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Windows 11「Moment 3」到来!追加された新機能はなんだ?

いくつかの新機能が追加されるビルド「22621.1776」

 Windows 11にいくつかの新機能が追加される。いわゆる「Moment 3」と呼ばれる更新によって、アクセシビリティを中心とした中規模の更新が適用される予定だ。

 本稿執筆時点(2023年5月17日)で、プレビューチャネルのインサイダー向けにリリースされているビルド「22621.1776」で新機能をチェックした。

アクセシビリティで大きな前進

 Windows 11に複数の新機能が追加される中規模のアップデートが登場する。派手な新機能は提供されないが、ライブキャプションの対応言語に日本語が追加されるなど、アクセシビリティを中心にした機能強化が図られている。

 Windows 11の登場からいささか時間がかかりすぎている印象はあるものの、音声の視覚化など、PCの利用のハードルになっていた部分が徐々に解消されつつあることは、デジタル社会の垣根を取り払う意味で大きな進歩と言える。

 現状、Windows 11の大規模な機能更新は、年1回(秋)実施される。ただ、今回のようにある程度の数の新機能も年数回提供される形となっている。

 実際、昨年秋に22H2がリリースされてから、少しずつ新機能が追加されており、記憶に新しいところでは、エクスプローラーのタブやBing AI対応、スマートフォン連携のiOS対応、Snipping Toolの動画対応などがすでに提供されている。

 今回のアップデートは、こうした中規模の機能更新の1つで、非公式な呼び方ではあるが「Moment 3」と呼ばれるものとなる。ビルド番号としては「22621.1776」で、「KB5026446」の適用によって更新される。

 詳細はMicrosoftのこちらのサイトで公開されているが、実際に使っていても変化に気づきにくい細かな更新が多いため、現時点で筆者宅の実機で確認できる新機能をピックアップして紹介する。

KB5026446の適用が必要

22621.1776の新機能

 今回追加された新機能はアクセシビリティを中心に、画面の表示やメニュー操作などを使いやすく変更するものとなっている。

 ユーザーによってロールアウトされる機能が異なるうえ、利用できる環境が限られるものもあるため、ここでは筆者宅の環境で確認できたものだけ紹介していることをご了承いただきたい。

日本語でのライブキャプションに対応

OSの機能として音声の文字おこしが可能。新たに日本語に対応した

 ライブキャプション機能が、中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、日本語、プロトガル語、スペイン語、デンマーク語、英語(アイルランド、その他の地方英語)、韓国語に対応した。

 [Win+Ctrl+L]キーでライプキャプションを起動し、対応言語をインストールすると、PCで再生された音声が自動的にテキストとして表示される。

音声アクセスコマンドの強化

複数の英語をサポート

 音声でPCをコントロールする音声アクセスの機能が強化された。残念ながら日本語に対応しないが、英語(インド)など、複数の英語がサポートされているのが特徴となる。また、ヘルプの記載がより丁寧になり、具体的な例が示されるようになった。

VPN接続時の通知領域のアイコン表示変更

通知領域のネットワークアイコンにVPN接続のアイコンが表示される

 VPN接続時に、通知領域のネットワークアイコンにVPNアイコンが追加されるようになった。ネットワークアイコンの左肩に青いシールドのマークが表示されるようになる。

時計に秒を表示可能

時計の秒表示が可能

 タスクバーの右端に表示される時計に秒を表示することが可能になった。ただし、消費電力が多くなるため、推奨はされない。

エクスプローラーのコンテキストメニューにショートカットを追加

コンテキストメニューにショートカットキーを追加

 エクスプローラーで右クリックしたときに表示されるコンテキストメニューにショートカットキーが割り当てられた。

 コンテキストメニュー表示後、キーボードのメニューキー(右下のCtrlの隣)を押すと表示される。基本的に、各機能名の頭文字となっている。

タスクマネージャーのライブカーネルメモリダンプを取得可能

リアルタイムのカーネルメモリダンプを取得可能

 タスクマネージャーのシステムプロセスで、リアルタイムのカーネルメモリダンプを保存可能。トラブルシューティングなどに活用できる。

タッチキーボードの表示方法を選択可能

タッチキーボードの表示方法を選択可能

 システムにキーボードが接続されていない場合に、タッチキーボードを表示することができるが、その表示方法を「常にオフ」「キーボードが接続されていない場合」「常に表示」の3つのオプションから選択可能になった。

コンテンツごとの輝度コントロールを設定可能

動作のタイミングを「バッテリ使用時のみ」など環境によって選択できる

 表示しているコンテンツごとに自動的にディスプレイを暗くしたり明るくしたりする機能の動作を設定可能。「バッテリ使用時のみ]などに設定できる。

USB4の設定を追加

USB4対応デバイスでは情報を確認可能

 USB4対応機でハブとデバイスの情報を確認できる設定画面が追加された。

「PrintScreen」キーの動作変更

PrintScreenキーを押したときにSnipping Toolを起動可能

 PrintScreenキーにSnipping Toolの起動を割り当て可能。1キーで多彩な画面キャプチャが可能になった。

マルチタスクの上限を設定

すべてのタブではなく、上限が20になった

 スナップや「Alt+Tab」を利用した際、複数タブを持つアプリ(ブラウザ)でいくつのタブをプレビュー表示するかを設定可能。従来はすべてのタブを表示できたが、上限が20になった。

OneDriveの容量を表示

OneDriveの容量を表示

 「設定」の「アカウント」でOneDriveの容量が表示されるようになった。

細部にわたって使いやすく

 以上、Windows 11のKB5026446(ビルドは22621.1776)で追加される機能を紹介した。表示や設定を使いやすく進化させた印象だが、日本語環境でスクリーンリーダーが使えるようになった点は、アクセシビリティの改善に大きな影響があると言えそうだ。

 また、今回は紹介できなかったが、このほかウィジェットのプレビューなども可能になっていたり、検索のパフォーマンスが向上したりするなどの改善も発表されている。

 Edgeが大きく変化するなど、アプリ側での進化も激しいWindows 11だが、今回の更新によって、より使いやすくなった印象だ。