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エッジAIペット検知がスゴク賢い! 爆安2,500円のネットワークカメラ「ATOM Cam」

~女子もニャンコも大喜び! そしておっさんは歓喜・感涙!

国内メーカーが手がける2,500円の高性能ネットワークカメラ「ATOM Cam」
アトムテック株式会社の「ATOM Cam」。メーカー直販なら1台2,500円(送料別)。写真ではUSBケーブル、USB ACアダプタ、取付金具と粘着テープが1セットですが、1台に1セット標準添付。それでも2,500円(笑)

 マジで2,500円!? うっそ! 安い!圧倒的に安い! それが日本のアトムテック株式会社から発売されている「ATOM Cam」というネットワークカメラです。あまりに安いので、解像度が低くて使いものにならないでしょ? と高をくくっていました。がっ! 即、懺悔。

 2,500円なのにハイビジョン映像で画角130度の超広角レンズを搭載。まじか! 夜になれば高感度赤外線カメラに切り替わり、赤外線投光器も点灯。うそでしょ? しかも音や映像の変化を捉えて、自動録画でサーバーにもSDカードにも記録可能。どんだけ~!

 いやいや、2,500円じゃ秋葉原でもSD映像の白黒カメラしか買えませんって! しかもこのATOM CamにはUSB ACアダプタにUSBケーブル、取り付け金具まで付属してるんです。

ペット見守りや防犯にお役立ち!
ペットカメラとしても防犯カメラとしても、定点観察カメラとしても優秀!

 驚くのはカメラ内部にAI演算ができるCPUを搭載しているので、人とペットを見分けたりできること! ペットカメラにありがちな「ペット映像を撮りました」というメッセージに浮かれて、スマホでカメラ見たら「子どもが早退してきたんかーい!」なんてことがありません。

 これまで何十台ものネットワークカメラをレビューしてきた筆者ですが、このカメラは数万円の製品と互角です。ペットや防犯用に高価な追従式カメラを買うなら、ATOM Camを10台買って死角をなくすことをオススメします。

ATOM Camは何台でも好きなだけ接続可能!
安いからたくさん買って死角を撲滅する作戦が使えるようになった! これは革命だ! レボリューション!

 まぁ、とにかくアホみたいに安いのに、アホみたいにスゲーので、ぜひこの記事を最後まで読んでいただきたい! 読んだら絶対欲しくなるからお覚悟を……。

【ペットの可愛い姿もバッチリ、大きく撮影できる!】

ネットワークカメラで何ができるの? リモート会議? いいえ。もっと夢とロマン、安心と安全があります

 「ネットワークカメラ」は、単体で映像をネットワークにライブ配信できるカメラ。ZoomやTeamsなどのリモート会議で使う「Webカメラ」と違ってパソコンが要りません。カメラ本体のなかにネットワーク通信モジュールと専用CPUが入っているので、自宅の無線LANにすぐ接続してライブ配信できます。

 電源はUSB。普通はUSB ACアダプタで電源を供給しますが、モバイルバッテリも使えるので、コンセントの場所に縛られることなく、どこにでも設置できます。なお筆者が実験したかぎりでは、カメラをタイムラプス(後述)で撮影した状態のまま、10,000mAhのモバイルバッテリで2日間駆動できました。

ATOM Camはスマホだけですぐに使える!
ATOM Camのネットワークカメラは、パソコンなしで無線LAN(Wi-Fi)に接続してライブ配信可能
電源はUSBなので、コンセントがない場所ではモバイルバッテリを使えば設置場所を選ばない
【ATOM Camで動体検知!】
緑枠は画面中で変化のある場所。非表示にもできる

 たとえば玄関や勝手口に設置しておけば、出入りする人をすべてフルHD映像で撮影し、動画をクラウドサーバーやSDカードに保存可能です。もちろんオフィスの監視カメラとして利用可能。映像はフルHDだから顔をはっきりと撮影でき、不審者も見分けられます。そして夜間は、高感度の赤外線カメラに切り替わるので、真っ暗闇でも赤外線LEDに映し出された人物や行為などがくっきり(白黒で)撮影可能です。

赤外線LED搭載で夜間にも強い!
映像はフルHD(1,920×1,080ピクセル)なので高精細。出入りしている人の顔もはっきりわかる
夜は赤外線ライトが光り9m先まではっきり見える。白黒だが十分鮮明な映像。カラーと赤外線カメラの切り替えは、自動でも手動でも可能

 とまぁ、ここまでならちょっと高性能なカメラでもできますが、ATOM Camのすごさは一味違います。キューブについたレンズの奥には「超高感度CMOSセンサー」を搭載しています。一般的なカメラだと夜になると白黒映像に変わってしまうか、「放送コードにかかる映像なのか?」というようなモザイク状のボロボロの映像になってしまいます。

【夜空もカラーで撮影できる!】
さすがに国際宇宙ステーションは撮影できませんでしたが、曇天のなかに輝く金星ともう1つの星が見えます

 ATOM Camは、常夜灯や月明かり程度あれば、カラー映像が撮影できます。タイムラプスを使えば、カラーで星空を撮影できるほどなのです。オフィスに備えた防犯カメラなら、非常口の電光表示や足元灯などがあれば、カラーでの撮影も可能です。ジュースの販売機や外の防犯灯の明かりでもあれば、昼間のように明るくカラーで撮影できるほどです。なお、カラーとナイトビジョンモードは、自動で切り替わりますが、アプリで強制的にモードを指定できます。

 ちなみに、ATOM Cam公式Twitterでもその夜景撮影の美しさを確認できます(大きなサイズの動画はこちらから)。


【ペット見守りカメラとしても優秀!】
ペットのお気に入りの場所や部屋全体を見渡せる場所に設置すると、ペット見守りカメラにもなる。カメラでペットの動きを検知したら自動的に録画する機能もある

 また、ペットの水飲み場やお気に入りの場所にセットしておけば、出先からスマホを経由してペットの様子を確認。またカメラに寄ってきたときは自動的に動画を撮影できるので、可愛いベストショットを見逃しません。さらに、ペットの鳴き声をモニターしたり、出先からスマホを使ってペットに声がけできるので感情も読み取れますし、ペットもご主人の声を聞いて大喜びです。

検出エリアを設定可能!
検出エリアを白枠で囲む(映像右側)とその範囲の動きのみに注目する。この場合キャットタワーに猫が上ったときに検出する。たとえばカーテンの揺れは無視して、赤ちゃんの動きだけに注目する設定も可能。また赤ちゃんの泣き声などの音に反応して録画もできる。いずれもスマホにプッシュ配信できるので見逃しがない

 赤ちゃんや小さい子ども、お年寄りの見守りにも活用可能。声を聞いたり声がけができるだけでなく、何か動きや大きな音がすると、スマートフォンへ即座にプッシュ通知されます。だから変化を見逃しません。またデジタル8倍ズームで遠くの様子も拡大して表示も可能です。さらに動きを検知する範囲を選択できるから、赤ちゃんのベッドだけをシッカリ見張って、風にたなびくカーテンは無視するということもできます。

ATOM Camがスゴイのは安さと多機能さと何にでも発展できる汎用性

 ATOM Camスゴさは「1台2,500円という衝撃的な安さ」によって、ほかのスゴさが薄らいでしまっていますが、すでに説明してきたように価格以外にもすごいところはたくさんあります。

 これまで20台以上のネットワークカメラを使ってきた筆者ですが、セットアップや使いやすさ、多機能さ汎用性などは、ネットワークカメラのなかでも抜きん出ています。

 ATOM Camの何がそんなにスゴいのか、以下その特徴や機能について挙げていきます。

とにかくセットアップが簡単

 一般的なネットワークカメラは、設定が面倒なものが多い! Wi-Fiのアクセスポイントを設定するために、一度カメラに直接Wi-Fi接続して設定、しばらく操作してまた元のセットアップ画面に戻ってつながったカメラを一覧から探したりというものが多いのです。非常に手間が多くウキー! とブチ切れそうになります。

QRコードで一発接続!
Wi-Fiのアクセスポイント情報をQRコードでスマホの画面に表示し、カメラでコレを撮影するとネットワークへの接続完了。WPSボタンを使うより速い

 でもATOM Camはアクセスポイントの情報をスマホの画面にQRコードで表示。これをカメラが読み取ってWi-Fiに接続してくれるので簡単です。これまでレビューしてきたネットワークカメラではQRコード方式は数製品しかなく、セットアップは一二を争う簡単・確実で驚きました。

シンプル・イズ・ベスト!
ATOM Camに親子関係はなく、理解が容易な上に、アプリでの扱いが非常に簡単

 またネットワークカメラのなかには、親機を設定して、それに子機としてカメラやセンサーをつなげるタイプがあります。でもATOM Camは親子関係がないので、設定も使い方もとてもシンプルです。

とにかく安い! たくさん使って死角をなくす

 ここ2年間のネットワークカメラには、トレンドが2つあります。とくにペットカメラが大きく変わってきました。1つはペットの気を引いてカメラの前に来るように、おやつを発射したり、レーザーポインタで床を照らしたりする機能です。

ネットワークカメラはいっぱいあるけれども……
さまざまなネットワークカメラ。写真はごく一部。なかでもここ2年のペットカメラの機能強化が激しく、ペットをおびき寄せるタイプと、ペットを追従するロボットカメラが登場してきた

 もう1つはカメラを走行させてペットを追いかけたり、ペットのいる方向に自動でカメラを左右左右に振って追従するタイプです。でもいずれも「定点カメラに比べたらマシ」って程度。たいていペットはカメラの死角で遊んでいて、姿が見えることはごく稀です。これはペットカメラを購入した人の「あるある」でしょう。

 とくに夏はなおさら。ペットと一緒に暮らす人はご存知のとおり、ワンちゃんやニャンコは、少しでも冷たいところを探しまわり、いつもは絶対に行かない玄関やお風呂場、階段の下などで、涼を取っているので、ほとんどカメラに写りません。

ペットも降参の全方位見守り体制!
ATOM Camなら安さを武器にして、ペットが行きそうなところすべてに設置する「大量設置で死角なし! 作戦」が有効。これじゃカメラから逃げて、ツメとぎとかイタズラできないニャ!

 でもATOM Camならコレまでのペットカメラでは使えなかった作戦が有効です。それは「たくさんカメラを据えつけ、カメラの死角をなくす」方法。カメラを4台つけても1万円。10台以上のカメラをつけると、ようやく自動追従式ペットカメラ1台と同じぐらいの価格なのです。

ペットカメラにも防犯カメラにも実験用にも使える汎用性

 防犯やペット用にカメラを何台もセットしても、スマホからカメラを切り替えて、それぞれをハイビジョン映像でモニターできます。また管理室にあるように、スマホの画面を分割して最大4台のカメラの映像を同時にモニターすることも可能です。カメラは20台でも100台でも何台でも登録できますが、あなたの目にはかぎりがあることに注意してください。

ATOM Camは4台同時表示が可能!
縦1列に大きく配置したり、画面を4等分にして4画面を同時表示したりが可能

 ご家庭の防犯カメラとして使う場合は、玄関や勝手口、ガレージへの通路などさまざまな場所に設置できます。オフィスなら、部署ごとに取りつけたり、受付など人の導線に併せて設置。真っ暗闇のなかでも赤外線LEDライト(人には見えないので撮影していることがさとられません)を照射するので、白黒ですがはっきり人の顔がわかるほど明るく写ります。

真っ暗でも全部お見通し!
赤外線ライトで暗闇でもはっきり見える
【わが子の夜更けの行動もバッチリ把握!】
夜中のペットの動きもはっきりと録画

 さらにセキュリティを強化するのが自動録画機能です。部屋に人が出入りしたりドアが空いたりと、映している画面に変化があったり音がすると、その瞬間から自動的に12秒間の映像を撮影してクラウド(インターネット上のディスク)に2週間保存できます。12秒じゃ短いって? 大丈夫! NAS(ルーターに接続して共有できるHDDやHDDレコーダの共有領域なども含む)への保存やクラウドへの保存時間の延長機能がそう遠くないうちに実装される予定です。

 本体にmicroSDカード(32GBまで)を差し込めば、2週間以上の保存も可能です。もちろん感度を調整したり、ドア周辺の動きのみ監視というような、場所の指定もできます。

【タイムラプスだって使えちゃう!】
タイムラプス機能を使うと、長時間の変化を短くまとめるムービーが簡単に作れる
時間を短縮したおもしろムービーも作れるうえに、自然観察などに超便利に使える

 さらに「タイムラプス」という機能を使うと、定点カメラとして1日の映像を1分にまとめたり、花の咲く様子を短いビデオにまとめたりといったことが可能です。何秒(または分・時間)に1枚写真を撮影して、いつまで繰り返すかを指定するだけで、簡単に撮影できます。自然などの観察実験にも使えますし、ペットが毎日どういう行動をしているか? などの観察にも便利です。

ここでちょっと目の保養。子猫を愛する女子にもATOM Camはうってつけ!

 ここまでおっさんのATOM Camへの思いの丈をぶつけてきたが、編集部から「猫も出てるけどちょっとおっさん度が高いですね」とか理不尽な要求が来たので、女の子にも登場いただくことにした! 以下、女性タレントの奥村茉実さんに少しだけATOM Camの使用感をレポートしてもらいました。


浅井企画のゲーム部に所属する女性タレントの奥村茉実さん。ストリートファイターVの大会の司会なども務めるほか、さまざまなメディアにも出演。弊誌配信のガチくんに!にもたびたび登場している

 PC Watchをご覧の皆様、はじめまして。浅井企画所属の奥村茉実と申します。今回、アトムテックさんの「ATOM Cam」を試用させていただきました。

 私は最近、子猫を飼いはじめたので、まずはその見守り用途で使ってみました。初期設定は、スマートフォンにアプリを入れて、指示に従って数ステップで終わり、とくに難しいことはありませんでした。

 設置については、本体が小さいのでどこにでも置けますね。デザインもかわいらしくて、インテリアにも溶け込むのがいいと思います。

子猫のを見守るATOM Cam。スマホへの通知でいつも安心!
こんな感じでケージ前にATOM Camを置いてみました
ペットがATOM Camに写ると、こんな感じで通知が来ます

 仕事で家を空ける時間が長いときもあり、まだ子猫なので、ちゃんとお水を飲んだり、トイレをしたりしてくれるか心配なときもあります。ATOM Camをペットケージの近くに置いてみたところ、トイレやお水の皿に猫が近付いたときにアプリから通知が届き、お水を飲んでいる様子なんかを動画で確認できました。これなら安心してお仕事に専念できますね。

通知が来たらそのときの様子が動画ですぐ見られる!
通知を開くと、こんな感じで動画を再生できます
ちゃんと犬猫を判断してくれてますね

 ナイトビジョンも試してみたところ、部屋を暗くしていても、ちゃんと撮れていてびっくりしました。電気をつけっぱなしにしていなくていいので、電気代も心配しなくていいです。

部屋が真っ暗でもバッチリ子猫ちゃんの様子がわかる!
ナイトビジョンを使うと、部屋がこんなに暗くてもちゃんと写ってました

 もう1つ、防犯用途でも試してみました。今度は部屋のドアに向けて設置して、ドアを開けてみたところ、それをしっかり検知して、スマートフォンに通知が届きました。そんなことは滅多にないと思いますが、これなら、万が一外出中に侵入されてもわかるので、一人暮らしの女性としてはすごく安心できますね。

女性の一人暮らしにも活躍!
ドアに向けて設置してみました
ドアの開閉を判定で防犯目的に利用できる!
緑の枠が出てるように、ドアが開いたのを検知してくれました

 今回はお試しさせてもらっただけですが、価格も2,500円ということで、気軽に買えるので、1台買いたくなってしまいました!


 奥村さんありがとう! そう、筆者のようなおっさんはともかく、か弱い女子とともに暮らすか弱い猫ちゃんにもATOM Camは有効なのです!

ATOM CamならAIやセンサーを活用してこんなことまでできちゃう

 それではそろそろおっさんの話に戻すことにしよう。あ、ちょっとそこの君、ページを閉じないで! チャンネルはそのまま!

 ATOM Camが一般的なネットワークカメラと決定的に違うのは、カメラのなかにコンピュータが組み込まれていることです。つまりかたちこそサイコロ型ですが、中身はディスプレイのないスマホのようなものなのです。

 だからATOM Camに内蔵しているアプリ(ファームウェア)を書き換えると、いろいろな機能を追加したり、ATOM Cam自体がAIになって賢く監視したり、買ったときにはなかったいろいろな機能を実現できます。

ATOM CamにはCPUやメモリが入ってる!
見た目は四角いカメラ。でもなかには画像処理エンジン+1.5GHz駆動のCPUに、128MBの(DDR2)メモリが入っているので、画像解析した結果をスマホに送ることも可能。裏にはWi-Fiモジュールも

 その代表例が、9月に提供予定のペット判定機能。多くのネットワークカメラでは、部屋のなかを撮影していると、動くものがあると全部撮影し、スマホに「動きを検知しました!」というメッセージを送ってきます。「お! うちの子の可愛い姿が見られるじゃん!」と喜んで、メッセージを開いてみると……。「ロボット掃除機が掃除してるやないかーい!」またあるときは「嫁の足やないかーい!」や「うちの子だけど、子どもやないかーい!」と。これはペットカメラを使っている方が、大きくうなずく「あるある」ネタです。

ATOM Camなら犬または猫を自動で判定!
スマホの通知や動画リストには、「モーション検知」と「犬猫検知」と区別され表示される

 しかしATOM Camなら期待を裏切りません! 一般的なカメラは、画面に変化があると、それをスマホに通知します。つまり「カーテンが揺らいだのか」、「人が入ってきたのか」、「ペットが通ったのか」を知るよしがないのです。

 でもATOM Camは、まずカメラ内部で画面の変化「モーションを検出」します。次に「それは人なのか? ペットなのか?」を判定するAI式のフィルタを持っているのです。だからスマホには「人を検知」、「犬猫を検知」と的確にお知らせできるのです。

 人でも犬猫でもなく「カーテンがゆれた」だけなら「モーション検出」とお知らせしてくれます。そのため、出先でムービーを見てて「がっかり意気消沈」することがありません。

 さらにおもしろい取り組みもあります。ATOM Camでは「AI人数カウント」なるサービスを9月中旬にβ版だが一般に利用できるように実装予定(※正式版では月額500円の利用料金が必要だそう。β版は無料)、お店を経営されている方なら、店内の全席を見渡せるところにカメラを設置すると、店内にいるお客さんをカウントして、店頭においてあるタブレットなどに「どうぞお入りください」、「ただいま満席なのでしばらくお待ちください」と自動的に表示することも可能。

 通常は画像を解析するために高性能なパソコンを別途用意しなければなりません。しかしこのサービスでは、カメラが定期的に専用サーバーに画像を送信。専用サーバーは画像から人を分析・抽出するAIを持っているので、人数のみをスマホ用アプリに通知します。ですから高性能なスマホも必要なく、最低限の投資でお店のIT化が可能。

 全国の店長さんは、正式版のリリースが待ち望まれるところです。

AI人数カウント機能を使った店内の人数カウントもできる!
店内を見渡せる場所にカメラを設置すると、入店者数を自動でカウントしてくれる

ユーザーとともにATOM Camを進化させる「Development Togther」

 ATOM Camのもう1つの特徴は、メーカーお仕着せのカメラを使うのではなく、僕らの意見でどんどん改良できるという点。それが先に説明したATOM Camはカメラであって、スマホでもあるというゆえん。

コミュニティの要望がATOM Camの新機能として採用!
Web上のコミュニティにはさまざまな意見が書かれている

 同社のサイトには専用のコミュニティがあり、「こんなことができるといいな!」、「こんな機能が欲しい!」、「ココが使いにくい」など、意見や議論が活発に行なわれています。ここで出た良いアイデアは、即アプリやファームウェアに実装できるというのがATOM Camの強みです。「私にはよくわからないから発言できない」なんてことはありません。率直なアイデアや意見を発言すれば、ほかのユーザーが「確かに!」と具体案を提案してくれるでしょう。

 一般的なメーカーなら、ハードはハード会社、ファームウェアは依頼したソフト会社が開発します。さらにスマホ用のアプリは販売や輸入代理店が発注したソフト会社が開発するため、足並みを揃えることはできません。会社をまたいで修正が必要な改良は、遅々として進まないのが世の常なのです(笑)。

 でもATOM Camはハードウェアは工場に直接指示を送ることができる体制を敷き、ファームウェアとスマホのソフトを自社開発しているので、機能強化が猛烈に速い! つまりコミュニティで議論されている機能が、ニーズが高ければ近い将来実装される可能性が非常に高いというのがATOM Camの大きな特徴なのです。

 たとえば、フォーラムでナイトビジョンモード時に赤外線のLEDライトをオフにしてほしいという要望があり、その理由としてカメラを窓のガラス越しに駐車場や庭など外の状況を撮りたいけど、LEDライトがオンだとガラスの反射で映像が真っ白になるからというものがあったそうです。アトムテックのなかの人がこれにしっかりと反応し、ナイトビジョンモードと連動するLEDライトのオン/オフ機能を追加しています。

 こういったエピソードは実際にフォーラムで見られるので、メーカーがしっかりと反応してくれていることがわかるでしょう。

ATOM Camならセンサーを選んで俺だけのIoTが作れる!

 ATOM Camはただのネットワークカメラではありません。現在アトムテックで開発を検討している別売りのセンサーを使って、たとえばサッシが開いたときや、廊下で人の動きを検知すると、室内のカメラで録画状態にしたり、大きなアラーム音を鳴らしたりといったことができます。

現在開発検討中のさまざまなセンサーをお披露目!
開発検討中のATOM Cam用のセンサー類

 現在開発が検討されているセンサーは数種類あります。またこれらのセンサーとデータをやりとりする無線モジュールがあります。この無線モジュールはカメラの背面に取り付け、ACアダプタなどは必要ありません。さらに登録した音声や警告音を鳴らすスピーカーがあります。

 たくさんあるセンサーのなかから、必要なものを購入すると自分にピッタリの防犯システムや、簡易的ではありますが話題のIoT住宅をカスタマイズできるのです。

 とりあえずまだまだ試作段階の仮製品なのですが、紹介していきましょう。

Bridge(無線モジュール)
L字型の無線モジュールをカメラ背面のUSBコネクタに差しこむと、各種センサーとデータをやりとりできる。センサーは廊下や玄関など電波状況の悪い場所に設置されることが多いため、ドアや窓、壁などの遮蔽物を迂回したり通過しやすいWi-Fiと違う電波を使う。このためこの無線モジュールが必要になる
T&H Sensor(温度・湿度センサー)
温度と湿度を監視するセンサー。後述するAlarm Sensorと組み合わせることで、温度に対する感度が鈍っているお年寄り世帯で、熱中症の警告音を鳴らしたりできる。カメラを窓やエアコンに向けておけば、きちんと熱中症予防できているかの確認なども可能。またIFTTT(イフト)という家電を制御できるスマホ用のアプリと連携させると、エアコンや扇風機を自動的にオン/オフしたりということも
Motion Sensor(人感センサー)
天井などに取り付け人の動きを検知。ビルの防犯やトイレに入ると自動的に照明がつくシステムで使われているセンサー。IFTTTと組み合わせて、トイレに入ったり、廊下を歩くと自動的にライトを点灯するといったことなどができる
Contact Sensor(開閉センサー)
ホームセキュリティなどでも使われている開閉センサー。2つに分割・結合ができ、ドアの開閉などを検知。たとえば留守中にドアが開いたらカメラで撮影したり、後述のAlarm Sensorで警告音を鳴らしたりできる。ペットの出入り用のドアにつければ、出入りするペットの映像なども撮れる
引き戸、サッシ、折り戸などどんなドアでも対応可能。冷蔵庫のドアの閉め忘れにも有効
センサーが2つに分かれたときに警告を発するようにすれば、デジタルチェーンロックとしても使える
Leak Sensor(水漏れセンサー)
底面についている2つの小さな電極に水が触れるのを検知。製品版で外で使えるかは不明だが、浅いトレイにこのセンサーを置いて置けば雨が降ってきたことを検出できる。IFTTTと連携させれば、雨が降ってきたらLINEで家族全員に「洗濯物を入れて!」などのメッセージを発信可能
Alarm Sensor(警告用ブザー/スピーカー)
センサーというよりスピーカー。ATOM Camと同じサイズで、USBの電源が必要(ほかのセンサーはバッテリ駆動)。人感センサーや開閉センサーと組み合わせて、侵入者に対して警報を発したり、お店などではドア開閉センサーとスピーカーを組み合わせて、「いらっしゃいませ!」というような音声を自動で流すことも可能かもしれない

 このようにATOM Camは、今後発売されるいろいろなセンサーや家電機器、IoTデバイスを組み合わせると、ペットの見守りシステムだけでなく、自宅に最適な防犯システムや、自分だけのオリジナリティあふれるのIoTシステムを構築できます。

 各センサーの状態の変化に対するアクションや、IFTTTとの連携は、プログラムやマクロの知識が一切なくても可能です。スマホの画面を見ながら指先1つで、近未来のIoTを体験できます。

 さて、ATOM Camがさまざまな可能性に満ちあふれていることがわかってもらえたでしょうか? これでなんと1台2,500円! ちょっとお財布の紐を緩めて使ってみたくなったのでは?

[制作協力:アトムテック株式会社]