集客に効果的かが導き出されるのはもちろん、その結果想定される検索ボリュームや、検索結果における上位表示の難易度も表示してくれるので、コンテンツ制作の指針になるというわけだ。
また、競合他社が保有しているサイトやオウンドメディアのURLを入力するだけで、それらに含まれるコンテンツをトピッククラスター形式で閲覧する機能も備える。これを使えば、他社サイトを自社サイトと比較し、不足しているコンテンツを穴埋めしていくのに役立てられる。強力なライバルがいる場合、特に有効なツールと言える。
これらを駆使して、検索で上位を取れる確率の高いところからコンテンツを追加していけば、成果に反映されるスピードもより速くなる。逆に検索の上位に大手サイトが存在していてコンテンツを作っても流入が望めないのなら、敢えて回避するという戦略も立てられる。
このほかGoogleサーチコンソールとの連携によって、自社サイトへのコンテンツの検索輸入状況を把握し、SEOを意識したコンテンツのリライトに役立てることもできる。将来的にはGoogleサーチコンソールにない切り口での集計も行なえるようになるとのことで、楽しみなツールといえる。
なお、この「Siencaインサイト」、ツール自体は会員登録をすれば無料で使える。ここまでの内容で興味を持つようであれば、まずは試してみるとよいだろう。
Web上での接客を支援「Siencaエンゲージ」
もう1つのプロダクトである「Siencaエンゲージ」について見ていこう。これは前述のSiencaインサイトなどの施策を通じてサイトを訪れるようになった顧客に対して、Web上で適切なアプローチを行なうための、言うなれば接客ツールにあたる。
具体的には、初訪問のユーザーには初回のみ割引のバナーを表示したり、未ログインのユーザーには会員登録のメリットを訴求するバナーを表示したり、購入済みのユーザーには購入後アンケートへの協力をお願いするフォームを表示するといった具合だ。サイト内の各ページに専用のタグを設置することにより、これらのアクションを実現できる。
また、こうしたプル型の施策以外にも、特定の条件に合致したユーザーにメールやLINEといったメディアを用いてセール情報を送信するといった、プッシュ型の施策についても機能追加を予定している。これらは休眠ユーザーの掘り起こしに効果的だ。過去に行なったキャンペーンは好評だったが、そこで登録したユーザーの再訪問につながっていないようなケースでは特に有効だろう。
同社が手掛けた事例の中には、これらの施策により、売上が2.3倍、新規会員登録率が1.2倍、対象ページ来訪率が2.2倍の伸びを記録したケースもあるという。手動による煩わしい設定も必要なく、自動的に訴求を最適化でき、コンバージョン率を向上させられるというのは、Webサイトの運営側にとって実に魅力的だ。
ところで、こうした施策を行なうにあたっては、顧客データをサーバーに保存することから、セキュリティ面は最も重要だ。どれだけ高機能なツールであっても、ひとたび個人情報の流出などのトラブルが起これば、全てが水泡に帰してしまいかねない。
しかし、Siencaエンゲージでは、国内リージョンによるデータ保管環境により、最高水準の暗号化技術と安心のセキュリティ体制を提供している。競合のツールではコストを下げるために海外リージョンを使っている場合も少なくない中、同社はその点で抜かりがない。数百万人規模の会員を持つサイトでの接客実績も納得できるというものだ。
その一方で、知識がなくても安心して利用できるシンプルで優れた使い勝手を実現していることに加え、導入から運用、マーケティング支援まで専任コンサルタントによる手厚いサポートが受けられることも、同社の大きな強みだ。すでに自社で保有しているデータの取り込みや移行などもサポートしているので、これまで行なった施策が無駄になることもない。
インバウンドマーケティングを包括的にサポート
以上のように、インバウンドマーケティングを包括的にサポートする「Sienca」は、クロスリスティング社のデジタルマーケティング領域における20年近い豊富なノウハウをベースとしており、単なるツールの提供にとどまらず、効果を最大化できる実践的なサービスであることが特徴だ。
事実、同社によると、ツールだけを提供するというケースは意外と少なく、コンサルタントとして入って問題の解決に深く向き合ったり、またキャンペーン施策の実施にあたっては同社と共同で事務局を設け、ともに運営にあたることも珍しくないとのことだ。